ポルノ・買春問題研究会
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製作被害 : AV強要問題の裁判、傍聴続けた元有名女優「国関与が必要か

日時: 2018-12-26  表示:71回

Withnews 2018年12月26日

 東京地裁で25日、アダルトビデオ(AV)業界が注目する判決がありました。業界の第三者委員会メンバーらと同じく、その裁判に毎回のように足を運んだのが、元有名女優で世界初となるDVDでのAV作品に出演した小室友里さん(43)です。引退から20年近く経っても「自分を育ててくれた」とAV業界に恩義を感じている小室さんですが、出演強要問題への業界の対応にはシビアな目を向けています。「生き残るためには国の関与が必要になってくるかもしれない」。発言の背景にある業界への危機感を聴きました。(朝日新聞記者・高野真吾)

自分と同じ19歳、夢を持つ少女が……

 ――東京地裁は25日、AV出演の仕事を紹介したとして職業安定法違反(有害業務の紹介)の罪に問われたAVプロダクション社長の国分恵介被告(37)に対し、懲役1年6カ月、執行猶予4年(求刑1年6カ月)の判決を言い渡しました

 「裁判長は、被告が『自分の行為の問題性を省みる姿勢も被害者の心情に思いを致す態度も甚だ不十分』と指摘していました。元女優の立場から、全くの同意見です。心から反省し、その気持ちを女性に示していれば、違った展開になったかもしれません」

 「被害者の女性は19歳で、モデルになりたい夢を持っていました。その夢につけ込まれ、だまされてAVに出てしまった。私は同じ19歳の時、芸能界に憧れ、事務所に所属しました。納得してAVに出ましたが、19歳で夢を持つ少女という同じ条件だったのが心に残ります」

「業界の一部で続いてきたやり方」

 ――判決ではAV制作会社からプロダクションに入金されたAV出演料のうち2割しか被害女性が受け取ってなく、「搾取の程度も著しく、この種行為の問題性が如実に表れている」と述べています

 「お金だけの問題ではないと理解していますが、2割は少ないです。女性を搾取している。今のギャラの水準だと、どんなに悪くても事務所6、女の子4ではないでしょうか。私はたくさん稼いでいたし、事務所には経費がかかることを分かっていた。事務所3分の2、私3分の1で納得できましたが」

 ――検察によると、被害女性は2015年4月に入学した学校を事件直後の2016年3月に退学したとのことです

 「これを自己責任というのは、あまりにも大人が見放しています。昔から納得していない女性を無理に出し、人生を大きく狂わせ、田舎に帰らせるような事例は見聞きしました。それなのにAV業界には女性の扱いの勉強をできていない人がいます。このプロダクションの問題というより、業界の一部で続いてきたやり方だと捉えています」

「事実から目を背けている」

 ――この裁判に複数回足を運んだ理由は?

 「私は現在、『ラブヘルスカウンセラー』として性に関する啓発活動を行っています。その関係で商工会議所や経営者の集まりなどでお話をさせて頂きます。OKであればAVの話をするのですが、AV強要問題に触れることが多くなりました。いま起きている信実を知りたいと、初めて裁判の傍聴にきました」

 ――AV強要問題に対する業界の反応をどう捉えていますか?

 「有名女優さんも含め、強要された、被害に遭ったと女性たちが立ち上がりました。私も私もと #MeToo? と声を上げた。しかし、業界の人たちの多くが他人事にしている事実にがく然とします。第三者委員会ができ、プロダクションの団体ができたことは知っていますが、それにしても事実から目を背けています」

 「20年前は業界の旗振り役になるボスがいました。いまは責任をなすりつけあっています。この業界が生き残っていくためには1回、毒を持って毒を制すではないですが、国の関与が必要になってくるかもしれません」

一部女優は「井の中の蛙」

 ――強要問題が表面化したのは、2016年3月に国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)が出した報告書がきっかけでした

 「一時期、その報告書に対して、現役女優の何人かが『あたしたちは楽しくやっているのに』という趣旨の発言をネットで出していました。『井の中の蛙(かわず)』の発言です。本番行為までしているAVはグレーな世界です。世の中でどう見られているかを俯瞰できてないと、こうした発言はマイナス発信でしかありません」

 「日本プロダクション協会は今年2月、女優を集め発足イベントを開いていますね。『適正プロダクションマーク』を女優に持たせたりしました。私には、強要問題をちゃかしているようにしか見えなかった。集まったお客さんも、女優に会いたかっただけでしょう」

業界「救いようのない方向に」

 ――現場に取材に行きましたが、会員プロダクションが守るべきルールが女優たちのコントで披露されました。同時にイベントの最後で、かなり時間を取ったファンによる写真撮影もありました。集まったメディアは限定的でした

 「世間一般からしたら、『なんじゃこりゃ』じゃないですか。救いようがない方向に業界が行ってしまったと感じます」

タレント化が問題の背景

 ――業界の現状に厳しい意見が続いています

 「私はAV業界に育ててもらった1人です。その証拠に、いまもAV時代の女優名を使い活動しています。業界に立ち直って欲しい思いがあります」

 「AV業界は本来、楽をしていい業界じゃない。人の尊厳や人の本質にかかわる性を扱うのですから」
 
 ――小室さんの目に「楽をしている」と映る背景には何があるのでしょうか

 「女優のタレント化でしょう。テレビに出て歌うなどのグループ活動を始めた団体が出てきた。そこにあこがれる女性がいて、アイドルに募集するみたいにAVに募集する流れが出てきた。入れ食いの投げ縄漁みたいに、女の子がどんどん入るようになった。この子は少し育てるけど、この子は適当に食って終わりとなってしまった」

デメリット聴いても来る女性こそ

 ――どうするべきなのでしょうか

 「(元男優でタレントの)加藤鷹さんとも共通意見なのですが、『覚悟がないやつは入ってくるな』と。誰でも簡単にできる(動画SNS)「TikTok?」(ティックトック)のようにAV業界が見えているようです。ですが、入ってから出演を続けるのはすごく大変で、狭い門になります。プロダクションは女の子にAVに出るデメリットも含め話す。私がそうだったように、デメリットを聴いても乗り越えてくる女性が来るべき業界にしていくべきです」

取材を終えて

 「AV業界には国の関与が必要だ」。この意見は、出演強要問題の被害者を支援する組織だけでなく、実はAV業界内部からも聴く。被害者支援団体は警察が取り締まれる今の法律の限界を指摘するが、一部のプロダクションは職業安定法違反などで摘発される現状を怖がっている。「線引きがしっかりした方が活動しやすい」との立場だ。

 国の関与を避けるためにAV業界が作ったのが、第三者委員会だ。その理事の1人は「強要問題と言われた中身の多くの部分は、顔バレ問題であったのではないかという印象を深めている」との所見を述べている。AVに出たことが周囲に分かってしまう顔バレ、身バレが起き、作品を消してもらうために「強要された」と訴えたとの見方だ。

 しかし、複数の被害者に取材した記者の私の立場からは、業界の一部がAV出演を強要してきたという根本的な問題から目を背けていると言わざるを得ない。

 AV業界の国の関与否定派は、「法律の網をかぶせると地下に潜る人たちが出て、AVがアンダーグランド化する」との意見を述べる。可能性はあるだろう。

 業界サイドが強要問題を直視することができなければ、聴くべき慎重意見があったとしても、小室さんが言うように「国の関与が必要になってくる」方向に議論は向かわざるを得ない。業界がその流れを食い止めたいのなら、小室さんの危機感を真に共有するしかない。

セクハラ : フォトジャーナリスト広河隆一氏への#Metoo 性的被害を訴え

日時: 2018-12-26  表示:59回

BuzzFeed? Japan 2018/12/26(水) 6:51配信

週刊文春が12月26日発売号で、著名フォトジャーナリスト広河隆一氏から性行為などを強要されたと複数の女性が告発した、と報じた。被害を受けたという女性の一人が、BuzzFeed? Newsにその支配関係と業界構造について語った。【BuzzFeed? Japan / 小林明子】

#MeToo? は届いたのか。2017年から声をあげた人、そして変わったこと

広河氏は1943年生まれ。パレスチナ問題、チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故などを取材し、現地で子どもたちの支援活動もしている。

2004年3月にフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」を創刊。数々の受賞歴もある。2018年11月、経営難と自身の体調、後継者不足を理由に、2019年2月をもって休刊し、発行会社を解散すると発表していた。

週刊文春によると、広河氏はフォトジャーナリストを目指してDAYS編集部に出入りしていた複数の女性に性的関係を迫っていた。中には大学生アルバイトもいた。

広河氏を尊敬していた女性たちは、指導を受けられなくなることや業界で力を持つ人物に睨まれることに不安を覚え、拒絶できなかったという。全裸の姿を撮影された女性もいた。

「セックスの最中は『これはしなきゃならないものだ』と自分に言い聞かせ“作業“としてこなしていましたが、一人になると、いろんな感情が込み上げてきました」
「ホテルへの誘いを断ったら弟子失格の烙印を押され、アドバイスをもらえなくなるんじゃないかと不安でした」
(当時、大学3年生だった女性。週刊文春より)

週刊文春の取材に広河氏は、複数の女性たちと性的関係をもったことは「いろんな形であります」と認めている。

同時に「無理やりではなかった」とも話している。

「望まない人間を僕は無理やりホテルに連れていきません」
「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしたのであって、僕は職を利用したつもりはない」
(週刊文春より)

女性たちは性的関係に同意していたのか。週刊文春の取材に証言した女性のうち一人が、背景にあった圧倒的な支配関係について、BuzzFeed? Newsに語った。

ホテルの部屋に呼び出された

女性は大学生だった10年ほど前、DAYS編集部でアルバイトをすることになった。

「フォトジャーナリストになりたいという夢を持ちはじめた頃でした。狭い業界の中でも広河さんは雲の上の上のすごい人で、神様のようなイメージでした。そんな人のつくるすごい雑誌の編集部で働けることがうれしく、できるだけ多くのことを学びたいと意気込んでいました」

初めて編集部を訪れた日、帰り道で駅に向かっている途中、電話が鳴った。広河氏本人からだった。

「これが僕の携帯なので、これからもよろしくね」

手の届かないような人なのに面倒見がいいんだな、と感じたという。それから1カ月ほど経ってから、女性は撮影した写真を広河氏に見てもらう機会があった。

「写真が下手だから個人的に教えてあげるよ」

そう言われて、指導の場所として指定されたのは、東京・新宿の京王プラザホテルだった。

「カメラを持ってこいと言われたので、周辺の緑があるところで撮影するためにホテルで待ち合わせるのかなと思っていました」

ロビーに到着して電話をかけると、部屋に上がってくるように言われた。

「原稿が忙しいときはホテルにカンヅメになると聞いていたので、仕事場にしている部屋で待ち合わせなのかな、と思いました。尊敬していたし、当たり前のように信頼していたので、特に大きな疑問は持ちませんでした」

ドアを開けると、部屋はきれいに片付いていた。

「一言か二言しゃべったかもしれませんが、はいじゃあベッドに座って、という感じで、あっという間にキスをされて押し倒されました」

「最初はなんとか逃れられないものかと思っていたのですが、よしよしという感じで体を撫でられたときに、自分の心と体がフリーズしたような感覚になり、固まって動けなくなってしまいました」
やり過ごすしかなかった

女性がそんな状態になってしまったのには理由がある。

広河氏はDAYS編集部で、ささいなことで激昂し、理不尽にスタッフを怒鳴ったり罵倒したりすることが何度もあったという。

「そうなったらもう、刺激をしないように息をひそめ、嵐が過ぎ去るまでやり過ごすしかないというのがわかってきた頃でした。そのパワハラと同じことがセクシュアルな行為で起きてしまったのです」

性行為が終わると、広河氏は「これからモデルの子が来るからベッドをきれいにして」と女性に伝えた。モデルが部屋に着くと、「ストロボの使い方はこうやって」などと何事もなかったかのような態度で女性に写真を教えはじめた。

「何が起きたのか考えるすきを与えないというか、結果的に写真を教える約束は守った形になるわけですから、アリバイを作られたと感じました」

睨まれたら生きていけない

当時、広河氏をフォトジャーナリスト界の“神様“のような存在だと感じ、「見捨てられたくない」という思いが強かった、と女性は言う。

「フォトジャーナリストを目指す人にとって、学びの場所は限られています。広河氏は人脈が広く、有名人と知り合いであることを会話の端々ににじませていました。広河氏に睨まれて見捨てられたらこの業界で生きていけない、すべてが絶たれてしまう、という危機感がありました」

そんな中、ささいなことで突然、広河氏から「事務所を出ていけ!」と怒鳴られる出来事があった。

「写真で伝える仕事がしたかったのに、私の夢がすべて終わってしまう。最も業界で名が知られていて、最も人脈がある人に怒られてダメ出しされたらもうやっていけない、という強迫観念に近いような感覚になっていました」

絶望し、泣きながら歩いていたときに広河氏から電話がかかってきて、タクシーに同乗するように言われた。行き先は、新宿・歌舞伎町のホテル。

「こういうときは、体を重ねてわかりあうのが一番だから」というようなことを言われ、裸の写真も撮られた。

「こんなすごい人を怒らせたのが悪かったんだという罪悪感と、性行為をしてしまったことの嫌悪感。自分が何重にもダメだったんだ、という自責の念が頭の中をぐるぐるしていました」

その後、女性はDAYS編集部を離れる決断をした。深夜に編集部で広河氏と二人きりになった時、背後から抱きつかれて「挿れたい」と言われ、もう限界だと感じたからだ。

社員に電話で「理由は話せませんがもう明日から行けません」と伝えたとき、事情を察したような反応だったのが気にかかった。

「他にも被害に遭った人がいたのではないか、と思うようになりました。それでも、裸の写真を撮られてしまったことが怖くて、声をあげることはできませんでした」
フォトジャーナリスト広河隆一氏への#Metoo 性的被害を訴えた女性が語る、支配関係と業界改善の願い

BuzzFeed?
声をあげるのに10年かかった

2017年秋、#Metooのムーブメントが世界で広がった。

日本でも、ジャーナリストの伊藤詩織さんやモデルのKaoRi?さんの告発、さらに2018年4月に明らかになった財務省前事務次官による女性記者へのセクハラなど、報道や写真の業界でも証言が相次ぎ、BuzzFeed? Japanでも報じてきた。

女性は、広河氏から性行為を強要されていたという別の女性と連絡を取ることができた。

「ずっと自分のせいだと思っていたけれど、私だけではなかったのだとわかりました。10年の月日を経て、もう終わりにしよう、とようやく声をあげることができたんです」

BuzzFeed? Newsは12月25日、性行為の事実関係や性的同意の認識など6項目の質問状を、広河氏にメールとFAXなどで送信。複数回にわたって広河氏の携帯の留守番電話に伝言を残しているが、12月26日朝の時点で返答はない。

週刊文春の取材に広河氏は、「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしていた」と答えているが、女性はその言葉にある意味、納得したという。

「フォトジャーナリストになりたいと希望して広河さんの元に集まるのは、若い女性が多いです。それはあくまで仕事の面での尊敬なのに、自分の魅力だと勘違いしているような素振りが当時からありました」

当時、女性が交際相手を紹介したとき、広河氏は女性の耳元で「彼、僕に嫉妬しているよね」とささやいたという。

さらに、フォトジャーナリズム業界そのものに重層的な構造の問題もあると指摘する。

「報道写真の世界は、ザ・男性社会。女性が生き抜いていく難しさが大前提としてあります。師弟関係が強いのでハラスメントが起きやすい土壌でもあります。怒鳴られたり罵声を浴びせられたりした経験が、一部の成功した人たちの間で美談になってしまい、傷ついた人たちの声があがってきません。精神論で暴力が覆い隠されるのです」

「なんとなく問題が起きていることは知っていても、広河さんの人脈や影響力に忖度して沈黙してきた周りの人たちが、結果的に彼のバリアとなり、加害意識を持ちにくくさせていたのではないでしょうか」

活動の陰にあった犠牲

パレスチナやチェルノブイリ、福島などで、広河氏の活動によって支えられ、救われた人はたくさんいる。しかし、その活動の意義が賞賛される陰に、身近な女性たちの犠牲があった。

「広河さんの活動の大義名分のために、つぶされてきた声があることを想像してほしいです。#MeToo?が彼の活動をつぶすという批判もあるかもしれませんが、本当に意義がある活動なら、彼がやらなくても誰かが同じ活動をするはずです」

財務省前事務次官のセクハラ問題を機に発足した任意団体「メディアにおけるセクハラを考える会」の代表で大阪国際大学准教授の谷口真由美さんは12月26日未明、Facebook上でこのような声明を発表した。

<人権派のフォトジャーナリストを標榜していた人が、身近にいる女性の存在、そして人権をあまりに軽んじてきたこと、「私に魅力があるから彼女たちがホテルまでついてきた」、それにより「同意があった」と主張するのは到底看過することができません。

(中略)私たち「メディアにおけるセクハラを考える会」は、広河隆一氏の文春での応答は到底うけいれられるものではなく、また、被害者への二次被害がこれ以上拡大することのないよう、#MeToo? を合言葉に、被害をひとりで飲み込んでいた人に、「あなたは一人じゃない」と寄り添い、連帯する言説を日本社会で広げていきたいと考えます。

広河氏の仕事に敬服していた方におかれましても、そのことと、被害告発を正面から受け止めることは、矛盾しないことを認め、共に立ってくださることを期待します。党利党派ではなく、ひとりの人権の、尊厳の側に、私たちは立ち続けます>
業界に絶望するのではなく

女性は、同じような経験をした人やフォトジャーナリストを目指す人に少しでも伝わればと、こう締めくくった。

「自分が悪かったといまだに思い込んでいる女性もいます。報道によって昔のことを思い出して動揺する人もいるかもしれません。そういう人たちには、心と体をゆっくり回復させてほしい。必ずしも声をあげる必要はないし、あなたは悪くない、と伝えたいです」

「能力が高く、熱意も人一倍あった女性たちが、ボキボキと夢を折られていきました。あんなことさえなければ、社会に大切なメッセージを伝える人になってくれていたはずだと思うと、悔しいし、許せません」

「ただ、広河氏の件によって、フォトジャーナリズムや写真の世界すべてが絶望的なものだとは思わないでほしい。私は学生時代、写真を通して人とつながる喜びを感じることができました。いまメディアや写真に携わる人たちは、若手が育たないとただ嘆くのではなく、安全に学べる場所を作ってほしい。だからこそ、ハラスメントはもう終わりにしたいのです」


BuzzFeed? Japanは、性暴力に関する国内外の記事に「#metoo」のバッジをつけて発信し、必要な情報を提供し、ともに考え、つながりをサポートします。記事・過去記事はこちらにまとめています。

ご意見、情報提供はこちらまで。 japan-metoo@buzzfeed.com

児童ポルノ : 児童ポルノDVD購入の疑い 約870人を書類送検 (2018.1

日時: 2018-12-13  表示:111回

産経新聞 2018.12.11 19:24

 平成29年5月に警視庁などが摘発した国内最大規模の児童ポルノ販売サイトをめぐり、同サイトからDVDを購入し、所持したとして、児童ポルノ禁止法違反(単純所持)の疑いで約870人が全国の警察に書類送検されていたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。捜査の過程で一部の容疑者が子供に性犯罪をした疑いが判明し、そのうち少なくとも約20人が強制わいせつなどの疑いで15府県警に逮捕された。
 警察当局は児童ポルノが子供を狙った性犯罪の入り口になっているとみて、取り締まりを強化する。
 捜査関係者によると、警視庁などは29年5月、インターネットで児童ポルノのDVDを販売したとして、会員制通販サイト「厳選DVDショップありす」を摘発。同サイトは28年1月から29年4月にかけて約2億5千万円を売り上げていたとされる。
 警視庁が押収した約7200人分の顧客データには小学校教員や塾経営者、警察官や地方議員らが含まれていた。警視庁は事件化が可能と判断した約2700人分のデータを全国の警察本部に提供したという。

盗撮 : 盗撮、取り締まりに抜け穴 被害者「一生怯えて暮らすし

日時: 2018-12-02  表示:146回

弁護士ドットコムニュース 2018/12/2(日) 9:05配信

社内にカメラが仕掛けられ、盗撮されていたーー。都道府県によっては、こうした盗撮の被害を取り締まることができない可能性がある。今の日本には、盗撮自体を全国一律に規制できる法律がないことが大きい。

11月29日に東京都内で開かれたシンポジウム「性犯罪をなくすための対話」で、性暴力事件に詳しい上谷さくら弁護士は「被害者は一生怯えながら暮らすしかないと話している。盗撮は今ある法律や条例でなんとか対応している状態で、無理が生じている」と盗撮罪の創設を訴えた。

●都迷惑防止条例、盗撮行為の「規制場所」が拡大

現在、盗撮行為を規制する法令には、どのようなものがあるのか。

「公共の場所」での盗撮行為は、都道府県ごとに定められている「迷惑防止条例」に違反する。ただ、その内容にはばらつきがあり、規制場所を「公共の場所、または公共の乗り物」に限定する条例も多い。

上谷弁護士が「全国の都道府県条例の中で一番広い定義なのではないか」と指摘するのが、東京都の迷惑防止条例だ。

今年7月、改正都迷惑防止条例が施行され、盗撮行為の規制場所が拡大。改正前は公共の場所でないと取り締まれなかったが、新たに住居や学校、事務所やタクシー、カラオケの個室なども規制の対象となった。

しかし、上谷弁護士は「検察官などからは全部の盗撮を網羅できる条例はありえないという声もあった」とし、東京都のような比較的広く規制する条例であっても、起訴されない事案が出ることを危惧した。

●スマホ盗撮「ひそかにのぞき見た」にあたるのか

また、公共の場所以外での盗撮行為は、軽犯罪法違反に問われる。同法では正当な理由がなく、人の住居や浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た場合に処罰を科している。

ここで問題なのは、スマホでの盗撮が「ひそかにのぞき見た」に当たるのかどうかという点だ。上谷弁護士は「スマホで盗撮された場合に、密かにのぞき見るという点が真剣に争われた場合、盗撮ではないという判断が出てしまうのではないか」と懸念を示した。

●「盗撮ビデオ」強制的に没収や削除できず

盗撮被害は、公共の場所だけではない。強制性交等罪と強制わいせつ罪など性暴力の際に、犯行を盗撮される被害が相次いでいる。上谷弁護士の元には「性暴力被害とほぼセットで盗撮の相談が来る」という。

画像や動画がどこに保存されているかもわからないし、ネットで拡散しているかもしれない。ネットに上がっているかもしれない。全部はとても追いきれないが、被害者の中には、一日中ネットで検索して日常生活が送れない人もいるという。

こうした「盗撮ビデオ」の処分を巡って、争われた事件もある。

宮崎市のオイルマッサージ店の男性経営者が、女性客ら5人に性的暴行を加えたとして強姦罪などに問われた事件。男性は犯行の様子を無断で隠し撮りし、ビデオに録画、保管し、原本を所持し続けた。

最高裁は今年6月、隠し撮りをしたのは「犯行の様子を撮影録画したことを知らせて、捜査機関に処罰を求めることを断念させ、刑事責任の追及を免れようと認められる」と判断し、ビデオ没収を認めた。

この判断について上谷弁護士は「転機になった」と話すが、最高裁は「犯行の発覚を防ぐ」場合についてのみ言及しており、無条件に没収できるわけではなさそうだ。上谷弁護士は「個人的に楽しんだり、販売する目的での撮影録画だった場合、ビデオの没収がなされるのかは未知数だ」と強制的に没収したり削除したりできない現状の問題点を指摘した。

●盗撮動画、リベンジポルノ法で取り締まれる?

盗撮の取り締まりへの限界に悩むなか、上谷弁護士を驚かせたのが、10月下旬に警視庁が逮捕した事案だった。報道によると、トイレに入った女性を盗撮した動画をネット上で販売したとして、警視庁が東京都内の40代男性を「リベンジポルノ防止法」違反容疑で再逮捕したというものだ。

リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)の条文では、顔見知りや復讐目的であることに限定されていない。加えて、警察庁は施行後に「第三者による盗撮画像等」も対象になるといった通達を出している。

上谷弁護士は「リベンジポルノ法を適用して取り締まって欲しいという思いもある」としつつ、「法律の適用をそこまで広げていいのかという違和感もある。立法趣旨から外れているので、加害者側が裁判で争ってきた場合、負けやしないかと心配もしている」と話した。

ポルノ被害 : <AV問題>第三者機関が報告会 HIV感染の対応策は (

日時: 0212-01-20  表示:171回

毎日 2018/11/16(金) 23:00配信

 だまされてアダルトビデオ(AV)に出演させられる被害を防ごうと、AV業界の要請を受けて設立された第三者機関「AV人権倫理機構」が16日、東京都内で会見を開き、この1年間の活動報告をした。今年2月に始まった、家族にAV出演が知られてしまったなどの理由で作品の配信停止を申請できる制度では、8割が配信停止などの措置がとられたことなどを発表。また、同機構が先月に発表した出演者のHIV感染については、感染が広がるのを防ぐための対応などについて、理事から提言があった。【中嶋真希】

 同機構は、「AV業界改革推進有識者委員会」として2017年4月に設立。出演強要を防ぐためにメーカーやプロダクションが守るべき新ルールを同年10月に発表し、ルールを守って制作した作品を「適正AV」と定めた。その後は「AV人権倫理機構」と名前を変え活動をしてきた。

 大きな変化の一つが、女優が作品の販売停止を申請できるようになったことだ。これまでAVは一度出演すれば引退後も作品が販売、配信され続けていたが、新ルールが適用され、女優が「5年で配信を止めてほしい」という意思表示をすれば、作品はその後販売・編集されなくなることになった。また、5年に満たなくても、強要や、結婚、就職などの理由があれば、作品の販売停止を申請できることになった。

 今年2月から10月末までに申請があったのは136件。うち102件がすでに配信停止などの措置がとられたと発表された。4件は人権倫理機構の傘下にないメーカーの作品だったため対応できなかった。また、停止されず、販売が継続されたのは5件。すでに裁判で和解している▽本人による申請であることを確認できなかった▽AVについて説明し、意思確認書にもサインされていたが、発売直後に販売停止の申請がされた−−といった理由が挙げられた。申請の理由は約3割が家族や友人などへの「顔バレ」で、強要が理由の申請は6件。強要が理由だったケースは、プロダクションへの聞き取りも実施したという。

 ◇配信停止費用をプロダクションに……

 同機構理事で桐蔭横浜大学の河合幹雄教授は、「インターネット上に配信され、サンプル動画を見れば誰かすぐわかってしまう『顔バレ』が大きな問題になっており、配信停止させるために強要被害の問題が起きたのではないか」と分析する。

 しかし、申請書にある「販売等停止を希望する理由」には、学校生活への支障のため▽婚約・結婚のため▽就職・転職のため▽社会からのバッシングへの不安のため−−などのチェック項目があるが、「強要」というチェック項目はない。「その他」にチェックし、記述しなければいけないというハードルの高さもある。

 また、理事で表現問題に詳しい山口貴士弁護士は、「販売停止制度で申請された8割の作品が消えている」と成果を評価しながらも、「メーカーが『消します』と言った後で、停止のための費用負担をプロダクションに持ちかける例もあると聞いている。特定の団体に負担が集中すれば、不祥事につながりかねない。今後の大きな課題だ」と指摘した。

 ◇出演者のHIV感染、対応は

 「本年9月、AV出演者に対する性感染症検査において、AV業界プロダクション所属の女優1名がHIVに感染していることが判明しました」−−。同機構が10月22日、ウェブサイトで発表すると、業界内に波紋を呼んだ。女優が感染したのは撮影時ではなかったことが分かっているが、発覚後も業界内に周知されることなく、撮影が続けられていたからだ。「業界全体で撮影をしばらくストップすべきだったのでは」という声もあがった。

 これについて山口理事は、「撮影をストップすることも、将来的には検討していく。一方で、ペナルティーを厳しくすればするほど正確な情報があがってこないというリスクもある。アメリカなどほかの国のことも参考にしていくべきでは」と提言。また、今後もHIVなどの性感染症が発覚すれば、「当事者のプライバシーを優先しつつも、情報公開していく」と話していた。

 ◇元女優の小室友里さん「女性の性に尊厳を持って」

 強要被害者の支援を行っているNPO法人「ライトハウス」の坂本新(あらた)事務局長は、「配信停止に関しては、よく動いてくれたと思う」と評価。ただ、「発売から間もない作品だとなかなか消えない。大手メーカーでちゃんと意思を確認しているからと配信停止にならなかったという例があったが、個々の例に柔軟に対応してほしい」と課題はある。「統一契約書がしっかり使われているかなど、よく確認してほしい。できることがあれば、ライトハウスも協力する」と話していた。

 元AV女優で、現在は「ラブヘルスカウンセラー」として性に関する啓発活動を行っている小室友里さんも報告会に出席。「AVは、人の本質に関わる『性』を題材に扱っている。それを撮る人たちが忘れてしまっているのではないか」と指摘。「女性の性に対して、もっと尊厳を持ってほしい。心の問題を抱えずに引退できる女優もいるが、そうでない女優も多い。業界内でケアできていない。また、『女の子がいいと言っているから』と、本番行為に頼っている部分も大きいのではないか。AVはエンターテインメントで、女優は、女優。本物のセックスを見せる必要もないのでは。いい時代に女優として出演していたからこそ、改善してほしいと願っている」と話した。

製作被害 : AV女優らAV問題でシンポ開催 (2018.11.10)

日時: 2018-11-11  表示:185回

2018年11月10日 22時23分 日刊スポーツ

女性が意に反したアダルトビデオ(AV)出演を強要される「AV出演強要問題」と向き合い続けてきたAV問題を考える会は10日、都内で第2回シンポジウムを開催した。テーマは「男尊女卑とAV」。業界歴30年のAV男優辻丸氏が司会を務め、現役AV女優の八ッ橋さい子さん、元AV女優の麻生希さん、AV監督の安達かおる氏、性被害サバイバーのト沢彩子氏、世田谷区の田中優子区議が登壇した。

14、15年頃から問題が表面化し、一時期はメディアに大きく取り上げられたが辻丸氏は「3年ほど経ち、世間も忘れ、業界内も何かできただろうか」と疑問を投げかけた。安達氏も「強要問題は3年たっても1歩も進んでない。強要という位置づけがフワッとした雰囲気だからだ。『○○から強要』という具体的な線引きが必要なのでは」と述べた。

AV業界に肯定的な立場の麻生さんだが、体験談はまさに「被害」だった。所属事務所による約3カ月の監禁。食事を買い出しに行けず、ドッグフードを食べて空腹をしのいだ。給料未払い、「家に火を付けるぞ」と脅され、飲み会中に突然、殴られたこともあり「殺人以外は全てやられた」と振り返った。

事務所に入るための面接では、いきなり「脱いで」と言われ裸になるのは当たり前。乳房や乳首の形状などを指摘され、虫歯や銀歯の状態までチェックされた。それでも被害者の「自覚はなかった」。「そう簡単に女優なんてなれないし、普通の人より稼いでいる。売れたらうれしい。頑張れない人は辞めればいい」と強気に、強要問題は人ごととして捉えてきた。

安達氏に「本人が被害を受けていることを自覚しないままシステムの中に組み込まれている。良くないことだ」と指摘され、一般参加者からも「自分が大丈夫だから、他人も大丈夫という論理は強者の論理だ。本当に被害に苦しんでいる人もいる」などと言われると、トーンが変わった。「自分が大丈夫でも他人が嫌と思うこともあると分かった」と語った。

超進学校の桜蔭高、慶大を卒業し、地方公務員を経てAV女優となった異色の経歴を持つ現役女優の八ッ橋さんも、撮影中に事前に聞かされていなかった方法が急に組み込まれたことはよくあるという。監督から「こっちの方が良くなる」との理由から、男優が1人から2人に増えたり、監督自ら絡みに参加することもあった。「私は断れば断れる雰囲気だったが、言いづらい人は後に強要と言うケースがあるかもしれない」と振り返った。

世田谷区議会でスカウト詐欺やAV問題を取り上げている田中氏は「スポーツ界の不祥事と似ているところがあると感じた」と話し、体操界の男子コーチによる女子選手への暴力問題を例に挙げた。「殴られた側はたたかれたことを良しとし、コーチ継続を訴えたが、協会は暴力は暴力として処分した」と語り、我慢強さなど各自の精神状況に任せるのではなく、立法も含めて国で議論すべきとの考えを示した。

辻丸氏は、AV業界で強要問題がなくならない要因を、男性中心の男尊女卑意識にあるとし、その見方を変えない限り、根本的な解決は見えないと主張した。

ポルノ被害 : AV出演や少女の「自撮り」拡散被害でNPOへの相談が急増 (2018

日時: 2018-10-24  表示:229回

週刊金曜日 2018/10/23(火) 11:06配信

 ポルノ被害を受けた当事者への支援と性暴力についての調査などに取り組む「PAPS」(People Against Pornography and Sexual violence)に対する最近2年間の相談で、アダルトビデオ出演問題とは異なる性的搾取=児童ポルノ、児童買春、子どもの性を対象としたビジネス(JK、着エロ)、リベンジポルノ、アダルトチャット=関係が急増している。10月6日、東京渋谷区でPAPSが開いた第1回活動報告会で明らかにした。

 PAPSは2017年12月、NPO法人化。24時間365日態勢で相談窓口を開設し、1人の相談者に2人の支援員を付けている。

 市民ら50人超が参加した報告会では、約430件超の相談内容と支援活動について、理事で常勤相談員の金尻カズナさんと常勤相談員で人身取引・性的搾取担当の岡恵さんが説明した。

 AV出演被害相談の多くはネットで拡散されている動画の削除だが、依然として出演を辞めたいけれど辞めさせてもらえないという内容が多い。撮影現場では“演技”と称して避妊具なしの性行為が強要されることがあり、トラウマを抱える女性もいるという。

 児童ポルノ被害で目立つのが少女たち自らによる「自撮り被害」。動画を受け取った人物がポルノ動画共有サイトに投稿することで問題が起きるが、「親に知られたくない」「学校に知られたくない」と沈黙する。PAPSは1回1万円程度でできる本人訴訟で発信者の情報開示に力を入れている。

 児童ポルノ、リベンジポルノが、ネット上に無数にあるポルノ動画共有サイトのAVに紛れていることが判明したものの、サーバーが海外にあるため日本国内からの投稿かどうか判断がつかず事件化できないことが多いが、これまでに14人の相談者が3489件の削除要請をサイトに行ない、7割の削除が実現したという。

(小宮純一・ジャーナリスト、2018年10月12日号)

製作被害 : (フォーラム)もう一つの「#MeToo」 (2018.08.06)

日時: 2503-01-20  表示:408回

朝日新聞 2018年8月6日05時00分

AV出演強要の実際

写真・図版
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 セクハラや性被害を許さない「#MeToo(私も)」のムーブメント。社会の認識が変わり始めていますが、光が当たりにくい被害もあります。アダルトビデオ(AV)への出演強要問題。性的な映像が残るため、被害者が訴えづらい面があります。現状を探り、問題の本質を考えます。

 ■AV強要、性暴力の本質 作家・北原みのりさん、被害者に聞く

 どのようにして出演を強いられるのか。どんな問題が潜んでいるのか。ジェンダー関連の著書も多い作家の北原みのりさんが6月下旬、AV出演強要の被害にあった女性に会い、話を聞きました。

 北原さんはセックスグッズショップを手がけ、以前は女性向けAVも販売していました。でも、出演強要の被害を知ってからは、加害に加担することになると考え、一切取り扱っていません。冒頭、そうした自身の問題意識を女性に伝えました。

 女性は19歳だった数年前、街中で「悩みない?」とスカウトに声をかけられました。将来への漠然とした不安を抱えていた時期。「大人が真摯(しんし)に対応してくれることが珍しくて、信頼できると思ってしまった」

 「パーツモデルなど色んな仕事がある」「仕事は選べる」。スカウトは「怪しい会社じゃないから大丈夫」とも言いました。次に会った時、連れて行かれた事務所には「年上のきれいな女性」の姿も。読み切れないほどの文字が書かれた契約書にサインをせかされたといいます。

 北原さんがため息を漏らします。「すごい仕掛けがいっぱいあるね」

 後日、指定された場所に行くと、メイクを施され、撮影に。そして突然、こう言われました。「じゃあ脱いで」。この時初めて、AVの撮影と気がついたそうです。

 話が違う。そう思いましたが、部屋の中には複数の関係者。荷物も手元になく、この状況で外に出て行ったら……。「逃げられる状態じゃないと思ってしまった」

 女性は「洗脳されていた」と振り返ります。「『自分が出たくて出たんでしょ』って流れで、そう思わされるようなことも言われた」。スカウトから出演を強要され、やめるまで、数週間のことでした。

 「ずっと自分を責め続け、自分の好きだったものも、考えも、過去も、全部否定していたんです。赤ちゃんのころからの写真をビリビリに破り、友達の写真も全部捨てた」

 その後、知人に出演が知られたことをきっかけに警察に相談。支援団体につながりました。同じような被害者がいることを知り、初めて、自分がある「社会」に巻き込まれた被害者だと自覚しました。

 「それは、どんな社会だと思います?」。北原さんがそう尋ねると、「女性がモノとして扱われている。傷つくとわかっているのに、見過ごされている社会なんだなって」。

 この言葉に北原さんは「私が罰したいくらい」と憤りをあらわにしました。「色んな言葉で抜け出せないようにして、被害を訴えると『自己責任』を持ち出す。そんな構造自体が、女性に向けられる暴力だと思う。『#MeToo』の流れで声を大きくしていくことが大事」。女性も「ほかの被害者の痛みがわかる。大丈夫だよ、私は味方だよって言いたい」と答えました。

 女性は「想像以上に話を聞いてもらえた」と北原さんに謝意を伝えました。「話してくれてありがとう」と涙を流した北原さんは最後にこう語りました。

 「AV出演強要は性暴力の本質。その背景には、性差別や希薄な人権意識という日本社会の問題があります。これだけ男性の性に寛容な社会が何をもたらしてきたのか。社会が立ち止まって考えるべき時です」

 ■被害者応援する社会に 伊藤和子・弁護士/ヒューマンライツ・ナウ事務局長

 意に反する性行為を撮影され、拒絶すれば巨額の違約金を要求され、映像は半永久的に世に出回る。最悪の形態の性的搾取です。知ったとき、想像を絶する事態にただ、驚くしかありませんでした。

 NGOとして実態調査して2016年春に発表しました。報道も盛んになり、社会問題として認識されました。政府が深刻な人権侵害と認知し、業界も対応し始めました。

 すべては、被害者が勇気を出して「私も被害に」と告発してくれたおかげです。「#MeToo」の先駆けと言える状況ではないでしょうか。

 とはいえ、課題は山積しています。例えば監督官庁を設け、業者の行動を監督することも考えるべきです。被害者が捜査や裁判で被害を説明する際の精神的負担を減らしつつ、立件できる法整備も必要です。

 被害者の声は重要です。ただ、性暴力、セクハラ被害を訴えた人に対し、「被害者も問題」といったバッシングがよく起こります。被害者に新たな苦痛を強い、沈黙させる行為です。そんな状況をなくすため、一般の人たちもSNSで流れてきたバッシングを傍観せず、被害者に少しでも優しい言葉が届くよう発信して欲しい。被害者を応援し、声を上げやすい社会に変えていくこと。それが、とても大事なことだと思います。

 ■端緒のスカウト対策、難題

 AV出演強要の問題が広く知られたのは2016年春、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウが被害実態の報告書を発表してからです。

 政府は17年3月、関係省庁の対策会議を設置。各都道府県警に専門の相談窓口もつくりました。

 「政府は迅速に動いてくれた」と対応強化を働きかけた佐々木さやか参院議員(公明)は評価します。しかし、公的な窓口にまだまだ相談に来てもらえない、被害者出演AVの流通を止める手段が乏しいなどの課題も、佐々木氏は指摘しました。

 警察にも悩みがあります。出演強要が絡む事件で適用されるのは、労働者派遣法と職業安定法が大半。撮影する性的な行為が「有害業務」だとの論理立てです。しかし、AVでは契約書すら渡していないなど、被害者を「労働者」と立証するのが難しく、罪の成立を妨げているケースもあります。

 そんな中、警視庁は1月、出演経験のない女性を勧誘して性交させたとして、メーカー社長ら2人を刑法の淫行勧誘容疑で逮捕。しかし、2人は不起訴処分になりました。捜査関係者によると、被害者が裁判で思い出したくないことまで聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらうケースも少なくないそうです。不起訴にはこうした背景もありそうです。

 業界自身の対策も始まりました。法律家らによる理事会のもと、業者が改善に取り組むAV人権倫理機構です。昨年10月に発足し、4月には会員企業に「共通契約書」の使用を義務化。俳優は常に撮影を拒否できると明記しました。桐蔭横浜大学教授の河合幹雄理事は「自由意思でしか出演はあり得ない形にした」。ただ、出演強要の端緒となることが多いスカウトは対策の枠外です。弁護士の山口貴士理事は「法人でなく、実名かどうかも分からないスカウトは、把握のしようがない。100%の対策は難しい」と話します。

 ■「有名になれる」と勧誘

 AV出演に関連して、警察もスカウトの摘発に乗り出しました。警視庁が2月に逮捕したスカウトの男2人には6月、職業安定法違反の罪でそれぞれ懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。

 判決は、スカウトらが当時未成年だった被害者を「AVをやらずにモデルになる方法はない」「仕事をしないなら見捨てる」などと追い詰めて出演させた行為について「人格を尊重しないもので、強く非難されるべきである」と断じました。

 この事件でAV制作会社からプロダクションへ支払われた出演料は約65万円。そのうち被害者の手に渡ったのはわずか2割の約13万円で、残りはプロダクションとスカウトで折半していました。判決は「搾取の程度は著しい」と指摘しました。

 数年前までスカウト会社に所属していた男性によると、給料は歩合制で、声をかけた女性がAV事務所に所属し、出演する度に報酬がもらえる仕組みがほとんどだそうです。

 声をかける時は、「芸能事務所のスカウト」として勧誘。所属した会社が「ダミーの芸能事務所」を設けていたといい「事務所の名刺で女性を信用させ、『女優になれる』『有名になれる』と夢を見させるだけ見させた」と振り返りつつ、「スカウトがいないとAV業界は回らない」とも語りました。

支援 : 性被害支援 渋る国 47都道府県 本紙調査で判明 「財源

日時: 2018-07-30  表示:373回

しんぶん赤旗 2018/7/30

 性暴力被害者の心身のケアを一カ所で行う「ワンストップ支援センター」への国の財政支援の拡充を地方自治体が強く求めていることが、本紙の47都道府県への調査で分かりました。支援センター運営安定化の国の交付金が昨年度に比べ今年度少なくとも8都県で減額されており、24時間365日開設の自治体からは「財源不足」との声があがっています。(武田恵子)

 本紙は、47都道府県の支援センター担当部署に、開設電話や今年度の事業経費(うち国の交付金)について聞きました。

 支援センターは7月までに45都道府県につくられ、残る2県も10月までの設置が決まっています。電話相談を年間通じて24時間行っているのは15都府県の支援センター。うち6県は夜間や休日を別のコールセンター(ダイヤルサービス)で対応していると答えています。

 支援センターの設置を促し運営の安定化を図る「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」は昨年度と今年度、国の予算に盛り込まれました。昨年度は1億6300万円で37都道府県に交付されています(内閣府ホームページ)。

 今年度の国の交付金の予算は1億8700万円。今年度に支援センター設置の5県を含む44都道府県に交付されています。

 今年度の国の交付額について33都道県が回答しました。

 「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」要綱によると、運営費など対象経費の2分の1(医療費は3分の1)を交付するとしています。しかし、都道県の事業経費予算に占める国の交付金比率が40%を切ったのが半数以上にのぼりました。交付に必要な条件が整わず「ゼロ」と答えた県もありました。地方の負担が重くなっていることがわかりました。
「市も対象に」■支援員育成・確保も
性暴力被害者支援センターへの援助

 性暴力被害者の心身のケアを一カ所で行う「ワンストップ支援センター」への国の財政支援が「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」です。

 今年度の国の交付金が昨年度より減ると見込まれるのが少なくとも8都県あることが本紙の調査でわかりました。

 そのうちの一つ、東京都は、昨年度と事業経費予算が変わらないのに国の交付金が400万円近く減り、「財源不足」と回答しています。

 都は、民間支援団体「性暴力救援センター・東京(SARC東京)」と連携して、24時間365日相談を受けつけています。約50人の相談員(非常勤)が交代で常時2人の支援体制をとっています。

 国の交付金の対象が都道府県に限られ、市の相談支援事業が交付金の対象になっていない点を指摘する声もありました。

 北海道の「性暴力被害者支援センター北海道SACRACH(さくらこ)」は道と札幌市が共同して設置しています。交付金の対象は道だけで「札幌市の負担は対象となっていない」(道の担当部署)としています。また、函館市が設置している、性暴力被害対応チーム「函館・道南SART(サート)」の相談支援事業も「交付金の対象になっていない」(同)としています。

 国の財政支援について、「全都道府県に支援センターが設置された後、国の交付金は継続されるのか」との不安の声が聞かれました。昨年度、設置を促す国の交付金がつくられるまで、民間支援団体の独自のとりくみと自治体の支援にまかされてきました。こうした事情を踏まえ、各県の回答には、「事業の継続には予算の確保が課題」として国の交付金の継続を求める声や「国の交付金の拡充」など増額を求める声がつづられています。

 相談を受け、関係機関へ付き添いもする支援員・相談員の体制についても聞きました。常勤2人(賃金は月給。所長36万円、支援員28万円)と7人の非常勤(時給1100円)で支えている支援センターがある一方で、非常勤やボランティアが支えている支援センターも少なくありません。支援員・相談員の体制についてある県は「15人の非常勤。時給840円」と答えています。別の県は「20人のボランティア。手当は1時間当たり400円」と回答しています。

 支援員の育成や確保も課題となっています。ある県は、「専門的な知識を要する支援員の育成に長期の時間を要する」と答え、別の県は、「相談業務経験や性被害に関する知識等を有する相談員の計画的な確保に苦慮している」と回答しています。支援員の育成と確保、待遇改善に国の財政支援が求められています。
予算大幅増額と支援法案成立を

 本村伸子・日本共産党衆院議員の話 レイプ被害者は、未成年者も多く、交通費などお金もないなかで、夜中であっても被害にあったときに被害者に寄り添った適切な相談、医療的、心理的支援などをワンストップで受けられる身近な場所が必要です。72時間以内の緊急避妊剤経口投与や、シャワーなどを浴びる前に一刻も早い本人の意思にそった証拠採取も行わなければなりません。

 私の国会での質問に野田聖子総務相は、「都道府県のさまざまな実態やニーズに応えられるよう、(性犯罪・性暴力被害者支援)交付金の使い勝手の改善には引き続きしっかり取り組んでいきたい」と答弁しました。支援内容、体制を充実し、箇所数を増やすためにも予算の大幅増額とともに「性暴力被害者支援法案」の成立が急がれます。

盗撮 : 被害者支援弁護士 「盗撮罪、刑法に新設を」 (2018.07.12)

日時: 2018-07-16  表示:383回

毎日新聞2018年7月12日 21時02分

「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」が記者会見

 全国の弁護士有志でつくる「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」が12日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し「盗撮罪」の新設を訴えた。盗撮は駅や路上など公的な場であれば自治体の迷惑防止条例、相手が18歳未満なら児童ポルノ禁止法に違反するが、マッサージ店や事務室など私的空間で成人を盗撮する行為を取り締まる全国一律の法令はない。フォーラムは「刑法に盗撮罪を新設し盗撮は性犯罪と位置づけてほしい」と求めた。

 盗撮を巡っては、宮崎市の元マッサージ店経営者が女性客への強姦(ごうかん)罪などに問われた事件で、性的暴行を盗撮したビデオ原本と引き換えに弁護士が被害者に示談を求めたため、被害者はビデオ原本の没収を求めた。起訴されていない盗撮のビデオを没収できるかが争われたが、宮崎地裁は2015年12月にビデオ原本を没収。最高裁も先月、地裁判決を支持して没収を認めた。

 フォーラムの高橋正人事務局長は「性的な盗撮被害は多いが、取り締まる条例がある自治体とない自治体があるため罪に問えるかは地域格差がある。全国一律に取り締まる法整備をしてほしい」と主張した。【菅野蘭】

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