ポルノ・買春問題研究会
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製作被害 : AV出演強要 東京でシンポ…契約書の問題点など指摘 (2016

日時: 2016-07-07  表示:6837回

毎日新聞2016年7月7日 21時09分(最終更新 7月7日 22時00分)

 モデルやタレントとしてスカウトされ、芸能活動の契約を結んだ女性が、アダルトビデオ(AV)への出演を強要される問題を考えるシンポジウム「ポルノグラフィーと性暴力被害」が2日、東京都文京区の同区男女平等センターで開かれた。会場では女性がプロダクション(所属会社)やメーカー(製作会社)と交わす契約書の問題点や、男性に対してもAV出演を強要する被害の実態が紹介された。

 パネリストとして参加した「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS、東京都)のメンバー、金尻カズナさんは「問題となった契約書には、女性側に一方的に不利な内容になっているケースがある」と指摘した。「演出について一切申し立てができない」「妊娠・性感染症に関しては女優が責任を負う」などと記載されているという。

 PAPSには、女性に限らず男性からも被害の相談が寄せられている。繁華街で「ファッションモデルにならないか」などと男性がスカウトされるケースで、同性愛者向けのAVへの出演を強要されたという相談が2014年9月以降、計10件あった。特に経済的に困窮している大学生が狙われるケースが多いという。

 主催した「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」の戒能民江共同代表は、「被害者の相談を基に、AVの製作・流通・消費の過程で何が問題になっているのか、みんなで考えていきたい」と話した。【AV問題取材班】

製作被害 : 人気AV女優・香西咲が実名告発!「出演強要で刑事・民事訴

日時: 2016-07-06  表示:6536回

週刊文春 2016.07.06 16:01

 アダルトビデオ出演をめぐる数々の被害が明るみに出る中、人気女優・香西咲氏(30)が、同じく出演強要の被害を受けた佐藤涼子氏(仮名・20代)と共に、かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長(40)を相手取って刑事・民事の両面で訴訟を起こすことがわかった。

 香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

「今でも時々、当時の記憶のフラッシュバックに悩まされます。いっそ自分の人生を終わらせてしまおうかという衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。でも、青木に騙された過去といつか折り合いをつけなければと思って生きてきました。AVの出演強要が社会問題化している今しか、人生を立て直すチャンスはないと思い、告発と訴訟を決断したのです」(香西氏)

 週刊文春の取材に青木氏は、「出演するよう脅迫したことはないですし、AVであることを隠してきたつもりはありません」と答えた。

 香西氏のインタビュー動画は「週刊文春デジタル」で7月7日(木)朝5時に公開される。

製作被害 : AVに映像流出、今もネットに…実名アナ・松本圭世さんが「

日時: 2016-06-29  表示:6910回

withnews 6月29日(水)7時0分配信

 若い女性が、アダルトビデオ(AV)に無理やり出演させられる被害が広がっており、被害者支援団体にはAV出演に関し120件の相談が寄せられている。被害は、女優としての出演を強要された人にとどまらない。フリーアナウンサーの松本圭世さん(26)は、名古屋のテレビ局でアナウンサーをしていた2014年、大学時代に撮影された映像がAVの一部に使われていたことがわかり、全ての番組を降板した。松本さんに経緯と今の思いを聞いた。(朝日新聞経済部記者・林美子)

「もう断るわけにはいかないかなと」

 発端は、名古屋大学の2年か3年、20歳か21歳の時です。名古屋の栄という繁華街を歩いていて、駐車場の前で30代くらいの男性に声をかけられました。「バラエティーのような撮影で、全国を回って男の子の悩みを聞いてもらっているんだ。名古屋は聞いてくれる人が全然いなくて、本当に困っているから助けて」。5分以上説得されたと思います。

 「本当に男の子の悩みを聞くだけでいいんですよね」と言ったら、駐車場に止まっていた乗用車に案内されました。中に女性がいて「お化粧を直しましょう」。車に入った時点で出にくくなり、自分の顔も触らせてしまって、もう断るわけにはいかないかなと思いました。
「そういうものなんだな」

 男性が紙を出して「ここにさらっと名前を書いてくれればいいから」。おそらく撮影の承諾書だったと思うんですが、AVということは全く書いていませんでしたし、特に怪しいとも思わず、名前を書いて女性に渡しました。

 そのあと男性と、同じ駐車場に止めてあった大きめのバンのような車に行きました。中にいたのは、悩みを相談したいという男性とカメラマンなど、男性が4人ほどです。最初に「自己紹介をして」と紙を渡されたんですが、名前も年齢も職業も全然違うプロフィールが書いてありました。当時は「そういうものなんだな」と思っただけでした。
「あ、おかしいな」

 男性の悩みは、初めは「コンプレックスがある」という相談だったんですが、「女性の口元が苦手なんだ」という話に変わっていって、「口元へのコンプレックスを解消、克服してほしいから」と、出された飴をなめるよう言われました。飴は男性(器)の形をしていて、あ、おかしいなとそこで思いました。

 車は出入り口が前の方に1カ所しかなくて、私は一番後ろに座らされて男性に囲まれていました。撮影は始まっていてその場の空気を壊したくないと思ったのと、終わってから「使わないで」と言えば大丈夫だと思ったんです。それで、その場は言われた通りにしました。

「大丈夫。大丈夫大丈夫。安心して」

 「本当にこれ以上無理」と言ったら、撮影は終わりました。「お願いです、使わないでください」と言ったら「大丈夫。大丈夫大丈夫。安心して」。 当時は社会経験が全くなくて、承諾書の写しをもらうとか、名刺をもらうという発想がありませんでした。

 撮影した会社がどこかは今もわかりません。その後は「自分の中でしまい込めばいいこと。忘れてしまえば終わりだ」と自分に言い聞かせて、誰にも相談などしませんでした。

 ところがこの映像が、AV作品の冒頭に使われていたんです。

 撮影後すぐに発売されたようです。私は大学を出て愛媛県のテレビ局のアナウンサーになり、2013年10月に名古屋のテレビ局に移籍しました。翌年5月末にネットで話題になり、週刊誌からも会社に問い合わせがきて記事になりました。私は、「使わないと言っていたのに、なんでなんで?」という感じでした。

 6月に入ってすぐ、担当していた三つの番組を全て降板しました。
「契約が切れるまで、出社は続けました」

 就職活動の時から、名古屋のテレビ局でアナウンサーをするのが夢だったんです。ようやく自分が思い描いた生活ができるようになった矢先でした。仕事ができないのがまずつらかったです。インターネットに出たものは消えないし、面白おかしく取り上げられ、批判もたくさん来ました。アナウンサーの仕事は今後できないと思ったら、頭の中が真っ白になりました。

 1年契約だったので、契約が切れる9月末まで4カ月くらい、出社は続けました。ほかのアナウンサーが仕事に出て、私だけアナウンス室にいるとき、「みんなが働いているのに私は何をやっているんだろう」と、声を上げて泣いたりもしました。
「局アナ時代の貯金を切り崩して生活」

 美容院も行きづらかったです。受付に名前を書くので、ピンと来るのではないかと。地下鉄でもサングラスをしていました。顔を見られて「あっ」と言われるのが嫌でした。みんなが敵に思え、名古屋では生活しづらいので東京に来ました。

 あてもなく友達もいなくて、1週間くらい家から出ないこともしょっちゅうありました。名前も顔も出ないナレーションの仕事などを単発で引き受ける以外は、局アナ時代の貯金を切り崩して生活しました。

 アナウンサーの仕事をもう一度したくて色んな人に相談しましたが、なかなか表に出る踏ん切りがつきませんでした。でも自分の中で問題を整理していくうちに、「この件を黙って仕事を受けて、ばれるかもしれないとびくびくするのは嫌だ」と思うようになりました。

「問題は風化はしても消えはしない」

 東京に移ってから、ネットで調べて被害者支援団体の方ともお話をし、私以上に大きな被害が起きていることも聞きました。「問題は風化はしても消えはしない。アナウンサーの仕事をしたいという私の気持ちに揺るぎはない。隠さないことで、出演被害の問題がちゃんと議論されるきっかけにもなるかもしれない」と思ったんです。

 活動を再開したのは昨年10月、東京MXテレビの仕事が最初です。今はバラエティー番組に出していただくこともあります。この件が話題になることもありますが、私のことは笑っていただいて、その上で、裏にどういう問題があるのか、物事の本質を知る人が増えればと思っています。

 街中でこういう撮影が行われているとか、名刺や承諾書をもらわなければいけないとか、若い人の多くは知らないと思うんです。こういう事実が広まれば今後の被害が一つでも減るかもしれないと思っています。
「だまし討ちだったのが問題」

 私の場合は「承諾していない映像を使われた」「AVの撮影という説明がなくだまし討ちだった」のが問題ですが、ほかの方々も「グラビアデビュー、タレントデビューできる」と言われるなど、きちんと説明を受けていないんですよね。

 私はAVがいけないと言っているわけではなくて、出たくない人を意に反して出させるのが大きな問題だと思います。

 あえて言えば、私は飴で終わっているのですが、もっと大きな被害に遭った方は誰とも会いたくないし、声を上げられないと思います。私以上につらい思いをしていると思います。
「こういうことを話してもお金にならないです」

 女が悪い、だまされる方が悪いという風潮がありますよね。オレオレ詐欺では「だまされた親が悪い」ではなく「だました方が悪い」という話になるのに、性が絡むと焦点が別のところに行ってしまう。

 匿名で声を上げている人もいますが、そういう人が悪いかのように言われてしまう。それは違うと思う。社会問題としてきちんと認識されれば、そういう人たちへの見方も変わると思うんです。

 私も「被害者ビジネス」といった批判を受けることがあります。こういうことを話してもお金にならないです。というより、自分の心を削っています。私はこうして自分の経験をお話していますが、この記事を読んだ方には、ほかの被害者の方々の声にもきちんと耳を傾けていただきたいと思います。

製作被害 : 私がアダルトビデオに出演させられるまでに起きたこと 

日時: 2016-06-26  表示:7043回

Withnews 2016年06月24日

 若い女性が、アダルトビデオ(AV)に無理やり出演させられる被害が広がっている。警視庁は13日、都内の芸能プロダクションの元社長ら3人を労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)などの疑いで逮捕したと発表した。被害者支援団体にはAV出演に関する相談が120件寄せられている。「問題をより多くの人に知ってほしい」と、被害者の1人の20代女性が取材に応じた。(朝日新聞経済部記者・林美子、高野真吾)
「いいんじゃない。登録だけしておこうか」

 女性は数年前、アルバイト先の社員から「グラビアのバイトをしてみないか」と誘われた。芸能関係に特に興味はなかったが、「1回簡単に話を聞いてみればいいよと、気軽な感じで」言われたという。話を聞くだけのつもりで、プロダクションの事務所を訪れた。

 事務所では、社長を名乗る男が女性を上から下まで見て、その場で1回転するように言い、30秒ほど全身をチェックした。「いいんじゃない。登録だけしておこうか」と、書類に名前、年齢や住所などを書くよう言われた。詳しい説明はなく、十分に読む時間もないままだった。「今思えばそれは契約書。当時は知識、注意力がなかった」。身分証明書のコピーも取られた。

「ばらし代が何百万円とかかる。親に請求が行く」

 2、3日後、携帯電話に連絡がきた。写真スタジオで宣伝用の写真を撮った。「体に傷やタトゥー(入れ墨)がないか確認する必要がある。みんなそんな風に撮影しているから」とカメラマンに言われ、上半身裸の撮影をした。「嫌です」という雰囲気ではなかった。ほかには使わないという言葉も信じた。

 数日後、社長から「AVの撮影が決まりました」と電話が来た。この時初めて、AVという言葉を聞いた。あわてて事務所の男性マネジャーに電話をし、「そんなつもりはない。できない」と告げると、事務所に来るよう指示された。

 事務所にいくと小部屋に通され、男性マネジャー3人にかわるがわる説得された。1人は「ふざけるな。制作は始まっているから、ばらし代(違約金)が何百万円とかかる。親に請求が行く。周囲にも知られるだろう」と怒鳴り散らした。びっくりして泣いていると、慰め役が「内緒にしておけば大丈夫」。もう1人は淡々と論理的に逃げ道をふさいだ。心身ともに疲弊した。

 契約書、上半身裸の写真、身分証のコピーが頭にあった。「ここから出たい。私一人が我慢すればいい」。終電間際まで3、4時間の出来事だった。

「家畜のような存在になってしまった」

 誰かに言うと広まってしまうという恐怖心が生まれた。自分の落ち度を責める自己嫌悪も手伝い、親にも友人にも相談できなかった。

 最初の撮影は約1カ月後。控室の隅で泣いているうちに出番の時間になった。男性と性行為をする撮影が1日に2回あった。羞恥心を壊され、何かがぷつんと切れた感じがした。屈辱感と悔しさと恥ずかしさで放心状態になった。

 「人間としての尊厳を持たせてもらえない、家畜のような存在になってしまった」と思った。泣きながら「やめてほしい」と繰り返したが、終了時にスタッフから「初々しくて良かった」と声をかけられた。「自分の心を守るには心を閉ざして、忘れるしかない」と思った。

 次々と撮影が組まれるようになった。秘密を抱えて友人とは距離ができた。事務所に「親にばれる」と言われ、一人暮らしを始めた。完全に孤立し、相談相手はマネジャーだけ。撮影内容は過激になった。数時間のうちに大量の水を飲むよう強制される撮影が何度もあった。手足の自由を奪われたり、一度に大勢の男性の相手をさせられたりした。

「みんなに必要とされるような人間になるといいよ」

 「カメラを止めて下さい」と懇願し、「もうできない」と訴えても、「お前はただ耐えればいい」と言われるだけだった。現場から裸のまま逃げたこともあったが、エレベーターの前で捕まって連れ戻された。他の女性と一緒になったとき、着替えの最中に2人で泣きながら、「頑張って早く終わらせて帰ろうね」と励ましあった。

 撮影は数年間続き、次第にひっきりなしに呼び出されるようになった。たびたびヘルペスやカンジタなどの性病にかかったが、「自己管理が悪い」と言われた。円形脱毛症にもなった。事務所の人間に容姿の悪口を言われ、自分が醜いと信じ込む醜形恐怖症に陥った。

 事務所の人間に何度も「やめたい」と訴えたが、初めての出演の時と同じような説得や脅しが繰り返された。容姿に自信がないのを見透かされ、「撮影をしてみんなに必要とされるような人間になるといいよ」と言いくるめられた。

「本人の気持ちの確認を怠らないで」

 「洗脳され、奴隷のように働いていた」状態が終わると、別の苦しみが始まった。大量の作品が残り、ネットにも流通し続けることに悩み、何度も死にたいと思った。自ら命を断とうとしたこともあった。

 「声を殺し、ただ時間がすぎるのを待っていた日々だった。今あるのは取り返しのつかない人生への後悔と、だまされた悔しさと、(作品が流通し続ける)未来への絶望」。街を歩く若い女性を見ると、絶対に自分のような経験をしてほしくないと思う。

 世間には「被害に遭う方が悪い」という声もある。「やらざるを得ない状況におかれた子が少なからずいることをわかって頂きたい。プロダクションは、AV出演でその後の人生がどうなるかを考える余裕を与えず、『今我慢すれば終わる』ことばかり強調する。考える時間を与え、本人の気持ちの確認を怠らないでほしい」

支援団体への相談急増

 被害者支援のNPO法人「人身取引被害者サポートセンター ライトハウス」によると、AVに関する相談は2013年に1件のみだったが、翌年から急増して今年4月末までに120件に達した。女性からの相談が約9割で、男性からの相談もある。内容は「モデル契約のはずが無理やりAVに出演させられた」「無修整動画の販売を止めたい」などだ。

 警視庁は、東京都渋谷区の芸能プロダクションの元社長ら3人を、同社に所属する女性をAV制作会社に派遣し、公衆道徳上の有害業務にあたるAVに出演させた疑いで逮捕した。政府は今月2日に閣議決定した答弁書で、AVへの出演強要は予防と根絶が必要な「女性に対する暴力」に当たるとし、実態把握や相談体制づくり、民間支援団体との連携強化に取り組むとしている。

 AVメーカーなどで作るNPO法人知的財産振興協会は22日、「今まで対応を自主的に行っていなかったことを深く反省する。プロダクションにも働きかけ業界全体の健全化に向け早急な改善を促したい」との声明を発表した。

 国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子弁護士は「被害相談は今なお続いている。無修正の動画が海外のサーバーから配信されるなど、被害の回復は非常に難しい。意に反する出演をなくすための法規制が必要で、AV業界も被害を防止・救済する対策に真剣に取り組んでほしい」と語る。

製作被害 : AV業界激震…悪質撮影に国も対応へ「本番行為がダメだ

日時: 2016-06-25  表示:6976回

産経新聞 6月20日(月)17時5分配信

 大手プロダクションの摘発に業界中がどよめいている。所属していた女性を実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が労働者派遣法違反容疑で大手プロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の元社長や社長ら3人を逮捕した事件。一連の捜査で、いわゆる本番行為の常態化や女性の悪質な勧誘など、さまざまな問題が明らかになりつつある。AVをめぐる事件は過去にもあったが、今回の大規模捜査を機に、国も実態把握に本腰を入れる方針だ。

 ■ピル服用で…AV撮影で横行する実際の性行為

 「私は逮捕されるんですか?」

 5月23日、マークス社に家宅捜索に入った捜査員に対し、同社の関係者は思わずこう尋ねたという。なぜ捜索されているかいまひとつ理解できていない様子の関係者らを尻目に、捜査員らは段ボールに資料を入れていった。

 捜索は女性の派遣先とされるメーカー「CA」(港区)にも及んだ。CAは「DMM・com」グループでAV業界最大手。業界内に動揺が広がった。

 実際の行為は同法の「公衆衛生上有害な業務」として規制されている。作品のモザイクの有無は関係ない。ところが最近は無修正をうたう海外発の動画配信サイトの拡大などで、AV撮影での実際の行為はほとんど当たり前になっている。

 「本番行為がダメだと今更強く認識している関係者はいなかったかもしれない」と業界関係者。「過激な撮影のため女性はその都度、経口避妊薬の服用と性病検査を続けさせられていたようだ」と、捜査関係者も最近の傾向を問題視する。

 ■契約書に「成人向けの作品“も”出演する」の文言

 発端は女性の相談だった。相談からは契約の強引さも浮かんだ。

 女性は平成21年に別のモデルプロダクションからマークス社を紹介され、当時の社長に「グラビアモデルとして契約してもらう」と説明され、契約書にサインした。女性は契約書をよく読ませてもらえず、写しも受け取っていなかったが、「成人向けの作品も出演する」とする文言が書かれていたという。

 その後、女性はAVの撮影現場に連れていかれ、女性が撮影を拒否すると、「サインしたじゃねえか」「スタッフがもう集まっているだろう」「違約金を払え」などと数人で取り囲んで数時間にわたって軟禁状態にし、撮影を強行。1本撮影すると次々撮影することになり、約5年間出演させられた。知らないうちに無修正の作品も出回っており、弁護士らとともに警視庁に相談した。

 長年業界に携わった関係者によると、こうした強引な撮影はほかのプロダクションやメーカーでも横行しているという。契約書や台本の内容は曖昧で、女性に何をさせるか知らせないまま事を進めていくのが常套手段。「最近は利益を出そうと、行為の過激さや奇抜さがエスカレートする傾向にある。もう辞めたいと泣いていた子は何人も見た。人権侵害と言われても仕方ないケースもある」と明かす。

 ポルノ被害と性暴力を考える会によると、同会に寄せられる相談は26年ごろから急増している。モデル事務所と偽って契約し、AV出演を余儀なくされたなどといったケースが目立っている。

 ■相次ぐAV業界めぐるトラブル…摘発までに時間も

 AV業界をめぐっては平成20年、モザイクの薄い作品を合格させたとして、自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の審査部門責任者が、わいせつ図画頒布幇助容疑で警視庁に逮捕された。16年には撮影で女性に悪質な暴行を繰り返したとして、メーカーの代表らが強制わいせつ容疑で逮捕され、後に強姦致傷罪で有罪判決を受けた。

 同庁保安課によると、労働者派遣法違反容疑での摘発は9年ぶり。これだけ実際の行為が蔓延しているにも関わらず摘発例が少ないのは、性犯罪などと同様、女性が特定されることなどを恐れて裁判などで証言することに消極的になってしまうためだ。同庁は26年から十数件、女性から相談を受けているが、途中で相談を取り下げる女性もおり、摘発に漕ぎ着けるまで時間を要した。

 「事件化だけで悪質な状況を変えることは難しい」「メーカー側も責任を負う仕組み必要なのではないか」。事件を機に、一部の業界関係者からはこういった声も上がっている。

 一連の問題を受け、内閣府や関係省庁は実態把握を進める方針だ。内閣府は、啓発の推進や、被害者が相談しやすい体制づくりを通じて、効果的な支援の拡充を図ることを決めた。

 内閣府暴力対策推進室の担当者は、「世間の関心も高く、放っておけない問題となっている。支援団体への聞き取りなどを通して、何が必要か把握していきたい」と話している。

製作被害 : AV出演強要問題、業界団体IPPAが声明「深く反省」「健全化

日時: 2016-06-23  表示:6991回

弁護士ドットコム 6月23日(木)0時3分配信

アダルトビデオ(AV)出演強要問題をめぐり、大手AVプロダクションの社長などが逮捕された事件を受けて、アダルトビデオのメーカーなどでつくる団体「NPO法人知的財産振興協会」(IPPA)が6月22日、業界の健全化へ向けて、メーカーとしてもプロダクション側に働きかけていくとする声明文を発表した。

声明文のなかで、同団体は「メーカーとしてもプロダクションで起こったことだと他人事にするつもりはございません。厳粛に受け止めております。プロダクションにも働きかけ業界全体の健全化に向け早急な改善を促していきたいと思っております」としている。さらに、「今まで対応を自主的に行っていなかったことに対し深く反省しております。幾重にもお詫び申し上げます」と謝罪した。

この問題の解決に取り組んできたNPO法人ヒューマンライツ・ナウからは、契約の結び方や、違約金を請求しないこと、苦情申し立てに応じる機関を設立することなどの要望を受けており、要望に沿うかたちで取り組みを進めていくという。

ヒューマンライツ・ナウの事務局長をつとめる伊藤和子弁護士は同日、自身のフェイスブック上で、IPPAの声明文について、「前途はまだまだ多難だけど、ひとつ前進といっていいかな」とコメントしている。

IPPAの声明文は次の通り。

●AVプロダクション関係者逮捕について

NPO法人知的財産振興協会は、主なAVメーカーが在籍し業界全体で違法コピーなどの取り締まりをしております。

この度AVプロダクションの関係者逮捕について皆様にご心配をおかけしておりますこと、大変申し訳なく思っております。メーカー側は法的には問題ないとされておりますが、業界としてはこの事態を重く受け止めております。

そして、「原因究明」「再発防止」をするために、先月この件について、被害者救済を求める認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウの弁護士の皆様、NPOの皆様との会議を行いました。

そこで以下のとおり要望がございました。

1)プロダクションや制作会社との間でコードオブコンダクトを締結し、強要しない、違約金請求しない、同意のない作品には出させない、人権侵害を行わない、適正な報酬を支払う、等の項目を具体化し、それを承諾したプロダクション・制作会社としか取引しないようにする。

2)出演契約にあたっては、女優の頭越しに契約するのでなく、女優が参加したうえで契約を締結する。その際、プロダクションの監視により女優が自由に意思決定できない事態を防ぐため、マネジャーが同席しない場での真摯な同意があるか意思確認するプロセスを踏む。

3) 女優が出演拒絶した場合、違約金を請求せず、メーカーが損失を負担する。違約金に関しては保険制度等を活用する。

4)1)が守られていない等の苦情申し立てに対応する機関を設置し、1)が守られていない疑いが強いものについては、販売差し止めを含む救済策を講じる。

5) 女優の人格権保護のため、プライベート映像の流出・転売等を防止し、流通期間に制限を設け、意に反する二次使用、三次使用ができない体制をつくる。

この会議の後、NPO法人知的財産振興協会の理事社にて話し合い、この要望に沿い業界の健全化へ向け、メーカーとしてもプロダクション側に働きかけていくことを決議、実行することに致しました。

また、これ以外にも、被害者救済のNPO団体の皆様とも連携し相談することができるシステムを構築し、問題があった場合早急に対応ができるような仕組み作りをするべく進めております。

今回の件は、メーカーとしてもプロダクションで起こったことだと他人事にするつもりはございません。厳粛に受け止めております。プロダクションにも働きかけ業界全体の健全化に向け早急な改善を促していきたいと思っております。

この件では、NPO法人知的財産振興協会として、今まで対応を自主的に行っていなかったことに対し深く反省しております。

幾重にもお詫び申し上げます。

平成28年6月22日

NPO法人知的財産振興協会

製作被害 : AV業界に壊滅的な打撃? 強要被害70人超が告発準備

日時: 2016-06-16  表示:7165回

2016.06.16 ZAKZAK

 アダルトビデオ(AV)への出演を女性に強要したとしてAVプロダクションの元社長らが逮捕された事件が波紋を広げている。女性は100本以上の作品に出演させられていたという。同じような被害を受けた女性は少なくなく、「告発の準備をしている女性は、少なくとも70人以上に及ぶ」(関係者)。大規模な捜査に発展する可能性も出てきた。

 警視庁が11日、労働者派遣法違反容疑で逮捕したのは、大手AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の元社長、村山典秀容疑者(49)と、社長の古指(こざす)●(=隆の生の上に一)士容疑者(50)ら3人。

 被害女性は2009年、当時社長だった村山容疑者と面接し、「グラビアモデルとして契約してもらう」と説明され、契約書にサインした。

 契約書には「成人向けの作品も出演する」と書かれており、AVの撮影現場に連れて行かれた女性が拒否すると契約書を盾に「違約金を払え」などと脅されて撮影を強行されたという。

 被害女性はその後、5年間で100本以上の作品に出演した。告発に踏み切ったきっかけは何だったのか。

 「AV出演の経緯を交際相手が知り、メーカーとプロダクションにクレームを入れた。さらに被害女性側は海外の動画サイトに配信された無修正動画を削除するよう求めていたが、プロダクション側はこれを拒否した。悪質な対応を繰り返していたことが警察への訴えにつながったようだ」(捜査関係者)

 若い女性に芸能界デビューをちらつかせてAV業界に引きずり込むのは、「一部、悪徳スカウト業者の常套手段」(業界関係者)といい、半ば強制的に出演させられるケースは少なくない。

 事件によって業界の暗部が浮き彫りになった格好だが、あるプロダクション関係者は「出演作が100本を超える女性の訴えで警察が動いたのは過去に前例がない。この事件で、出演経験のある女性からの訴えが続出する可能性がある」と語る。

 AV出演強要の被害防止や被害者救済の活動を行う人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」(事務局長・伊藤和子弁護士)には、「70人以上の女性が相談に訪れ、その多くが警察に訴える構えをみせている」(捜査関係者)という。

 プロダクション関係者は「70人以上が一気に被害届を出せば、多くのメーカーやプロダクションに捜査のメスが入る。そうなると、AV業界全体が壊滅的な打撃を受ける」とも話す。

 ここ数年、業界の取り巻く環境は厳しく、現役AV監督の1人は「無料動画や海外の無修正動画に押されて業界の売り上げは年々落ち込み、女優が得られる報酬もどんどん下がっている」と明かす。

 業界関係者は「女優の報酬は、ピーク時の10分の1程度にまで下落しているが、それでも年間2000本程度が作られ、500人の女優が毎年デビューしている」。その中には望まない形でAV出演を了承した女性も含まれているとみられ、根は想像以上に深い。

製作被害 : バイト感覚で登録 「AV」記載なく 出演強要された被

日時: 2016-06-16  表示:7081回

2016年6月14日 13時57分 東京新聞

 女性をアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣していたとして、警視庁が都内のプロダクション元社長らを労働者派遣法違反(有害業務就業目的派遣)の疑いで逮捕した。モデルへの憧れを巧みに利用したこの種の勧誘は多い。無理やり出演させられたある二十代の女性が「私のように巻き込まれる女性をもう出したくない」と本紙の取材に体験を語った。 (木原育子)

 大学生の頃、アルバイト先で「グラビアのバイトをしてみない?」と持ち掛けられたのが始まりだった。「話を聞くだけ」と気軽に応じた。

 男性社員ばかりのプロダクション事務所に行くと、「登録だけしておこうか」と優しく言われた。派遣のバイトに登録する感覚で身分証のコピーを渡し、書面に名前と連絡先、住所、生年月日、大学名を書いた。

 書面に「AV」の記載はなく、グラビア撮影と思った。事務所併設のスタジオで証明写真を撮られた。「体に傷がないか確認したい」と上半身裸の写真も。「みんなやっているからね」と説明された。

 数日後に制作会社で面接を受け、さらに数日後、プロダクションから「AV出演が決まった」と連絡があり、ようやく事の重大さに気づいた。

 「絶対に嫌です」。狭い応接室で三時間以上、泣いて懇願したが、三人の男性に囲まれ、どう喝され続けた。身分証や裸の写真が脳裏をよぎった。「契約書へのサインがある。違約金を払えるのか」「親や大学にばらす。親は泣くぞ」

 誰にも相談できないまま、この状況を招いたのは自分の至らなさのせいだと思い「私さえ我慢すれば」と追い込まれていった。

 撮影は次第に過激になった。両手足を縛られ、複数人の男性を相手にした。「あまりにも恥ずかしくて屈辱的で…。自分を守るには、心を閉ざして、忘れるしかないって」

 撮影は五年間続き、出演は百本を超えた。卒業後に入社した会社で、出演を見つけた男性の同僚から「君はだまされている」と諭され、われに返った。

 支配され続けることで心が壊れたのか、医師からは、自分の身体が極度に醜いと思い込む「醜形恐怖症」と診断された。自身を肯定できなくなっていた。

 見られているという恐怖と悔しさが、まだ消えないという。「AV業界は今、特殊な世界ではなく、ちょっとした心の隙があれば、誰でも取り込まれる危険がある」。女性は何度も繰り返した。

製作被害 : 「サインしたじゃねえか!」 拒否する女性を数時間脅し

日時: 2016-06-14  表示:6988回

2016.6.13 13:08 産経

 所属する女性を実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして大手AVプロダクションの元社長らが逮捕された事件で、女性がAV撮影を拒否した際、元社長らが数時間にわたって女性を脅し撮影を強行していたことが13日、警視庁への取材でわかった。同様の相談は数十件あり、警視庁保安課は業界内で悪質な撮影が横行していたとみて調べる。

 逮捕されたのは、「マークスジャパン」(東京都渋谷区)元社長の村山典秀容疑者(49)=世田谷区代沢▽社長の高山祐次こと古指(こざす)隆士容疑者(50)=同区宮坂▽社員の高橋慶将(けいすけ)容疑者(34)=豊島区池袋。同課は認否を明らかにしていない。

 同課によると、女性は平成21年に別のモデルプロダクションからマークス社を紹介され、当時社長だった村山容疑者に「グラビアモデルとして契約してもらう」と説明され、契約書にサインした。女性は契約書をよく読ませてもらえず、写しも受け取っていなかったが、「成人向けの作品も出演する」とする文言が書かれていたという。

 その後、村山容疑者らは女性をAVの撮影現場に連れていき、女性が拒否すると、「サインしたじゃねえか!」「違約金を払え」などと数人で取り囲んで数時間にわたって軟禁状態にし、撮影を強行したという。

 同社にはこれまで4500人の女性が所属し、昨年1年間で18億円を売り上げていた。実際の行為のため、多くの女性は撮影前に避妊薬を服用させられるなどしていたという。

 逮捕容疑は25年9月30日と10月1日、性行為を含む撮影のためAVメーカー「CA」(港区)に20代の女性を派遣したとしている。CAは「DMM・com」のグループ会社で業界最大手。

製作被害 : 女性のAV強要被害が急増、性感染症、うつ、整形も (2016.0

日時: 2016-06-14  表示:7365回

2016年6月13日 共同通信

 モデルやタレントとして契約した女性が、アダルトビデオ(AV)への出演を強要される被害が急増している。

 拒否すると高額な違約金を要求されるケースも多い。支援団体からは法整備を求める声が上がっている。

 人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」が3月に公表した報告書などによると、AV出演を巡り、被害者支援団体に寄せられた相談件数は2012年と13年は各1件だったが、14年は32件、15年は81件と急増した。

 グラビアモデルとして業者と契約したある女性は、撮影開始直前にAVと知らされた。契約解除を求めると「大学や実家まで迎えに行く」「違約金を親に請求する」と脅され、拒めなかった。

 撮影は次第に暴力的になり、女性は性感染症になり、うつ病も発症。契約解除後も出演作品が販売され続けたため、女性は「顔を変えるしかない」と思い詰め、整形手術を繰り返した。

 報告書によると、職業安定法や労働者派遣法には有害業務から労働者を守る規定があるが、業者側は労働契約とせず、女性がマネジメントを委託した形の契約にするなどして巧みに規制を逃れる。このため、違法な勧誘の禁止や、意に反して出演させられた場合の販売差し止めなどの法整備の必要性を提言している。

 救済に取り組む「ポルノ被害と性暴力を考える会」の担当者は「被害は氷山の一角。女性は悩まずに勇気を出して相談してほしい」と呼び掛けている。(共同)

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