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ポルノ被害 : 「自分には異常な性癖が…」痴漢で5回逮捕された男の“心の闇”(2009.06.16)

日時: 2009-06-17  表示:4384回

「早く昔の○○(被告の実名)に戻ってほしい」

 証言台に立った男性被告(43)=東京都町田市=の兄が、故郷・大分に住む年老いた母の切実な思いを語ると、被告は唇をかみしめ、体を震わせながら泣き出した。電車内で女性=当時(20)=のふとももを触るなどしたとして、都迷惑防止条例違反の罪に問われた男性被告の初公判が15日、東京地裁で開かれた。

 検察側の冒頭陳述などによると、美容室3店舗を経営する被告は4月20日夕、自宅から渋谷の店舗に向かう途中だった京王井の頭線の車内で、女性が着ていたワンピースを下からめくり、ストッキングの中に手を差し入れたという。

 被告は7、8年ほど前から痴漢行為を繰り返すようになり、今回で逮捕は5回目。平成18年の前回逮捕時は執行猶予期間中だったことから、1年間ほど刑務所に服役している。

 「電車内で若い女性が近くに来ると、性的な欲求が高くなり、自然に手が伸びていき、自然に触ってしまうという悪い癖があるんです。自分には病的な部分があるんです」

 被告は訴えるような表情で、自らの“心の闇”を打ち明けた。

 被告が痴漢を繰り返すきっかけとなったのは、知人が貸してくれた痴漢もののDVDだったという。痴漢行為に興奮を覚えた被告はDVDで性的欲求を満たしていたが、物足りなくなって実際に痴漢をするようになった。

 出廷するため、仕事を休んで故郷から上京したという兄は、繰り返される弟の“愚行”に、怒りと悲しみを覚えているようだった。

 弁護人「弟がまた痴漢をしたと聞いてどう思いましたか?」
 兄「前回逮捕され、刑務所に入れられているのに『またか』と思いました」

 証言台で肩を落としながら、さらにこう続けた。

 兄「事件直前に実家に帰ってきて(仕事などの)愚痴をこぼしていたけど、一通りこぼして、『これからまたがんばってくれる』と思っていたのですが…」
弁護人「被告の今後のことはどう考えていますか?」
兄「今回のことは(人がたくさんいる)東京という環境も影響していると思います。この環境から離れさせるために、地元へ帰らせます」

 弁護人「被告はすぐにでも仕事を辞めて帰るということですか?」

 兄「はい」

 弁護人「今、被告にはどのようなことを思っていますか?」

 兄「もちろん罪は罪だから、今回のことを反省してほしい。度重なることで母がショックを受けているので、もう心配をかけないでほしい」

 弁護人「地元に帰ってくることに対してお母さんはどう思っていますか?」

 兄「『帰ってきて早く昔の○○に戻ってほしい』と言っています」

 兄が証言台に立った瞬間からはなをすすり始めていた被告。母の話が出ると、一段と涙があふれ出した。続いて始まった被告人質問では、痴漢をする原因や今後の更生方法について弁護人が尋ねた。

 弁護人「どのような仕事をしていたのですか?」

 被告「経営している美容室3店舗を巡回しています」

 弁護人「休みはありますか?」

 被告「月1回程度でほとんどありません」

 弁護人「過労やストレスが原因だったのでは?」

 被告「最初はそう思っていたのですが、今では自分に異常な性的嗜好(しこう)、性癖があったと思います」

 弁護人「今、振り返って自分がどういうことをしたと思いますか?」

 被告「卑劣で、女性にとって男性不信になるような行為だったと思います」

 弁護人「思いとどまることはできなかったのですか?」

 被告「前の(逮捕の)こともあり、我慢をしてその場から離れようとしたけど、込んでいて動けなかった。そのうち気持ちが高ぶって…」

 弁護人「捕まったとき以外も痴漢をしていたのですか?」

 被告「やっていません。ばれるとかばれないではなく、手を出してしまうと興奮の余りばれるまで触ってしまうのです」

 被告の痴漢行為に対する異様なまでの執着ぶりに、傍聴席は息をのむ。

 弁護人「今後、繰り返さないよう何をしますか?」

 被告「原点に戻り、環境を変えて必要なことをやっていきます」

 弁護人「『戻る』とは地元に帰るということ?」

 被告「はい。婚約者と別れることになりましたし、仕事も辞めますし、すべてを捨てて実家に戻り、自分の癖を治したい。もう2度と東京へは戻りません。知人から母がショックで口をきけなくなっていると聞いて、自分がそばで支えることが償いだと…」

 被告は婚約者がいたが、度重なる痴漢行為により婚約を破棄された。この元婚約者は美容室の共同経営者でもあり、店を閉じることも決まったという。

 兄は故郷へ帰ったら、「(被告に)病院で心理カウンセリングなどの更生プログラムを受けさせる」と話した。しかし、被告はすでにカウンセリングを受けた経験があり、どこまで効果があるかは未知数だ。

 被告は自分自身のことを「病的」と何度も言ったが、ショックを受けたという母の話を聞いている姿を見るに、心から後悔の念を抱いている印象を受けた。そうした母への思い、母の存在こそが、被告の心の病を治すカギとなるのではないだろうか。

 ただし、もちろん被害者への償いが最優先であることを忘れてはならない。

 検察官は懲役1年6月を求刑、判決は25日に下される。(福田涼太郎)

6月16日8時28分 産経新聞


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