ポルノ・買春問題研究会
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ポルノ被害 : 年500人超がAVデビュー 出演強要の末、違約金まで

日時: 2016-03-14  表示:2307回

産経 2016.3.14 10:00

 「(アダルトビデオ)AVメーカー各社は利益を確保するため、新作を増やし、次々と新人をデビューさせないといけない。さらに『誰もやったことのない過激さ』がユーザーから求められる。そうした中で、女性をだまして出演させたり、やり過ぎとも思える性行為が行われたりしている。ギャラを女優に渡さないなど目に余る行為もあるようだ」

 約30年間、AV制作に携わり業界トップの一人とされる男性は、取材にそう証言した。

 AV業界は数千億円規模の産業とされるが、近年は海外アダルトサイトに日本製AVが無断でアップされたり、自主規制団体の審査を通っていない無修正動画が簡単に出回ったりするなど、業界を取り巻く状況は厳しくなっているという。

 AVや無修正動画の年間制作数は不明だが、この男性によると、少なくとも年間2千本、500人の新人女優が毎年デビューしているという。一部には「年間2千〜3千人がデビューしている」とする推計もあるほどだ。

 「女優はプロダクションが制作メーカーに派遣する。“出演の合意がある”という建前なので、メーカー側は女優とトラブルが起きても『プロダクションと話し合って』と責任を取らない。プロダクション側も『出演契約を結んでいる』と強弁する。出演の発覚を恐れて訴え出ることもできず、結局は女性たちが泣き寝入りすることになる」

 この男性は「単なる性行為の過激さではなく、ドラマ仕立てにするなど女優の演技全体を見てもらう方向に進めるべきだが、残念ながらこうしたニーズは少ない」と話す。国の監督強化などを求める声が上がっていることについても、「規制は賛成だ。今のままではエスカレートするだけで、いずれ問題になって業界は自身の首を絞めることになるだろう」と警鐘を鳴らした。

女性が自殺した例も

 3日に公表されたHRNの調査報告書などによると、調査に協力した「ポルノ被害と性暴力を考える会」に寄せられた相談件数は、相談を始めた平成24年と翌25年は各1件に留まったが、26年は32件、27年は81件に急増した。現時点で相談件数は130件を超えたという。

 相談の内訳(昨年9月末時点)では「だまされて出演」が21件と最多で、以下は「出演強要」(13件)、「出演拒否で違約金請求」(12件)などが続いた。また「知人に出演を知られた」(9件)、「出演発覚が怖い」(7件)などもあった。

 具体的な相談内容には、「タレント・モデルにならないか」とスカウトされ、契約後にAV出演を強要された▽出演を拒否すると「親にばらす」「自宅や大学に迎えにいく」「違約金を払え」と脅され、出演せざるを得なかった▽違約金などで脅されて不本意に出演を続けたが、次第に過激になり、12リットル以上の水を飲まされたり、複数人との性行為や肛門性交、卵白を局部に流し込まれるなどされた−などがあった。

 また、強引にAV出演させられ、自身のAVが販売されていることを気に病み、自殺した女性の事例もあったという。

法的保護の壁

 HRNは報告書で、国の監督強化や意に反して出演させられた女性を守る法律の整備の必要を訴えた。

 過去には、「鬼畜系」と呼ばれる過激なジャンルを目玉にしていたAV制作会社の実質経営者の男が、女優を集団暴行して重傷を負わせたとして懲役18年の実刑判決を受けた事例や、出演を拒否した女性に所属プロダクションが違約金の支払いを求めて提訴したものの、「本人の意に反した出演契約は無効だ」と請求が棄却された事例はある。

 しかしAV制作は形式的には「合意された出演契約に基づき、女性が“演技”などの対価として報酬を得ている。モザイクがかかっている上、いわゆる“本番行為”はしていない」という建前になっているため、売春防止法やわいせつ物頒布罪、強姦罪、強制わいせつ罪など刑事罰の適用は一般に困難とされる。

 また民事上でも、女性とプロダクション側は従業員と雇用主という「労働契約」ではなく、プロ同士の「委託契約」とされることが多いため、女性は職業安定法や労働者派遣法上の保護も受けにくいという。

 こうした状況の中でHRNは、意に反してAV出演を強要されるなどした女性を守る方策として、(1)AV出演強要は消費者被害に類似していることから、特定商取引法や消費者安全法の範囲を拡大し、国の是正措置を行えるよう法整備を進める(2)女性とプロダクション側の契約が委任契約だったとしても、実質的に労働者契約である場合は国が監督責任を果たす(3)捜査当局が犯罪として積極的に捜査する−などを提言した。

 HRN事務局長の伊藤和子弁護士は「被害を相談したくてもできない女性は多いはずで、相談は氷山の一角だろう」とし、「民法上、不当に結ばれた契約は無効だということを知っている若い女性は少ない。恐れずに相談してほしい」と話している。

 HRNの報告書は、同団体のホームページでも公表されている。(小野田雄一)

ポルノ被害 : 「AV業界全体が悪く思われるのはイヤ」現役女優に「出演強

日時: 2016-03-11  表示:2173回

弁護士ドットコム 2016年03月11日 10時06分

NPO法人ヒューマンライツ・ナウが3月3日、「若い女性たちがアダルトビデオへ出演を強要されている」という被害実態をまとめた調査報告書を発表した。それ以降、インターネット上で、元AV女優や現役女優たちから、さまざまな声があがっている。

報告書によると、若い女性たちは「タレントにならない?」「モデルにならない?」といった言葉でスカウトされたあと、AVプロダクションから本人の意に反するかたちで、出演を強要されていたという。

この報告書をめぐって、元AV女優の川奈まり子さんは3月5日、フェイスブック上に「AV業界が悪くなってるってことはありません」「年を追うごとに良くなっていってるので、なぜ今、こういうふうに糾弾されるんだろう?と不思議に感じました」と投稿した。

現役女優の初美沙希さんも同日、ツイッター上で「少なくとも私が見ている今のAV業界は『とてもクリーンです』。自分の意志でやらせて頂いています。そしてたくさんの仲間も…」とつづった。

かさいあみ(旧:河西あみ)さんも3月4日、ツイッター上で「無理やり出されてる人一人も見た事ないのですが」と疑問を呈した。現役AV女優から見て、今回の報告書はどう映ったのだろうか。出演を強要されるようなことはないのだろうか。かさいあみさんに会って、インタビューした。

●「私の実感からかなり遠い」

――今回の報告書を読んでどう思いましたか?

あの報告書は、私の周りでもかなり話題になりました。

私は、この業界に6年くらいいますが、たしかに女の子たちの多くはすごく繊細だし、純粋で心の弱いところがあると思います。だけど、私がこれまで見てきた限り、無理やり出演させられたという子は一人もいません。私の実感からかなり遠いです。

――本当に、無理やり出演させられるようなことはないのでしょうか?

昔はそういうこともあったかもしれませんが、今はこの業界のルールも本当に厳しいです。契約から撮影するまで、いくつもの段階を踏まないといけません。

たとえば、きちんと契約書を交わさないとプロダクションに所属できません。そのためには、年齢確認のための身分証が必要だったり、今年からはマイナンバーも提出しないといけなくなりました。

プロダクションの面接でも、チェックシートが用意されていて、「●●はできない」とか「●●はできます」といったことを自分で決めることができます。

――プロダクションに入ったあとも、出演を断ることはできるんですか?

できると思います。たとえば、メーカーを回ったあと、撮影本数や撮影日を決めていきますが、それまでに断ろうと思えば、断れるタイミングがいくつかあるんです。

私も、この仕事を始める前、なかなか踏ん切りがつかない期間がありました。たとえば、宣材用の写真はふつう裸で撮るんですけど、私は下着で撮りましたし、そのあとのメーカー面接でも「まだ心の準備が・・・」と言って、待ってもらったりしていました。
●「やるかやらないかは自分しだい」

――ちなみに、かさいさんが業界に入ったきっかけは?

たまたま憧れている女優さんと出会ったことがきっかけです。

私はもともと、人前に出ることが好きでした。さすがにAVは、親のこととかあると思ったんですけど、その女優さんから話を聞いていくうちに、「もしかしたら、芸能界よりもちゃんとしているかもしれない」って思ったんです。

私の周りにも、スカウトがきっかけじゃなくて、自分から応募したという子が圧倒的に多いです。

――業界に入る前は、どんなイメージがあったんですか?

もっとぶっ飛んでいるイメージでした。今から考えると偏見ですけどね。

だけど、きっかけをくれた女優さんは、エイズ撲滅のキャンペーンを街頭に一人で立ってやっているような人です。ほかにも、「おじいちゃんのために老人ホームを建てた」という子の話も聞きました。こういう真面目なエピソードは、全然前に出てこないんだなあと思います。

――AV女優のギャラは高いですか?

有名な女優さんはたくさんもらっているかもしれないけど、平均したら、そんなに高くはないと思います。不景気なので、売れなかったら、すぐに切られます。だから、本当に好きな人しかやっていけなくなりつつあります。ブログやツイッターを更新したり、毎週のようにサイン会をやったりできるような子が残っていくと思います。

――やりがいは何ですか?

私の場合は、ファンがすごく好きだということです。最近では、どのイベントに行っても、女の子のファンがいるし。ファンが必要としてくれるなら、という感じですね。

――今回の報告書には、人気が落ちれば激しいプレイを求められていくということが記されています。そういうことはありますか?

それはありますね。たとえば、「中出し解禁」とか「アナル解禁」とかが増えていきます。同じことばかりやっていると飽きられていくし、どんどん若くて可愛い子が出てくるから、新しいことに挑戦していかないといけない。

だけど、それも断ることができますよ。やるかやらないかは自分しだいです。

――かなりハードな仕事だと思いますが、やめたいと思ったことはありますか?

これまで何度もやめようと思ったことがあります。たとえば、仕事がなかったときですね。何を頑張ればいいのかわからなかった。仲の良い女優さんがやめたときも「私もやめどきかな?」と考えたことがあります。

あとは、親にバレたときに、本当にやめようかなと思いました。だけど、中途半端な途中退場がイヤだったんで、それも親にもちゃんと言って続けることにしました。

●「悪いプロダクションは撲滅したほうがいい」

――かさいさんの周りに、出演したことを後悔しているような人はいますか?

何もかも終わったあと「やっぱりイヤだった」っていう子は、たまにいますね。あと、途中から自己嫌悪に陥ってしまう子とかも。

AVに出演するって、一世一代のことだと思うんです。一生残るから、慎重になるべきだし、覚悟は必要だと思います。

――かさいさんの知らないところで、無理やり出演させられているようなことがあったら、どう思いますか?

悪いプロダクションが本当にあるなら、絶対に撲滅したほうがいいと思います。

だけど、繰り返しますが、私はイヤなことを無理やりやらされたことはありません。台本に書いてないことをやらされそうになっても「書いてませんよ」って言っていい世界なんです。

――無法地帯ではないんでしょうか?

全然ちがいますね。たしかに、クリーンじゃないとは思いますが、無法地帯だったらもっとひどいことになっていると思いますよ。どこの業界も悪いところがあるし、クリーンなところって一つもないと思っています。

最近は、AV女優も芸能人みたいな扱いをされているけれど、私は芸能人とは思いません。だけど、なくてはならない仕事だと思っています。

年間2000人のAV女優がデビューしていると聞きますから、私が見てきた世界も、ほんの一部だとは思います。だけど、報告書の女の子たちも一部だと思うし、監督やメーカーからすれば、別の見方があるかもしれません。

あの報告書に書いてあるように「業界全体が悪」みたいに思われるのはイヤなんです。

ポルノ被害 : トップAV女優の心の闇 相談所に「死にたい」とメールも (2

日時: 0758-11-19  表示:2398回

〈週刊朝日〉dot. 1月21日(木)11時38分配信

 アダルトビデオ(AV)出演を拒否した女性が、プロダクションから「2460万円の違約金」を支払うよう訴えられた。東京地裁は昨年9月、原告敗訴の判決を言い渡したが、AV出演にまつわる驚きの実態が明るみに出た。

 AV出演までのプロセスには、若い男女の心理を操る巧妙な手口が見え隠れする。

 そのきっかけは、主に「スカウトする」「ロケなどと声をかけて、その場で説明する」「モニター募集やモデル募集に応募してきた人をAVに出演させる」の3タイプに大別される。

 スカウトは、駅や街で行き交う人の中から「モデルの仕事、やってみない?」と声をかけ、喫茶店に誘い込む。雑談しながら距離を縮めて安心させると、帰り際、「写真だけ撮らせて」とスタジオへ連れ込む。撮影では私服姿だけでなく、カメラマンの声がけで、女性の場合、いつのまにかトップレスの写真を撮られてしまうこともある。

 このとき、20歳未満でないことを確認するために学生証や健康保険証などの身分証明書のコピーを必ず取る。AV業界にも自主規制があるからだ。

 そして、その場で契約書に署名・拇印をさせることが多い。こうして、「写真」「身分証明書のコピー」「契約書」を盾に、逃げられない状況を作り込む。「1人契約すれば、2千万〜3千万円が動く」「目をつけた女性は、口説き落とす」と豪語するスカウトマンもいる。

 そもそも契約書には出演者に不利な内容が多い。例えば、報酬額は明示されていないことがある。それにもかかわらず、「事務所の指示に従わない場合は違約金を支払うこと」と書いてある。違約金条項にも金額の記載がない。

 女性の場合は契約書に、「撮影後、妊娠や性感染症がわかっても、一切、賠償や責任を求めないこと」と記載されていることもある。撮影後、緊急避妊ピル(セックス後、72時間以内に服用すると避妊できる薬)が渡されているともいう。

 それでも、責任感のある女性ほど、「現場に穴をあけるわけにはいかない」と考えるため、AV制作のアリ地獄にはまりやすい。

「最終的に、女性たちは穏便にすませたいため、『1本だけ我慢すればいいなら』と出演に応じます。でも、1本で終わることはほとんどない。6〜10本の契約で縛られていることが多いのです」(「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」相談員)

 ドメスティックバイオレンス(DV)など精神医学を研究する、筑波大学の森田展彰准教授(社会精神保健学)は、スカウトマンと女性の心理的メカニズムをこう説明する。

「男性が威圧的な言動や行動を繰り返す強い外的圧力によって、女性の自己決定力が弱まることがあります。例えば、裁判のプロダクションと女性のやりとりからは、女性の尊厳や安全性が脅かされる言動が繰り返されています。自分の価値観が崩れ、気持ちが混乱し、相手に支配されやすくなります。このような状況を意図的に作り出すことで、女性が性被害を受けていると言えるでしょう」

 しかも、一度AVに出演してしまうと、その映像は未来永劫、人目に触れる可能性がある。

 スカウトマンの常套句は、「年間10万本の新作が市場に出ていくなか、君が出演する作品なんて星屑の一つに過ぎないんだから。誰にもバレないよ」

 ところが、商品はインターネットでキャッチフレーズとともに販売され、すぐ周囲に知られる。ある20代女性は友人・知人の言動に耐えかねて、商品の回収や販売を差し止めようとした。

 だが、映像の著作権は制作会社側に帰属しているため、違約金400万円を支払うことになった。商品の肖像権については、AV関係者でも「期限を設定するなどの規制も必要」と話す。

 伊藤和子弁護士は「『嫌だけど出演して、あとで何とかなるかもしれない』はすごく甘い。AVに出演することが嫌なのであれば、とにかく撮影に応じないでほしい」と強く助言する。

 法的には、AV女優の募集やプロダクションからのAV制作現場への出演者派遣行為は、判例で職業安定法や労働者派遣法の「公衆道徳上、有害な業務」とされ、処罰の対象となっている。だが、実際の運用は不十分だ。

 さらに、タレント事務所やプロダクションに対する監督官庁はなく、届け出の必要もない。伊藤弁護士は「労働契約であれば厚生労働省、あるいは、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)であれば警察庁が監督すべきだ」と提言する。

 社会の意識を変えていく必要もある。制作側と出演者の間で少額でも金銭の授受が発生すれば不当には当たらないと考える風潮がある。だが、PAPS(※)の相談員は強い口調で、こう話す。

「トップのAV女優がブログで『セックス大好き』『信念を持って、この仕事に取り組んでいる』と書いていても、私たちには『死にたい、死にたい、死にたい』と何度もメールを送ってきます。それが本当の心の内ではないでしょうか」

 弱い立場にある若い世代が泣き寝入りしなくてもすむような仕組みの構築が急務である。

※ PAPS:People Against Pornography and Sexual Violence(https://paps-jp.org/

※週刊朝日 2016年1月29日号より抜粋

ポルノ被害 : “AV出演”被害が急増 高校生から狙う悪質プロダクション

日時: 0674-11-19  表示:2376回

〈週刊朝日〉dot. 1月21日(木)11時38分配信

「次の仕事はアダルトビデオ(AV)の撮影」。A子さんがその事実を知ったのは、撮影前日。事務所で台本を手渡されたときだった。

 当時、A子さんは20歳になったばかり。あまりにも驚いて、すぐに「できません」と抵抗したが、プロダクションのマネジャーは、平然とこう言い放った。

「契約した以上、現場に行かなければならないことぐらい、わかってるよね」

「どうしても、指示に従えないなら、違約金を支払ってもらうよ。100万円、現金で用意できるの?」

 A子さんがタレントとして、このプロダクションに所属したのは高校生のとき。駅前で「タレントに興味ない?」と声をかけられたことがきっかけだった。「とてもうれしかった」ので、何度か食事を一緒にした。そのたびにスカウトマンからサクセスストーリーを聞き、信頼できる人と思い、後日、A子さんはタレント活動をするための契約書に署名・拇印した。

 実績のあるプロダクションは、未成年と契約するときは親の同意を得る。だが、A子さんの場合、親の同意は得なかった。

 仕事は着(ちゃく)エロ(衣服は着ているが、バストや性器を強調するポーズを取る写真や映像)のビデオ撮影だった。すぐプロダクションをやめたいと申し出たが、「100万円の違約金が発生する」と言われた。その後も、マネジャーは「契約書」と「違約金」を盾に、仕事を回してきた。断ると「親に連絡するぞ」「学校に知られてもいいのか」と脅された。

 撮影後のA子さんへの報酬は一切なかった。だが、「契約書がある限り、嫌でも仕方がない」と繰り返し言われ、仕事に行かなかったときは、身の危険を感じるできごともあった。

【関連】トップAV女優の心の闇 相談所に「死にたい」

 その結果、追い詰められたA子さんは、「我慢して、言うことを聞けば、嫌な仕事も終わる」と思うようになったという。今回のAVの仕事も、大人の男たちとの押し問答の末、A子さんは引き下がるしかなかった。

 撮影では、台本通りのセリフやポーズを指示され、初めて会う男性とのセックスを、スタッフの前で何度も強要された。撮影は翌日も続いた。A子さんは「陰部に激痛を感じる」と訴えたが、そのまま強行された。

 想像していた以上の現場の進行ぶりに、ショックで放心状態になり、抵抗する力も奪われた。終了後、「この映像を多くの人が見る」と思うと、底知れぬ不安感と恐怖に襲われ、眠れなくなった。

 A子さんはその後も、プロダクション側に「AVの仕事は、どうしてもやめさせてほしい」と懇願。だが、そのたびに、マネジャーからこう言われた。

「あと9本撮影しないとやめられない」「違約金1千万円を払ってもらう」

 当初の違約金100万円が10倍に跳ね上がったのは、AV撮影初日の夜、新たな契約書にサインするよう指示され、それが10本分の契約だったからだ。

 契約書にサインするとき、そんな説明はなかったので、気づいたときは声も出ないほど、愕然とした。自分だけではどうしても抜け出せない泥沼にはまり込み、「死にたい」とまで思い詰めるようになった。

 そんなとき、インターネットで「AV」「違約金」と言葉を入れて検索すると、支援団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」(※)のホームページにこう書かれていた。

 ――AV出演の契約は効力を持たず、違約金を支払う義務はありません。

 夜中の2時過ぎ、A子さんは、すぐメールを送った。

「AVの仕事が断れず困っています。助けてください」

 15分後、PAPSの相談員から返信が届き、翌日から事態が急展開した。

 A子さんはPAPSの相談員と弁護士の支援でプロダクションとの契約解除の手続きを取った。すると、プロダクションはA子さんに対し、「違約金2460万円を支払え」と提訴してきた。1千万円から、さらに、倍以上に金額が跳ね上がっていた。

 この訴訟の判決が2015年9月、東京地裁で確定した。原克也裁判長は「AVの出演は、出演者の意に反して、これを従事させることが許されない性質のもの」と指摘し、出演者が嫌だと明確に表明すれば、すぐに契約は解除できるとの判断を示した。

 A子さんとプロダクションとの関係は、表向き対等である委任契約だったが、実態は完全な従属関係だった。原裁判長は、AV出演の拒否について「債務不履行による損害賠償義務を負わない」とし、原告(プロダクション)の請求は棄却された。

 この裁判が画期的だったのは、被告の女性(A子さん)が裁判所に一度も出廷する必要がなかったことだ。被告女性が出廷を望んでいなかったため、弁護士が手続きし、裁判長も「その必要はない」と判断。裁判で事実を説明することは、女性にとってとてもハードルが高い。

 A子さんの弁護団の一人である伊藤和子弁護士は、「違約金を支払えないから知らない人との性行為を強要される労働は、“債務奴隷”ともいえる強い人権侵害です」と訴える。

 こうした事例は女性にとどまらない。男性のBさん(20)の場合は、ネットで「メンズモデル募集」を見て面接に行ったところ、仕事はゲイ向けのビデオ撮影だった。

「男性と性行為をすれば、もっとギャラが上がるよ」「マニアック向けなので、友人には絶対にバレない」 

 複数のゲイの男性から言われて断れない状況になり、撮影に応じた。その後、ネットで大々的に販売され、同級生や知人に出演を知られてしまったという。

 伊藤弁護士は、14年夏ごろからインターネットメディアの記事や自身のブログに「AVタレントの契約実態」を書き込み、「契約は解除できるから相談してほしい」と呼びかけてきた。ネット記事のシェア数は2万4千件。全国から男女116人がPAPSに救済と支援を求めている。

※ PAPS:People Against Pornography and Sexual Violence(https://paps-jp.org/

※週刊朝日 2016年1月29日号より抜粋

ポルノ被害 : 優等生が危ない!女子高生ビジネスの実態 子どもたちの

日時: 2016-01-20  表示:2552回

dot. 1月4日(月)16時37分配信

かわいい格好で接客や散歩をするだけ、といううたい文句。だが、それは危険な性ビジネスへの誘い水だ。ハードルが下がるなか、被害者に「普通の子」が増えている。思春期の不安定な心のスキをつく犯罪行為の実態とは。(ライター・島沢優子)

 女子高生(JK)と散歩ができるという触れ込みで、実際はカラオケやレストランなどでデートする「JKお散歩」や、制服を着た女子高生が個室でマッサージ(リフレクソロジー)を行う「JKリフレ」、折り紙を折らせて下着をのぞく「JK折り紙」。ネーミングにお気軽感が漂うが、すべて未成年による売春の温床になっている。

 児童買春や児童ポルノの被害者救済に取り組むNPO法人「ライトハウス」代表の藤原志帆子さんはこう警鐘を鳴らす。

「接客やマッサージといっても、実態は客の性的好奇心に応じるものがほとんど。たくさんの子どもたちが強姦や買春被害に遭っている」

 2004年の活動開始以来、のべ4千件、電話やメールで相談を受けてきた。15年は売春やポルノを強要される人身取引被害者の支援を80件行ったが、これは前年の倍以上になる。被害者数など実態調査を国に求めているが、まだ動きはない。

 ここ数年で目立つのは、「ごく普通の」高校生が被害に遭うケースだという。

「家庭環境に問題がある子が多いのは変わらないが、一方で何の問題もなさそうな家庭の子、進学校や有名私大の付属高校に通うような女子が、親に言えず相談してくるケースが目につくようになった。彼女たちにとって性的なビジネスへのハードルが下がっているのではないか」(藤原さん)

●父はエリート 進学先に注文

 都内に住む20代の女性は、地方の進学高校に通ういわゆる優等生だった。3年生の時、「おしゃれな服を着て稼げるなら、いいかな」と軽い気持ちでガールズバーを訪れた。すぐに風俗と気づき帰ろうとしたら、「今日だけ仕事して。お客さんがいるから」と言われた。嫌がると、バッグの校章を指さした店員から「学校、わかってんだよ」と脅された。わいせつな行為をさせられたが、3回くらい行ってしまった。

「やけになっていた。自分を大切にできなかった」

 女性の心が荒れた原因は、父親からのストレスだった。父は旧帝大卒で大手企業に勤務するいわばエリート。進学先には常にハードルの高い注文をつけられた。その父に愛人がいるのを知って以来、家を避けるように。日記には「死にたい。死にたい」と書き連ねた。

 その後、家出。キャバクラの寮に入って働いた。ひと月で50万円稼ぎ、一時は200万円ほど貯金できたが、あればあるだけホスト通いなどで使ってしまった。周囲には「15歳からキャバ嬢やってる」という子もいた。18、19歳は中堅クラス。22歳くらいで他のクラブに流れているようだった。

「数カ月経つと、地元の同級生は大学生活を満喫しているのにと不安になった。ずっとここにいちゃいけないと思い始めた」

 ある日、客から「こんなところにずっといちゃいけないよ。お金出してあげるから、大学行けよ」と言われた。関係を求めてこず、50万円貸してくれた。キャバ嬢をしながら、塾に通い、都内の私立大学に合格した。借りたお金は利子をつけて返済した。

●モデル勧誘 実はAV出演

 大学入学のために上京。ネットカフェとラブホテルを渡り歩いた。お金に困り、再び夜の仕事を探した。「求人誌はウソばっかだけど、スカウトは大丈夫」という友人の情報を信じた。紹介された店をネットで調べると、募集広告にも「安全・安心。のらない・なめない・さわらない」と書いてあった。

 だが、嘘だった。売春させられそうになったため、ビルの裏口から走って逃げた。

「一度ハマると負の連鎖から抜け出せない。私が抜け出せたのは大学に通い始めて自分に自信がついたから。ずっと性的なビジネスにだまされるのは私が悪いからだと自分を責めていた。でも、大人になって、あれはハラスメントだったんだと気づいた。(JKビジネスの)罠にはまってしまう女の子たちが悪いんじゃない。子どもの性の搾取を許している社会を見直さなきゃって思う」

 この女性のように立ち直ったり、しかるべき機関に相談しサポートを受けたりできる被害者はほんの一握りに過ぎない。

「日本は他の先進国と比べて、子どもを性犯罪から守る法の整備が遅れているので、新手のビジネスが次々と生まれやすい」

 そう嘆く藤原さんが新たに相談を受けたのが「相席居酒屋」だ。“婚活応援”などとうたい、「おしゃべりしてごはんを食べるだけでいい」と言われて女子高生が座っていると、目の前の男性客が数十分ごとに席替えする。値踏みされ、売春に応じてしまった未成年もいる。

 モデル勧誘に見せかけたAV出演の強要も後を絶たない。ライトハウスがサポートした被害でAVは最も多い。

 首都圏在住の40代の主婦は以前、渋谷に買い物に出かけた高校1年の長女から泣いて打ち明けられた。

「読者モデルにならない?って言われてついていったら、登録料は50万円って。怖くなって逃げてきたけど、住所とか携帯の番号を書いちゃった」

 その後実害はないが、一抹の不安は残る。

「あのまま娘が逃げなかったら、AVに出ろと言われたかもと思うとゾッとする」(主婦)

 読モ以外にも、ヘアモデル、手先や脚のみのパーツモデルにならないかと誘い、「君、可愛いよ」「スタイルがいいからやってみない?」などとほめちぎりその気にさせる。契約書を書かせ、後で断ると「違約金300万だよ」と脅す、といった手口もよく見られる。サインをしてしまうと、被害届を出せないケースが多いという。

 被害者は女子だけではない。

「君、カッコイイね。モデルにならない?」

 そんな言葉で誘われたのは名門私大に通う男子学生だった。

「シャツ脱いで上半身だけ見せてくれるかな」などと要求はどんどんエスカレートし、気がついたときには学生証のコピーをとられていた。男子は女子以上にひとりで悩みを抱え込む傾向があるという。誰かに相談するまでに時間がかかるため、傷はより深くなる。

 一度撮影されてしまうと、取り返しがつかない。近年AVはDVDではなくネット配信される。一度配信されたら、完全に削除することはまず不可能だ。海外にサーバーがあれば太刀打ちできない。そうやって簡単に大量生産され、子どもたちの性は搾取されていく。

●自尊心が低い 評価と錯覚

 スカウトがきっかけでモデルになったり芸能界入りしたりする話が多いだけに、「もしかしたら私も」と思わされる。前出の高1女子のように素直に誘いを受け入れてしまうのだ。子どもたち自身に警戒してほしいところだが、甘い誘いが不安定な思春期の心のスキをついてくる。

 心療内科「ポレポレクリニック」(東京都武蔵野市)院長の辻内優子さんが解説してくれた。

「私が出会った性ビジネスに走った子どもたちは、親から何らかの虐待を受けたことのあるケースが多かった。虐待を受けなかったとしても、自尊感情が低く、頑張っても褒められない、評価されない体験を重ねるなか、性ビジネスの世界では若いというだけで、認められ、褒められ、かわいがられる。そのため、自分が評価されていると錯覚してしまう。そのうえ、自分の力でお金を稼げると、嫌いな親がいなくても生きていけるという歪んだ自信をつけることにもなる」

 ライトハウスは、さまざまな性被害の実例をもとにした啓発漫画「ブルー・ハート」を昨年制作した。JKビジネスやリベンジポルノなどの危険性を説く。関係施設や学校などに5千部、配布した。

 冒頭に登場した20代の女性は今後も、自身の消せない過去の重さを伝えていきたいと言う。

「傷が残らない子はいない。親はもちろん、将来のパートナーや子どもに対し、自分の過去の傷は隠せても、完全に消すことはできない。性犯罪の被害に遭ったのだからあなたは悪くないと言われるけれど、ずっと罪悪感を持ち続けている自分がいる。だから、自分の性をビジネスになんてしないでほしい」

※AERA 2016年1月11日号

ポルノ被害 : 県立高校教諭を逮捕 元教え子を写真で脅迫か (2016.01.15)

日時: 2016-01-15  表示:2202回

毎日放送 1月12日(火)19時18分配信

 兵庫県の県立高校の男性教諭が過去に交際していた元教え子の女性に対し、写真などを使って脅したとして逮捕されました。

 脅迫の疑いで逮捕されたのは県立姫路商業高校の教諭XXXX容疑者(37)です。

 警察によりますとXX容疑者は先月27日、姫路市の19歳の女性に対して、携帯電話で写真などを送りつけ、脅迫をした疑いがもたれています。

 女性はXX容疑者が以前勤めていた高校の教え子で、2人は交際していた時期もあるということです。

 警察の取り調べに対してXX容疑者は「写真を送って脅迫しました」と容疑を認めているということで、警察は動機などを調べています。

ポルノ被害 : ツイッター中傷やめて 裁判所、開示含め26件 (2015.12.15)

日時: 2015-12-16  表示:2555回

東京新聞 2015年12月15日 夕刊

 短文投稿サイト「ツイッター」で、本人に成り済ました何者かにみだらな写真を投稿されたり、中傷する書き込みをされたりした人の申し立てを受け、運営する米ツイッターに、裁判所が投稿削除や発信者の情報開示を命じる仮処分を決定したケースが、過去二年間に全国で少なくとも二十六件あることが、関係者への取材で分かった。

 ツイッターの投稿による名誉毀損(きそん)での仮処分命令が相次いでいると明らかになったのは初めて。悪質な「つぶやき」に対する同種の申し立ては他にもあり命令は今後も続く可能性がある。

 ツイッター日本法人は取材に対し「中傷や不適切な写真の投稿はルールで禁止しており申し出があれば削除を検討している」と話している。

 二十六件のうち削除命令は四件、情報開示命令は十三件、削除と情報開示両方の命令は九件だった。発信者のインターネット上の住所に当たるIPアドレス情報が開示されれば、発信者の連絡先を突き止め、削除や損害賠償を求めることができる。

 関係者によると、北海道内に住む二十代の女性は、自分を装った何者かに、みだらな写真を複数枚付けて「セックスフレンド募集」と投稿された。運営会社に発信者のIPアドレスを開示するよう求めた女性の申し立てに対し、東京地裁は今年一月、開示を命じる仮処分を決定。投稿者が特定され、写真やメッセージは削除された。

 群馬県の女子高生も同様に、本人を装った人物にみだらな写真を投稿された。東京地裁は昨年十二月に開示命令を出した。

 宮崎県の男性も何者かに成り済まされ、事実とは異なる投稿をされた上、本人の写真も載った。今年十一月、削除と情報の開示の命令が出た。

 十月には「安保法案に反対するデモで孫が死んだ」とする虚偽の投稿に一歳の娘の写真を転用され、肖像権を侵害されたとして、新潟市の夫婦が申し立てた仮処分が認められた。

 多くの申し立てを手掛けた清水陽平弁護士は「何でも気軽に書き込んではいけないということ。法律上、投稿者を突き止めることは可能だということを覚えておいてほしい」と話している。

 <インターネット情報の削除> プロバイダー責任制限法は、ネット上での人権侵害による被害者の申し出を受けたプロバイダー(接続業者)は、「相当の理由がある」と判断すれば投稿を削除することができ、投稿者への責任は免除されると規定している。実際には削除されないことも多く、裁判所に仮処分を申し立てるケースが相次いでいる。大手検索サイトのグーグルやヤフーの検索結果に対しても、人格権を侵害しているなどとして削除を命じる仮処分が出ている。

ポルノ被害 : 強姦事件で「被害ビデオ」没収を命じる判決――なぜ裁判

日時: 2015-12-02  表示:2499回

弁護士ドットコム 2015年12月02日 17時59分

宮崎市のオイルマッサージ店で、女性客ら5人に性的暴行などを加えたとして、強姦罪などに問われた男性経営者の判決が12月1日、宮崎地裁であり、懲役11年が言い渡された。また、性的暴行を加えた際の様子を撮影したビデオ原本4本の没収が命じられた。

判決によると、男性は自宅に併設したオイルマッサージ店を訪れた女性客5人に対して性的暴行を加え、その様子をビデオカメラで撮影するなどした。男性は無罪を訴えており、判決後「故意や暴行の有無に事実誤認があり、控訴も検討する」と述べたという。

この裁判では、被告人の弁護士から被害者に対して、告訴を取り下げればビデオを処分すると持ちかけたということが報道され、弁護活動として不適切ではないかといった声が上がり、議論となっていた。

今回の判決のように、犯行の様子を撮影したビデオの「没収」が命じられることは、よくあるのだろうか。犯罪に関連する物の没収について、どんなルールがあるのか。秋山直人弁護士に聞いた。

●強姦被害ビデオは「犯罪行為の用に供した物」

「『没収』は刑罰の一種で、犯罪に関係のある特定の物の所有権を被告人から奪って、国庫に帰属させるものです」

このように秋山弁護士は切り出した。

「没収の対象になる物は、刑法19条に列挙されています。

(1)犯罪行為を組成した物(わいせつ文書頒布罪におけるわいせつ文書など)

(2)犯罪行為の用に供した物(殺人罪に用いたサバイバルナイフなど)

(3)犯罪行為によって生じた物(通貨偽造罪によって偽造された通貨など)

(4)犯罪行為によって得た物(賭博罪によって得た金品など)

(5)犯罪行為の報酬として得た物(殺人を請け負って得た対価など)等

また、特別法でも、没収についての規定が設けられています。たとえば、覚せい剤取締法違反の罪の場合に覚せい剤を没収することなどが、これにあたります」

今回のケースは、どれにあたるのだろうか。

「報道によると、今回の判決では、性的暴行の様子を録画したビデオについて、裁判所は『犯罪行為の用に供した物』に該当するとして、没収を言い渡したようです。

ビデオが『犯罪行為の用に供した物』に該当すると判断した理由としては、犯行を心理的に容易にしたという点を指摘しているようです。すなわち、ビデオの隠し撮りをすることで、被害者とトラブルを生じたときに、告訴等を取り下げさせる交渉に使うなど、自分に有利な証拠になり得ると被告人が認識していて、ビデオの映像を確保することで、その犯行が心理的に容易になったと、裁判所は判断したようです」

これまでの経緯について、秋山弁護士は次のように補足する。

「今回、捜査機関は起訴までに、性的暴行の様子を録画したビデオのコピー(複製)を、被告人側から入手していましたが、『原本』については引き続き、被告人側が確保していました。そのため、検察官から裁判所に対して、『被告人側がビデオの原本を確保していることで被害者が精神的苦痛を受けている』として、ビデオ原本の差押えを求める上申書を提出していたということです。

裁判所がこの上申を認めて、被告人側にビデオの『原本』の提出を命令し、被告人側は不服申立ての手続きを取ったものの認められず、ビデオ原本を提出したというのが、これまでの経緯のようです」

●裁判所は、被害者の心情に配慮した

今回の「没収」という措置は、妥当だったのだろうか。

「今回の事案に照らすと、性的暴行の様子を録画したビデオが、被告人側にとって刑事訴追に対する『防御の材料』として必要なことは分かります。しかし一方で、被害者側にとっては、このビデオを被告人が持っていることで『第三者に流出するのではないか』といった不安を感じるということも、十分に理解できます。

今回の判決は、性的暴行の様子を録画したビデオについて、被害者側の不安や精神的苦痛を重視し、『没収』の枠組みで、被告人から原本を取り上げたものと理解できます。

おそらく、このビデオは、今後も証拠物として被告人や弁護人がアクセスできるだろうと思われます。その点を踏まえれば、裁判所の判断は、被害者の心情に配慮して、このビデオから被害者が二次被害を受けることを防止するためのものであり、妥当なものだと思います。

もっとも、原本を没収すれば、それでいっさい二次被害の可能性がなくなるのかといえば、そうではないでしょう。たとえば、ビデオを複製しておくことは容易でしょう。また、すべての面について、刑事手続の『没収』の規定で対応するというのは、無理があると思います。

被害者側で別途、民事の手続き(仮処分、損害賠償請求等)を取るなどの対応も、場合によっては必要になってくるかと思います」

秋山弁護士はこのように述べていた。

ポルノ被害 : 男に懲役11年、ビデオ没収=マッサージ店女性暴行―宮崎地

日時: 2015-12-01  表示:2374回

時事通信 12月1日(火)20時7分配信

 経営するマッサージ店で女性客らを暴行したとして、強姦(ごうかん)などの罪に問われた****被告(45)の判決が1日、宮崎地裁であった。
 瀧岡俊文裁判長は「被害者の人格と尊厳を脅かした卑劣な犯行」と指摘。懲役11年(求刑懲役13年)と被告が事件の状況を盗撮したビデオの原本4本の没収を言い渡した。
 瀧岡裁判長はビデオについて「自らに有利な証拠を作り出し得ると認識し、利用価値を見いだしていた。犯行を心理的に容易にした」と述べた。
 弁護側は「同意があった」などと無罪を主張し、ビデオは「無罪の証明になる」としていた。
 盗撮ビデオは昨年3月、被告の弁護人が女性側に対し、告訴を取り下げれば処分すると持ち掛けたことで存在が明らかになった。地裁は9月に提出命令を出し、弁護人は不服として争ったが、最高裁は11月19日付で退けた。地裁は同26日、原本を差し押さえた。
 判決によると、**被告は2010〜13年、宮崎市のマッサージ店で女性客ら5人に性的暴行を加えるなどした。 

ポルノ被害 : 女性を全裸にし撮影 熊本市職員の男を逮捕 (2015.11.19)

日時: 2015-11-20  表示:2483回

日本テレビ系(NNN) 11月19日(木)20時15分配信

 酒に酔って意識がもうろうとしていた知人の女性を自分の家に連れて行き、着ていたものを脱がせて全裸をデジタルカメラで撮影したとして、熊本市職員の男が19日、逮捕された。

 準強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、熊本市中央区役所区民課に勤務するXXXX容疑者(28)。警察によると松崎容疑者は今年7月末、20代の知人の女性と熊本市内の飲食店で酒を飲んだ後、酒に酔った女性をタクシーで熊本市内の自分の家に連れて行き、意識がもうろうとしていた女性の服を脱がせ、全裸をデジタルカメラで撮影した疑い。

 9月中旬、女性がXX容疑者のデジタルカメラに自分の裸の写真が残っているのを見つけ、警察に被害届を出していた。女性が松崎容疑者のカメラの保存画像を見た経緯について、警察は明らかにしていない。

 調べに対しXX容疑者は、「間違いありません」と容疑を認めているという。職員の逮捕を受け熊本市は、「詳細に事実を確認後、厳正に対処する」とコメントしている。

 警察は他にも余罪がないか詳しく調べる方針。

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