FEM-NEWS 2022/5/27
5月26日、新宿東口で、アダルトビデオAV新法反対のリレートークをした。数多くの問題点が指摘されていたAV法案が、昨日(5月25日)、衆院内閣委員会で可決したと聞いて、急遽、集まった。残るは本会議のみだが、黙っていられないと声をあげた。そのなかから、ずっとこの問題にかかわってきた郡司真子さんの切実かつ深刻な訴えを紹介する。
【アダルトビデオ(AV)撮影被害者の団体である私たちは、3月の最初から声を上げていて、 18歳、19歳の取消権を求める署名活動もしました。 4万筆を超える署名が2週間ほどで集まり、 議員さんにロビー活動して、 省庁にもお願いして回りました。それでも実務者会議のヒアリングにも呼んでもらえず 最終的に素案が出来上がってから、 やっとヒアリングに呼ばれたんですが、その時には、 もう質問にも答えてもらえませんでした。
先日の官僚へのヒアリングの際には、 公序良俗の具体的な意味も示されず「性交禁止を入れたら、性交した人が救えなくなる」という、頓珍漢な回答でした。一番驚いたのが、貧困や性暴力被害者や逆境サバイバーなどの性的自傷、トラウマの再演などが搾取されている問題で、どうしても契約を拒絶できない被害者がいること、むしろそういう方々がほとんどであることを知っていたのか、 知っていて見捨てるのかの質問をしたのですが、 言い逃ればかりで、まともに答えられなかったことです。
条文はもともと、AV業者の自主規制の内容をベースに作られており ギャラ返還に関しても業者の産業としての存続ばかりに配慮した内容です。
これでは、被害者救済法ではなく、AV産業を守るための法律になってしまいます。付帯決議にも性交禁止と無条件無期限の取消権を共産党の本村議委員が頑張って交渉して入れてくれたのに、自民党から差し戻された時には性交禁止と無条件無期限取消権が赤線で消されていました。あまりにもひどい。 こんな状態ですから、2年後に性交禁止が入るとは信じられません。
実態を今から調査すると言いますが、 専門家や医師から提言されているのに、トラウマの再演の搾取に対するスクリーニングを条文に入れなかったことは、昔ながらの女衒がトラウマの再演を熟知し利用してきた悪魔のような慣習を残したいのかと、疑いたくな ります。私たちは、被害者団体として、次のことを求めます。
「本番性交禁止 性売買合法化禁止」「スカウト禁止」「犯罪フィクション禁止」「無期限無条件の取消権を」「性的画像記録の規定を」「トラウマの再演・性的自傷、発達特性のある人のスクリーニングと支援を」−−−郡司真子】
買春社会を考える会