ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
2010年度の論文資料集10号。詳細はこちらより
 
メニュー
 
Google検索
 
最新 << 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   >>  最初

ポルノ被害 : AVに出演したけど、完成品を見てこわくなった…「流通」を

日時: 2016-08-06  表示:2538回

弁護士ドットコム 2016年08月06日 10時58分

出演したアダルトビデオの流通を止めてもらえるのか−−。AV出演をめぐる問題が大きくクローズアップされるなかで、弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも、このような相談が投稿されていた。

相談者は、お金のためにAV出演を決意し、プロダクション(マネジメント会社)と契約を結んだ。撮影までは納得していたが、完成したDVDを見たらこわくなり、流通を止めてもらうようプロダクションにもとめた。

だが、プロダクションからは、契約で同意しているうえ、コストもかかっているので「できない」といわれたそうだ。このような場合、法的にAVの流通を止めることはできないのだろうか。高木啓成弁護士に聞いた。

●プロダクションとメーカーに同意してもらうしか確実な方法はない

「アダルトビデオは著作権法上、『映画の著作物』というあつかいになります。映画の出演者であるAV女優には、実演家の『著作隣接権』という権利が発生します。

実演家の著作隣接権には、自分の実演が撮影された録画物を頒布することを禁止する権利が含まれています。

ただ、今回の相談の場合、いったん許諾して『映画の著作物』に出演してしまった以上、その権利を行使することができません。また、AV女優とプロダクションとの契約でも、AV女優が著作隣接権を行使することができないように権利処理されています」

今回の相談のように、流通を止めることはできないのだろうか。

「昨年9月、『AV女優はAV出演契約をいつでも解除することができる』という裁判例が出ました。この裁判例によれば、たとえ出演契約の契約期間中であっても、AV女優は、プロダクションとの契約を解除して、その後の出演を拒否することができます。

ただ、ここでいう『解除』というのは、過去にさかのぼって契約が無効になるわけではありません。解除の時点から将来に向かって、無効になるということです。ですので、この裁判例によっても、今回の相談のように、いったん同意のうえで出演したAVの流通を止めさせることまでは認められていません。

したがって、法的権利として、撮影済みのAVの流通を止めさせることは難しいと考えられます」

では、流通を止めさせることは不可能なのだろうか。

「流通を止めさせるためには、プロダクションやメーカー(制作販売会社)に同意してもらうしか確実な方法がありません。

プロダクションやメーカーは、流通を止めることに同意する条件として、一定の損害賠償を要求してくると思われます。こちらに法的権利がない以上、基本的には相手方の言い値になってしまいます。

ですので、本当にAVに出演するかどうかは、後悔のないように、出演する前に真剣に考えてから決めなければなりません」

高木弁護士はこのように述べていた。

ポルノ被害 : キャンプ場でAV撮影=公然わいせつ容疑52人送検―警視庁 (20

日時: 2016-07-10  表示:2423回

時事通信 7月8日(金)17時40分配信

 神奈川県内のキャンプ場でアダルトビデオ(AV)を撮影したとして、警視庁は8日までに、公然わいせつや同ほう助の疑いで、大手AV制作会社「CA」(東京都港区)社長の40代男と出演していた女優9人、男優24人ら計52人を書類送検した。

 同庁保安課によると、AV撮影に伴う公然わいせつ事件で50人以上の一斉摘発は異例。

 社長らの送検容疑は2013年9月30日と10月1日、相模原市のキャンプ場で、人目に触れる可能性があると知りながらAVを撮影した疑い。

 同課によると、撮影はキャンプ場を借り切って行っていた。社長は「見張りを立て一般の人が入れないようにしていた」と容疑を否認。女優や男優は容疑を認めているという。

 このAV撮影に参加した女性が昨年12月、出演を強要されたと同庁に相談。6月にAVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の元社長らが労働者派遣法違反容疑で逮捕され、撮影に伴う公然わいせつほう助の疑いでも今回書類送検された。 

ポルノ被害 : 女優の「裸画像」合成、「有名税」では済まされない…雑

日時: 2016-07-07  表示:2443回

弁護士ドットコムニュース 2016年07月06日 10時09分

綾瀬はるかさんや石原さとみさんら女優7人が、自身の写真と裸のイラストとの合成画像の掲載をめぐって、雑誌出版社に損害賠償を求めていた訴訟で、出版社側に計560万円の支払いを命じた二審知財高裁判決が6月29日までに確定した。

一審の東京地裁は、「イラストは一見して合成と判別できないほど精巧」「女性に強い羞恥心や不快感を抱かせ、自尊心を傷つける」として、賠償を命じ、二審も支持していた。7人は二審判決の一部を不服として上告受理を申し立てていたが、28日付で不受理が決まり、二審判決が確定した。

報道によると、問題となった雑誌には、訴えた7人を含む20人超の女性芸能人の合成画像が掲載されていたという。このような性的な画像と有名人の顔写真の合成画像は「アイコラ(アイドル・コラージュ)」と呼ばれ、ネットにも幅広く出回っている。アイコラの掲載にはどんな問題があるのだろうか。最所義一弁護士に聞いた。

●芸能人は「セクハラ表現」を受忍しなくてはならないのか?

今回の裁判では、著名人が持つパブリシティ権(氏名・肖像のもつ顧客吸引力を排他的に支配する権利)の侵害は否定されたものの、氏名権・肖像権・名誉感情に対する違法な侵害があったことが認められました。

判決では、記事の掲載が「その意に反する性的な嫌がらせに当たるとも言うべきもの」と認定されています。つまり、いわゆる「セクハラ表現」であることが認められたわけです。さらに、「その肖像を無断で使用された女性にとっては、自らの乳房や裸体が読者の露骨な想像(妄想)の対象となるという点において、強い羞恥心や不快感を抱かせ、その自尊心を傷つけられるものであるということができる」とも判示しています。

一般的に芸能人には「有名税」があると言われます。しかし、たとえ芸能人の「容貌や姿態等は公衆の関心事であり、その芸能活動に関し、自らの意図とは異なる態様でマスメディアに取り上げられることも、一定程度は受忍すべきであると考えられる」(本判決文)としても、「セクハラ表現」を受け入れなければならない理由はありません。芸能人であっても普通の人間で、一般人と同じ気持ちや感覚を持っているわけですから。

今回の判決では、受忍すべき範囲が広いとされている芸能人に対しての名誉感情侵害が認められています。逆に言うと、一般人のわいせつな合成画像をネットに投稿したような場合には、受忍すべき範囲云々は問題となりえませんから、同じようなことがあった場合、権利侵害性が否定されることは考えにくいと思います。

●合成の「精巧さ」は判断材料になるか?

判決では、「女性芸能人が自らの乳房を露出しているかのような印象を、読者に与える可能性を否定することはできない」と判示しています。合成したイラストの精巧さも、名誉感情を侵害する理由になったと言えるでしょう。いわゆる「アイコラ」に関しては、刑事事件で有罪とされた事例もあります。このときも、アイコラ画像が精巧であったことが考慮されています。

なお、仮に性的な画像でなかったとしても、その人の社会的評価を低下させるような画像を作成すれば、名誉権侵害は問題となります。例えば、タバコを吸わない芸能人が禁煙区域で路上喫煙している画像を合成して、あたかも条例違反をしているような印象を与えた場合は、名誉毀損表現に該当するといえるでしょう。

勝手に他人の合成画像を作成し、ネットなどで公開すると、厳しく責任を問われる可能性がありますので注意が必要です。

ポルノ被害 : AV出演強要は「女性に対する暴力」と国が認めたことを評価

日時: 2016-06-04  表示:3030回

弁護士ドットコム 6月4日(土)11時50分配信

 若い女性たちが本人の意思に反して、アダルトビデオ(AV)に出演させられている問題について、政府は6月2日、民間団体からヒアリングして、実態の把握につとめるという答弁書を閣議決定した。被害を訴えてきたNPOからは、こうした動きを歓迎する声があがっている。

●NPOが「監督官庁の設置」「実態の把握」などを求めていた

 AVの出演強要をめぐっては、NPO法人ヒューマンライツ・ナウが今年3月、被害実態をまとめた報告書を公表。若い女性たちが、本人の意思に反してAVへの出演を強要されるケースが相次いでいると指摘したうえで、監督官庁の設置や法整備、実態の把握などを求めていた。

 報告書によると、スカウトから街で「モデルにならない?」「タレントにならない?」と声をかけられたり、撮影直前までAVだと知らされず、拒否すると高額の違約金を求められたりするなどして、出演を強要されたケースがあったという。

●「内閣全体の課題として位置付けられたことは重要」

 今回の答弁書は、女性に対して、本人の意に反してAVの出演を強要することは、第4次男女共同参画基本計画で、防止と根絶に取り組むとしている「女性に対する暴力」にあたると説明。教育・啓発の推進や、被害者が相談しやすい体制づくりを通じて、効果的な支援の拡充を図っていくとしている。

 NPO法人ヒューマンライツ・ナウの事務局長をつとめる伊藤和子弁護士は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「今回閣議決定され、内閣全体の課題として位置付けられたことは重要です。特に、本人の意思に反して女性にアダルトビデオへの出演を強要することは、『女性に対する暴力』にあたると位置付けられたことを歓迎します」と一定の評価を示した。

 今後については、「実態把握とともに、相談窓口の整備、啓発、施策の策定、対策立法と、被害をなくすために政府が一丸となって迅速な動きを進めていくことを心から期待します」と述べた。

 また、AV出演に関する相談を多数受けているNPO法人ライトハウスの藤原志帆子代表も、「これまで放置されてきた問題について、国が調査することは非常に良い流れだと思います」と評価した。「民間だけでなく、警察や労働局、消費者センターにこれまでどれくらい相談が入っていたかも調べてほしい。また、AV業界からもヒアリングして、リクルートから制作、流通まで産業全体の実態を把握してほしい。そのうえで、早急に法制化して業界の健全化につなげてもらいたいです」と話していた。

ポルノ被害 : アダルトビデオの出演強要 政府が実態把握へ (2016.06.02)

日時: 2016-06-02  表示:3076回

NHK 6月2日 20時50分

 政府は2日の閣議で、本人の意思に反して女性にアダルトビデオへの出演を強要することは、「女性に対する暴力」にあたるとして、内閣府が民間団体から被害状況を聴き、実態の把握に努めるとした答弁書を決定しました。

 この答弁書は、生活の党の山本共同代表が提出した質問主意書に対するものです。
 質問主意書では、悪質な勧誘がきっかけで、女性が本人の意思に反してアダルトビデオに出演させられる被害が相次いでいることについて、どう対策を講じていくのかをただしています。
 これに対し、答弁書は「女性に対して本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要することは、去年決定した第4次男女共同参画基本計画で、予防と根絶に取り組むとしている『女性に対する暴力』にあたる」としています。
 そのうえで「女性に対する人権侵害を容認しない社会環境を整備するための、教育・啓発を強力に推進するとともに、内閣府が民間団体からアダルトビデオへの出演強要の被害状況などを聴いて、実態の把握に努める」としています。

ポルノ被害 : AVに映像を使われた松本圭世アナ「だまされる女性が悪いと

日時: 2016-05-27  表示:2944回

弁護士ドットコム 2016年05月27日 10時57分

若い女性たちのアダルトビデオ(AV)出演強要問題を考えるシンポジウムが5月26日、東京都内で開かれ、大学時代のAV出演疑惑がきっかけで、勤務していたテレビ局を退社したフリーアナウンサー、松本圭世さん(26)が登壇。AVだと聞かされず、「だまし討ち」のようかたちで撮影されたことを明かした。

松本さんはテレビ愛知でアナウンサーとして働いていたが、2014年に週刊誌で「現役アナAV出演疑惑」を取り上げられたことがきっかけで、同年に退社した。いわゆる素人ナンパもののAVで、当時大学生だった松本さんが男性器を模した飴をペロペロと舐めるシーンが映っていた。騒動が起きたあと、食事がノドを通らず、「世間の声がかなり厳しく、自殺まで考えたほどだった」と打ち明けた。

松本さんは「同情してほしいだとか、被害者アピールをしたいということではありません」と断ったうえで、「だまされる女性が悪いという風潮がある」「AV出演強要が社会問題として議論され、ほかの被害者の方が声をあげやすい環境になっていくきっかけになってほしい」と話した。以下、松本さんがシンポジウムで語った内容の全文を紹介したい。

●「承諾書にアダルトビデオを連想させるような言葉はなかった」

わたしは2014年まで愛知県のテレビ局でアナウンサーとして働いていました。「現役アナウンサーAV出演疑惑」と週刊誌でとりあげられて、それがきっかけでテレビ局をやめることになりました。

みなさんに同情してほしいだとか、被害者アピールをしたいということではありません。AV強要問題が社会問題として議論されたり、ほかの被害者の方が声をあげやすい環境になっていくきっかけになってほしいと思います。

いわゆるナンパもので、わたしが飴を舐めている映像を使われました。わたし自身、世間で騒動になるまで知りませんでした。ナンパものと呼ばれるアダルトビデオにわたしの映像が使われているということを騒動になるまで知りませんでした。インターネット上で知って本当にびっくりした。ただ、心当たりはあったんです。

騒動となる4、5年前、わたしが大学生だったころ、街なかで男性から「困っているから助けてください」と声をかけられたことがありました。「バラエティのようなものを撮影していて、誰も助けてくれないから、少しでもいいから協力してほしい」と。

初めは断りましたが、内容を聞いたところ「男性の悩みを聞いてくれるだけでいい」といわれて、何度も説得されたので、「それだけ困っているのなら」と半ば人助けのようなかたちで協力することを了承しました。小さな車に案内されました。車の中には、女性スタッフが1人いました。その女性にメイクを直されて、わたしとしては断りにくい雰囲気になってしまった。しかも女性がいたので、そこまで警戒しなくて、「撮影があるだろうな」くらいの認識でした。

そのあと、承諾書のようなもの差し出されました。もちろん内容を読みましたが、アダルトビデオを連想させるような言葉はありませんでした。「撮影に協力する」というだけだったんです。だからは私は「あやしい」と思わず名前を書いて、承諾書も渡してしまった。

その承諾書の控えはもらっていません。今だったら「承諾書の控えをもらわないのはおかしい」と思うんですが、当時大学生で社会経験もなく、あまり理解してなくて、「こういうものなんだ」とそのまますすんでしまった。

承諾書を提出したあと、男性スタッフに大きい車に案内されました。そこから撮影がスタートしました。初めは男性の話を聞いているだけで、とくにあやしいこともありませんでした。ただ、撮影が進んでいくにつれて、だんだんおかしな雰囲気になっていきました。

男性の悩みを聞いていたら、途中から飴を出されました。そのとき、おかしいと感じたんですが、車のなかにいて、撮影が始まっていましたし、男性スタッフ4、5人の中で女性はわたし1人。車の出入り口も1つしかなかったので、「逃げれば良かったじゃん」と思われるかもしれませんが、難しかったです。

とりあえず、求められていることに答えて、終わったあとに「この映像は使わないでください」とお願いすれば大丈夫だと思ったんです。実際に、撮影が終わったあとに「使わないでください」とお願いしました。向こうのスタッフからの返答は「大丈夫」というものでした。「大丈夫」と言われたら、大丈夫なんだろうなと思ってしまって、その日はそのまま終わってしまったんです。

●「1年以上、アナウンサーとしての仕事はできませんでした」

結局、大丈夫ではなくて、わたしが知らないところでアダルトビデオの冒頭部分に映像が使われて、知らない間に発売されていました。わたしはそれがきっかけで、当時担当していたニュース番組、情報番組、音楽番組すべてを降板することになり、1年以上、アナウンサーとしての仕事はできませんでした。

当時は、ご飯もノドを通らず、毎日泣いて過ごしていました。今となっては笑って話すことができますが、当時は世間からの声がかなり厳しくて、自殺まで考えたほどでした。

わたしの落ち度はゼロだったとはいいません。街なかで半ばだまし討のようにアダルトビデオの撮影がされているということだったり、契約書を書いたら守らないといけない、大丈夫と言われても大丈夫でないということだったり、誰に相談すればいいかわからなかったり。当時、何もわからなくて、忘れたころに騒がれる結果になりました。

みなさんの前でお話をすることで、少しでも知っていただいて、今後被害にあう方が一人でも少なくなればいいという思いをもって、こうして出てきています。人前で話ができるまでかなり時間がかかりました。

この問題については、まだまだ偏見があったり、だまされる女性が悪いという風潮がものすごくあります。わたし自身も表に出るのがものすごくこわかった。

だけど、たとえば、自分の親が「オレオレ詐欺」で、何千万円も取られてしまったら、だまされた親が悪いと思うのでしょうか。そんなことはないと思うのです。もちろん、わたしに脇の甘さがあったと思いますが、だまされた人が悪いわけではないと思います。

AV出演強要問題がしっかりと社会問題として認識されて、被害者が声をあげやすい、そして世間が被害者の声に耳を傾ける環境になっていくことを願っています。

ポルノ被害 : AV出演を強要された女性「息ができなくなるくらい苦しかっ

日時: 2016-05-27  表示:3003回

弁護士ドットコム 2016年05月27日 08時05分

若い女性たちが意に反するかたちでアダルトビデオ(AV)への出演を強要されている問題について考えるシンポジウムが5月26日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれた。主催は今年3月に被害実態の調査報告書を発表したNPO法人ヒューマンライツ・ナウ。弁護士や被害者支援団体の代表らが登壇し、実態を語った。

シンポジウムの冒頭には、実際に被害にあったという女性がVTRで登場した。女性のプライバシーへの配慮から、顔を映さず、声も変えた映像だった。女性は、ときおり声を震わせながら「息ができなくなるくらい苦しかった」「心が死んだようになっていた」と自身の体験を振り返った。

●被害女性「恐怖、後悔、恥ずかしさ、自分を責める気持ち」

女性は、もともとグラビアの仕事として紹介され、面接を受けたが、その後にAV出演が決まったとの連絡がきた。すぐに断ろうとしたが、数時間におよぶ説得によって疲弊してしまい、最終的に出演せざるをえない状況に追い込まれたという。

女性によると、契約によって、数本の出演が決まっていたことから、1本目の出演後に拒否しようとしても、「いまさら嫌だというなら親に知らせるぞ」「大学にいうぞ」「違約金を払え」と繰り返しおどされたそうだ。

女性は「恐怖、後悔、恥ずかしさ、自分を責める気持ちでいっぱいだった」「心が死んだようになっていた」と当時を振り返った。現在は、支援を受けて、AV出演をやめることができたが、「AVをやっていた期間よりも、その後の人生が長い。ずっとその事実を背負って生きていかないといけないという心の負担が大きい」と話した。

●「業界を全部撲滅したいということは考えていない」

AV出演についての相談を受けているNPO法人ライトハウスの藤原志帆子代表によると、2013年から2016年4月末までの相談件数は計120件にのぼる。(2015年4月以降は、ヒューマンライツ・ナウ調査報告書に協力した「ポルノ被害と性暴力を考える会」と合計した数)。その多くは女性だが、1割弱ほどは男性からの相談も存在する。

AV撮影と聞かされずに性行為などを撮影され、その後に契約させられたケースや、拒否しても高額な違約金がかかるといわれたケースなどがあったという。藤原氏は「出演強要の被害だけでなく、『地方のラブホテルでしか放映されない』といったウソの説明がおこなわれた事例もあった」と説明した。

ヒューマンライツ・ナウ事務局長をつとめる伊藤和子弁護士は「ほかの業界にもある消費者被害や、ブラック企業における労働問題と同じような被害がある。しかし、消費契約法や労働法令が適用されず、保護から抜け落ちてしまっている領域。所轄している官庁もない」と指摘した。

伊藤弁護士は「業界を全部撲滅したいということは一切考えていない」としたうえで、「被害がどれくらいあるのかは、よくわかっていない。深刻な被害を受けている人たちは、周りにいるかもしれない。あまりに被害を言いにくいことから、若い女性が悩みを抱えたまま救済手段がない状況だ。なんとか解決していきたい」と強調した。

ポルノ被害 : AV出演強要被害考えるシンポ (2016.05.27)

日時: 2016-05-27  表示:2943回

NHK 2016年5月27日 13時56分

芸能活動などの契約を結んだ女性がアダルトビデオへの出演を強要される被害について考えるシンポジウムが東京で開かれ、参加者からは被害を防止するための法律の整備を求める意見が出されました。

シンポジウムには被害者を支援している団体や弁護士などが参加し、会場でははじめに被害を受けた女性のビデオによるメッセージが上映されました。
女性は芸能活動の契約を業者と結んだあとアダルトビデオへの出演を強要され、「拒否すれば高額な違約金が発生する」と言われてやむを得ず出演を承諾したということです。
ビデオメッセージの中で女性は「出演を望んでいない人が出演しないで済む仕組みができてほしい」と涙声で訴えました。
このあと参加した弁護士からは業界を監督する官庁がなく被害を防ぐための制度が不十分だといった課題が指摘されました。
そのうえで、モデルのスカウトなどを装った勧誘を規制したり本人の意思に反する契約を解除したりできるよう法律を整備すべきだといった意見が出されていました。
シンポジウムを開いたNPO法人の伊藤和子事務局長は「この問題は女性の意志で契約が解除できないなど現代の日本における人身売買の被害とも言える。被害の実態を多くの人に知ってもらいたい」と話していました。

ポルノ被害 : 深刻なAV出演強要被害は、大手メーカー作品にも少なくない

日時: 2016-04-24  表示:3119回

Yahoo ニュース

伊藤和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
2016年4月23日 10時23分配信

<熊本地震において、被災されたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。>
■ 調査報告書に大きな反響

今年3月3日、ヒューマンライツ・ナウが公表したAV強要に関する調査報告書。

おかげさまで記者会見の様子とともに、大きくメディアに取り上げていただき、新聞、テレビのほか、ヤフーでも大きな扱いで報告書を紹介いただきました。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は3日、タレントやモデルとしてスカウトされた若い女性が、アダルトビデオ(AV)への出演を強要されている被害が国内で相次いでいるとする調査報告書を公表した。

ある女性は20歳の時、「グラビアモデル」の事務所と契約したつもりが、撮影直前にAVだったことが発覚。断ったが、「高額の違約金が発生する」などと脅されて出演を余儀なくされた。その後も違約金で脅されて出演を続けることを強要され、避妊具なしで複数の人との性行為や、12リットル以上の水を飲まされたこともあった。暴力的な撮影で性感染症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したという。別の女性はスカウトマンに説得されて出演したが、直後に悔やんだ。やめたかったが、半年にわたって複数のAVに出演させられた。販売が続いて耐えられず、首をつって自殺した(朝日新聞)
画像

東京都内で記者会見した伊藤和子事務局長は「意に反する性行為を強要され、その一部始終が半永久的に公にさらされる。女性に対する重大な人権侵害だ」と話した。

職業安定法などには有害な業務から労働者を守る規定がある。しかし、スカウトする業者は、女性がマネジメントを委託した形の契約にするなどして巧みに規制を逃れ、現状ではこうした被害を防ぐ法律や監督官庁は無いと報告書は指摘。不当、違法な勧誘の禁止や、意に反して出演させられた場合の販売差し止め、相談窓口設置などを含む法整備を訴えた。(毎日新聞(共同))

調査報告書本文はこちらから見ていただくことができます。

http://hrn.or.jp/news/6600/

予想した以上の反響だったのですが、この深刻な問題を社会に送り届けることができたこと、深刻な光の当たらない人権侵害に光を当てる活動ができたことを嬉しく思っています。

このなかで、12リットルの水を飲まされた等のひどい撮影をさせられた女性の話が驚きを呼びました。

画像

報告書公表後にご本人に会う機会があり、「そんなひどいことがあるなんて、と多くの人があなたのケースに衝撃を受けていましたよ」と伝えると、、、

あの頃はそういうものだと思いこまされていたので・・・

と言いながら目が涙でいっぱいになり、

本当に、取り上げて下さってありがとうございました。

と何度も言われました。

これまで、誰にもこの不条理、悔しさ、屈辱をわかちあうことができず、どんなに悔しかっただろう、と改めて思います。

自分だけで抱え込んできた屈辱や悔しさを社会に訴えたことが彼女にとって大きな意味があったのだと思うと、私自身心を打たれました。

報告書を受けて、池内さおり衆議院議員がさっそく国会で取り上げてくれ、各担当大臣もそれぞれAV強要は深刻な人権侵害だとの認識のもと、きちんとした対策を講じていくと答弁してくれました。

実際に、内閣府は関係者への調査を開始、私たちヒューマンライツ・ナウもヒアリングを受け、今後対策をひとつひとつ進めていくと約束してくれています。

まだ、取り組みは緒についたばかりですが、1か月のうちに、大きな変化をもたらすことができました。

報道をしたり、関心を寄せていただいた方々に心よりお礼申し上げます。

これからも法整備に向けて国会議員の方々にはさらに質問をしていただいたり、取り組んでいただけると嬉しいですし、省庁にも取り組みをお願いします。

私たちが求めている法改正は概略以下の通りです。

1. 監督官庁の設置

2. 不当・違法な勧誘の禁止

3. 違約金を定めることの禁止

4. 意に反して出演させることの禁止

5. 女性を指揮監督下において、メーカーでの撮影に派遣する行為は違法であること

を確認する。

6. 禁止事項に違反する場合の刑事罰。

7. 契約の解除をいつでも認めること

8. 意に反する出演にかかるビデオの販売差し止め

9. 悪質な事業者の企業名公表、指示、命令、業務停止などの措置

10. 相談および被害救済窓口の設置

また、警察・検察には違法行為を積極的に捜査・起訴し、悪質な被害から女性たちを救済するよう求めています。

現在、この問題を解決し、AV強要をなくすために、署名サイトChange.orgでの署名も進めていますので、ぜひご協力いただけると嬉しいです。

署名サイトはこちらからもアクセスできます。http://hrn.or.jp/news/6652/

そして、春先は進学や上京に伴い、被害が多い時期です。是非、報告書のような被害事例が再発しないように、周囲の若い人たちに注意喚起を呼び掛けてください。また学校でも教育していただけると嬉しいです。
■ AV業界からは組織的改善の動きがない。

こうしたなか、女優さん、監督さん、ライターさん、元女優の方など、個別に個人として反論されたり意見を公表されている方もいます。

他方、私たちのもとにはたくさんの内部通報のご連絡を業界内部の方からいただいています。

ところが、AV業界は組織的に沈黙を貫いている状況のようです。

業界全体として何か組織的に、報告書の事実関係について反論をされるとか、または再発防止のための対策を公表するなどの動きはありません。これは大変残念に思います。

その理由として、私たちの報告書が個別の被害事例について、どこのメーカーやプロダクションが関与したのか、名指しをしていないことがあるのかもしれません。だから他人事なのかもしれませんね。

確かに、私たちの記者会見や報告書では事例ごとにメーカーを特定することは避けました。それは、被害者の方の多くが、未だに強要されたAVが流通して苦しみ続け、周囲に知られることを極度に恐れているからです。ほんの少しの手がかりも公にしたくない、と彼女たちは考えています。

しかし、私たちが調査報告書に記載したAV強要事案のなかには、SOD、CAの2つの大手メーカーの作品が含まれていることは確かな事実です。

しかも、流通・販売ではAmazonやDMMがかかわっています。

ですので、業界のど真ん中の問題として、是非真摯な対応をいただきたいものです。
■ 批判や疑問にこたえる

ところで、報告書は予想以上の反響をいただいたのですが、中には批判や疑問の声もありましたので、この場を借りて少しご説明したいと思います(報告書を丁寧に読んでいただくとわかっていただけることが多いので、詳しくは報告書をご参照ください)。

● 現役AV女優さんが強制を否定。

報告書や報道を知った現役女優さんたちが、Twitterなどで「自分たちは好きで出ている」「無理やりだされられている人はみたことない」等と主張されているといいます。

私たちも好きで出ている方、強要されていない方がいることを否定するものでは全くありません。その方たちが自発的に出演していることは事実なのでしょう。しかし一方で、実際に被害にあわれている方がいるのも事実です。

私はAV強要の被害にあわれた方々におあいしてきましたし、自殺された方もいます。

報告書にも書いた通り、本当の意思とは違う経緯でAVに出演し、もうやめたいのに、ときどき死にたいと思いながらも、広告塔のような役割で発信を続けている女優さんがいるのも知っています。

人権団体としては、なかなか声をあげられない、そして最も苦しんでいる人の声に寄り添って活動していきたいと思います。

好きででている方もいる一方、どれくらいの割合かはわからないけれども、強要被害がある、そしてそれはとても深刻だ、対処すべき人権問題だ、

私たちの言いたいことはそのことです。

仮に一部であっても、放置されてよい問題ではないと考えています。

● 目的は業界つぶし、AVの全否定ではないか

報告書、特に勧告部分を読んでいただければわかると思いますが、業界をつぶしたいという考えはありません。

業界を全否定するなら、業界の廃止・禁止を勧告すればいいだけですが、そのような勧告はしていません。

監督官庁を設置することをはじめ、改善策を細かく指摘しています。

●  調査に偏りがあるのでは?

AV業界全体のことを調べていない、というご意見がありました。

私たち人権NGOは、「人権侵害」を調査するのが仕事です。

例えば、いじめ自殺があれば、その学校の子ども全般ではなく、いじめ自殺にフォーカスをして調査をするでしょう。

過酷労働という訴えがあれば、役員クラスやエリート社員ではなく工場の調査をします。

最も声を上げにくい、被害にあった人をハイライトして、声をあげられない被害者の声を社会に届けるのが人権NGOの仕事です。

この点を理解いただければと思います。

● 進んでAVに出る人はいないと思い込んでいるのでは? という疑問。

ダイアモンド・オンラインの記事で、ライターの中村氏は、

「トップAV女優と困窮する売春女性の違いがわからない人がいっぱいいます。ただ性を商品にしている人として、一括りに見てるんですね。話題のNPO法人ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子弁護士もそうですが、女性が自ら進んでカラダを商品化するはずがないと思い込んでいます。現実がまったく見えていません。」

と言っています。

これはどちらかというと私個人へのご批判のようですが、私はそんなことは一言も言っていないし、お会いしたこともない方からどうしてこういわれるか見当もつきません。

トップAV女優と困窮する売春女性が存在する、自発的に性を売ることを選択する女性も、困窮して性を売ることを選択する女性もいる、というのはそのとおりで、私も女性に関わるありとあらゆる案件を扱ってきましたし、女性の貧困問題についても取り組んできましたので、よくわかっています。

● 業界は健全化しており、大手では強要はありえない、という疑問。

こちらは元AV女優の川奈まり子さんなどから問題提起されています(ちなみに、川奈さんとは、たいへん和やかにSNS上で会話をさせていただく機会があり、今後も有意義かつ建設的ななお話ができるとよいと期待しています。)

Jcastの記事によれば、川奈さんは、 

通常の撮影現場では、行為上の「NG事項」が女優に確認される場面も、監督やプロデューサーから撮影内容の事前説明を受ける場面もあると説明した。

「優良なプロダクション」や「ソフト・オン・デマンド」(SOD)、「CA」(DMMグループ)といった大手AVメーカーに調査をしていない証拠だ、と分析し、HRNの目的をずばり「AV(業界)潰し」だと主張した。

とされています。

しかし、さきほど書いたとおり、被害事例には、SOD、CAのものも含まれています。

確かに、川奈さんの指摘される通り、出演契約書を締結する、NG事項が女優に確認するなどの手続きを用意している大手メーカーもあります。しかし、現実にはこうした手続きは形骸化し、意に反する出演をとめさせるセーフガードにはなっていません。

既に「違約金を払えないなら出演するしかない」とプロダクションから言われてとても逆らえない状況に追い込まれた若い女性たちが、プロダクションのマネージャー同伴で契約締結をしたり、面接をしたり、NG事項を確認されたとしても、「本当は出演したくない」と言えない、抵抗できない、という状況にあるのが、私たちが接してきた被害事例の現実でした。

確かに、自ら進んでこうした交渉ができる女性もいるかもしれませんが、抵抗できない女性、気の弱い女性たちが被害にあいやすいのです。

報告書でも紹介した、違約金2400万円以上を請求され、訴訟まで起こされた女性はその手記でこう話しています。

撮影のときは、子宮(膣のこと)や性器の痛みを訴えても、メーカーやプロダクションはもちろん監督や女性のメイクさんからも、みんなで白い目でみられ、「君はやるしかないよ」と言われました。大人の男性を相手に敵に回すのはとても怖かったです。

単にペーパーだけサインさせれば強要などということはありえない、ということになれば、刑事事件の自白の強要なこともあり得ないということになるでしょう。

私たちの調査報告書には以下のように説明しています(23~24ページ)。

プロダクションとメーカーの契約締結には、被害女性が関与しないことが多いが、女性はいずれかの段階でメーカーに対し、出演契約・著作権放棄の同意等の書類に署名捺印させられることになる。

メーカーの中には、本人が自由意思に基づき、AV に出演するのかどうかを確認するために本人にインタビューを行い、その内容を録画するなどして証拠保全する事例も見られる。

しかし、被害者は、プロダクションから出演を命じられて、拒絶できないままメーカーとの面談を強要されており、かつマネージャー等も同行しているため、本心を任意で言える状況は担保されていない。そのため、メーカーによるチェックがセーフガードとなってい

ない実態がある。

●バッキー事件は過去のこと、今や業界は健全化されている。監視機構もある。

このようなご意見もいただきましたが、さて、どうでしょうか。

実はこの間、様々な方から、問題のあるAV画像について情報提供いただきました(ありがとうございます)。

このような場で紹介するのは避けたいと思いますが、改めてひどい映像をたくさん見る機会となりました。

例えば、AVという言葉とともに、拷問、獣姦、スカトロ、集団強姦、少女強姦、浣腸などの言葉を入れて検索をかければ、あまりにも女性の尊厳を無視した虐待的な内容のAVのパッケージが数多く紹介されています。DMMやSODという言葉とともに検索をかけても、そうしたジャンルのいくつか、ないしほとんどの分野のAVを確認することができます。

本当にすべてが自由意志なのだろうか、仮に自分の意思だとしてもこうしたことが放置されたままでよいのだろうか、「少女」というものの中に児童ポルノが含まれていないのか、など甚だ疑問に思います。

大手メーカーをはじめ、AV業界が全面的にクリーンで何ら問題がない、とは到底思えない映像内容ではないだろうか、と思わずにはいられません。

また、監視機構として、「映像倫理機構」があるとのことですが、報告書に記載した強要事例のいずれについても、この監視機構から販売ストップがかかるということはありませんでした。そもそも、この機構は自主的な機関であり、被害の苦情処理や強要被害の救済機関でもなく、現場で強要があった事例に対処するメカニズムもありません。さらに、監視機構があるのに実際には上記に書いたようなひどいAVが世に出まわっています。それはなぜでしょうか。

● 職業安定法と労働者派遣法上の「有害業務」について

川奈まり子さんは弁護士ドットコムニュースに答えられ、当団体の報告書について

いちばん大きな問題点は、すべてのAV出演について、職業安定法と労働者派遣法上の「有害危険業務」であるかのような印象操作がされていることです。たしかに、AV出演が問題になった事件があり、裁判所がその当事者の個別ケースについて、職業安定法・労働者派遣法上の「有害危険業務」にあたると判断したケースはあります。でも、すべてのAV出演が「有害危険業務」というわけではありません。

と指摘されています。

私たちの報告書には、AVへの勧誘を職安法違反、AV制作会社やメーカーに労働者である女優を派遣したプロダクションの行為を派遣法違反(いずれも有害業務)とした判例を多数紹介しています。これは私たちの解釈というより、裁判所で出された判例であり、蓄積された判例を見る限り、基本的にAVへの勧誘、派遣は有害業務とするのが既に確立した解釈とみられます。解説書も確認しましたが、有害なものとそうでないものに分類したり、判断基準を示した判例はありません。

例えば、判例集に搭載された代表的判例である、平成6年3月7日東京地裁判決(判例時報1530号、144頁)は、

派遣労働者である女優は、アダルトビデオ映画の出演女優として、あてがわれた男優を相手に、被写体として性交あるいは口淫等の性戯の場面を演じ、その場面が撮影されるのを業務内容とするものある。右業務が、「公衆道徳上有害な業務」にあたることに疑いの余地はない。

としています。この判断を否定する、AVの勧誘・派遣に関する無罪事例も確認できませんでした。

ですので、印象操作ということには該当しないと思います。

ただ、職安法・派遣法が適用されるのは、あくまでAV女優が労働者という立場の場合です(そして、ここで罪に問われているのは、勧誘行為、派遣行為という業者であり、出演した女優さんの行為は違法とされていません)。

真に独立した自営業者・アーティストであれば、この2つの法律は適用されないことになるでしょう。

AV女優さんたちが、言われるがまま出演をプロダクションから命令されて従うしかない、諾否の自由もなく、撮影現場に派遣される、台本も事前にきちんと渡されず、言われるがまま撮影に応じる、そのような労働者性が実態として認められる場合は、やはり職安法・派遣法上の法規制が問題となってくるでしょう。

私たちの提言書でも、諾否の自由もなく、撮影現場に派遣される、言われるがまま撮影に応じるほかない、という慣行そのものを改めるように求めていますが、プロダクションやメーカーと対等な立場で交渉し、真に独立したアーティストとして尊重されるような実態があれば、「労働者」のカテゴリーにあてはまらないことになるでしょう。そうなれば派遣法等の適用はないはずです。

さらにいえば、「労働者」に該当する事例でも、勧誘行為をせずに、希望者だけを面接して採用すれば職安法には抵触しないことになるでしょう。また、制作会社等が直雇にすれば、派遣法の適用もありません。

● なぜAV業界だけ法規制をするのか、という疑問

これは逆であり、監督官庁があり、関連する法律(例えば、消費者関連法だったり、食品衛生法だったり、風適法だったり)があるほかの業界と異なり、AV業界には監督官庁もなく、関連法規もなく、雇用主や派遣業としての届け出もないため、労働関係の規制も受けていないというのが実情なのです。

私たちが調査した被害事例をみて最も問題と感じたのは、職安法、派遣法の適用を回避するため、女優と雇用契約を締結しない、派遣法上の届け出もしない、形式的には女優さんを労働者でなく独立自営業者のような扱いとしつつ、多くの場合は指揮命令下に置き、諾否の自由もなく現場に派遣している点にあります。そのため、自分の頭越しにAV出演契約をプロダクションとメーカーの間で取り交わされ、いやだといえば違約金を支払えと言われ、出演を強要される構造が確認されたのです。

消費者並みの保護も、労働者並みの保護もない、しかし独立したアーティストとしての権利もない、という現在の法的な地位は搾取や強要などの被害につながりやすい、これを改善することが必要だと思います。
■ 業界の自主的な動きに注目したい。

私たちとしては、政府の対応を求めるとともに、業界の自主努力の行方も注目していきたいと思います。

私たちが問題にしているのは強制・強要であり、自発的な演技や業界そのものを否定するつもりはありません。

しかし、出演が強制・強要されたものだとすれば、AV強要の被害は、普通の消費者被害よりも、レイプよりも、リベンジポルノよりも、取り返しのつかないあまりにもひどい女性に対する暴力、重大な人権侵害です。

その数の多寡にかかわりなく、あってはならないはずです。

通常の製造業が海外で児童労働を使っていた、強制労働をさせていた、ということが1件でも発覚したら、すぐに改善に乗り出すでしょう。それと同じです。

比較するのは適切でないかもしれませんが、ヒューマンライツ・ナウが2015年1月にユニクロの中国下請け工場の過酷労働に関する調査報告書を公表した際は、ユニクロの親会社であるファーストリテイリング社は1週間もたたないうちに事実関係をおおむね認めて対策を公表しました。そのうえでファーストリテイリング社の呼びかけによりヒューマンライツ・ナウおよびパートナー団体とのダイアログが行われました(その後の経緯についてはこちらのヤフー個人でもしばしばご報告していますね)。

AVに携わる企業が社会的責任を果たすクリーンな業界だと主張されるのであれば、出演強要という事態を生まないための防止策を是非検討してほしいと思います。

そして出演当事者に対し、せめて消費者並み、労働者並み、または独立性の高いアーティストとしての保護と権利を保障するべきだと思います。

AV女優さん、元女優さんからも当団体の提言に部分的に賛意を示してくださる方もいて、さらに、撮影で怪我したり病気をした場合も自分持ちというシステムや、映像の二次使用、三次使用が無限に可能でいつまでも映像が流通して削除も困難という問題、なども改革が必要などの提起もされています。

また、当団体には、ほかにもご意見、情報を(おそらくは業界に秘密で)寄せてくださる業界関係者の方もいます。

既に1か月以上たちましたので、業界がいつ、いかなる対策を自発的なかたちで打ち出されるのか、注目していきたいと思います。(了)

ポルノ被害 : 「ポルノは公衆衛生に有害」 全米初、ユタ州決議 (2016.04.2

日時: 2016-04-24  表示:2886回

共同 2016.4.21 09:08

 米西部ユタ州のハーバート知事は19日、ポルノは公衆衛生にとって有害だと宣言し、流行を防ぐ努力を住民に促す決議に署名した。州によるこうした決議は全米初という。米メディアが20日までに報じた。法的拘束力はない。

 決議は「情報通信技術の向上によって過激なポルノが流布し、10代や思春期前の若者の性欲を過剰に高めている」と強調。危険な性行為をしようという欲望も増幅させ、結婚する意欲をなくさせるとも指摘している。

 州知事の報道官は「有害なポルノは常習性があるということを若者に理解してもらいたい」と語った。州議会がことし3月に決議を採択、署名のため知事に送付していた。(共同)

最新 >> 1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   >>  最初
言語の選択
;
 
論文資料集9
2009年度のAPPの調査研究の成果を、論文資料集第9号にまとめました。ぜひご購入ください。詳細はこちらより
 
論文資料集8
2008年度のAPPの調査研究の成果を、論文資料集第8号にまとめました。ぜひご購入ください。詳細はこちらより