[琉球新報](2004年1月22日)
3年連続で過去最悪を記録するなど増加傾向にあった県内の刑法犯の認知件数が、昨年は7年ぶりに減少に転じたことが、22日に発表された県警のまとめで明らかになった。昨年1年間の認知件数は前年比10・6%減の2万2914件。特に窃盗が14・1%減の1万8135件となった。一方、強制わいせつなど重要犯罪は増加し、同32・4%増の278件と過去最悪を記録するなど悪化に歯止めがかからず、県内の治安は依然として深刻な状況だ。
認知件数が減少したのは、県警が「身近な犯罪」に指定するオートバイ盗や車上狙いなど7罪種が同26・7%減の8876件と大幅に減少したことが要因。罪種別で多いのは窃盗で全体の79・1%を占めた。
一方、重要犯罪では殺人が前年比6件減の25件と減少したが、強制わいせつが同34件増の107件、強かんが同10件増の36件、声掛けなど略取誘拐は同18件増の20件と軒並み激増。女性や子供を狙った事件が多発傾向にあり、性犯罪が51・4%と過半数を占めた。
稲****部長は「身近な犯罪の抑止に県民ぐるみで取り組み、認知件数全体は減ったが、弱者を狙った性犯罪は増加しており、捜査手法を含め効果的な対策を強化していく」と話した。