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製作被害 : 「当日次第の展開」の台本で…「断れなかった」元AV女

日時: 2017-04-15  表示:61回

産経  2017.4.15 14:00更新

「台本に書かれていない“本番行為”を要求された。驚いたが、撮影現場の雰囲気などから断れず、応じざるを得なかった」。アダルトビデオ(AV)撮影時のトラブルなどでAV女優を引退した瀧本梨絵さんが産経新聞の取材に応じ、トラブルの内幕を語った。瀧本さんは販売元のAV会社大手「ソフトオンデマンド」(SOD)側に不信感を抱き、動画サイト「Youtube」でSOD側を告発する動画を公開。SOD側が「事実と違う」と反論し、瀧本さん側も「SODの主張は真実でない」と再度の反論文を公開するなどしていた。(社会部 小野田雄一)

監督はAV界で著名な人物

 瀧本さんや所属事務所「ベールアンジュ」の代表の男性によると、元々代表の男性は医師免許を持ち都内で内科クリニックを開業しており、瀧本さんはその従業員だった。しかしクリニックの経営不振や瀧本さんが以前からAV女優に興味を持っていたことなどから、男性はAV業界への参入を計画。平成28年6月、瀧本さんとともにSODのAV女優の募集に応募した。

 SODは女優個人とは契約せず所属事務所と契約する方針だったため、男性は瀧本さんを所属女優とする事務所を立ち上げ、SOD専属女優として「3作品に出演する」という契約を交わした。

 同年8月にデビュー作を撮影。監督は著名なAV監督、溜池ゴロー氏だった。「ED(勃起不全)治療の医療コンシェルジュ」役の瀧本さんが、EDの男性患者を治療するというドキュメンタリー風の内容で、本番行為はせず、ヌードになるだけだった。撮影場所には休業中の男性のクリニックが使用された。

 問題となったのは9月に行われた2作目の撮影。男性によると、今作でも監督を務めた溜池氏から事前に「僕が“絡み”(本番行為)の相手を務める。ただし、ドキュメンタリーとしての迫真性を演出するため、瀧本さんには(本番行為は)黙っておいてほしい」という趣旨の依頼をされていたため、瀧本さんには伝えなかったという。

 瀧本さんは「『今作では(本番行為は)あるかな』とは覚悟はしていた。ただ、事前にはっきり説明されておらず、当日渡された台本にも『ここから先は…当日次第の展開です。』としか書かれていなかった。撮影も時間が押して夜になっていたので、『やっぱりないんだな』と思っていた。そこに突然、溜池監督から『ラストは僕と2人きりで絡みを撮影する』と伝えられた。びっくりしたが、疲労や『ここで断ると、これまでの撮影が無駄になる。スタッフにも迷惑をかけてしまう』と思い、断れなかった」と当時の心境を語った。

Youtubeで告発

 瀧本さんの所属事務所代表の男性は「溜池氏は撮影中、瀧本に辛い過去を語らせ、瀧本は何度も泣いていた。長時間の撮影による疲労や、そうした一種の“洗脳”“マインドコントロール”により、瀧本は精神的に不安定になり、判断力が鈍らされていた」と話す。

 瀧本さんと男性は事務所を立ち上げた当初より宣伝用に投稿していた「医療コンシェルジュの日常」というYoutubeチャンネルにこうした問題の経緯を打ち明ける動画を公開。SOD側から「契約上禁止されているプロモーション(販売促進)に支障をきたす行為だ」として動画の削除を要求されたため、動画を削除した。

 「しかしその後、SODからプロモーション活動に呼ばれなくなるなどの嫌がらせや排除を受けた。また瀧本はSODの担当者に『君には何の取りえもない』などと人格を否定されるような複数の発言をされた」(男性)。現在もこうした経緯からPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、重度の抑鬱状態が続いているという。

 最終的に、瀧本さん側は同年12月に別の監督による3作目の撮影を終え、SODと契約を解除。今年1月、SODと溜池氏を本格的に批判する動画をYoutubeにアップした。

 男性は「私たちのケースは、最近問題となっている(脅迫などで意に沿わず女性がAVに出演させられる)『AV強要問題』とは性質が異なることは分かっている。また、取材に応じると、一部の人から心ない言葉などを掛けられることも覚悟している」と話す。

 ただ、AV撮影現場とされたクリニックはSOD側が外観の映像を無断で使用したため特定され、実際に訪れる人がいるなど被害が出たほか、SOD側は男性が医師であることを公表するなどした。その結果、男性の名前やクリニック名などが特定され、インターネット掲示板に書き込まれるなど個人情報漏洩(ろうえい)が起きたという。

 男性は「これ以上被害が拡大することを恐れ、クリニックは閉院とし、東京の自宅も留守にしている。SOD側は『事実と違う』とする反論文を公表したが、自社に都合のよいストーリーしか書いていない。瀧本のケースも広義のAV強要だと考えており、取材に応じて言い分を話したいと思った」と説明した。

 瀧本さんも「もし本番行為を撮影するなら、台本に書いたり事前に説明したりするなど、女性側にも心の準備が必要なことを分かってほしい。私と同じように台本に書かれていないことを突然するよう命じられ、撮影現場の雰囲気から断れず、意に沿わない行為をさせられた女性も多いはず。こうしたことは二度と起きてほしくない」と話した。

 瀧本さんは既に販売されている出演作品については「自分の仕事を否定したくない」と考え、販売中止などを求める考えはないとしている。

SOD側「嫌がってなかった」

 瀧本さん側の告発動画を受け、SODと溜池氏は1月31日、SODのホームページに反論文を公表した。

 SODは反論文で、撮影は円満に行われ、撮影当日や翌日に瀧本さん側からの不満や問題提起はなかった▽撮影前に瀧本さん本人と男性に「2作目では絡みがある」「相手は溜池氏となる可能性がある」ことを伝え、確認していた▽昨年12月の時点で、瀧本さんは「これからもAV女優として頑張りたい」と社員に話していた−などと説明。

 溜池氏も文書で「撮影時も嫌がっておらず、むしろ楽しそうだった」「過去の話を聞いたのは、彼女を応援したいと思えるファンを増やすためだった。瀧本さんは僕と過去の話をすることで泣く演技ができた。それを洗脳といわれると困る」「今回のように強要でも洗脳でもないケースを強要だ、洗脳だと宣伝することは、かえって勇気をもって問題を告発している被害者の現役や元女優さんの頑張りに水をかけることになりかねない」としている。

 産経新聞は関係者を通じて溜池氏に取材を申し込み、いったんは了承された。しかし後日、関係者から「溜池氏は取材に応じることを弁護士から止められたため、応じられなくなった」と連絡があり、取材は実現しなかった。

 また、この問題を受け、溜池氏の妻で元AV女優の川奈まり子氏が代表を務め、AV出演者の人権保護やセカンドキャリア形成などを支援する団体「アバン」も1月31日、再発防止に向けた川奈氏名義の提言を公表した。

 瀧本さん側とSOD側の主張が食い違っていることを踏まえ、川奈氏は「今回の提言は、告発内容が虚偽であったか否かに関わらない、類似の事態を予防するためにAV制作責任者が取るべき対策だ」と前置き。その上で、提言は(1)契約や作品内容について出演者に説明を尽くし、出演承諾書に自筆で署名をしてもらうなど了承を取る(2)その場面を証拠となるよう録画して可視化する(3)遅くとも撮影前日までに、台本があれば出演者に直接手渡す−などとしている。

「芸能人になれる」などとスカウトされた女性が、アダルトビデオ(AV)への出演を要求され、断ると「違約金を支払え」などと脅迫的な言動を受け、意に沿わないAV出演をしている事例は近年相次いで発覚し、社会問題化している。

 判明した事例としては、AV出演を断った女性がプロダクション側から違約金などとして約2500万円の損害賠償を求められた事例=東京地裁でプロダクション側敗訴=や、本人の意に反して過激な性行為を強いられた事例などがある。

 行政は対応を開始しており、昨年6月、警視庁が公衆道徳に反する違法業務に派遣したとする労働者派遣法違反容疑で、AVプロダクション大手を異例の摘発。また政府も今年3月、AV出演強要問題などに対応を目指し、関係省庁幹部による対策会議の初会合を開催。5月中旬をめどに今後の政府の活動方針を取りまとめるとしている。

 さらに業界側でも4月1日、AVメーカーやプロダクションなどでつくる業界団体などが中心となり、業界健全化の方策を検討する第三者機関「AV業界改革推進有識者委員会」を発足させている。

製作被害 : AV出演強要に政府が緊急対策へ 菅官房長官「重大な人権侵

日時: 2017-03-22  表示:132回

The Huffington Post | 執筆者: 安藤健二 2017年03月21日 19時54分

アダルトビデオ(AV)への出演強要や、女子高生による接客を売りにする「JKビジネス」で性的被害が相次いでいることを受けて、政府は3月21日、首相官邸で関係府省の対策会議を初めて開いた。朝日新聞デジタルなどが報じた。

NHKニュースによると、菅義偉官房長官は会合で、「本人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要するのは重大な人権侵害だ」とした上で、「新たな被害者を生まないための必要な広報や啓発、取締りの強化、万一被害にあった方を支援するための相談体制の充実を直ちに行う必要がある」と述べたという。

会議では、若者の生活環境が変わる新年度に適切に対応できるよう、3月内に緊急対策をまとめる方針。5月中旬までに政府としての取り組み方針を取りまとめることを確認した。

■議員会館でAV強要被害者が訴えていた

AVへの出演強要の被害が続出していることを受けて2日には、被害根絶を目指すシンポジウムが参院議員会館で開かれた。超党派の国会議員らの前で、AV出演被害者の「くるみんアロマ」さんは自身の体験を「他にも被害者がいるのは絶対に許せないことなので、国全体でこの問題に向き合って欲しいと思いました」と訴えていた。

製作被害 : 「私は洗脳されていた」AV強要の実態、被害者のくるみんア

日時: 2017-03-03  表示:181回

The Huffington Post | 執筆者: 安藤健二
投稿日: 2017年03月03日 06時51分 JST

アダルトビデオ(AV)への出演強要の被害が続出していることを受けて、被害根絶を目指すシンポジウムが3月2日、東京の参院議員会館で開かれた。

与野党の国会議員らの参加者を前に、被害者を救済するための法整備の必要性を訴える内容。AV出演被害者の「くるみんアロマ」さん(26)は自身の体験を語った上で、「他にも被害者がいるのは絶対に許せないことなので、国全体でこの問題に向き合って欲しいと思いました」と訴えた。

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アダルトビデオ(AV)への出演強要の被害が続出していることを受けて、被害根絶を目指すシンポジウムが3月2日、東京の参院議員会館で開かれた。

与野党の国会議員らの参加者を前に、被害者を救済するための法整備の必要性を訴える内容。AV出演被害者の「くるみんアロマ」さん(26)は自身の体験を語った上で、「他にも被害者がいるのは絶対に許せないことなので、国全体でこの問題に向き合って欲しいと思いました」と訴えた。

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AV出演強要の被害について語る、くるみんアロマさん

■「AV女優は芸能界で一番すごいんだよ」半年間の説得の末に

くるみんさんは2014年から2016年にかけて芸能事務所に所属して、2本のAVへの出演を強要されたという。トークセッションで、NGO団体「ヒューマンライツナウ」事務局長の伊藤和子さんに質問に答える形で、くるみんさんは以下のように話した。

――くるみんさんは、なぜご自身の体験を社会に訴えようと思ったのでしょうか?

AVの事務所を辞めた後は自分もふさぎ込んでいて、忘れたい過去でした。いろいろなメディアから取材依頼を受けたんですが、自分の中で整理もついていないので「そういう取材は受けないんで」と断っていました。ただ、時間が経って、気持ちの整理もついたころに、あるユーチューバ―のイベントで記者の方から「今こういう(AV強要の)被害が増えているんです」と教えてもらい、「自分じゃないと伝えられないんじゃないか」という気がして、私は取材を受けていこうと決めました。

――まずスカウトされて事務所と契約したときに、最初は歌手になりたいという話だったのがヌード写真を撮影されるようになった経緯を教えてもらっていいですか?

(東京の)新宿を歩いていたときにスカウトされて、「グラビアをできる人を探している」と言われました。高校のとき3年間音楽をやっていたのもあって、「もし音楽デビューできるなら」と言ったら、親身になって「その話を聞かせて」と言われました。その人からスカウトされるのは2回目で、一度は断っていたんですが、名刺もしっかりしてて、経歴もちゃんとした人のように見えました。喫茶店で話をして、1週間後に事務所に案内されました。そのまた1週間後に(大手出版社のグラビア撮影の)面接を受けることになりました。

そのときは「ヌードをやる」とは全く言われてなかったけど、面接をしている間に「この子はヌードもできます」と面接官に説明されてしまいました。私はそんなつもりがなかったので、内心「えっ」と思ったんですが、そのときの空気とか……。面接をやる前に「絶対、ノーと言わないで」と釘を刺されていたので、「はい」と答えてしまいました。それでヌード撮影の話になってしまったけど、その間は「どうしたらいいんだろう」という気持ちで毎日泣いてました。もどかしい気持ちというか。グラビアですら抵抗があったのにヌードまで行ってしまったので。戸惑いが毎日ありました。

――ヌードが嫌だったのに、最終的に撮影になった。断れなかったのはどうしてですか?

ヌード撮影は、サイパンでやりました。ヌードグラビアで写真週刊誌でデビューするのと同時にイメージビデオも撮ったんですけど、もう逃げられないというか「こんなことまでするんですか?」というようなことまで言われました。説得の仕方もすごくて。「一回ヌードになったら、どんどん脱いでいかなきゃカッコ悪いよ」みたいな感じ。「脱ぎ損という言葉知ってる?」とか、どんどん過激なことを要求されたのは事実です。「断れない」という方向に仕向けられていきました。

――夢を利用されたというような思いはありますか?

そうですね。やっぱり、ステップになると思ったんですよね。自分が音楽をやりたいと思っていたので、「これをやってくれたら音楽デビューしようね」とか「こういう番組に出ようね」「君の好きなアーティストに会わせるよ」とか。そういう話が流暢に出てくるので、(事務所の)その人に相談すれば夢をかなえることができる。ヌードを乗り越えれば、それができると。夢を利用されたっていうのは、「ステップになるよ」と、良いことばかり言われてやらされてしまったのが「ずるいな」と思いました。

――ヌードになった後にAV出演を説得されてしまった経緯は?

サイパンでの撮影の最終日に、「脱ぎ損って言葉を知ってる?」とか言われてました。その後、ネット放送の番組などにも出たんですけどセクシータレント扱いで、普通の会話はさせてもらえなかった。「違う仕事はないんですか?」と言ったら、毎回AVの話を出されました。毎回断っていたんですけど、説得の仕方がすごくて「AV女優はこのレベルで、グラビアアイドルはこのレベルだよ。AV女優は芸能界で一番すごいんだよ」とか「あなたなぜやりたくないの? 職業差別してるでしょ。それじゃ、ゴミ収集の人は汚いの?それと一緒だよね」「時代は変わったから、AV女優になって、その後に歌ったり踊ったりするのが主流だよ」と言われました。

冷静に考えると、AV女優として活動後に普通の女優になる人もいるかもしれないけど、普通はそんなうまくいかない。ただ、「時代は変わったんだ」と毎回言われて洗脳されて、その時間だけは「本当にそうなのかな?」と思っちゃうことは何回もありました。それでも私は断っていたんですけど、半年以上にわたって言われました。毎回、それを言われて泣いていたんだけど、多いときは十何人くらいで説得に入って、みんなから「そんな泣かないでよ。大丈夫だよ、大丈夫だよ」と言われて、やるしかない状況になってしまいました。怖いと思ったのもあるんですけど。

半年以上にわたる説得が終わったら、私がAV女優をやると決まったら、急に事務所が動いて「次の日、面接に行こう」となって、面接で出来ない行為をNG項目として提出していたんですけど、撮影になると無視されて「あなた不平不満ばっかりだね」とか、「メーカーさんに迷惑かけないで。他の女の子、使ってもらえなくなるでしょ」と事務所の人に言われたり、怒られてばかりいました。「できないことは、すぐ言って」と言われていたのに、実際「できない」と言うと怒られてしまうので、最後の方は責任感で出るようになってしまって、とにかくつらい気持ちで泣きながら帰った覚えがあります。

――先ほど、洗脳という言葉がありましたが、どんな状況だったんですか?

そうですね。言葉がすごくうまくて。スカウトの人から「15分間、打ち合わせしよう」と呼び出されて、「何がやりたいの?」とか、とにかく夢を語らせて、そのときは「この人に言えば全部夢がかなうんじゃないか」と思うような雰囲気と、話の流暢さがありました。「この人に言えば大丈夫だ」という安心感もあって、周りの人も「この人はすごい人で、あの人もあの人もデビューさせた」と、冷静な判断ができなくなってしまっていました。

普通だったら「おかしいだろ?」と思うはずだし、その前にも自分が「納得いかないことだけどその後は保証してくれるんですよね」とか「騙してないですよね?」とか、もう一人の自分は疑ってるので、毎回それを確認してたんですけど「全然、大丈夫だよ。騙してないし」と言われて、そのときは信用できると思ってしまったというのはあります。

――AV出演強要にもいろいろパターンがあって「違約金がいる」と脅したり、家から物理的に連れ出すタイプもあるんですが、くるみんさんの場合は長い時間をかけて洗脳していく方法ですね。ある程度の割合の方が、こういう洗脳型で、「芸能界の大物に会わせる」などの夢を持たせて、最終的にはそれが嘘と分かる。くるみんさんが最終的に洗脳がとけて、AV業界を辞めた経緯は?

事務所では2年契約だと言われてて、それまでは頑張ろうと思っていました。2年をまたぐ少し前の日に、私が呼ばれたら「社長がお金を持ち逃げして、会社は倒産した」と言われて、移籍先と言われたところが、全員AV女優さんのいるプロダクションで。「もうこの先、この道しか行けないんだ」と思って、そこで辞めました。お給料ももらってなかったんですけど、もらわずに辞めることになりました。

――契約して2年間にAV出演させられて、ギャラをもらえなかった。加害者は今どうなりましたか?

社長は逮捕されたと聞いてますけど、他の人たちはどうなったのかは分からないです。

――自分をそういう目に合わせた人にどう思いますか?

「本当に許せないな」と思いました。メリットばかり言われて、出演料に関しても「多い人はこれくらいだよ」と言われたんですが、「ああ、そうなんですね」と何もくわしく聞かなかったんですね。うまく利用されちゃったってのは、あると思うんです。お給料について聞いてもたらい回しでした。夢につけ込まれたというのもあるし、騙したことへの憤りもあるし、騙された自分への憤りも失望感もすごくあります。

製作被害 : AV出演強要問題、議員会館でシンポ「政治側でも議論進める

日時: 2017-03-03  表示:169回

弁護士ドットコム 2017年03月02日 19時51分

アダルトビデオ(AV)出演強要問題をめぐり、NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)は3月2日、東京・永田町の参議院議員会館で、被害の根絶について考えるシンポジウムを開いた。公明党の佐々木さやか参院議員や、民進党の中川正春衆院議員ら「超党派」の国会議員も駆けつけた。
●HRNは「刑事罰」も含めた規制を提言

HRNは、1年前の2016年3月3日、AV出演強要の被害についてまとめた報告書を発表。報告書によると、若い女性たちが「タレントにならない?」などとスカウトされ、AVに出演するという意識がないままプロダクションと契約したあと、「親にばらす」「仕事を断れば違約金」と脅かされて、出演を余儀なくされる被害が相次いでいるという。

HRNの事務局長をつとめる伊藤和子弁護士は「AVプロダクションやメーカーには、監督官庁もなく、風営法の適用もないため、違法行為を是正・救済する仕組みがない」「強要被害にふさわしい刑事罰もないと考えている」と指摘した。

昨年には、大手プロダクションの社長らが労働者派遣法で摘発される事件もあったが、「モグラたたきの状況になっている」(伊藤弁護士)という。HRNは、監督官庁を設置することのほか、真実を告げずに勧誘したり、意に反して出演させることを禁止すること、それに違反した場合は「刑事罰」を科すことなどを提言している。
●「超党派であと押ししたい」

この問題をめぐっては、内閣府が昨年から調査を重ねているほか、公明党が昨年12月に「AV出演強要問題対策プロジェクトチーム」(座長:佐々木議員)を発足させるなど、政治、行政の間でも動きが出てきている。この日のシンポジウムには「超党派」の議員たちも出席して発言した。

佐々木議員は、「ライトハウスから被害相談・支援について聞いて、大変な問題だと認識した。本人の意思に反して、出演強要されてしまうことは、女性に対する人権侵害だ。きちんとした支援体制が必要で、政治側でどのようなことができるか、議論をすすめていきたい」と述べた。

民進党の中川正春衆院議員は「立法府として、(解決のために)法律のなかで、どのような工夫ができるか考えていきたい」と語った。共産党の斉藤和子衆院議員は「この問題は、私たちの日常のすぐ隣にあることかもしれない。現場の要望にこたえた制度として、規制をはかっていくことを超党派でできるよう、あと押ししたい」と話した。

製作被害 : イヤと言えない、逃げられない空気がある。AV現場に出演強

日時: 2017-02-16  表示:205回

messy 2017.02.15

「強要してる」という認識ではない

元社員りほ もう一つ、私がAVイヤだなって思ったのは、「強要ない」ってみんな言うけど、あるんですよ普通に。

元女優サキ ありますよね。暴力で従わされてるわけじゃないにしても。

メイクあいか ある。

元社員りほ 事務所の人が撮影当日、現場に女の子を連れてくるんですけど、「今日、何も内容を知らせないで来ました」とか。処女で「手のタレントのモデルって聞いてきたんですけど」と言ってやってきた子のAV撮影をするとか。普通にいたんです。

元女優サキ 処女で?

元社員りほ そう。さすがにドッキリで処女喪失はやらなかったけど、フェラだけ撮って帰った子がいた。

――フェラすることさえその子は知らされていなかったわけですよね?

元社員りほ 知らなかった。でも断れない感じですよ。だって、その子がフェラしなかったら撮影が終わらない。空気がもう、そうなっちゃってる。

元女優サキ 現場の人もプロダクションも、女の子が「イヤーやめてー!」って泣き叫んでバタバタしてめっちゃ抵抗してない限りは強要じゃないって思ってるんで。

元社員りほ そう、強要してるつもりなんてないんです、現場の人たち。でも女の子、断りたい撮影内容だったとしても「こんなこと出来ません」って言えないですよ。怖いもん。すでに有名になってる単体女優さんなら意見を言えるでしょうけど、新人の子が知らない男ばっかりの場所で、拒否の意思を示せるかというと。

元女優サキ 無理。抵抗したら殴られたり、お金を要求されたりするかもしれないって思っちゃうでしょ。私は自分でAV女優の仕事を始めたしもう辞められたけど、そういう「強要だとみんな思ってないけど、それ強要だよ」って瞬間に現場で遭遇することは、本当に辛かった。はじめはやるつもりじゃなかったとか、友達に騙されたとか、友達にハメられたとかいう子もいるんですよ。

元社員りほ 本当にいるんですよ。そもそも現場入りの時点で、マネージャーの男に明らかに騙されてるケースもありました。はじめからAVに出すつもりでそのこと色恋関係になって、「彼氏に言われたから」とか言って嫌々ながら出ちゃう。

元女優サキ いますよね。断ればいいのに、って思うかもしれないし、そんな男と付き合う方が悪いって思うかもしれないけど、騙す方が悪いでしょう。

元社員りほ 時々、本物の変態の子もいるんですけど。好きで来る子もいる……そういう子がいるから気持ちが救われましたけど。

メイクあいか 私、男優の精液がついたティッシュを持って帰る生粋の変態女優さんのメイク担当したことありますよ。性液が好きすぎるから天職だ、って言ってました。

元社員りほ そういう子は天職でよかったなって思うんですけど、そうじゃない子も同じくらい……それ以上かなぁ。

メイクあいか 活躍してる女優さんも、入り口はわからないですよね。何年もやってるからやりたくてやってんだろってみなされるじゃないですか。イヤだったら走って逃げるとか、すぐ警察に行くとかしろよっていう空気なわけでしょ、世間は。

元社員りほ 私もすごくわかるのが、うちの会社の作品をPRする動画の撮影現場に、新入社員の頃に呼ばれて行って、予想外に脱がされたことがあるんですね。

メイクあいか 女優じゃなくて社員なのに。

元女優サキ 制作費ケチってますねえ。

元社員りほ エキストラで風俗嬢役をやってくれって頼まれて。最初はバスタオルを巻いて、風俗嬢のお面を被ってドアを開けるだけでいいって聞いたんですよ。それならわかりましたって承諾したんですけど、いざ撮るとなったら水着に着替えろって。でも先輩に言われたので逆らえず、水着に着替えて別室で待ってて、じゃ撮るかって。そしたら、もうひとりのエキストラの男の先輩が寝て、私がその上に跨って、擬似騎乗位をやる、みたいな。ドアを開けるだけじゃないの? って。一応向こうもパンツを履いてるし、私も水着を着てるけど……喘ぎ声まで欲しいって言われたの。それで私すごいやりたくなくて、詰まってたんですけど、時間がないからってみんなに急かされる。私も下っ端なんで言うこと聞くしか……やらないと終わらない。

元女優サキ その状況、AV女優そのままだ。

元社員りほ 最近、今だから言えると思って、親にそのことを言ったら「その時点で辞めるべきだった。なんでイヤだって言って逃げなかったの」って。だけど……その場では嫌だって言えないです。

――クビになっちゃうと思ったら、言えない。クビになったら生活費もないし。

元社員りほ だし、その現場に私の代わりにそれをやる女性がいないし。私みたく、女優じゃないただの女ADでも……こういう思いしてる人、他にもしてる人いるんじゃないかと思うんですよね。

メイクあいか 私も実は、現場でたまに一緒になる常連エキストラの女の子から、そういう要求されたこと2〜3回あるという話を聞いて。仲良くしてた制作スタッフからの無茶振りだったそうなんだけど、一度は私も入っていた現場で突然「ちょっとだけ脱いで、声も出して」と頼まれているところに遭遇しました。

元社員りほ 断れる雰囲気じゃないですよね。

メイクあいか 断れない、もうやんなきゃいけない、やるしかない、って感じにされるんですよね。その時は、ADの男の子とイチャイチャっていうか、服は着てるんだけど求め合うような感じで喘ぎ声も出せみたいな感じで。声も出さざるを得なかった。

元社員りほ そう、簡単に喘ぎ声出せとか言うけど、信じられない。お前ふざけんなよ、じゃ、お前やれよって思いますよね。

元女優サキ 無理です〜とか言っても……進まないしね。喘ぎ声はそう簡単に出せるものじゃないっていことと、でも風俗の女の子の喘ぎ声は全部演技だっていうことは、両方周知させたいですよね! 強要問題については、女優さんとか知ってるはずの人たちが知らないフリをしてるのが気持ち悪いなって思ってて。

メイクあいか 二村ヒトシさんは強要されてる子もいるっていう記事を書いて出したんですよ。でも二村さんくらいじゃないですかね。

元社員りほ 誰にもわからないじゃないですか、<何が強要か>が。今は売れっ子の女優さんだって本当は、現場に着いてから「こんな内容聞いてない」とか、絡み1回だけって聞いてたのにフェラまでやらされるんだとかって、予定と違うことをやらされてイヤだな、不本意だなって思ったことあると思うんですよ。大抵、女優さんにこっちの話も内容も通じてないですもん。現場にきて、はじめて内容を知る子なんてザラにいて。そこでもしやりたくない行為があっても、契約しちゃって断れなかったって、心の中で思ってるなんて誰も知らないのに、なんでみんな強要なんてないですって言えるんだろうなっていう気持ち悪さですね。男優さんも「あれ? 聞いてたのと違うぞ」ってこと、もちろん経験していると思う。問題視せずに「まいっか」とスルーしてこなしているだけで。

女ぎらいなAVユーザー

元社員りほ 私のいた会社の売り上げ、年々下がっているんですね。AV観てる人はどんどん減ってて、購入するのなんて50代とか60代とか高齢者ばっかりで斜陽産業かなって思います。

メイクあいか 若い人ほど「エロ動画」として見てるから。ただAVが作られなくなったら、エロ動画もアーカイブしか無くなる……

元女優サキ えーでも、素人投稿とかあるじゃないですか。FC2めっちゃクオリティ高いですよね。いいハメ撮りもいっぱいあるんで。AVよりいいですね。

――どこがいいと思うんですか?

元女優サキ 演出があんまりなさそうなところ。実際あるのかもしれないけど、素人のカップル同士で撮ってるやつとかは、そこに色々考えなくていいんですよね。あー、でも、女の子が強要されて撮られてるハメ撮りとかも実際はありますかね……

元社員りほ 私、大学時代はネットの「エロ動画」がAVからの切り抜きだってことすら知らなかったんです。それくらい業界に疎かったのに、志望して、入社しちゃった。

元女優サキ 私もよく知らなかったですよ(笑)。AVって未だに最初から最後まで観たことないです。長いじゃないですか。オナニーするなら10分くらいの短い動画で十分だと思っちゃう。

メイクあいか 私はまだこの業界で働いているので、完全にAVが消滅したら困る側面もあるんですけど……まあ、そうなったらなったで、AV以外の現場でヘアメイクの仕事をできるように、そっちの比率を増やしてかなきゃなって。

元女優サキ 消滅するかなあ?

元社員りほ 消滅はしないと思いますよ。アングラ化してしまう可能性はありますけど。ただ、そうすると、ますます女優さんの立場が悪くなってしまうかもしれないので、それを懸念しています。

――りほさん、万が一ですけど、別の制作会社でまた働きたいとか思うことはない?

元社員りほ もちろん良い監督さんもいるし良いスタッフ、良い男優さんもいますけど、AV業界には無意識の女性蔑視がべったりくっついていることもわかってしまったから、私はもう戻りたくないですね。

元女優サキ 女性蔑視。

元社員りほ もともと私自身の中に男性不信的な感情もあったと思うんですけど、色々な経験を通してそれが強くなってしまいました。

メイクあいか 私もそれはある。全くAVユーザーの気持ちなんて考えたくもないし、AVユーザー嫌い! みたいに思うことある。

――憎しみ?

元社員りほ もともと男が好きじゃないっていうのもあります。イケメンとイケメンのカラダは好きなんですけど、男自体は嫌いっていうか……よくいるじゃないですか、女体は好きだけど女は嫌いみたいな。その逆バージョンですね。なんか男の性欲気持ち悪いって……多分、今も思ってる。これ、いつからなんでしょうね。ずっと前から思ってる気がしますね。

メイクあいか 私も男嫌いだから、克服しなきゃなって思って、格闘技ジムの受付で働いてたことがある。男ばっかだし。今の仕事も、女優さん以外は男ばっかりだけど。

元女優サキ 極端だね。私は好きな男もいるし嫌いな男もいるなあ。

元社員りほ それはもちろんそうで、私も今の彼氏のことは信用しているし好きですよ。

メイクあいか 結婚とか考えたりします? 私は全然、興味を持てない。

元社員りほ 考えるけど、いまは自分が無職なので、まずは再就職して自立してから、って思ってます。

イヤな男には、濡れない

元女優サキ AVって基本、男のファンタジーじゃないですか。見てて面白くないんですよね。こんなこといったら申し訳ないですけど、でも実際それが売れてるわけでしょ。

メイクあいか 引退しちゃいましたけど、山本わかめさんって女性監督さんの作品は、男のファンタジーを壊すことに挑戦してましたよね。今まで「男のため」に女にしてきたことの逆をやってたというか。素人ものとかも、昔は素人女性をナンパして、AV撮ってたりしたじゃないですか。同じことを男の子にやっているっていう。

元女優サキ そういう作品に、男の人は興奮するんでしょうか。

メイクあいか いや、不快感を覚えるんじゃないかなって思った。でも今まで女が抱いてた不快感がそれだよって。

元社員りほ 女嫌いの女体好きの監督が作る作品の方が、ユーザーにはウケるし売れますよね。

元女優サキ 女の子って濡れてなくてもローション仕込んだりして、何とか感じてる風の演技とかできるじゃないですか。でも男優さんは、モザイクかけるとは言っても、勃起しなきゃいけないんですよね。素人男性を呼ぶ企画作品に出演した時、あー素人の人ってダメだなあって思いました。ちんこが萎えがちで。

メイクあいか ユーザーも上から目線であれこれ批評するけど、じゃあお前出てみろよって。

元社員りほ 大抵の男性は無理だと思います。

メイクあいか また二村ヒトシさんの話になっちゃうんですけど、「女性を軽視しないと男性は勃たない」って。男女平等で女性のことを尊敬してる人はあんまり勃たなくて女性が望むような性の悦びを与えてはくれない、と。うまくいかないんです。

元社員りほ 男の人は女の人とセックスしてる時に、女の人をモノとしてみる作用が働くって言いますよね。

元女優サキ そうなんだ……私、自分がセックスする時に相手の男性を完全にモノとして扱うとそんなに濡れないですよ。だから撮影でもいつもそんなに濡れなかった。ローション使うから別に良かったですけど。

元社員りほ わかります。この間、彼氏が寝てる間にやってみようと思って舐めたら普通に勃ったんですね。で、挿れてみたんですよ。寝てるんですよずっと。そのまま騎乗位やってみたんですけど全然気持ちよくもなんともないんですよ。ただの作業。

メイクあいか 男は気持ちいいのかな、女がモノであっても。

元社員りほ でも、マグロ女はあんまり評価がよくないですよ、AVでも。都合のいいもの、自分のちんこで気持ちよくなってくれるものが1番いいんだと思う。まあ女性としても、自分のまんこで気持ちよくなってもらったら嬉しいじゃないですか。そもそも自分が濡れる相手に限るんですけど。

元女優サキ どこで誰かに習ったわけでもないのに、みんな女性って演技できるじゃないですか。いつどこで覚えたんだろうって思うんですよね。女優じゃなくても、プライベートのセックスでみんな演技してるでしょう。

メイクあいか 昔から言われてるからじゃないですか?男を立てなさい的なことを。っていうか、直接その言葉でいわれなくても、そうしたほうがうまくいくんだなって空気で感じる。ただ、恋愛とか結婚とかを見据えた関係じゃなくて、気軽にセックスするだけの間柄でいいのに相手の男性があまりにもイマイチな感じだとやっぱり濡れない。テクがとかじゃなくて、性格的に相手を尊重することを習ってこなかったやつだなって思うと、セフレにもならない。

元社員りほ そうですよね、関わりたくもないですよね。

元女優サキ ちんこだったら何でもいいってことはないよねぇって思います。女性向けAVとして作られる作品だって、すべての女性が好むわけじゃないし。好きなエロメンもいれば、見てて濡れないエロメンもいるし。好きなエロメンならどんな演技でも濡れるかっていうとそれもまた違いますし。

――男性は、どうなんでしょうね。すべての男性が、女性がモノ化するAVで勃起するわけじゃない、とは思いませんか?

元社員りほ それは……わからないです。

元女優サキ あの、ファンタジーを愛好しない、現実を見据えた男性がいたらいいなとは思いますけどね。あまりお目にかかることはないです、今のところ。

メイクあいか 男性監督が、「女性向けAV」を作ってみたらどうでしょうかね。そこには多分、色々な誤解、勘違い、そうじゃねーよ感が詰まってると思うけど、女性ユーザーがツッコミを入れて議論になったらいいかもしれない。

(構成・水品佳乃)

製作被害 : 低賃金・長時間労働・パワハラ洗脳で私はAV制作会社を辞め

日時: 2017-02-16  表示:181回

messy 2017.02.14

 AV業界は揺れている。たとえば昨年7月、2013年の9月と10月に神奈川県内のキャンプ場での野外AV撮影行為をしたとして、公然わいせつや同ほう助の疑いで、大手AV制作会社「CA」社長と出演女優9人、男優24人ら計52人が書類送検される事件があった。また今年1月、無修正動画を配信する老舗アダルトサイト「カリビアンコム」に日本で撮影したわいせつな動画を台湾とアメリカを経由して配信していたとして、都内の映像制作会社の社長ら6人が逮捕された。

 そして、女優の出演強要問題。昨年6月、大手AVプロダクション・マークスジャパンの元社長ら3人が労働者派遣法違反容疑で逮捕された。逮捕容疑は、詳しい説明をしないまま「グラビアモデル」としてマークスジャパンと契約した女性にAV撮影の仕事を振り、出演を拒否すると「違約金を払え」「親に請求書を送る」などと脅して5年間で100本以上のAVへ出演させたというものだった。

 一方で、名前も顔も売れている単体AV女優たちは「無理やりとかない。同意して、撮影する前にもちゃんと自分でサインする」「無理やりAV出演とか、いつの時代の話ですかー? なりたくてもなれない女の子もいるってーのに」と強要被害などないと主張。マークスジャパンの系列事務所に所属する初美沙希は、この事件について「色々知っている」とし、被害を訴える女性が「今の彼氏に『あの時は無理矢理やらされてただけなの!』って変な言い訳したら、その彼氏が『なら警察行って作品消させろ!』って騒いで」と、嘘をついていると指摘し「これが真相だ」とした。

 AV業界に、今、何が起こっているのか。messyはこれまでAV男優やエロメンのインタビュー取材をおこない、アダルト動画サイトのランキングやAV作品レビューを掲載してきた。そこで働く彼ら、彼女らが不利益を被るような仕組みが存在するとしたら、是正されるべきだと考える。そこで今回、AV業界でスタッフ・キャストとして少し前まで働いていた女性たちの声を聞いた。

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<座談会出席者>

■元大手AV制作会社社員りほ:2011年、新卒で入社。AV制作〜編集まで一通りの業務をこなした。2016年10月に退社。
■ヘアメイク担当あいか:2011年頃からフリーランスのヘアメイクとして数々の現場で女優のメイクを担当。
■元企画単体AV女優サキ:2014年から2016年まで企画単体女優として活動。Fカップ女優として売っていた。

――りほさんは、有名大学を卒業して新卒で業界大手のAV制作会社に就職されたんですよね。

元社員りほ そうです。大学では経済学部でした。うちの会社は、慶應とか早稲田とか明治とか、ブランドのある大学の卒業生が多かったです。

メイクあいか なんでまたAV制作会社に。

元社員りほ 私はですけど、映像制作の仕事に興味があって。だけど志半ばで、退社しちゃいましたけど。

――退社理由を伺ってもいいですか?

元社員りほ 理由は複数ありますね。一昨年後半あたりから会社で離職が相次いでいて、信頼する先輩がどんどんいなくなってしまったことがひとつ。体を壊して何回か倒れたこともひとつ。長時間労働のうえ低賃金だということもひとつ。決定打は、心配した両親の「もう辞めてまともな仕事をしなさい」という説得でした。

元女優サキ まともな仕事って……

元社員りほ AVがエッチだからダメ、という意味ではなくて、ちゃんと人間らしい生活を送れる労働時間で、きちんとお給料をくれる会社で働いた方がいい、ということです。5年間やって、給料が上がらなくて昇進の見込みも薄かったので。会社から評価されれば給料は上がるのかもしれないけれど、現状で評価が低いなら私にこの仕事は向いてないんじゃないか、長く続けられる仕事じゃないんじゃないか、って言われました。私も納得して、すっぱり辞めました。

――正社員だったんですよね。お給料はどの程度だったんですか?

元社員りほ 手取り17万円です。入社からずっと。採用試験の時は「額面23万、手取り20万」と聞いていたのでおかしいなと思いつつ、言えなくて……。年に2回、賞与として一カ月分ずつ上乗せがありましたけど、毎月の不足分をボーナスでなんとか補って生活していました。東京都内の会社所在地からそう遠くない場所に住まないと風呂にも入れないし着替えもできないから、やっぱり都内で部屋を借りるじゃないですか。その家賃だけで7万円。光熱費、携帯電話料金、食費などでもう残金ゼロです。コンタクトレンズも高いしなんだかんだ体調不良で病院も行く。自炊する時間は全くなかったので全部コンビニや外食で、食費はやたらかさみました。貯金できないどころか、親からお金を数万円借りてる状態で。携帯電話も仕事でフル稼働するので毎月高かったです……。

――業界大手なのにその給与って。もっと上の世代の社員の人たちはどうしてるんですか?

元社員りほ どうしてるんでしょうね……。少し年次が上の人たちは20万くらいはもらってるかもしれないですけど、でも高給ではない……。何らかの役職に就くとか、社員監督として売れる作品を撮るとかしない限り手取りはUPしないみたいです。親が『逃げ恥』見てたんですけど、「あなたの会社は好きの搾取だったね」と言われました。売れる作品を作れない自分は給料が低くても仕方ないって、みんな納得しちゃってるんです。毎月、作品ごとの売り上げが表で発表されるので。

AV業界のギャラ事情

――りほさん、労働時間はどのくらいだったんですか?

元社員りほ 出社時間はまちまちなんですけど、だいたい朝の3時とか4時くらいまで社内に大勢残って働くのが普通でした。でも去年、電通の新入社員が自殺した事件が大きく報道されてから社内の制度が変わって、22時には退社するように、と言い渡されました。ただそれだと終わらないから、残る人は残って。

――22時退社って、十分すぎるほど遅いです。仕事量が多すぎるんでしょうか。人員も足りない?

元社員りほ そうですね。撮影が遅くまでかかることもあるし、編集作業は時間かかりますし。去年、新卒を大量に採用したので、一応人員はたりていると思いますよ。ただ、プロデューサーがうち全然いなくて。作品を月に50〜70本くらいリリースしてるんですけど、プロデューサーが1人で8、9本くらい抱えて……でもプロデューサー自体4、5人くらいしかいないんですよ。

――1本のAV制作にかかる費用ってどのくらいなんですか?

元社員りほ 最低予算でも100万とか。社内の人件費を除けば、外部監督に編集費込みで1本20〜25万くらいで振って、女優さんのプロダクションにギャラを払って……女優さんのギャラはランクによりますね。

――じゃ、フリーランスでやっている監督は月に4本くらい撮れば安定していい感じの暮らしができるのかなぁ。

元社員りほ そうかもしれないですね。というか、外部の監督はみんな忙しくて、ほぼ毎日現場入ってるんですよ。だから、すげー稼いでると思います。やっぱり人がいない、ちゃんと撮れる監督は限られてるんで。その人たちでほぼAV業界をまわしてる。

――それって、名前が一般的に知られてない監督さんも含めて?

元社員りほ そうですね、DMMのAVランキングとか見てると、上位の作品を撮っているのはいつも同じ人たちですね。

――女優さんのギャラについてもう少し詳しく話せますか。

元社員りほ 単体だと1本100万とか。専属は契約形態が違うのでその限りではないです。企画女優さんだと1本30万、売れっ子でも60万くらいです。あ、でもこれは制作会社が事務所に支払う額なので、女優さんが受け取るのはその半分くらいのはず。

――サキさんはギャラいくらでした?

元女優サキ 私は1本の現場で15万もらってたんで、事務所には30万が支払われてたと思います。

元社員りほ うん、そうだと思います。

メイクあいか そんな少ないんですね……知らなかった。サキさん結構ハードな絡みもやってたじゃないですか。それに、一つの現場で2〜3絡みあったりするでしょう?

元女優サキ そう、2〜3絡みで15万です。私はそんなに体力がなくて無理でしたけど、タフな子はほとんど毎日撮影を入れて一ヶ月で15万×22日=330万稼いだりとか。私なんかよりもっとずっと作品の売れる人気の企画単体女優さんは、1本30万(事務所に支払われるのは60万)でめちゃくちゃ現場はいってたんで600万とか。お金が貯まったから、って去年引退されましたね。

――企画「単体」女優でそのギャラということは、「企画女優」さんは

元女優サキ 「絡み1回とフェラ1回」の企画もので、3万くらい。

メイクあいか 私は企画の現場にメイクで呼ばれることが多いんですけど、みなさん、それだけしかもらってないんですね……。ショックです。

――あいかさんは一回のヘアメイクでいくら?

メイクあいか 制作会社によって異なるんですが、りほさんのいた大手制作会社の依頼で入る仕事だと、一律4万円くれます。メイクする女優さんが1人のときも4人のときも金額は同じ4万円ですけど。

――拘束時間に対していくら、って決められてるのかな。

メイクあいか 小さい制作会社が撮ってる無修正動画の現場は、めちゃ働かされて2万円。すごいこきつかわれるんですよ。女優さんが2人いて、1人が中出し撮影3回分とコンテンツ撮影2回分、もう1人が挿入2回分と乱交とコンテンツ用にオナニーとフェラを撮るというめまぐるしい現場で常にメイク直しどおしでも2万円。
一番ひどかったのが1日1万円で、3人メイクして、しかも1人の子はエアブラシでタトゥーも消したという現場。あれは疲れました。でも、無修正の現場よりもユルい空気だったので精神的には良かったですが。

――撮影って拘束時間が長いですよね。りほさんは手取り17万でしたが、長時間労働で副業もできないでしょう?

元社員りほ とてもそんな時間はないです! 誰もできない…。上司、というか社長に「りほ、お前ボーナスいらないよな?」って言われたことがあって。「今の仕事が好きだろ?」って。私は自分で志望してこの会社に入って、でも売り上げの面で何も会社に貢献していないので、もっとお金がほしいなんて、口が裂けても言えないと思ってしまいました。社畜精神が強かったと思います。それに、働いているうちに私はこの会社以外に居場所がない、どこに行っても働けるわけないと思うようになっていました。

――日常的にパワハラがあった?

元社員りほ 今思えばそうなんですかね。とにかく激務で、友人や恋人と会う時間も実家に帰る時間もなくて、世間から隔離されてる感じなんですね。だけど去年の春頃に少しだけ時間ができて、学生時代の友人と会った時に、「その会社ちょっとおかしいんじゃない?」って言われまして。でもその時は私、「そんなことない。私にはこの仕事しかない」と言い張って。社長に「お前みたいな社会不適合者が働けるのはうちの会社くらいだ」と言われたりもしていたので。

――あ、洗脳……。

元社員りほ 社長は、社員に個性を求めるんですが、それは「面白いAVを撮るには普通の感性の奴じゃダメだ」って信念があるからで。女子社員は、AVなんかを制作したがっている頭のおかしい女、を自己演出することを求められます。

メイクあいか めんどくさいね。

元社員りほ AV会社っぽくない感じの服装をしつつ、中身は変人みたいな自己演出をしてました。汚いADの格好とかしてると怒られるんで、社長に会う日は清楚系のオフィスカジュアル服を着たり。それで「めちゃくちゃな陵辱物を取りたいです!」とか言う、っていう。

――それはそれで型にはめてるだけというか、ナチュラルな変人じゃないですよね。

元社員りほ そうですよね。でもそうしないと、私はここで求められないんだ、って思い込んでいました。今は洗脳が解けてよかったです。

――その働き方で、体調を壊すこともあった。

元社員りほ 1〜2年目のときは会社にずっと泊まり込んでいて、皮膚病になりました。それくらいならまだいいんですけど、胃を悪くしたり、子宮など婦人科系等が悪くなったりとか。一昨年、朝方に社内でぶっ倒れているところを発見されて救急車で運ばれたんですよ。

――倒れた原因は?

元社員りほ 単純に働きすぎだと病院で言われました。意識が飛んで、気がついたら床に転がっている私を救急隊員が運んでた、みたいな。そんなこと、うちの会社はよくあって。私の前にも物流の部署の女性社員が倒れて救急車で運ばれて。

元女優サキ すごい辛そうにしてる社員さん、現場でよく見ました。

元社員りほ 男性も倒れますからね。私が倒れた数日後に、今度は同期の男性社員が会社付近の路上で倒れて救急車で運ばれました。そういえば、私は倒れた翌日に出なきゃいけない会議があったんですけど、病院で1日休養を取ったので出られなかったんです。そしたら出社してから「お前が倒れたことによって抜けた穴を誰かが埋めたんだぞ」と、そのことでちょっと責められました。「もう倒れるなよ」って言われた。好きで倒れたわけじゃないじゃないですか、なんでそんなこと言うんだろうなぁと思って。

――今は体の具合は大丈夫ですか?

元社員りほ 多分。子宮の調子は良くないんですけど、今はピルを飲んでなんとかしてる感じですね。でも、うちの会社の女性社員みんな卵巣を悪くしてるんで。手術してる人もいますし。

――それほどハードスケジュールってことなんですかね。

元社員りほ そうですね、ハードなのとストレスなのか……。

元女優サキ なんか、女性も働くって大変じゃないですか。一昔前の日本のほうが女性は生きやすかったんじゃないかなとか。

――思ったりしちゃう?

元女優サキ 思います。女は家で家事をしとけばいいっていう、女性全員専業主婦時代のほうがみんなラクで良かったんじゃないかとか。男女平等うたって女の人が社会に出てきて、男女平等って言うんだから男と同じだけ働けって……。そもそもカラダのつくりが男性と女性で全然違うのに、平等って謳ったからには男性と同じ量の仕事や同じ労働を求められるじゃないですか。

メイクあいか それは本当に疑問に思う。絶対女の人は体壊すし。

――うーん。でもそれって、男性が働きすぎなんじゃ。長時間労働とか、残業をめっちゃするとか、業務内容がやたらきついとかの現場それ自体が問題ですよね。そういう環境にいて「女も男並みに働けよ」みたいなことをいうのは、いや、まず男も働きすぎだから、落ち着こうって話では。

元社員りほ 確かに、男の人も倒れるし……。

――倒れるほど働いちゃダメですよ。体が違うと言いますけど、たとえば女性は寝ないで仕事して26時間目で倒れるとして、男性は35時間目までは頑張れるみたいな、それくらいの話だと思うんですね。8時間以内、長くてもせめて10時間くらいまでにできればいい。働き過ぎの環境が悪いのであって、「女は男より働けないからダメ」とかいう人は愚かだと思います。

元社員りほ 悲しくなりますね。私が辞める直前、後輩の女の子が不正出血が続くと相談してきて、産婦人科を紹介したんですよ。受診したら子宮の疾患になっていたそうで、体調もすごく悪そうだったので他の社員にロケ仕事を変わってもらったんですね。それを見た私の同期の社員が、その子に「子宮の病気とかそういうの言い訳にしてると一生俺たちに勝てないよ」って言ったんです。

メイクあいか 最悪。病気は言い訳じゃないから。

元女優サキ カラダを壊してでも働けっていうのが蔓延してますよね。女優もそういうところ、ある……。

――女優さんも人によっては毎日現場を入れている。撮影を多くやる企画女優・企画単体女優なんかは過労も病気も心配じゃないですか。

元女優サキ まずは性病が怖いですよね。それに気持ちいいセックスをさせてもらえる現場ばっかりじゃないというか、むしろ気持ちいいことなんて稀なので、単純に肉体を酷使して疲れるなって思うことはよくありました。

――性病検査は、男優さんも女優さんも月1で医療機関の検査を受けてAV制作会社に提出することが義務付けられていると聞いたことがあります。

元女優サキ それはそうなんですけど、素人男優さんとかがたくさん出る撮影とかも結構あるから……。

元社員りほ あっ、でも、私のいた会社では「素人も撮影前に絶対に性病検査を受けさせる」っていうルールがあります。応募者に面接をして、この男性は出演ありだなと思ったらそのまま性病検査の案内をして、その足で性病検査を受けに行ってもらってました。5種目「エイズ・B肝・淋病・クラミジア・梅毒」のセットがあるんですよ。結果が出るのは2〜3日後くらい。

元女優サキ あ、そうだったんですね。ほっとしました。

元社員りほ でも他の制作会社がどうかはわからないです。

――後編ではAV出演強要問題について、現場で感じていたことに踏み込みます。

(構成・水品佳乃)

製作被害 : 契約は出演女優に不利なもの…。ソーシャルワーカーが見

日時: 2017-01-21  表示:192回

ダ・ヴィンチニュース 2016/12/28(水) 6:30配信

『AV出演を強要された彼女たち(ちくま新書)』(宮本節子/筑摩書房)は、出演強要被害を訴える女性たちを支えてきた支援団体「PAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会)」の世話人をつとめる、ソーシャルワーカーの宮本節子さんが支援者視点で問題に向き合った一冊だ。同書の中でAVの出演等承諾書について触れているが、内容が出演する女性側に不利になっているのは前編で紹介した。この契約書には宮本さんが「大きな問題をはらむ」と危惧している部分がある。それは

(中略)誠実な協議をもってしてもなお解決されない場合又はこの出演承諾書に関する紛争が生じた場合は、東京地方裁判所又は東京簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに甲乙丙は合意します。(第8条 準拠法、協議解決及び裁判管轄)

というものだそうだ。

「どの裁判所に提訴するかは基本的には、提訴する側の自由なんです。でもこう書かれてしまうと、裁判のために地方在住者は東京まで来なくてはならなくなります。最初読んだ時は『まあずいぶんと身勝手な内容だこと』とだけ思いましたが、ある時に売春防止法以前の、娼妓と貸し座席主の契約書をたまたま手に入れたらほぼ同じことが書いてあり、連綿と受け継がれてきた契約の様式が続いているのかと、とても驚きました。だってこのように書いてあると、地方の実家に戻ったAV女優は提訴のハードルがあがりますよね。実際に地方で訴訟を起こしたケースがありますが、その時は弁護士が所管の裁判所で民事裁判ができるように取り計らったので裁判ができました。でも東京まで裁判のたびに来なくてはならないとなると、被害者がさらに不利益をこうむる可能性があります」

 このように契約の面でも、出演者は弱い立場に立たされてしまうこともある。もちろんやりがいを持って楽しく働いているAV女優がいるのは事実だろうし、悪徳プロダクションや悪徳AVメーカーだけではないのも事実だろう。そこで意に反してAVに出演する羽目にならないためには、女性が自衛するしかないのだろうか?

「そうはいっても若い女性は色々な世界をのぞいてみたい気持ちもあるだろうし、性的に冒険もしたいでしょう。男女ともに二十歳そこそこの頃に色々な冒険をして失敗して、それで成長していくものです。なのに意に反してAVに出てしまったことが『失敗』となり、それを一生背負って苦しんでしまう構造自体がおかしいですよね。男性だったら『若い頃のやんちゃ』で済まされる冒険が、女性には傷になってしまうなんて。ならば女性が苦しまないようにする方法を考えて対応することを、関係者に望みます」

 宮本さん自身もPAPSも、決して性的なものを否定している訳ではない。「人権団体やフェミニストは、徹底的にポルノを憎んでいる」という言説があるが、それは誤解でしかない。ただ性の快楽を享受するには、前提条件があるのだと宮本さんは語る。

「本の“おわりに”にも書きましたが、性の快楽を享受することは『他者の性の尊厳を脅かし、侵犯しない限りにおいてなら』という前提条件が付くものだと思っています。

 この本は、今現在AVに出演していて困っている人に対して、『嫌なことがあるならPAPSに相談に来てほしい。私たちはこういう風に問題に取り組んでいて、あなたが言いたくないことは聞かないから大丈夫だよ』というメッセージとして受け取ってもらいたいと思って書きました。PAPSに対して『AV業界やセックスワーカーを貶めないでほしい』という意見もありますが、AV業界全体の批判をしている訳でも、セックスワーカーを蔑んでいる訳でもありません。あくまで『こういう相談があってこう解決した』を、今悩んでいる人に向けてまとめたつもりです」

“女たち”一般ではなく、PAPSに相談を寄せ、宮本さんが寄り添ってきた“彼女たち”の叫びは、痛々しくもリアルだ。

 AVが「強要などなく誇りを持って取り組んでいる」「表現のひとつ」で、「男性にとっても出演したい女優にとってもなくてはならないもの」なのだとしたら、これ以上被害者を生まないでほしい。誇りを持って前向きに取り組む人が集まり、彼ら彼女らを搾取しない構造になれば、「AV出演強要」がニュースで取り上げられることもなくなるだろう。そのためにもこれまでの間に、たとえ一部の話であったとしても何が起こっていたのか。知っておくために手に取りたい一冊だ。

取材・文=玖保樹 鈴

製作被害 : 妊娠も性病もすべて女優の「自己責任」、美容院代2万円の

日時: 2017-01-21  表示:179回

ダ・ヴィンチニュース 2016/12/28(水) 6:30配信

 2016年の流行語大賞には選ばれなかったものの、世を騒がせたキーワードといえば「AV強要問題」だろう。国際人権NGOのヒューマンライツ・ナウによる調査報告書の発表や、現役女優の香西咲さんをはじめ、AV出演を強要された女性たちの告白や出演者支援団体の設立など、話題に事欠かない1年だった。

『AV出演を強要された彼女たち(ちくま新書)』(宮本節子/筑摩書房)は、出演強要被害を訴える女性たちを支えてきた支援団体「PAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会)」の世話人をつとめる、ソーシャルワーカーの宮本節子さんが支援者視点で問題に向き合った一冊だ。5人の被害例に加えて、これまで表に出されることがほとんどなかった、プロダクションとAVメーカーと女性による三者契約書などが掲載されていて、問題の構造がわかりやすく紹介されている。

「最初は自分で書くつもりはなかった」と語る宮本さんが見た「AV業界の裏側」とは? ご本人にお話を伺った。

◆AV女優を断罪しないことが、支援のスタンス

「この本はタイトルこそおどろおどろしいかもしれませんが、私が以前書いた『ソーシャルワーカーという仕事(ちくまプリマー新書)』(筑摩書房)の続編の認識でまとめているんです」

 そう語る宮本さんは、ソーシャルワーカーとしてアルコール依存の患者や性暴力を受けている子どもなど、「生きづらさや苦しさを抱えている人たち」に50年ほど向き合ってきた。AV出演強要被害者に対しても、同じスタンスで接してきたという。

「何が同じかというと、相手を断罪しないことです。『どうして嫌なのにAVに出たの?』とは決して言わず、『今困っていることは何か』に焦点を当てて話を聞いてきました。なぜならPAPSはアウトリーチ活動はしていなくて、ホームページに『AVに出演させられそうになっている人はこちらをクリック』と、それだけでしか書いていないんです。だからわざわざクリックしてアクセスしてくるのは困っている人たちだから、どうすれば困らなくなるか、何を解決したいのかを聞くだけにしています。撮影現場に乗り込む権限は私たちにはないから、相手がアクセスしてくれるのを待つしかない。それがPAPSの基本姿勢なんです」

 2012年にはじめてAVに関する相談を受けて以降、2016年12月までにPAPSには266件の被害相談が届いている。なかには男優からのSOSもあったそうだ。2013年までは年1件ペースだったのに、2014年に29件になり、2015年は83件となった。2016年は100件以上受けている。しかしAV業界に詳しい人の中には「昔のほうがひどかった。今の現場はクリーンなのに、なぜここに来て強要被害なのか」と首をかしげる人もいる。そのことを宮本さんは、どう受け止めているのだろうか。

「そもそも昔の方がひどかったというなら、なぜその人はその時点で何も言わずにいたのでしょうか? 現場のスタッフやAVライターさんなどは以前から強要などの被害を知っていたのだったら、どうして今まで黙っていたのでしょうか。怒りをもってそう問いたいです。また『AV女優はなりたくてもなれない人もいる、選ばれた職業だ』という人もいますが、だったらその根拠を教えてほしい。『金目当てに出演したくせに被害者ぶるな』という意見もありますが、確かに時給のアルバイトに比べたら、高い報酬を得られるのは事実です。しかしAV出演のためにジム通いや整形なども強要されたり、本に登場するBさんのように高額なマンションを契約されて、その費用は本人持ちといったりするケースもあります。中には『その髪型じゃだめだから美容院に行こう』と言われて『お金がない』と答えたら、立て替えてあげるからと美容院に連れて行かれて、施術にかかった2万円が払えなくて出演してしまった女性もいるほどです」

◆妊娠も性病も、全部女優の「自己責任」?

 本には5人の被害例が掲載されていて、いずれも幼さゆえに付け込まれたり、「私が我慢すればすべてが収まる」と、AVに不承不承出演して泥沼にはまったりする経緯が紹介されている。とはいえ相談事例をそのまま書いたのではなく、「身バレしないように」複数名の相談をミックスさせているそうだ。

 圧巻なのは巻末の補遺扱いになっている、ある女性がスマホで送ってきた出演等承諾書の写しだ。プロダクションとAVメーカーと女性の間でどんな契約が交わされるのか、見てみると「女性に不利」な内容になっていることがわかる。

 たとえば第5条(保証)の2項には、

甲(女優)及び丙(プロダクション)は(中略)、撮影終了後以降における甲の妊娠、性感染症への感染に関しては、乙(AVメーカー)の責に帰すべき場合を除き、甲及び丙の責任において解決し、乙に一切の賠償や責任を求めないものとします。

というものがある。女性が性感染症にかかったり妊娠してしまったりした場合でも、よほどのことがない限り男優や監督などに抗議することはできず、自分でなんとかしなければならないのだ。

 また第3条(甲の肖像の使用)2項には

甲は、本作品及び将来甲が出演し乙が制作する作品について、出演基本契約書に明示的に定める範囲において、乙に対して一切の著作隣接権を使用許諾すると伴に、女優名を開示させ、及び本作品を改変、編集及び加工することを独占的に許諾します(以下略)

とある。撮影した映像はすべてメーカーのもので、「総集編」などの形で映像を編集されて出されたとしても、異議申し立てはできない。女性は自分の裸の映像を、自分で管理することはできないのだ。宮本さんによると、この契約書は「業界でも有名なAVメーカーのもの」だそうだ。そしてこれ以上に、大きな問題をはらむ文言が記載されているという。一体どんなものなのだろうか。

以下、後編に続く。

取材・文=玖保樹 鈴

製作被害 : AV出演拒否で女性に賠償請求 提訴の弁護士「懲戒審査

日時: 2017-01-19  表示:189回

産経 2017.1.19 02:00

 アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20代の女性に所属事務所が約2400万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について「提訴は問題だった」として、「懲戒審査相当」の決定をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。弁護士は依頼者の利益を代弁する職責を持つため、提訴を理由に懲戒審査に付されるのは異例だという。

 確定判決によると、女性は「タレントになれる」と18歳でスカウトされ、事務所と契約。その後、AV出演を求められ、拒否すると事務所から「違約金を支払え」などと脅された。女性が契約解除を求めると、事務所は男性弁護士を代理人として損害賠償訴訟を東京地裁に起こした。

 しかし平成27年9月の1審判決は「事務所は高額の違約金を盾にAV出演を迫った」と指摘。「女性には契約を解除するやむを得ない事情があった」として請求を退けた。事務所側は控訴せず、判決は確定した。

 この報道を知った東京都の男性が27年10月、「提訴は女性を恫喝(どうかつ)したAV出演強制を助長する行為で、弁護士の品位に反する」として、男性弁護士の懲戒を所属先の第2東京弁護士会(2弁)に請求した。請求した男性は女性や男性弁護士と面識はないという。

 2弁の綱紀委員会は28年3月、「提訴は正当で、品位に反するとは言えない」として懲戒審査に付さないことを決定。男性は日弁連に異議を申し立てた。

 日弁連の綱紀委は28年12月、「訴訟活動は弁護士の本質的職務で、提訴が懲戒理由とされるのは極めて例外的な場合に限られるべきだ」としつつも、(1)提訴はこの女性や同様の立場にいる女性にAV出演を強制する行為とみなされる恐れがある(2)請求額の妥当性や、提訴が女性の心理に与える圧力などを十分に検討していない−などとも指摘。

 「訴えの正当性がないことを知りながら提訴するなどの『不当訴訟』とまでは言えないものの、提訴や訴訟内容に問題がなかったとは言えない」として2弁の決定を取り消した。このため2弁の懲戒委員会は今年1月、懲戒審査を始めた。

 弁護士の不正を監視する「弁護士自治を考える会」主宰の市井信彦さん(62)は「懲戒理由の大半は、預かり金の着服や仕事放置、訴訟手続きのミスなどだ。提訴や訴訟内容を理由に懲戒審査に付されるのは異例で、懲戒処分が下れば初だろう」と指摘。「弁護士は依頼者の利益だけでなく、社会的利益の実現も求められていることを理解すべきだ」と話した。

 ただ弁護士の間には、日弁連の決定について「万人が持つ提訴権を代理して裁判所の判断を仰ぐのが職務なのに、提訴や訴訟内容を理由に懲戒されるリスクがあるなら、暴力団絡みの事件などは引き受け手がいなくなる」と危惧(きぐ)する声もある。

 男性弁護士は取材に「日弁連の決定は異例で納得できない。正当な訴訟活動で懲戒されれば弁護士全体の萎縮につながる。懲戒委で正当性を訴える」と話した。(小野田雄一)

 ■弁護士の懲戒 弁護士に違法行為や品位に反する行為があった場合、誰でも懲戒を請求できる。懲戒は重い順に、除名▽退会命令▽業務停止▽戒告。懲戒請求された場合、まず各弁護士会の綱紀委員会が調査。懲戒の可能性があると判断した場合、懲戒委員会に審査を付し、懲戒委が懲戒の是非や処分内容を決める。綱紀委から懲戒委に審査が付される割合は10%程度とされる。

製作被害 : AV拒否すれば「違約金払え」 “お堅い”公明党が出演

日時: 2017-01-16  表示:199回

ZAKZAK 2017.01.02

 公明党がアダルトビデオ(AV)出演強要問題に関する対策に着手した。党内に対策チームを設け、座長には「美人すぎる議員」として知られる佐々木さやか参院議員(35)が就いた。「公明党とAV」。宗教団体の創価学会を支持母体とすることから、女性問題やギャンブルなど倫理や道徳に反する行為を嫌う公明党になじまないテーマのように映るが、実は、党として看過できない問題をはらんでいるのだ。そのワケとは−。

 「タレントにならないか」「モデルにならないか」。最近、こんな誘い文句でスカウトされた若い女性が業者と契約したはいいが、実際は本人の意思に反し、AV出演を強要される被害が多発している。

 出演を拒否すれば「多額の違約金を払え」「親にばらす」と脅される。そんな事例が後を絶たない。誰にも相談できず、自分を責め続けた末、出演した作品が大量に流通している現実を苦に自殺に追い込まれたケースもあるという。

 警察庁によると、平成26年1月から昨年6月末までに全国の警察本部などに寄せられたAV出演強要に関する相談は計22件に上る。うち女性は21人、男性も1人いた。

 だが、これは氷山の一角のようだ。民間の人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」には、昨年1年間だけで81件の相談が寄せられており、被害を受けても警察に相談しづらい実態が浮き彫りになった。

 そんな事態を重く見た公明党は昨年12月、「AV出演強要問題対策プロジェクトチーム(PT)」を設置。今年1月中旬以降に初会合を開催する方向で調整を急いでいる。

 弁護士出身で座長の佐々木氏にPT設置の狙いなどを直撃したところ、書面で回答があった。

 「以前から交流のある支援団体から話をうかがってきましたが、アダルトビデオであることを隠し、モデル事務所などと偽って契約をさせ、高額な違約金を要求して出演を断れないように追い込むなど悪質で、一度出てしまうと被害は半永久的かつ深刻です」

 「若年者の無知や困窮につけ込んだ著しい人権侵害であり、女性に対する深刻な暴力であって、このような被害の防止及び被害者支援など、対策に取り組むことが必要と考え、PT立ち上げに至りました」

 「著しい人権侵害」。ここに公明党がAV出演強要問題に本腰を入れるキーワードが隠されている。「政治の使命は、生きとし生ける人間が、人間らしく生きる権利、つまり人権の保障と拡大のためにこそあります」と掲げた党綱領にも沿った取り組みで、決して軽いノリではない。

 党関係者によると、佐々木氏自身が昨年11月上旬、党幹部にPTを立ち上げたいと直談判、人選も自ら行った。まさに佐々木氏肝いり案件なのだ。

 PTは今後、AV出演強要問題について支援団体や関係省庁から意見聴取し実態を把握するとともに、被害者支援や被害防止のために必要な対策を検討する。

 ただ、この問題は根が深い。ヒューマンライツ・ナウが今年3月にまとめた調査報告書によると、労働者派遣法などは「有害な業務」から労働者を保護する規定がある。しかし、スカウトする業者は女性と「派遣労働」の契約ではなく、女性が業者にマネジメントを「委託」する契約にするなど巧みに法規制を逃れようとしているのが実態で、法整備を急ぐよう求めている。

 「違法な派遣労働については取り締まりの徹底などがなされるよう課題を把握し、まず現行法でどこまで対策ができるのかを考えたい」と強調する佐々木氏。平和、福祉と並んで人権も重視する公明党のキャッチフレーズ「希望が、ゆきわたる国へ」に、一歩でも近づけることができるか−。

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