Real Sound, 2020/12/16(水) 18:16配信
MindGeek?(カナダ)が所有する大手アダルトビデオサイト「Pornhub」が、未成年者を性的虐待する動画がアップロードされていたことが発覚したため、大半の動画を削除したことが分かった。
・対象は1000万本以上、決済会社がサービス停止し危機的状況に
「Pornhubは大半の動画を削除した」と『The Verge』が12月14日に報じている(参考:https://www.theverge.com/2020/12/14/22173858/pornhub-videos-removed-user-uploaded-visa-mastercard-verified)。
未確認のユーザーがサイトにアップロードした全ての動画が対象で、消去された動画は本数にして実に1000万本以上。1350万本から290万本に激減したという。
「これは、Pornhubのコンテンツは全て検証済みのアップロードであることを意味します。Facebook、Instagram、TikTok?、YouTube?、Snapchat、Twitter等のプラットフォームがまだ設けていない(厳格な)要件です」とPornhubは述べる。
2007年のPornhubローンチ以来、これまで、どんなユーザーもサイトにコンテンツをアップロードできた。今後は、より厳格に動画をアップロードするユーザーを管理するという。
最近、この呼び水となった告発があった。未成年者への性的暴力が撮影されていると見られる動画が、本人の知らないうちにPornhubにアップロードされたことが『New York Times』の先の報道で明らかになったのだ(参考:https://www.nytimes.com/2020/12/04/opinion/sunday/pornhub-rape-trafficking.html)。
その影響で、決済会社MastercardとVisaがPornhubへのサービスを停止し、同サイトは危機的状況に追い込まれている。
・アダルトコンテンツに向けられる厳しい目
この事態は、コロナ禍ですでに苦しんでいる性労働者のPornhubプラットフォーム上での貴重な収入源を圧迫するものだと、『The Guardian』は報じている(参考:https://www.theguardian.com/technology/2020/dec/14/pornhub-purge-removes-unverified-videos-investigation-child-abuse)。
Pornhubは告発の深刻さを認めているが、反対運動は「ポリシーや同業他社との比較ではなく、そもそもアダルトコンテンツ・プラットフォームだから標的にされている」と述べ反論する。反ポルノグループでは、National Center on Sexual Exploitation(アメリカ)等が知られている。
過去3年間に、Facebookは児童の性的虐待に関連する8400万件の事例を自己申告した。同じ期間に、独立したインターネット監視機関がPornhubで118件の事例を報告した。それに対してPornhubは「118件は多すぎる。1件もあってはならない。必要なあらゆる措置を講じています」と述べる。
匿名性の高いインターネット上では、違法なコンテンツの取り締まりが、なかなか追いつかないというのが、これまでの実情だろう。しかし管理が行き届いていないために、Pornhubの事業は大打撃を被り、抜本的な方向転換が求められることとなった。
今回の一件でリスク管理の重要性を再認識させられた。今後、この影響はアダルトコンテンツ業界はもちろんのこと、インターネット全体に波及する可能性があるだろう。