2013年02月17日 毎日新聞
福岡県小郡市の障害者就労支援施設「ひまわり」の知的障害者虐待事件で、暴行容疑で逮捕された元支援次長、****容疑者(48)が、福岡、佐賀両県内の系列施設で障害者への虐待行為を繰り返していたことが両県の調べでわかった。**容疑者は施設を運営する小郡市のNPO法人「リブロ」(坂本勉理事長)の幹部の立場で各施設を巡回していたとみられる。
*** **容疑者の逮捕容疑は昨年5月16日、ひまわりの男性通所者の頭上に的を置き、千枚通しを投げたとされる。また、同施設で10年夏以降、この男性を含む4人に対する殴る蹴るの暴行などが確認されている。**容疑者は容疑を否認しているという。
昨年10月に福岡県から連絡を受けた佐賀県が県内の系列施設3カ所とリブロを立ち入り調査。**容疑者が女性利用者1人に昨年8月ごろまで性的虐待を繰り返した▽5〜6月に男性利用者2人を蹴ったり殴ったりした▽4〜5月ごろ、多くの利用者の前で「耳が聞こえないけん、たたかないとわからない」と発言する心理的虐待を加えた−−ことを確認した。佐賀県は1月9日付でリブロに改善勧告を出し、**容疑者を排除した組織体制の刷新や第三者による虐待防止組織の設置などについて、2月末までの報告を求めている。
聞き取り調査をした福岡県の担当者によると、**容疑者は、法人が運営する複数の施設間を自由に行き来できる立場にあったという。担当者は「理事長の長男だから他の職員もとがめることができなかったのではないか」と話した。両県での被害者7人のうち利用を継続していた6人は、関係自治体が一時保護の措置を取った。
通所者の家族によると、父親の坂本勉理事長は16日、リブロが運営する佐賀県内の施設での保護者説明会に出席。ひまわりでの虐待事件について「白か黒かと言われれば、黒だと思う。申し訳ない」と数十人の保護者らを前に謝罪した。佐賀県での性的虐待については語らなかったという。【竹花周、土田暁彦】