ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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製作被害 : 低賃金・長時間労働・パワハラ洗脳で私はAV制作会社を辞め

日時: 2017-02-16  表示:412回

messy 2017.02.14

 AV業界は揺れている。たとえば昨年7月、2013年の9月と10月に神奈川県内のキャンプ場での野外AV撮影行為をしたとして、公然わいせつや同ほう助の疑いで、大手AV制作会社「CA」社長と出演女優9人、男優24人ら計52人が書類送検される事件があった。また今年1月、無修正動画を配信する老舗アダルトサイト「カリビアンコム」に日本で撮影したわいせつな動画を台湾とアメリカを経由して配信していたとして、都内の映像制作会社の社長ら6人が逮捕された。

 そして、女優の出演強要問題。昨年6月、大手AVプロダクション・マークスジャパンの元社長ら3人が労働者派遣法違反容疑で逮捕された。逮捕容疑は、詳しい説明をしないまま「グラビアモデル」としてマークスジャパンと契約した女性にAV撮影の仕事を振り、出演を拒否すると「違約金を払え」「親に請求書を送る」などと脅して5年間で100本以上のAVへ出演させたというものだった。

 一方で、名前も顔も売れている単体AV女優たちは「無理やりとかない。同意して、撮影する前にもちゃんと自分でサインする」「無理やりAV出演とか、いつの時代の話ですかー? なりたくてもなれない女の子もいるってーのに」と強要被害などないと主張。マークスジャパンの系列事務所に所属する初美沙希は、この事件について「色々知っている」とし、被害を訴える女性が「今の彼氏に『あの時は無理矢理やらされてただけなの!』って変な言い訳したら、その彼氏が『なら警察行って作品消させろ!』って騒いで」と、嘘をついていると指摘し「これが真相だ」とした。

 AV業界に、今、何が起こっているのか。messyはこれまでAV男優やエロメンのインタビュー取材をおこない、アダルト動画サイトのランキングやAV作品レビューを掲載してきた。そこで働く彼ら、彼女らが不利益を被るような仕組みが存在するとしたら、是正されるべきだと考える。そこで今回、AV業界でスタッフ・キャストとして少し前まで働いていた女性たちの声を聞いた。

___

<座談会出席者>

■元大手AV制作会社社員りほ:2011年、新卒で入社。AV制作〜編集まで一通りの業務をこなした。2016年10月に退社。
■ヘアメイク担当あいか:2011年頃からフリーランスのヘアメイクとして数々の現場で女優のメイクを担当。
■元企画単体AV女優サキ:2014年から2016年まで企画単体女優として活動。Fカップ女優として売っていた。

――りほさんは、有名大学を卒業して新卒で業界大手のAV制作会社に就職されたんですよね。

元社員りほ そうです。大学では経済学部でした。うちの会社は、慶應とか早稲田とか明治とか、ブランドのある大学の卒業生が多かったです。

メイクあいか なんでまたAV制作会社に。

元社員りほ 私はですけど、映像制作の仕事に興味があって。だけど志半ばで、退社しちゃいましたけど。

――退社理由を伺ってもいいですか?

元社員りほ 理由は複数ありますね。一昨年後半あたりから会社で離職が相次いでいて、信頼する先輩がどんどんいなくなってしまったことがひとつ。体を壊して何回か倒れたこともひとつ。長時間労働のうえ低賃金だということもひとつ。決定打は、心配した両親の「もう辞めてまともな仕事をしなさい」という説得でした。

元女優サキ まともな仕事って……

元社員りほ AVがエッチだからダメ、という意味ではなくて、ちゃんと人間らしい生活を送れる労働時間で、きちんとお給料をくれる会社で働いた方がいい、ということです。5年間やって、給料が上がらなくて昇進の見込みも薄かったので。会社から評価されれば給料は上がるのかもしれないけれど、現状で評価が低いなら私にこの仕事は向いてないんじゃないか、長く続けられる仕事じゃないんじゃないか、って言われました。私も納得して、すっぱり辞めました。

――正社員だったんですよね。お給料はどの程度だったんですか?

元社員りほ 手取り17万円です。入社からずっと。採用試験の時は「額面23万、手取り20万」と聞いていたのでおかしいなと思いつつ、言えなくて……。年に2回、賞与として一カ月分ずつ上乗せがありましたけど、毎月の不足分をボーナスでなんとか補って生活していました。東京都内の会社所在地からそう遠くない場所に住まないと風呂にも入れないし着替えもできないから、やっぱり都内で部屋を借りるじゃないですか。その家賃だけで7万円。光熱費、携帯電話料金、食費などでもう残金ゼロです。コンタクトレンズも高いしなんだかんだ体調不良で病院も行く。自炊する時間は全くなかったので全部コンビニや外食で、食費はやたらかさみました。貯金できないどころか、親からお金を数万円借りてる状態で。携帯電話も仕事でフル稼働するので毎月高かったです……。

――業界大手なのにその給与って。もっと上の世代の社員の人たちはどうしてるんですか?

元社員りほ どうしてるんでしょうね……。少し年次が上の人たちは20万くらいはもらってるかもしれないですけど、でも高給ではない……。何らかの役職に就くとか、社員監督として売れる作品を撮るとかしない限り手取りはUPしないみたいです。親が『逃げ恥』見てたんですけど、「あなたの会社は好きの搾取だったね」と言われました。売れる作品を作れない自分は給料が低くても仕方ないって、みんな納得しちゃってるんです。毎月、作品ごとの売り上げが表で発表されるので。

AV業界のギャラ事情

――りほさん、労働時間はどのくらいだったんですか?

元社員りほ 出社時間はまちまちなんですけど、だいたい朝の3時とか4時くらいまで社内に大勢残って働くのが普通でした。でも去年、電通の新入社員が自殺した事件が大きく報道されてから社内の制度が変わって、22時には退社するように、と言い渡されました。ただそれだと終わらないから、残る人は残って。

――22時退社って、十分すぎるほど遅いです。仕事量が多すぎるんでしょうか。人員も足りない?

元社員りほ そうですね。撮影が遅くまでかかることもあるし、編集作業は時間かかりますし。去年、新卒を大量に採用したので、一応人員はたりていると思いますよ。ただ、プロデューサーがうち全然いなくて。作品を月に50〜70本くらいリリースしてるんですけど、プロデューサーが1人で8、9本くらい抱えて……でもプロデューサー自体4、5人くらいしかいないんですよ。

――1本のAV制作にかかる費用ってどのくらいなんですか?

元社員りほ 最低予算でも100万とか。社内の人件費を除けば、外部監督に編集費込みで1本20〜25万くらいで振って、女優さんのプロダクションにギャラを払って……女優さんのギャラはランクによりますね。

――じゃ、フリーランスでやっている監督は月に4本くらい撮れば安定していい感じの暮らしができるのかなぁ。

元社員りほ そうかもしれないですね。というか、外部の監督はみんな忙しくて、ほぼ毎日現場入ってるんですよ。だから、すげー稼いでると思います。やっぱり人がいない、ちゃんと撮れる監督は限られてるんで。その人たちでほぼAV業界をまわしてる。

――それって、名前が一般的に知られてない監督さんも含めて?

元社員りほ そうですね、DMMのAVランキングとか見てると、上位の作品を撮っているのはいつも同じ人たちですね。

――女優さんのギャラについてもう少し詳しく話せますか。

元社員りほ 単体だと1本100万とか。専属は契約形態が違うのでその限りではないです。企画女優さんだと1本30万、売れっ子でも60万くらいです。あ、でもこれは制作会社が事務所に支払う額なので、女優さんが受け取るのはその半分くらいのはず。

――サキさんはギャラいくらでした?

元女優サキ 私は1本の現場で15万もらってたんで、事務所には30万が支払われてたと思います。

元社員りほ うん、そうだと思います。

メイクあいか そんな少ないんですね……知らなかった。サキさん結構ハードな絡みもやってたじゃないですか。それに、一つの現場で2〜3絡みあったりするでしょう?

元女優サキ そう、2〜3絡みで15万です。私はそんなに体力がなくて無理でしたけど、タフな子はほとんど毎日撮影を入れて一ヶ月で15万×22日=330万稼いだりとか。私なんかよりもっとずっと作品の売れる人気の企画単体女優さんは、1本30万(事務所に支払われるのは60万)でめちゃくちゃ現場はいってたんで600万とか。お金が貯まったから、って去年引退されましたね。

――企画「単体」女優でそのギャラということは、「企画女優」さんは

元女優サキ 「絡み1回とフェラ1回」の企画もので、3万くらい。

メイクあいか 私は企画の現場にメイクで呼ばれることが多いんですけど、みなさん、それだけしかもらってないんですね……。ショックです。

――あいかさんは一回のヘアメイクでいくら?

メイクあいか 制作会社によって異なるんですが、りほさんのいた大手制作会社の依頼で入る仕事だと、一律4万円くれます。メイクする女優さんが1人のときも4人のときも金額は同じ4万円ですけど。

――拘束時間に対していくら、って決められてるのかな。

メイクあいか 小さい制作会社が撮ってる無修正動画の現場は、めちゃ働かされて2万円。すごいこきつかわれるんですよ。女優さんが2人いて、1人が中出し撮影3回分とコンテンツ撮影2回分、もう1人が挿入2回分と乱交とコンテンツ用にオナニーとフェラを撮るというめまぐるしい現場で常にメイク直しどおしでも2万円。
一番ひどかったのが1日1万円で、3人メイクして、しかも1人の子はエアブラシでタトゥーも消したという現場。あれは疲れました。でも、無修正の現場よりもユルい空気だったので精神的には良かったですが。

――撮影って拘束時間が長いですよね。りほさんは手取り17万でしたが、長時間労働で副業もできないでしょう?

元社員りほ とてもそんな時間はないです! 誰もできない…。上司、というか社長に「りほ、お前ボーナスいらないよな?」って言われたことがあって。「今の仕事が好きだろ?」って。私は自分で志望してこの会社に入って、でも売り上げの面で何も会社に貢献していないので、もっとお金がほしいなんて、口が裂けても言えないと思ってしまいました。社畜精神が強かったと思います。それに、働いているうちに私はこの会社以外に居場所がない、どこに行っても働けるわけないと思うようになっていました。

――日常的にパワハラがあった?

元社員りほ 今思えばそうなんですかね。とにかく激務で、友人や恋人と会う時間も実家に帰る時間もなくて、世間から隔離されてる感じなんですね。だけど去年の春頃に少しだけ時間ができて、学生時代の友人と会った時に、「その会社ちょっとおかしいんじゃない?」って言われまして。でもその時は私、「そんなことない。私にはこの仕事しかない」と言い張って。社長に「お前みたいな社会不適合者が働けるのはうちの会社くらいだ」と言われたりもしていたので。

――あ、洗脳……。

元社員りほ 社長は、社員に個性を求めるんですが、それは「面白いAVを撮るには普通の感性の奴じゃダメだ」って信念があるからで。女子社員は、AVなんかを制作したがっている頭のおかしい女、を自己演出することを求められます。

メイクあいか めんどくさいね。

元社員りほ AV会社っぽくない感じの服装をしつつ、中身は変人みたいな自己演出をしてました。汚いADの格好とかしてると怒られるんで、社長に会う日は清楚系のオフィスカジュアル服を着たり。それで「めちゃくちゃな陵辱物を取りたいです!」とか言う、っていう。

――それはそれで型にはめてるだけというか、ナチュラルな変人じゃないですよね。

元社員りほ そうですよね。でもそうしないと、私はここで求められないんだ、って思い込んでいました。今は洗脳が解けてよかったです。

――その働き方で、体調を壊すこともあった。

元社員りほ 1〜2年目のときは会社にずっと泊まり込んでいて、皮膚病になりました。それくらいならまだいいんですけど、胃を悪くしたり、子宮など婦人科系等が悪くなったりとか。一昨年、朝方に社内でぶっ倒れているところを発見されて救急車で運ばれたんですよ。

――倒れた原因は?

元社員りほ 単純に働きすぎだと病院で言われました。意識が飛んで、気がついたら床に転がっている私を救急隊員が運んでた、みたいな。そんなこと、うちの会社はよくあって。私の前にも物流の部署の女性社員が倒れて救急車で運ばれて。

元女優サキ すごい辛そうにしてる社員さん、現場でよく見ました。

元社員りほ 男性も倒れますからね。私が倒れた数日後に、今度は同期の男性社員が会社付近の路上で倒れて救急車で運ばれました。そういえば、私は倒れた翌日に出なきゃいけない会議があったんですけど、病院で1日休養を取ったので出られなかったんです。そしたら出社してから「お前が倒れたことによって抜けた穴を誰かが埋めたんだぞ」と、そのことでちょっと責められました。「もう倒れるなよ」って言われた。好きで倒れたわけじゃないじゃないですか、なんでそんなこと言うんだろうなぁと思って。

――今は体の具合は大丈夫ですか?

元社員りほ 多分。子宮の調子は良くないんですけど、今はピルを飲んでなんとかしてる感じですね。でも、うちの会社の女性社員みんな卵巣を悪くしてるんで。手術してる人もいますし。

――それほどハードスケジュールってことなんですかね。

元社員りほ そうですね、ハードなのとストレスなのか……。

元女優サキ なんか、女性も働くって大変じゃないですか。一昔前の日本のほうが女性は生きやすかったんじゃないかなとか。

――思ったりしちゃう?

元女優サキ 思います。女は家で家事をしとけばいいっていう、女性全員専業主婦時代のほうがみんなラクで良かったんじゃないかとか。男女平等うたって女の人が社会に出てきて、男女平等って言うんだから男と同じだけ働けって……。そもそもカラダのつくりが男性と女性で全然違うのに、平等って謳ったからには男性と同じ量の仕事や同じ労働を求められるじゃないですか。

メイクあいか それは本当に疑問に思う。絶対女の人は体壊すし。

――うーん。でもそれって、男性が働きすぎなんじゃ。長時間労働とか、残業をめっちゃするとか、業務内容がやたらきついとかの現場それ自体が問題ですよね。そういう環境にいて「女も男並みに働けよ」みたいなことをいうのは、いや、まず男も働きすぎだから、落ち着こうって話では。

元社員りほ 確かに、男の人も倒れるし……。

――倒れるほど働いちゃダメですよ。体が違うと言いますけど、たとえば女性は寝ないで仕事して26時間目で倒れるとして、男性は35時間目までは頑張れるみたいな、それくらいの話だと思うんですね。8時間以内、長くてもせめて10時間くらいまでにできればいい。働き過ぎの環境が悪いのであって、「女は男より働けないからダメ」とかいう人は愚かだと思います。

元社員りほ 悲しくなりますね。私が辞める直前、後輩の女の子が不正出血が続くと相談してきて、産婦人科を紹介したんですよ。受診したら子宮の疾患になっていたそうで、体調もすごく悪そうだったので他の社員にロケ仕事を変わってもらったんですね。それを見た私の同期の社員が、その子に「子宮の病気とかそういうの言い訳にしてると一生俺たちに勝てないよ」って言ったんです。

メイクあいか 最悪。病気は言い訳じゃないから。

元女優サキ カラダを壊してでも働けっていうのが蔓延してますよね。女優もそういうところ、ある……。

――女優さんも人によっては毎日現場を入れている。撮影を多くやる企画女優・企画単体女優なんかは過労も病気も心配じゃないですか。

元女優サキ まずは性病が怖いですよね。それに気持ちいいセックスをさせてもらえる現場ばっかりじゃないというか、むしろ気持ちいいことなんて稀なので、単純に肉体を酷使して疲れるなって思うことはよくありました。

――性病検査は、男優さんも女優さんも月1で医療機関の検査を受けてAV制作会社に提出することが義務付けられていると聞いたことがあります。

元女優サキ それはそうなんですけど、素人男優さんとかがたくさん出る撮影とかも結構あるから……。

元社員りほ あっ、でも、私のいた会社では「素人も撮影前に絶対に性病検査を受けさせる」っていうルールがあります。応募者に面接をして、この男性は出演ありだなと思ったらそのまま性病検査の案内をして、その足で性病検査を受けに行ってもらってました。5種目「エイズ・B肝・淋病・クラミジア・梅毒」のセットがあるんですよ。結果が出るのは2〜3日後くらい。

元女優サキ あ、そうだったんですね。ほっとしました。

元社員りほ でも他の制作会社がどうかはわからないです。

――後編ではAV出演強要問題について、現場で感じていたことに踏み込みます。

(構成・水品佳乃)

支援 : 性暴力被害、支援施設整備を後押し 国が交付金 (2017.01.08)

日時: 2017-02-10  表示:389回

共同 2017/1/8 21:30

 政府は、レイプなどの性暴力に遭った被害者が治療や相談を一カ所で受けられる「ワンストップ支援センター」を全都道府県に整備するため、2017年度の予算案に交付金1億6千万円を初めて計上した。これまで資金難にあえいできた各地のセンター関係者は「助かる」と歓迎しており、未開設の県の後押しにもなりそうだ。

 性暴力の被害者は心身に深い傷を負い、警察などに相談できない人も多い。ワンストップ支援センターは“駆け込み寺”としてそうした被害者を受け止め、心身の傷を癒やし、後日告訴ができるよう証拠を保存。警察や弁護士への相談にも同行するなどして支える。

 国は20年までに各都道府県に少なくとも1カ所設置することを目標に、12年に「開設・運営の手引」を公表。昨年12月1日までに34都道府県が設置したが、公的な資金援助は乏しかったため、財源確保が課題だった。

 新設されるのは、性犯罪・性暴力被害者の支援体制整備促進の交付金。センターの開設費や運営費のほか、警察に相談しなかった被害者の医療費、医療関係者や相談員の研修費などが対象となる。自治体が負担した経費の2分の1または3分の1を国が補助する。

 全国で初めて10年に大阪府の民間病院に開設した「性暴力救援センター・大阪」(SACHICO)は現在、運営費のほとんどを寄付金でまかなっている。24時間体制で対応する相談員の人件費や、被害者への医療費補助などがかかり、資金不足は深刻だ。

 代表の加藤治子医師は「寄付に頼った活動には限界があり、交付金がなければやっていけない」と訴える。まずは自治体が被害者支援の予算を組まなければ交付金も支給されないので「各自治体は早急に予算を計上してほしい」と強調した。

 12年にセンターを開設した佐賀県の担当者は「センターは法律に基づくものではないため、設置に消極的な自治体もあったと思う。国が交付金で後押しすれば、全国的な整備がより一層進むだろう」と期待を込めた。今後設置を検討するという山梨県の担当者も「開設には資金や人材の確保が課題となるため、交付金の創設は前向きな検討につながる」と喜んだ。〔共同〕

ポルノ被害 : 性的行為の撮影要求26.9%=モデル、アイドル契約後に―

日時: 2017-02-09  表示:364回

時事通信 2/8(水) 18:46配信

 内閣府は8日、「若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」の結果を公表した。

 それによると、モデルやアイドルの勧誘後に契約したことがある人は7.7%。このうち、契約時に聞いていない、または同意していない「性的な行為」などの撮影を要求されたとの回答が26.9%に上った。

 内閣府が若い女性の性的被害の実態調査を行うのは初めて。調査は昨年12月9日〜21日にインターネットで実施。全国の15〜39歳の女性2万人に事前調査を行い、勧誘または応募の経験があると答えた2575人から回答を得た。内訳は10代が515人、20代と30代がともに1030人。

 契約後に要求を受けた人に、具体的な要求内容を複数回答で尋ねたところ、「水着や露出度の高い衣服を着用した状態での撮影」が58.5%で最多。以下、「水着などの一部または全てを脱いだ状態での撮影」35.8%、「性行為の様子の撮影」22.6%、「胸や性器を触られる様子の撮影」20.8%の順となった。

 実際に要求に応じたとの回答は32.1%だった。その理由(複数回答)については、「お金が欲しかったから」が35.3%でトップ。「『契約書に書いてある』と言われたから」が29.4%、「多くの人に迷惑が掛かると言われたから」が23.5%と続いた。

ポルノ被害 : <AV問題>搾取される“女優” 支援団体に聞く・下 (201

日時: 2017-02-09  表示:415回

毎日新聞 2/9(木) 11:00配信

 「アダルトビデオ(AV)への出演を強要された」と訴える人らの相談支援を行っている民間団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」の中心メンバー、金尻カズナさん(35)と、同会世話人で「AV出演を強要された彼女たち」(ちくま新書)の著者でもある宮本節子さん(73)は、こうした被害を生まないために「男女格差が当たり前になっている社会のありようを見直す必要がある」と口をそろえる。

 一方、AVそのものや業界で働く人々に対しては「否定しない(金尻さん)」「おとしめるつもりはない(宮本さん)」とも強調。宮本さんは「演技者が成長できる土台があれば、性表現もおもしろいものになるのでは」との見方を示した上で、同会世話人の立場で見てきた現状については「AV女優は搾取されているだけで、とても“女優”とは言えない」と苦言を呈した。【AV問題取材班】

 ◇求められる「法規制」とは

 −−業界内にあらわれてきている「健全化」を目指す動きを、どう見ていますか?

 金尻さん 私たちの立場では、業界のことはよく分かりません。私たちの知っている現実は「相談者から聞く事実」と「裁判所から出てくる資料」です。でも2年間、相談支援をしてきて、AV業界には残念ながら真の言論の自由はないと気付かされました。批判的言論が全く許されていない。批判すればすごい「ネガティブ・キャンペーン」が起きる。メーカーからは「守秘義務違反や信用毀損(きそん)だから削除しなさい」という書面が届く。この業界に本当に自浄能力があるのか、私には分かりません。

 宮本さん 私たちみたいな業界に関係のない人たちがやる仕事と、業界の中で改革をする仕事と、役割分担があってしかるべきだと思います。

 金尻さん 業界が自主規制団体を作ったら強要被害がなくなるかというと、なくならないでしょう。法律を作ったらなくなるか? なくならないです。でも、法律は重要なんです。法律があることで初めて「被害」として認められる。かつて援助交際は「不良っぽい子の火遊び」「女性の問題」とされてきましたが、児童買春・ポルノ禁止法ができたことによって「買う側の問題」にブレークスルー(打開)できた。「ああ、これは被害だ」と認められて、問題が可視化されたんです。そして今、ようやく「30代が圧倒的な年齢差のある15〜16歳と付き合うのはやっぱり抵抗がある。社会的な目線を気にする」という風潮になってきた。そういう意味でも、やはり法律があるとないとでは全然違います。

 −−具体的には、どういった法整備をイメージしているのですか?

 金尻さん 漠然としてはいますが、「今ある圧倒的な格差を逆転させるような法律」です。消費者金融の例を思い浮かべてください。かつて「借りる方が悪い」とされていたものが、貸金業法の改正によって「貸す側の問題」に逆転しました。AVについても、出演者と事業者の間にある格差を逆転するようなことを、法律に明記してほしいです。

 ◇AVへの「差別」にどう向き合うか

 −−普通の会社でも「やりたくない仕事」をやらされます。しかし、AV業界で聞かれるような「辞めたいのに辞めさせてもらえない」という声はあまり聞かれません。AVという職業の特殊性が問題を生んでいるのでしょうか?

 金尻さん 普通の職業とAVの大きな違いは「自分が商品である」ということ。会社員は、あくまでも指揮系統下で商品を売る立場です。だから芸能界や音楽業界にも、やはり深刻な「人身問題」があります。自分を商品として売るわけですから、そこで人権侵害は起きる構造があるんです。

 宮本さん 他の職業には何らかの形で「これをしてはいけない」という職業倫理がある。AV業界は「もうかるか」「もうからないか」で判断され、倫理というものがスポッと抜け落ちている感じがします。だから「これはしてはいけないだろう」という商品、被写体を肉体的・精神的にいじめることを目的化した作品も普通に売っている。

 −−強要問題が大きく取り上げられるようになり、AV業界で働く人たちから「職業差別を助長する」と懸念の声が上がったことをどう思いますか?

 宮本さん この本でも、いかに彼女たちが理不尽な差別を受けているか書きましたが、そこで働いて生きている人たちもいるわけで、「余計な差別はされたくない」と思うのは当然です。「そうした差別に対してどうするか」という問題と「被害をどうするか」という問題の両面を考えなくてはならない。片方だけを考えると話はややこしくなります。

 自分の体を売る人たちをおとしめるつもりは全くありません。「生き延びるための方法が今のあなたの方法なのであれば、それで生き延びてちょうだい」と思います。一方で、被害を受ける人たちを放置することもできません。

 −−団体に相談しようとする人も、「差別的に見られていない」という安心感がないと、なかなか相談しにくいのでは?

 金尻さん 誰が差別をしているのかというと、支援団体でもないし、当事者(業界人)でもない。残念ながら消費者なんです。消費者が求めているから虐待的、差別的な作品が数多く生まれてしまう。そこに根本的な問題があるのではないでしょうか。

 宮本さん 明治以来、日本では公娼(こうしょう)制度が発展し、戦後に売春防止法ができましたが、「消費者の問題」は一度も論議されたことがありません。「売る方」が差別され、「買う方」は問題にされないという風潮があります。男がどれだけAVを買っても「お前そんなものを見ているのか」とはなりません。AV出演が分かって結婚が破談になる女性はいても「AVを見る男性とは破談します」という話はない。ものすごい非対称性の中で、私たちの社会は動いているんです。

 女と男の社会的な力関係が非対称だから、AVが成立するのだと思います。「50対50」であればAVはなくなるはずです。そうではないから、お金のない人はお金のある方へと流れていく。賃金や労働条件、ワーク・ライフ・バランスなど格差が当たり前になっている社会で、最も先鋭化しているのが「性の格差」であり、その中で起きているのがAV問題なんです。

 ◇AVを否定していない

 −−AVが存在していること自体が問題だ、という考え方でしょうか?

 金尻さん よく勘違いされるのであえて何度も言っているのですが、私たちはAVを否定している団体ではありません。(出演者と事業者が)対等な性表現は大切だと思いますが、じゃあ今、業界の現状はどうかというと、全く(対等とは)違う現実があるわけです。プロダクションやスカウトだけを摘発してしっぽ切りすればいいのではなく、メーカーも責任を問われなければいけない。もっと言えば、大手通販サイトを含めて、販売して利益を得ている人たちにも責任があります。

宮本さん さらに言えば、仮に大手メーカーがつぶれても関係ありません。消費者の問題をどうするのかということは、日本の社会、文化の在り方に関わってくる話です。そこまできちんと話をしないと、全体像を変えないといけないんじゃないかと思います。

−−女性を傷付けるような内容ではなく、もっと豊かな性表現であればいい?

 宮本さん すごくおもしろいんじゃないですか。日活ロマンポルノ出身の有名女優もいますが、それなりに嫌なこともあったかもしれないけど、演技者として成長できる土台みたいなものがあったのでしょう。今、問題にしているAVは「演技者」を作っているわけではなくて、女性の「性器の使用権」をただ使い捨てているだけ。演技者としてのステップアップの段階が用意されていません。

 ◇相談態勢の拡充を

 −−そもそもAVの問題、性被害の問題に関わるようになったきっかけは?

 金尻さん 2004年にAVメーカー「バッキービジュアルプランニング」の撮影で女性が肛門に重傷を負い、代表者ら8人が逮捕される事件がありました。その公判を傍聴して「これは問題だ」と思ったのがきっかけです。見て見ぬふりができない性格だったので、PAPSに参加してこの問題に関わるようになりました。

 宮本さん 実は若い頃に一度、「とても手に負えない問題だ」と自覚して挫折したことがあるんです。社会福祉を専攻していて、戦後の混乱の中で貧困に陥った女性が性を売って生き延びた話や元日本軍の慰安婦だった人たちの話を聞いたのですが、こちらが2次被害を受けるくらいの話で、「とても太刀打ちできない」と思いました。それが、70歳になってから金尻さんたちと出会ってPAPSの世話人を引き受け、ソーシャルワーカーとして蓄積した知識とノウハウを伝授して、「やればできるんだ」と実感しています。

 金尻さん 私たちも、相談が増えて“火の車”のような状況になってきていますが、当初は相談してくる人もいなかったわけで、ハードルが下がって相談できるような土壌ができたのはいいことだと思います。

 宮本さん 金尻さんは「明日撮影させられそうで、逃げたいんです」という時にも駆け付けて救出するし、真夜中のメールや電話への対応も一人で引き受けています。シフトを組めるほどの人数がいないからです。「いつも同じ人が受ける」というのは相談者にとっていいことですが、支援者の彼女にとってはすごく過酷な生活なので、つぶれないうちに対策を考えなくてはいけません。

−−PAPSは運営費をどうやって工面しているのですか?

 宮本さん カンパだけです。

 金尻さん これまでできていた副業ができなくなってしまい、フルタイムになったんです。あと1人、専業スタッフが欲しいですね。

 宮本さん 全国の婦人相談所などにも(相談員の)人材はいるのですが、AVの被害に対応するノウハウの蓄積が足りません。金尻さんも一朝一夕に今の力をつけたわけではなく、相談者に学ばせてもらって成長できたわけですから、そういった公的機関の人をどう育成していくかを行政には真剣に考えてもらいたいです。

ポルノ被害 : AV問題 「パンドラの箱」開いた 支援団体に聞く・上 (20

日時: 2017-02-09  表示:362回

毎日新聞 2017年2月8日 12時47分(最終更新 2月8日 16時47分)

 「アダルトビデオ(AV)への出演を強要された」と訴える人らの相談支援を行っている民間団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」の中心メンバー、金尻カズナさん(35)と、同会世話人でフリーソーシャルワーカーの宮本節子さん(73)が毎日新聞の動画インタビューに応じ、これまでの活動やAVにまつわる問題の背景などについて語った。

 昨年3月に人権団体が強要被害に関する報告書を公表して以降、問題がさまざまな媒体で取り上げられ、業界の実情などが相次いで告発されてきた過程について、金尻さんは「パンドラの箱が開いた」と表現。「出演者と事業者の圧倒的な格差を逆転させる必要がある」として、法規制の必要性を強調した。

 昨年末、相談者の肉声などをまとめた書籍「AV出演を強要された彼女たち」(ちくま新書)を出版した宮本さんは「ノーと言えない性格の人が狙われやすい」と指摘。また「男女の力関係が極端に非対称になっている社会全体の問題でもある」として、消費者側の指向性についてももっと議論すべきだと訴えた。

 上・下2回に分けて紹介する1回目は、相談の状況や被害者像などについて2人の実感を聞く。「下」ではそれらを踏まえ、問題の背景事情や解決策などを探る。【AV問題取材班】
“パンドラの箱”が開いた

 −−どのような支援活動をしているのか、改めて教えてください。

 金尻さん 2009年にソーシャルワーカーや研究者らが一緒になって設立したPAPSと、「人身売買」の被害に取り組むNPO法人・ライトハウスが出合い、15年から共同支援事業を始めました。ボランティアとフルタイム、計約10人のスタッフがいて、AV被害や児童ポルノ、リベンジポルノ、性風俗で半ば意に反して働かされている人などの相談支援をしています。具体的には、困っている人からコンタクトがあった時に面談を行い、弁護士や警察などの社会資源につなげるだけでなく、問題の終結まで寄り添いながら伴走していきます。

 −−AVに関する被害の相談状況は?

 金尻さん 13年は1件でしたが、14年は36件、15年は62件、16年は98件の相談がありました。終結までは最低で半年、長いと2年ほどかかります。リアルタイムで(スタッフが)動いている相談者は40人以上。今年に入って(1月11日時点で)3件増え、とにかく今は大変な状況です。

 −−特に昨年は社会問題として大きく取り上げられ、支援活動も注目されました。

 金尻さん ある種の“パンドラの箱”だったのではないかと思います。10年ごろ、業界側は「被害がない」「クリーンとは言わないけど、ホワイトだ」などと主張していましたが、私たちのところに来る相談はかなり深刻なものでした。じゃあ、訴えたらいいかというと、相手は年商100億円などの企業ですから、お金もない相談者は訴える力をそがれてしまうという構造的な問題があります。手口も巧妙かつ先鋭的になっており、私たちも「法律を変えなくちゃいけない」と訴えたり、使える法律を探してアプローチしてみたり、あきらめないで2年間突っ走ってきました。

 宮本さん まさにパンドラの箱を開けてしまった感じです。私たちも「ポルノグラフィーの製作現場で性暴力的なことがなされているのではないか」という理屈は立てられていましたが、現実をあまり知らなかった。それを彼女たち(相談者)がリアルに教えてくれました。一つ一つの事例が千差万別なので、どうしたら彼女たちが納得できるのか、試行錯誤しています。
相談者に共通する「自責の念」

 −−宮本さんの著書「AV出演を強要された彼女たち」には、「その日の住まいを見つけなければならない」などかなり緊急性の高い相談事例も登場します。

 金尻さん 今日とか明日(に逃れたい状況がある)という話は昨年だけで10件ほど。12月には「明日、撮影会モデルの仕事がある。ヌード撮影に応じざるを得ない」という相談もありました。「撮影会」とは、AVの撮影前に行うプロモーション活動で、裸に慣れさせるのも目的です。プロダクションは、女性を言いくるめて裸にすることにたけている。時にはほめて、時には脅して、その繰り返しで、人って簡単に支配できるんだなと感じます。特に20歳前後の方は「契約したものは絶対に履行しなくてはいけない」という思い込みがある。重要事項を詳細に説明していない契約は、有効性に問題があるのですが、「やらなくてはいけない。でも困っている」というところから相談が始まるんです。

 −−同書では、相談に来る人が「被害者という認識がない」「自分も悪いと思っている」ということも強調されていますね。

 宮本さん びっくりするんですよ。自分でネットを検索してプロダクションを見つけ、サインをした人もそうですが、スカウトを受けた人も「タレント・モデルになりたい」という気持ちがあって積極的についていったというプロセスがあり、暴力的に拉致されたわけではない。何らかの形で自分の意思が関与しているので、すごく自責の念があるんです。「自分に責任があるんだけど、とにかく困っているから助けてください」「こんな私でも相談に乗っていただけますか」といった調子の相談が、昨年前半くらいまで多かった。(報道などで)強要問題が焦点化されるようになってからは比較的、ストレートに「困っているんです。助けてください」と訴える人が増えてきました。
「ノーと言えない女性」が選別される

 −−相談目的で一番多いのは、作品の回収や販売停止ですか?

 金尻さん そうです。未販売のものを止めたいというケースもあれば、販売後に回収したいというケースもあります。例えば、「身バレ(※出演が周囲に知られること)しないと聞いていたのに大手サイトで大々的に販売され、ツイッターでも拡散し、すぐに身バレしてしまった」などという相談がありますが、プロダクションやメーカーの人は、「自分の不注意で彼氏にスマホを見られるなどして身バレすることはあっても、年間10万本も販売されているし、君は『星くずの中の星くず』だからバレないよ」「バレると思うこと自体、逆にちょっと『てんぐ』になってるんじゃないの?」などと言うんです。

 「10年前に撮影されたものを回収したい」という相談もあります。当時は販売に同意していても、ネットで配信されるとは思っていない。それがいきなり再編集されてネットで売られてしまい、「身バレしたくない。子供には知られたくない」と訴えながら来られます。

 宮本さん だいたい、どの契約書にも「本人の肖像権を全部メーカーに引き渡す」というものすごく大事な条項があるのですが、(プロダクションからは)その説明がない。知らないまま署名し、「総集編」などとして2次使用、3次使用されてしまうと本人はパニックになります。最初は承知しても、撮影途中で嫌になることも当然あり得るわけで、途中破棄(ができる)という条項があってしかるべきなのですが、それは見たことがありません。

 −−「狙われやすいタイプ」というのはあるのでしょうか?

 金尻さん ある大手プロダクションのケースで一般的な流れを説明すると、「コスプレモデル」「グラビアモデル」などを募集する“表”のサイトがあり、そこに応募してきた人たちがまずアダルトチャット(※ウェブカメラ映像を使いリアルタイムにやり取りするシステム)のモデルをさせられます。そこで逃げない方、「ノー」と言えない方を選別する。18〜19歳はチャットで稼がせながらキープしておき、20歳の誕生日にAVプロダクションに連れて行って「脱げる子ですよ」と言うと、トントンと(デビューの)話が進む。

 宮本さん 「ノー」と言えない性格の若い女性たちが狙われやすいというのは、経験則から見えてきています。AV出演契約に持っていくまではいろいろな手順があり、マニュアル化されているのではないかと思うほどです。そういう子たちは「言っちゃ悪いかな」という変な倫理観に惑わされて、嫌だと言えないんです。
タレントになりたがる女性たち

 −−AV出演強要を巡っては「タレントになれる」という誘い文句が非常に効いているようです。なぜそこまで、女性たちはタレントになりたがるのでしょうか?

 金尻さん 現在の日本では、アイドルやタレントはとても楽しそうで華やかな業界として描かれています。誰かに認められたい、社会的に成功したいと思う一方で、自己評価や自己肯定感が低い10代〜20代前半の女性にとって、多少の性的なことを要求されたとしても、親に迷惑をかけずに自立し、「一発逆転」する手段として芸能界に行くことが、手っ取り早い道に思えてしまいます。

 宮本さん やはり、女の子が選べる職種の狭さだと思います。「俳優になりたい」という男の子はそれなりの修業をするわけですが、「タレントになりたい」という女の子たちの「修業」に対するイメージはものすごく貧困です。だからタレントにスカウトされて、「プロモーション用にちょっとフルヌードの写真撮ってみようか」と言われてもおかしいと思わず、受けて立ってしまうのです。

 この本に出てくる女の子たちは、皆さん美しい人たちなんですね。それはいいんだけれども、その美しさを「性とくっつけて売る」というイメージが17〜18歳でインプットされてしまっている。裸になることに若干、抵抗はしても「女がこういう道で生きて成功するための方法なんだ」という刷り込みがどこかでなされている。テレビなどを見ていても、そういう情報はいっぱいあります。
求人サイトの“トリック”

 −−悪質な勧誘に惑わされないよう、啓発や性教育がもっと必要なのでは?

 金尻さん もちろん予防も重要ですが、「予後」も重要なんです。予防だけしていても被害はなくならない。学生たちはやはりお金に困っています。貧困なんです。「奨学金を使ってしまった」と切羽詰まっている方もいます。「高収入 女性」と検索するといろいろなサイトが出てきて、AVプロダクションもかなり紛れ込んでいる。そこには、面接するだけでお金をくれると書いてあるわけです。

 −−「話だけ聞きに行って、無理だったら断ればいい」という発想は危険?

 金尻さん やはり向こうもそれでご飯を食べている人たちなので、言葉にたけているんですよ。例えばこういう感じです。(※実際にスマートフォンの検索画面を見せながら)「バイトがしたいけど忙しい」「買い物をしたいけどお金がない」「ご相談いただいた方全員に1万円」。どこにも「AV」って書いていないんですね。でも、これはある中堅AVプロダクションのフロント会社なんですよ。こういうものが、検索をしたらパパッと出てくる。本来こういった広告は禁じられているはずですが、当たり前に行われています。

 −−自衛には限界があるという前提で、女性にできることは何でしょう?

 宮本さん 困ったと思ったら相談すること。とにかく業界「外」の人に相談することが大事です。家族が無理なら友達でもいい。話しづらいだろうけど、そこは一歩、勇気を出してください。「他者に話すことによって、抱えている問題を自分で整理する力」というものを、たいがいの人が持っていますから。

 金尻さん 相談を受ける側も、独りで抱え込まずに支援団体に相談してほしい。これはつくづく思うのですが、相談される側が独りで抱え込んでしまい、結局は相談者の利益にならないことがあるんです。(勧誘手法は)先鋭化しているので、個人で闘える相手ではありません。もっと言えば、弁護士さんも相談してほしい。私たちにはいろいろな「戦果」の情報が入ってきますから。
なぜ「辞めたくても辞められない」のか

 −−相談支援活動を続けてきて、どんなことを感じますか?

 金尻さん 私たちは相談者と一緒に闘う立場であって、ジャッジする立場ではありません。「非審判的(裁かない)態度」を大切にしています。ただ、一つ言えるのは「出演者と事業者の立場には圧倒的な格差がある」ということです。

 また私自身、作品の削除請求をするためにAVをたくさん見るのですが、もう性的に見ることができなくなっているし、「このシチュエーションはぬるいな」「次のアングルはこうだろうな」などと考えてしまう。何度も見るとまひしていくんですよ。業界人も出演者も、同じようにまひしているんじゃないかと思います。AVを見たこともなかった人が、巻き込まれて出演してしまうと、性に関するアイデンティティーが変わってしまう。感覚が変わるんです。

 −−「セックス観が変わる」ということでしょうか。

 金尻さん 例えば、子供の頃に親や義父から性的虐待を受け、「自分には価値がない」「性的なことは嫌いだ」という相談者にとって、AVに出ると「2〜3時間頑張れば十数万円になる」と自分の体の価値が金銭的な価値に置き換えられてしまい、なかなか辞められなくなり、(AV出演に)依存していかれた方も複数います。

 ある相談者が「今辞めても、自分には何も残らないから続けるしかない」と言っていました。他の就職先があるわけでもないし、思ったほど稼げてもいない。家賃の支払いもあるのに預貯金はどんどん目減りしていく。そこでハードな撮影に応じると、精神的にダメージを受け、また稼げなくなるという負のスパイラルに陥る。でも、私たちはそういう方に「辞めなさい」とは言いません。非審判的態度で、本人が辞めたいという意思を持つまでずっとそばに寄り添いながら、伴走している状況です。

 宮本さん ベースになっているのはソーシャルワークの理論と実践です。決してその人を責めない。もう十分に自分で責めているわけですから、その上に他者の私たちが責めることは絶対にしない。でも、それにはこちら側の覚悟というか、身構えが必要。「あなた、なんでそんなことしちゃったのよ」と言う方がすごく楽なんですけど、口まで出かかってグッとのみ込む。忍耐力はだいぶ養われたよね。

 金尻さん 図太くなりました。ただ、「支援慣れ」するのが怖い。相談者の事情は一人一人違うので、そこに寄り添わなければいけません。

 宮本さん 本当に混乱して飛び込んできた人が、話しながら自分の気持ちを整理して、やるべきことを見つけて力を得ていく姿をまざまざと見ることもあって、それはうれしい。

 金尻さん 最初は困惑し、どうしたらいいか分からなくても、一緒に整理して優先順位を付けていくと全体像が分かってきます。そうすると「自分でコントロールできる」と思えてきて、ふっと楽になれる。私たちのミッションは、そうやってコントロールを奪われた状態から回復するお手伝いをすることだと思っています。

(つづく)

ポルノ被害 : モデル、アイドル勧誘「契約・同意なく性的行為等を撮影

日時: 2017-02-09  表示:347回

弁護士ドットコムニュース 2017年02月08日 18時11分

AV出演強要など、「モデルやアイドルにならないか?」と勧誘された若い女性が、性的な被害を受けている問題について、内閣府は2月8日、「男女共同参画会議」の専門調査会で初めての調査結果を公表した。勧誘などを受けたあと、「契約なしに、同意していない性的な行為等の写真や動画を撮影されたことがある」と回答した人が、60人(全回答者の2.3%)いたことがわかった。

この調査は、内閣府・男女共同参画局が昨年12月、勧誘などから性的な被害につながる「きっかけ」を把握することを目的として、インターネット上でおこなったもの。対象は中学生をのぞく15歳から39歳までの女性。事前調査として2万人に対して、モデルやアイドルとして勧誘を受けたり、モデル・アイドルのアルバイト募集広告に応募したことがあるか尋ねた。本調査では、事前調査で「ある」とした5248人のうち、2575人が回答した。

その結果、モデルやアイドルと勧誘されるなどして、契約したことがある人は197人だった。契約を断らなかった理由としては、「断わる理由がなかった」という回答が4割を超えた。そのほか「複数の人に説得された」「多くの人に迷惑がかかると言われた」「多額の違約金が発生すると言われた」「身の危険を感じた」などもあった。契約時の年齢は10代〜20代前半の割合が高かった。

さらに、197人中53人が契約後、「契約時に聞いていない・同意していない性的な行為等の撮影を求められたことがある」と回答した。このうち、「求められた行為をおこなったことがある」と回答したのは17人だった。その理由として、「『契約書・承諾書等に書いてある』と言われた」「写真や画像をばらまくといわれた」などがあげられている。

また、勧誘を受けたあとやバイト募集応募したあと、「契約なしに、同意していない性的な行為等の写真や動画を撮影されたことがある」と回答した人は60人いた。なお、調査における「性的な行為等」には、(1)水着や下着など露出度の高い衣服を着用した状態、(2)水着や下着、衣服の一部またはすべてを脱いだ状態、(3)性行為や胸・性器を触られる様子の撮影、チャット等への出演が含まれている。

内閣府の担当者は、この日の調査会で「今回の調査によって、若年層の未熟さにつけこんだ性的な被害や、顕在化しにくい実態が浮き彫りになった」と述べた。同調査会は、JKビジネスやAV出演強要の問題について検討した報告書を2月中にとりまとめて、男女共同参画会議で報告する予定だ。

ポルノ被害 : 性的な撮影要求被害、27% アイドル契約の女性200人 (2017.02

日時: 2017-02-09  表示:356回

共同通信 2017/2/8 23:02

 「モデルやアイドルにならないか」と勧誘を受けるなどして契約を結んだ10〜30代の女性197人中、4分の1に当たる53人(27%)が契約外の性的な行為の撮影を求められる経験をしていたことが8日、内閣府の調査で分かった。うち17人は求められた行為をしたと回答。多くの若い女性が、アダルトビデオ(AV)への出演強要など性暴力の危険にさらされる可能性があり、政府は調査結果を踏まえ予防・啓発活動を強化する方針だ。

 内閣府が若い女性を対象に、こうした実態調査を行うのは初めて。

ストーカー : 三鷹ストーカー事件が確定=元交際相手に懲役22年 (2017.02.08

日時: 2017-02-08  表示:381回

時事通信 2/8(水) 12:06配信

 東京都三鷹市で2013年、高校3年の女子生徒=当時(18)=が刺殺されたストーカー事件で、殺人などの罪に問われた元交際相手のXXXX被告(24)を懲役22年とした差し戻し後の東京高裁判決が、8日までに確定した。

 検察、弁護側双方が期限までに上告しなかった。

 最初の裁判で、一審東京地裁立川支部は懲役22年としたが、二審東京高裁は「起訴されていない余罪を処罰した疑いがある」として審理を差し戻した。検察側は、児童買春・ポルノ禁止法違反罪を追起訴。やり直しの一審も懲役22年を言い渡し、二審も支持した。

 判決によると、XX被告は13年10月、女子生徒の自宅に侵入し、首などを突き刺し失血死させ、生徒の裸の画像などをインターネット上に公開した。

ポルノ被害 : リベンジポルノ 防止法2年 後絶たぬ 支援団体「拡散前

日時: 2017-01-24  表示:334回

毎日新聞2017年1月23日 東京夕刊

 別れた交際相手の性的な写真や動画をインターネットに流すなどする「リベンジポルノ」の被害を防ぐためにできた法律の施行から2年が過ぎた。警察に相談が寄せられて加害者の一部が処罰されているものの、周りに知られることを恐れて通報をためらったり、流出におびえ続けたりする人も多い。専門家は「法律ができて問題が解決したわけではない」と指摘している。【近松仁太郎】

 リベンジポルノ被害防止法は2014年11月に施行された。被写体が特定できる形で裸の画像や映像をインターネットで不特定多数に提供すると3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを使って特定の少数者に拡散目的で提供した場合も処罰される。警察庁によると、15年にリベンジポルノに関連して警察に寄せられた相談は1143件。このうち同法違反(53件)や脅迫(69件)の容疑などで276件が立件された。

 一方、画像の削除に取り組む一般社団法人「セーファーインターネット協会」(東京)の吉川徳明・違法有害情報対策部長は「警察への通報や処罰を望まず、誰にも知られずに削除してほしいという相談者が圧倒的に多い」と説明する。協会は14年9月〜16年11月、相談に基づいて写真など約2250件の対応を各サイトに求めた。うち8〜9割は削除できたといい、「拡散する前にできるだけ早く相談してほしい」と呼びかける。

 被害者を支援しているNPO法人「ライトハウス」(東京)には「流出を考えると不安が止まらない」との相談も多い。中高生らが流出の問題を正しく認識しないまま同級生と交際相手の私的画像を共有しているケースもあり、広報担当の瀬川愛葵(あいき)さんは「深刻な被害を生む加害者側の責任を社会はもっと語るべきだ」と指摘している。
三鷹・高校生殺害、あす控訴審判決

 被害防止法ができるきっかけとなった東京都三鷹市の女子高校生ストーカー殺害事件は24日、元交際相手の被告の男(24)に対する差し戻し審の控訴審判決が言い渡される。差し戻しを受けた東京地裁立川支部は、殺人などの罪で懲役22年としていた。
被害女性「一生影響」

 性暴力撲滅に取り組むNPO法人「しあわせなみだ」(東京)のホームページ(HP)でリベンジポルノの被害を公表した女性が毎日新聞の取材に書面で応じた。

 女性は学生時代、交際した男性の求めに応じて性的な動画を撮影したが、気持ちが離れて別れると嫌がらせを受けるようになり、販売会社の社員を名乗る男から「ビデオにして販売することになった」と電話で伝えられた。勤務先の会社にも販売の許可を求める手紙が届いたといい「恐怖だった」と振り返る。

 警察に相談したことを男性に伝えると「もう二度としません」と連絡を受けたが、会社を辞めることになり、今でも不安は消えない。女性は「被害が一生影響することを知ってほしい」と呼びかけている。

ポルノ被害 : 脱法サイト向け動画撮影 気づかず被害に遭う女性も (2017.0

日時: 2017-01-22  表示:368回

週刊ポスト 2017.01.21 16:00

 海外サーバーを利用すると、日本人向けサービスでありながら、日本の法律では取り締まりづらい脱法サイトが構築できる。法律の抜け穴を利用したこのからくりを悪用して金儲けする者が後を絶たない。法律が改正されたことで、彼らにも司直の手が伸び始めているが、現実は、被害に摘発が追いつかない状態だ。特に被害が大きい、わいせつ動画をめぐる卑劣な手口と広がりについて、ライターの森鷹久氏がリポートする。

 * * *
 外国にある法人を、日本の法律で裁くのは難しい。違法な動画や画像がインターネットに存在し、日本にいながら閲覧することが出来ても、たとえば、サーバー運営会社が海外にある法人である、といった「ネットの盲点」を突く形で、米国企業から発信されている情報であれば日本の法律は及ばない。日本人ユーザー向けのそうしたサービスに、日本当局も目を光らせていたが、摘発が追いつかない状態だ。

 海外法人が海外のサーバーを使って運営している日本向けのアダルトサイトは、日本の法律の抜け穴をすり抜けるようにしてつくられた脱法サイトだ。脱法サイトによって利益を得ているのは、企業だけではない。個人でも運営が可能で、それなりの利益を得られてしまう。その評判をききつけて、狡猾な手段で作成した映像コンテンツを作成する新規参入者が増えている。彼らの多くは映像制作のプロではない。

 1月10日、福岡県警は児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的製造)容疑で、住所不定無職の久保田彰容疑者(54)を逮捕、追送検したと発表した。18歳未満の複数の少女とのわいせつ行為をおさめた動画をネット上にアップし「金のためにやった」と容疑を認めている。男はこれから相応の罰を受けるだろうが、被害少女たちの人権回復はもはや不可能なほど拡散されてしまったと、ウェブニュースサイト編集者の男性はいう。

「男の撮影した動画は、FC2アダルトなど、個人が動画販売で収益を得られるサイト上で販売されていました。男のアカウントの動画の中には、九州の実在する高校の制服を着用した女の子が出演し、一部のマニアの間で話題になっていました。内容も複数プレイなどアブノーマルなものばかり。転載も多く見られましたが、ほとんど削除されました。だからこそ需要があるのか、今も違法サイト上でこっそり売買が行われているといい、少女たちに気の休まる日はないはず」

 未成年の少女たちと行為に及んだこと自体も問題だが、それを撮影して商品にしたことも大きな問題だ。彼女たちも、まさか自分のあられもない姿が世界中に向けて商品にされるとは想像もしていなかっただろう。 福岡県警は久保田容疑者が関わったとみられる10件を確認、うち8件については福岡地検に送検し、捜査の終了を発表した。

 久保田容疑者が利用したような、個人でも商用サイトを手軽に運営できることで知られる日本人向けサービスは、本来、違法な金儲けをするためのものではない。たとえばイラストやアクセサリーなどの制作物を、店舗を持たなくても販売できる便利なサービスだ。ところが、一部のサービスは運営による審査や管理がなされておらず、日本の法律に違反する、わいせつ動画が数多く有料配信されている。

 違法な動画配信によって一千万円以上の利益を得て逮捕された、千葉県の50代男による手口は巧妙だ。ネットや折り込み広告などで血圧測定のモニターを募集し、宿泊付きのアルバイトのようなものだと思って応募してきた女性を酒や睡眠薬で眠らせ、下着をとったりした上で様子を撮影、映像を販売していた。しかし、100人をこえる被害者の多くは、自分が被害に遭っていることに気づいていなかった。

 万が一気がついたとしても、泣き寝入りせざるを得ない女性側の心理も容易に想像がつく。眠り込んでいたので自分自身に記憶がなく、目撃者もいない。相談すれば、そんな怪しいモニターに参加したほうが悪いと、被害者なのに非難されるかもしれない。実際に、このニュースが報じられた際、ネット上には「女の方がバカ」といった意見が飛び交い、被害者は泣き寝入りを強いられたのだ。

 また、出会い系サイトで知り合った女子高生とのわいせつ行為をおさめた映像を販売して逮捕された男もいた。「生活費のためにやった」というその男は現職の奈良市市議会議員だったが、サイトでは偽名を使って女子高生を誘い出していた。映像での女子高生にいやがる様子は見当たらなかったと捜査関係者はいうが、まさか少女たちは自分の姿がネット販売されるとは想像もしていなかっただろう。

 これら販売されている映像の多くは、正直なところできがよいとは言えず、正当な手段で作成されていないことをうかがわせるものが並ぶ。にも関わらず、個人でも一千万単位の利益があげられるため新規参入者が絶えない。

 なぜ、稚拙な動画でも人気を集められるのか。日本の大手AVメーカー係者によれば、無秩序化すればするほど、ユーザーから支持されるといった傾向が、ネット上に広まりつつあるためだという。

「日本で商品として販売されるアダルト映像の場合、DVDなどのパッケージでもネットでも、基本的には審査などを経ないと販売できません。一方で、審査などおかまいなしに配信可能な脱法サイトは、コンテンツ提供が手軽にできる一方、販売単価が低くなる。その場合、どういう形でもいいから多くの女性を捕まえて、より多くの映像を撮って数をこなさないと儲からない。逆に、制作のプロでなくても撮影さえできれば金儲けのチャンスがあると考えて売る側にまわる人間がいてもおかしくない」

 結果として、己の性欲を解消しつつ、あわよくば小銭まで儲けたい卑劣な者たちが、脱法サイトを利用して動画を配信するようになっていった。

 たとえば、街中ゆく女性のスカートの中の隠し撮り、トイレに仕掛けたカメラ映像に特化した「盗撮モノ」を専門に配信するサイトや、一対一のライブチャットだからと気を許して露出した女性の姿をこっそり録画し、映像を勝手に録画し配信するサイトなどが続々とオープンしている。

 また、派遣型風俗店利用者の男性が、女性との情事を隠し撮りし、自身の顔にだけモザイクをかけた映像をネットで有料販売していた事例もある。同じホテルをよく利用し、カメラアングルも同じ隠し撮りで定期的に更新されていたため、シリーズものの人気コンテンツとなっていた。風俗店で働く女性でも、そんな隠し撮りを承諾する女性が何人もいるとは思えない。

 動画を見ていた視聴者も、それが不当な手段で撮影されたものだと承知していたはずだ。

 このような無秩序な空間は、いったんできてしまうとなかなか消滅しない。本人が知らない間に動画がインターネット上にさらされ、犯罪被害者となってしまう。事件の捜査や裁判が終わっても、ネット上にいったんさらされた映像や画像は、転載やダウンロードなどで半永久的に残り続ける。被害者にとって、事件に終わりはやってこないのだ。

 自分で身を守るのが肝心、といった単純論では被害を防げないレベルまで、脱法サイトを悪用した金儲けが広まっているのが現実だ。こういった無軌道なあり方を許さないことはもちろんだが、一時の誘惑に負けないよう、そして騙されることのないよう、正しい知識と適切な危機感を持つことが女性にも求められている。

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