朝日新聞 2020/3/13(金) 8:28配信
昨年1年間に警察が摘発した児童ポルノ事件の被害者は過去最多の1559人だった。前年よりも283人多く、4年連続で1千人を超えた。インターネットで知り合った人などから裸や下着姿の写真を送信させられる「自画撮り」が多く、中でも、スマートフォンの普及が進む中学生の被害が増えた。警察庁が発表した。
被害者のうち86・6%は女性。内訳は、高校生617人、中学生621人、小学生240人、未就学51人など。最年少は2歳だった。
自画撮りの被害者が前年より43人多い584人で、全体の37・5%。高校生242人、中学生290人、小学生41人。高校生と小学生は前年から微減したが、中学生が51人増え、全体を押し上げた。警察庁は被害を防ぐため、家庭や学校でスマホやネットの正しい利用方法や危険性を教えるよう呼びかける。
被害者が次に多かったのは盗撮で、前年より86人多い381人だった。児童買春・淫行行為に関連して被害にあったのは221人、強制性交等や強制わいせつなどは126人だった。
昨年中に警察が摘発した事件は3059件。前年比で微減したが、2年連続で3千件を超えた。罪種別では、子どもの裸や下着姿などを撮影する「製造」1664件、ネット上に画像を公開するなどの「提供・公然陳列」836件、ほかの人に提供したり自分の性的な好奇心を満たしたりする目的での「所持等」559件だった。(八木拓郎)