ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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トップ  >  定例会と東京都青少年健全育成条例に関する学習会を開催しました。

 10月10日に都内某所で定例会と東京都青少年健全育成条例改正案に関するミニ学習会を開催し、10名以上が参加し、活発に議論を交わしました。

 ミニ学習会では、東京都青少年健全育成条例改正案に詳しい都の職員の方からお話を伺いました。以下、簡単に紹介します。

東京都の方針は、あくまでも発行者および販売者の自主規制を基本とする立場であり、その自主規制から漏れてしまった悪質なものを個別に指定している。件数は月に3〜4冊程度であり、その対象の多くは現在でも漫画である。今回の改正案に関して、あたかもはじめて漫画が規制されるという誤解が広まっているが、そうではない。

 ほとんどの都道府県に同種の条例が存在しているが、ゾーニング対象の指定の仕方としては、包括指定と個別指定がある。包括指定は、たとえば全体の10分の1以上が性的な描写であるなどの外形的基準にもとづいて規制対象を設定するもの。これは時間も費用もかからず容易にできるという便利さはあるが、具体的にどれが指定されているのかを行政の側は把握できないし、また内容をまったく吟味しないので、性表現の目的や文脈と無関係に有害物として指定されてしまう(つまり、たとえば性暴力を告発するものであろうは、性暴力を煽るものであろうが、区別されない)。個別指定は、個々の表現物を行政の指定した審議会などで検討したうえで、個別に指定対象を選定するもの。時間も費用もかかるが、どれが指定されているのかを行政の側が把握できるし、内容や文脈を検討したうえで有害性を判断するので、責任を持った指定ができる。多くの自治体は両方ないし包括指定の方を採用しているが(たとえば少し話題になった大阪府では両制度を併用)、東京都は個別指定のみを採用している珍しい自治体。

 しかし、従来の運用においては、わいせつ基準に準じて、性器が露骨に描かれている、性交や体液などの描写が露骨であるといった基準で指定されていた。それゆえ、子どもをみだりに性的対象として描くものや子どもへの強姦を肯定的に描くものであっても、性交や体液の描写そのものがそれほど露骨でなければ、不健全図書指定されないという問題が生じていた。運用基準を行政の側が恣意的に変えるのは法治国家として問題なので、従来のわいせつ基準とは異なる基準を盛り込んだ形で条例を改正するべきであるということになった。

 そこで、まず自主規制の基準に、18歳未満であることがその表現から明らかなキャラクターをみだりに性的な対象として肯定的に描き出すもの、というのを追加し、不健全図書指定の基準に、上記のもののうち、強姦など著しく社会的規範に反する行為を肯定的に描き出すものを追加した。

 以上の報告にもとづいて、参加者を交えて活発な議論が展開されました。その中でとくに、「今回の改正案は、都自身はそれほど自覚していないかもしれないが、ゾーニングの基準を、従来のわいせつ基準から子どもの人権という基準に転換するものであり、石原都政それ自体の問題性とは別に積極的に評価されるべきもの」、「都は、青少年の健全育成というパターナリズムの観点ではなく、もっと積極的に子どもと女性の人権という観点を打ち出し、世論に堂々と改正の正当性を訴えるべきだ」という意見が出されました。

 ミニ学習会のあとは、反ポルノ・スライドショーの内容検討会を行ない、定例会の終了後、参加者のみなさんと楽しく会食をし、その後は喫茶店で意見交換を行ないました。

 次回の定例会は11月14日です。

被害事実をご存じの方は、情報をお寄せください
ポルノグラフィによる人権侵害は想像よりはるかにたくさん生じていると考えられます。例えば、市販されているポルノ・ビデオからは、制作過程ですでにひどい人権侵害が行なわれていることを見てとることができます。

私たちは、ポルノグラフィによる被害を防止し被害者を支援する制度づくりをめざして、ポルノグラフィによる人権侵害の実態を明らかにする活動に取り組んでいます。被害事実をご存じの方は、どのような情報でもかまいませんので、研究会までお寄せください。
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