ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
2010年度の論文資料集10号。詳細はこちらより
 
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トップ  >  キャサリン・マッキノンさんの研究室を訪問
11月12日、私たちの会のメンバー2名が、ニューヨーク・マンハッタンのコロンビア大学ロースクールで今学期、客員教授として教鞭をとっているキャサリン・マッキノンさんの研究室を訪れ、今年の1月13日の「対話集会」以来、10ヶ月ぶりの再会を果たしました。
 周知のように、キャサリン・マッキノンさんといえば、性暴力の問題に1970年代から取り組んできた、アメリカの最も著名なフェミニスト法学者の1人です。今年1月に来日されたさい、私たちのAPP研究会との交流集会に参加していただきました。
 12日の午後、私たちがマッキノンさんの研究室を訪れると、マッキノンさんは、講演会で見るのとは違ったラフな格好で、私たちをあたたかく出迎えてくれました。私たちは、1月の東京での交流集会のお礼をあらためて直に述べることができました。
 マッキノンさんは、先ごろ出版されたマッキノンさんの教科書(ケースブック)『性差別』を使用した講義と、「9・11と国際法」というテーマの演習を担当されているそうです。
 さて、マッキノンさんの現在の研究および活動の主たる関心は、「女性の人権の国際法上の救済と、国際法上の権利の国内法への取り込み」ということでした。
 また、マッキノンさんによれば、ボストン在住のゲイル・ダインズさんの言葉どおり、アメリカの反ポルノグラフィ運動は組織としての活動はほぼ壊滅しているとのことでした。そして性暴力に取り組む運動は、現在では、たとえばマッキノンさん自身がそうであるように、活動の舞台を国際化させたり、あるいはDVの問題に取り組んだりと、分散しているとのことでした。
 そんな中で、ミネソタ州ミネアポリス市の反売買春・ポルノ団体、ESCAPEは、1980年代からの反ポルノ運動の灯を保ち続けている貴重な団体とのことでした。私たちの会のスタッフメンバーも寄稿したESCAPEの編集による新しいアンソロジー(近刊予定)には、マッキノンさんも寄稿を依頼されているそうです(もっとも、時間がなくてマッキノンさんの寄稿は実現しそうもない口ぶりでしたが)。
 さらに、性暴力をテーマにした学会や集会の話に話題が移ったとき、マッキノンさんは、女性の人身売買をテーマにした大きな学会が12月ごろ(未確認)にハワイで行なわれると言われたあとで、売買春やポルノグラフィを問題にせず、人身売買だけを問題にする近年の学会や運動体の風潮を、厳しく批判されました。「ポルノグラフィはけっこう、売買春は自由、人身売買は悪」というのは「精神的に分裂している」と。「すべて同じことが行なわれているのに、国境を越えれば人身売買で悪とされ、国内では人身売買ではなく、売買春であり自由である、というのは、私には理解不能です」。
 翌日、マッキノンさんの「性差別」の講義を聴講させていただきました。講義は、150人は入る教室で行なわれましたが、意外なことに学生の数は半分ちょっと程度でした。女子学生が出席者の半分を越えていました。
 その日の講義のテーマは、いわゆる「法定強かん(statutory rape)」(同意能力に達しない年齢の相手と性交を行なうと、強かん罪に問われる規定。日本では13歳未満、アメリカの各州では18歳未満)の規定の適否をめぐってでした。その規定をめぐる裁判所の判決が、いかにセクシュアリティに関する男女別のステレオタイプを前提にしているものかを暴いていく、スリリングな授業でした。
 また、80分の授業は、つねに学生との質疑を中心に行なわれ、どのような学生からの質問に対しても尊重の姿勢を崩さないマッキノンさんの姿が、非常に印象的でした。
被害事実をご存じの方は、情報をお寄せください
ポルノグラフィによる人権侵害は想像よりはるかにたくさん生じていると考えられます。例えば、市販されているポルノ・ビデオからは、制作過程ですでにひどい人権侵害が行なわれていることを見てとることができます。

私たちは、ポルノグラフィによる被害を防止し被害者を支援する制度づくりをめざして、ポルノグラフィによる人権侵害の実態を明らかにする活動に取り組んでいます。被害事実をご存じの方は、どのような情報でもかまいませんので、研究会までお寄せください。
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