暴力的アダルトビデオにおける
女性の人権侵害の調査・研究
(東京女性財団の助成事業に関する報告書)
ポルノ・買春問題研究会

1、調査・研究の目的

「性的自由」の名のもとに、昨今、ポルノグラフィや買売春を積極的に容認する言説がメディアの中で広く流布しています。しかし、そうした「性的自由」論は、基本的に、この社会の支配的ジェンダーである「男性」の観点からなされており、ポルノグラフィや買売春を通じて生み出される女性の性的抑圧や人権侵害に対してはほとんど無関心です。とりわけ、いわゆるアダルトビデオ(以下AV)と呼ばれている媒体の中には、出演女性(ときには出演男性も)に対する明らかな性的虐待が行なわれているものが多数存在しており、中には実際にレイプが行なわれているとしか思えないような内容のものまであります。こうした「作品」を作った監督たちは、虐待者として糾弾されるどころか、リアルな画像を作ったとして賞賛されさえしていています。

こうした中で、実際の暴力的AVを調査研究を行い、また出演者の証言を得ることで、こうしたビデオの問題点を明らかにし、社会問題化し、ひいては、女性の人権を守るための法的規制のあり方を模索することが、現在、切実に求められています。

2、実際の活動

3、ビデオの視聴と分析

4、まとめ

視聴・分析の結果

暴力やいじめの様態が多様で、監督がそうした行為を楽しんでいる様子がうかがえます。山下ビデオでは、最初に女性に男優がねちねちとしたインタビューをして女性を不快にさせ、女性が撮影を嫌がり始めると、レイプ担当の男優などが登場して有無を言わせずレイプし、あるいは、ゲロや汚物をかける。その後は延々と暴力・レイプシーンが続き、女性は完全に「物」として扱われます。

現状の問題点と今後の検討課題

以上のビデオから明らかなのは、よっぽどの大怪我や殺人でも起こらないかぎり、AVの撮影現場が事実上、合法的な暴力と虐待の場になっていることが問題です。またそれが「作品」として編集され、「商品」として流通し、さらにビデ倫の許可を経ていることから、ますます暴力と虐待の「合法性」「正統性」が強化される仕組みになっています。

したがって、こうした現状をより体系的に調査・研究するとともに、そうした「合法的」虐待を許さない社会的・法的な枠組み作り、女性の性的平等権にもとづいた「表現の自由」論の再構築をする必要があります。(2001年3月)