ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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製作被害 : AV出演強要「騙された私のギャラは1.5万円でした」 (2017.01.02

日時: 2017-01-15  表示:210回

NEWSポストセブン 2017.01.02 16:00

「シングルで大変だろう、少なくとも今の3倍以上稼げると……今考えれば怪しい話ですが、生活にも疲れ、一人で子供を抱え将来どうすれば良いのかという不安もあり、Xの話に乗ってしまいました。ダメなら元の生活に戻ればいいと」

 数日後、契約書どころか”口約束”さえもないまま、Xに「宣材(宣伝写真)撮影」との名目で連れていかれたのは都内のハウススタジオ。そこにはなぜかムービー(動画)用のカメラが用意され、女性のメイク兼スタイリストの他に、見知らぬ男性が5人ほど待っていた。

「部屋に入った瞬間に悟りました。Xはすでにいなくなっていて、監督らしき男から、これからAV撮影が始まることを告げられた。拒否すると契約しただろう、口約束でも違約金は発生する、風俗でもなんでもやってカネを返済しろと、ものすごい勢いで怒鳴られて……」

 そもそも契約書を書いた覚えも、契約した覚えもない。その時、数人の男たちに凄まれ成すすべなしというマリカの肩をそっと抱いて、優しい言葉をかけてきたのはメイク兼スタイリストの女性だ。

「気持ちはわかるが、大人の社会のルール。何百万の違約金を払うために何ヶ月も風俗で働くのがいいか、一回っきり、AVに出てお金をもらって帰るか。今日一日だけ頑張れば、子供に美味しいものを食べさせてあげられる、と言うのです。何人もの男性に囲まれ怒鳴られていたので、その女性の言葉が唯一の救いの手のように勘違いさせられました」

 冷静に考えれば、そのスタイリストの女性も彼らとグルだとわかる。あらかじめ役割分担を決めた徹頭徹尾デタラメな、無茶苦茶すぎる茶番だ。しかし孤立無援の状態で怒鳴られ続けると、それが仕組まれたモノだと判断する力も奪われてしまう。

 結局、数時間に及ぶ恫喝と甘言の波状攻撃に、マリカはついにAV出演を受諾してしまった。3人の男性と計4時間にわたる性交を終え、手渡された封筒の中に入っていたのは、現金1万5千円。呆然としながら自宅に帰ると、子供が笑顔で抱きついてきた。

「いくら生活のため、子供のためとはいえ、あんな風に騙されてしまった自分が本当に悔しく、涙が止まりませんでした」

 悲劇はこれで終わりではなかった。マリカが出演したAVは海外発信の日本向けアダルトサイトから無修正で有料配信され、4時間の撮影分は2本のタイトルに分けられていた。Xに問いただしても「何も知らない、俺も騙された」の一点張り。マリカに経済力も知識も支援する後ろ盾も無い事を知っているXは「訴えるなら訴えてみろ」と強気の姿勢を崩さないという。

 マリカの例を聞いても、人ごとのように思われるかもしれない。しかし最近になって、このXら一味が代表を務める複数の法人がネット上のSNSに「モデル・タレント募集」の広告を大々的に打っていることが判明した。特定のテレビ番組や雑誌、ファッションショーの出演者オーディションと銘打ち、複数の雑誌の表紙やイベント名が、あたかも”協力関係者”のごとく掲載されている。

 オーディション対象として雑誌名やイベント名を記載されているうちの2社に、出演者を募っているHPの会社との関係を聞いたが、いずれも全く関わりがない「無断転載」であることが確認された。2社とも法的対応を含め、なんらかのアクションを起こすと語った。

 その虚偽の出演者オーディションをうたうHPをみると「ママさんモデルも募集」などといった、マリカの例を思わせる文言も見られる。マリカのような辛い目に会う女性が、新たに生み出されている可能性も非常に高い。

 前出のXの知人は、アダルト業界の動向を知れば、Xが何をしたいのか、手に取るようにわかるという。

「Xの狙いはまず、オーディション参加者から、登録料だ撮影料だといってカネを巻き上げること。そして、さらに騙せそうな相手を見つけて、レッスン代や育成費、プロモーション代といった、本来は事務所側が支払うべき名目で数十万から数百万の借金を負わせ、その返済のために風俗で働け、AVに出演しろと迫る。風俗もAVも以前に比べて稼げる仕事じゃなくなったのに、Xのようなヤツらが女の子を送り込み続けている。あまりにも過剰な供給が続くから、ビジネスモデルが崩壊していますよ。でもXは”元手はタダの商売”とうそぶいて、女の子を送り込むのをやめない。風俗やAVという仕事に対してのプライドもないのでしょう。もちろん、女の子の稼ぎからありえない率の中抜きをすることは忘れません」

 人をだまし、その業界のビジネスがどうなろうとかまわないと考えている人間が狙っているのは、無知な若者や選択肢がない貧困者、後ろ盾がない弱い者たちだ。彼らが勇気を振り絞って被害に遭ったことを訴えるとき「君たちにも過失があった」と非難するのは、糾弾して罪を認めさせるべき相手を間違えた、あまりに歪んだ態度ではないか。

 2017年はせめて、弱い者をさらに攻撃するような社会から、本当に卑劣な行為に対して糾弾する声がもっとも大きくあがる世の中になってほしい。

ポルノ被害 : 「カリビアンコム」に無修正動画を配信、AV制作会社を

日時: 2017-01-15  表示:172回

産経新聞 1/11(水) 13:31配信

 無修正のわいせつ動画をインターネットで配信したとして、警視庁と愛知、静岡両県警の合同捜査本部は、わいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で、アダルトビデオ(AV)制作会社「ピエロ」社長で台湾出身、陳美里容疑者(67)=東京都練馬区石神井町=ら男女6人を逮捕した。警視庁によると、ピエロが制作した動画は海外アダルトサイト「カリビアンコム」で配信されていた。

 逮捕容疑は昨年8月中旬、性行為を撮影した動画をカリビアンコムで配信したとしている。陳容疑者ら5人は容疑を否認、1人は認めている。

 捜査本部によると、撮影内容の調整や動画の納品は、台湾にある別の会社を通じて行っていた。ピエロの口座には台湾の会社から昨年までの約9年間で約13億7千万円が振り込まれていた。捜査本部は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて米国と台湾に捜査協力を要請している。

 カリビアンコムは4000タイトル以上を配信し、「無修正アダルト動画最大手」を掲げている。米国にサーバーコンピューターを設置しているが、日本人が出演する動画が多く、捜査本部はほかにもカリビアンコムに提供している国内の会社があるとみている。

製作被害 : AV強要、女性「もう消えたい」 支援団体にSOS増加 (

日時: 2016-12-28  表示:268回

朝日 2016年12月27日12時36分

 若い女性がアダルトビデオ(AV)への出演を強要される被害が、あとを絶たない。言葉巧みに誘われて出演の契約書にサインさせられ、断れば違約金を求められ、追い込まれてしまうケースが目立つ。支援団体は「一人で悩まず、すぐに相談を」と呼びかけている。

された男性の相談もあるという。

 AV被害の実態を調べようと、警察庁は今年、全国の警察に寄せられた相談件数を初めて集計し、11月に公表した。それによると、6月までの2年半で22件にのぼる。

 被害に苦しむ女性を救おうと、若い女性の支援に取り組む「若草プロジェクト」が今月11日、京都市で研修会を開いた。

 プロジェクトの呼びかけ人代表は、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さん(94)と元厚生労働事務次官の村木厚子さん(60)。各地で活動する支援者ら約50人が参加し、PAPSがAV被害の実例を紹介した。

 都内の大学に通う女性は新宿駅で、モデルのスカウトマンと名乗る男に声をかけられた。話を聞くだけならと、写真スタジオに行くと、学生証のコピーをとられた。水着や上半身裸の姿を撮られ、「人気アイドルも通った道だから」とAV出演の契約書にサインさせられた。

 女性は、いったん家に戻り、3日後に電話をし、撮影を断った。すると、「違約金を払え。親や学校に知られてもいいのか」と脅された。さらに「断るなら事務所に来て」と言われ、行くとその場でレイプされ、撮影された。その後も怖くて抵抗できず、何度もAVに出演させられた。女性は相談に来たとき、「死にたい、苦しい」「もう、消えたい」と訴えていたという。

 ログイン前の続き村木さんは「AVの被害は驚くほど深刻。児童ポルノを規制する法律はできたが、AV被害の法整備は不十分で、防ぐ手立てを早急に整えなければいけない」と指摘した。

■相談員「オレオレ詐欺に似ている」

 PAPSの相談員、金尻(かなじり)カズナさん(35)によると、若い女性が契約書にサインしてしまうのは、「オレオレ詐欺の被害に似ている」という。巧みな言葉にだまされ、高齢者は金をとられ、若い女性は性を狙われる。いったんサインしてしまえば、AV事業者から「契約したでしょ、仕事」と迫られ、撮影に応じてしまう。

 だが、契約書に有効性があるかは別問題。相談があれば、違約金を払わないという書面を支援団体がAV事業者に送り、契約自体を取り消すこともあるという。

 裁判でも、強引な契約の効力を認めない判断が出ている。出演を拒否した女性に対し、AVプロダクションが「契約違反だ」と2460万円の違約金などを求めて提訴。東京地裁は昨年9月の判決で、「本人の意に反して強要できない性質の仕事だ」として、プロダクション側の請求を棄却した。

 契約書のほかに、インターネットに画像や動画が残るという新しい人権侵害も起きている。支援団体は、ネットの事業者に動画や画像の削除を求め、出回っているAVの販売の差し止めにも取り組む。

 金尻さんは「契約書にサインしてしまったからとあきらめるのではなく、支援団体に相談することで被害回復ができる場合が多い。何もしないで孤立して苦しまず、相談にきてほしい」と呼びかける。

 PAPSへの相談は、メール(paps@paps−jp.org)か電話(050・3177・5432)で。

     ◇

 若草プロジェクトはAV被害のほか貧困、虐待、ネグレクト、DV、薬物依存などの相談もLINEで受け付ける。時間は、月曜と土曜の午後1〜7時、水曜午後5〜7時。詳細は団体ホームページ(http://wakakusa.jp.net/別ウインドウで開きます)。(岡田匠)

支援 : 性的被害支援へ新交付金 (2016.12.22)

日時: 2016-12-23  表示:257回

時事通信 12/22(木) 16:47配信

 政府が22日閣議決定した2017年度予算案に、性犯罪・性暴力の被害者を支援するための1億6000万円の交付金新設が盛り込まれた。

 緊急避妊措置や性感染症検査などの医療費やカウンセリング費用を負担する。

 地方自治体が実施する支援措置の経費の2分の1から3分の1を補助する。一つの施設で被害者の相談や治療が可能な「ワンストップ支援センター」の設置を加速させるため、自治体のセンター運営経費も助成する。 

盗撮 : 児童盗撮で49歳教諭免職=担任クラスで―福島教委

日時: 2016-11-28  表示:322回

時事通信 2016/11/25(金) 19:57配信

 担任するクラスの女子児童の着替えなどを盗撮したとして、福島県教育委員会は25日、福島市立小学校の男性教諭(49)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。

 県教委によると、教諭は「女子児童が着替えをする様子の映像を持っていたかった」などと話しているという。

 県教委によると、男性教諭は学校行事などで使っていた私物のデジタルカメラを教卓の上に置き、女子児童が着替える様子を動画撮影。学校行事の練習をしていた女子児童1人が転んで下着が見える様子も撮影したという。

 男性教諭が、学校行事などの映像を学校のパソコンに保存する際に盗撮映像も保存。別のクラスの児童が授業でコンピューター室を利用した時に、盗撮映像を見つけて発覚した。被害児童7人のうち6人の親が、県警福島署に相談しているという。

製作被害 : 元AV女優ほしのあすかさんが出演強要を告白「トラウマはま

日時: 2016-11-25  表示:325回

弁護士ドットコム 11/24(木) 19:30配信

元AV女優のほしのあすかさんが11月21日、自身のブログで、「(AV女優として活動した3年間)AV出演を強要されていた」「男性や、性の恐怖のトラウマはまだ消えていない」と告白した。また、出演強要をきっかけに、摂食障害、パニック障害、うつ病、対人恐怖症などにかかり、現在も通院中であることなどを打ち明けている。

ほしのさんはもともと、グラビアアイドルをしていた。ブログによると、AVに出演したのは、大手芸能事務所から紹介された人物から「脅迫されたり優しくされ」るなど、半年以上の洗脳を受けたことがきっかけだった。現場に行くまで、グラビアの仕事と聞かされていたが、着いたらAVだったという。契約書には、一言もAVとは書かれていなかったそうだ。

ほしのさんは当時、警察や弁護士に相談したが、「今の時代にそんな事あるはずないとか、騙された自分も悪いと言われ、本当に泣き寝入り状態だった」と相手にされなかったという。AV出演強要問題が大きくクローズアップされる中で、ようやく「今は社会が変わり警察が動き始め、声を上げる方が増えようやく話せました」と説明している。

ほしのさんはまた、出演強要をきっかけに、摂食障害やパニック障害、うつ病、対人恐怖症など、「かなりの重度の精神病にかかり、障害レベルになりました。治るのにも3年近くかかりました」と心身の状態についてもつづり、「男性や、性の恐怖のトラウマはまだ消えていない」と打ち明けている。

ほしのあすかさんは2004年に「ミス週刊少年マガジン」に選ばれた。2010年にAVに女優としてデビューし、2013年にAVから引退した。ブログによると、現在はファンイベントやアルバイトをしながら生活しているという。

●ほしのあすかさんの公式ブログ

http://ameblo.jp/hoshinoasuka1205/entry-12221469175.html

弁護士ドットコムニュース編集部

製作被害 : AV出演強要、10代女性や男性も 2年半で相談22件 (

日時: 2016-11-16  表示:360回

朝日 2016年11月15日21時11分

 アダルトビデオ(AV)の出演強要について全国の警察に寄せられた相談が、6月末までの2年半で22件にのぼったことがわかった。警察庁が初めて集計し、15日にあった政府の男女共同参画会議の専門調査会で明らかにした。

 20代が12件と最も多く、10代が4件、30代が3件だった。女性が21件、男性が1件だった。モデルのスカウトだと思ったのにAVに出演させられたり、出演を断ると高額な違約金を要求されたりするケースがあったという。警察庁の担当者は「相談できずに埋もれているケースもあると思う。最寄りの警察署などにいつでも相談してほしい」と呼びかけている。

製作被害 : AV出演強要、警察に相談22件「違約金を理由に出演強要」「

日時: 2016-11-16  表示:335回

弁護士ドットコム 11/15(火) 11:38配信

アダルトビデオ(AV)出演強要の問題を受けて、警察庁が全国の警察に寄せられた相談状況を調べたところ、2014年1月から2016年6月までの間に、AV出演強要をめぐる相談件数が計22件あったことがわかった。11月15日に開かれた「男女共同参画会議」の専門調査会で明らかになった。

相談内容は、プロダクションと契約を結んだ後に出演を拒否したところ、違約金が発生するといわれて意に反して出演させられたケースや、ネット上での販売をとめてほしいといったものなど。22件のうち、10代4件、20代12件、30代3件、不明3件。また、性別は女性21件、男性1件だった。

こうした状況を受けて、警察庁は今年6月、全国の警察に対して通達を出して、強姦罪、暴行罪、傷害罪など刑法だけでなく、労働関係法令の適用を視野に入れた取り締まりなど、AV出演強要に関する相談への適切な対応を指示した。また、契約問題については、弁護士会や関係省庁、NGOとの連携を強化していく対応を示している。

AV出演強要をめぐっては、今年6月にAV撮影現場に女性を派遣したとして、大手プロダクションの元社長ら3人が労働者派遣法違反の疑いで検挙された。また、10月にも、別のプロダクションの社長ら12人が労働者派遣法違反の疑いで検挙されている。

人身売買 : 日本で売春を強要されたコロンビア人女性が証言する人身

日時: 2016-11-11  表示:358回

ダイヤモンド・オンライン 11/11(金) 6:00配信

  米国国務省が毎年発表する人身取引年次報告書の2016年版で、日本は「人身取引撲滅のための最低基準を十分には満たしていない」と評価されている。しかし、日本に人身取引の被害者がいると聞いてピンとこない人も多いのではないだろうか。『サバイバー 池袋の路上から生還した人身取引被害者』は、1999年に来日し、セックスワーク(売春行為)を強要されていたコロンビア人女性の手記だ。コロンビアでベストセラーになったという本書について、ジャーナリストの安田浩一さんに話を聞いた。(取材・文/小川たまか プレスラボ)

● 「人身取引年次報告書」では4ランク中 下から2番目の「監視対象国」

 「人身取引」という言葉にどんなイメージを持つだろうか。「日本ではない、どこかの国で起こっていること」と考えている人も多いかもしれない。しかし、日本は米国国務省が発表する人身取引年次報告書(2016年)で4ランク中の下から2番目「第2ランク監視対象国(人身取引撲滅のための最低基準を十分には満たしていない)」と評価されている。

 報告書の中では「日本は、強制労働および性的搾取の人身取引の被害者である男女、および性的搾取の人身取引の被害者である児童が送られる国であり、被害者の供給・通過国である」(米国大使館による翻訳から引用)と書かれ、技能実習制度(TITP)を通じた強制労働や、強制売春、偽装結婚、アジアへの児童買春旅行などについての厳しい指摘がある。人身取引について、日本は「被害者の供給・通過国」と評価されている現状がある。

 今年の8月に刊行された『サバイバー 池袋の路上から生還した人身取引被害者』(ころから出版)の著者、マルセーラ・ロアイサさんは1978年生まれのコロンビア人だ。彼女は1999年に来日し、2年の間日本でセックスワークを強要された。

 帰国後にカウンセリングを受け、その一環として日本での経験をノートに綴ったところ、これが評価され『ヤクザにとらわれた女――人身取引被害者の物語』というタイトルで出版することになった。コロンビアでベストセラーとなり、続編も発売されている。日本語訳して出版したものが『サバイバー』だ。

 同書では巻末に、ジャーナリスト安田浩一さんによるマルセーラさんへのインタビューがある。この中で、安田さんは、人身取引年次報告書について「そもそも米国に他国を評価する資格があるのかといった疑問を感じる方も少なくはないだろう(私もそう感じてはいる)」と書きつつ、「だが、直接的な暴力や、暴力を用いての束縛がなくとも、自由で自律的な意志を制限することだけで、広範囲に『人身取引』『奴隷的労働』として捉えることは、いまや世界の常識なのだ」と指摘している。

  『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書/2010年)では、日本で過酷な労働状況に置かれる外国人実習生を追った安田さんに、『サバイバー』について話を聞いた。

● 部屋で日本人男性の顔を見た瞬間 「怖い」と言ったマルセーラ

 ◇

 ◎『サバイバー』のあらすじ
 21歳のシングルマザー・マルセーラは、娘や母、兄弟の面倒を見ながらコロンビアで暮らしていた。貧困に苦しむ毎日の中、あるきっかけから日本で働くことを決める。仲介者を通じて日本へ入国するが、東京で待っていたのは「500万円の借金を返すまでは帰国させない」「売春婦として働き、1日2万円を支払うことができなければ借金の利子がつく」という言葉だった。マルセーラは日本に着いた日からすぐに、池袋の路上で売春婦として仕事を余儀なくされる――。

 ◇

 ――安田さんはアメリカでマルセーラさんに取材した際、彼女から「怖い」と言われたそうですね。「日本人の男性を目の前にすると、どうしても昔の記憶がよみがえってしまう」と。

 安田 最初に会ったのはモーテルのロビーでした。そのときはすごく朗らかに握手をして明るい表情だったのですが、ホテルの部屋の中に入って通訳の女性と3人になったときに、表情が急に強張って緊張した感じになったんですね。

 安田 「どうしましたか? 」と聞くと、「怖い」と。あ、そうか、ここはホテルの一室。そこは応接室もあるような広い部屋だったけれど、それでも日本の男と同じ部屋にいるというのは、彼女にとって(過去を思い起こさせる)恐怖なのだということが伝わってきました。そのときに、軽くどつかれたぐらいのショックを受けましたね。彼女がどのぐらい傷ついているのか、あるいは日本という国や日本人の男性という存在に対してどれほどの恐怖や嫌悪を持っているのか、そのときにわかった。自分の甘さみたいなものを、冒頭で知ることができたと思いました。

 ――マルセーラさんは1999年頃から池袋の路上に立って売春をしていたと本書では書かれています。

 安田 当時、僕は週刊誌の記者をしていて、池袋のあたりの状況をよく知っていました。当時は池袋や、歌舞伎町の職安通りから新大久保にかけては多くの南米人、特にコロンビア人がいました。その後、新大久保は韓流ブームで韓国街に変わりましたが。僕は外国人を特に担当していたわけではないけれど、日本の中で外国人が増えていく時期で、すごく気になる問題でした。

● 外国人セックスワーカーを 買っているのは日本人

 ――厚労省の発表では、1999年の外国人の合法的就労数は42万人。ただし、不法残留者を含む就労者数は67万人と推計されていたようです。2015年には届出の出ている数だけで90.8万人に増えています。

 安田 1990年代後半は入管法が緩和されたこともあり、外国人の姿がすごく目立つようになってきた時期です。それまでは外国人といえば金髪で青い目のアメリカ人だったのが、その頃からアジアや中東、南米などさまざまな国からさまざまな目的と思惑を持って出稼ぎに来る人が増えてきた。合法か非合法かは問わず。その中で、それまで単なるゲストだった外国人の意味付けが変わったんですね。一部は人材不足の生産現場を手助けしてくれる助っ人、一部は迷惑に見える人。そういった中で、外国人との軋轢が増えていったのがこの時期だと思います。マルセーラさんは、こういう時期に日本に来たんですね。

 ――マルセーラさんの体験は非常にショッキングな内容ですが、すでに10年以上前のことです。「もう10年前のことだから」という反応もあるのではないかな……とも思いました。

 安田 僕もそう思いました。新しい話ではない。それは事実です。一斉検挙があったり、現在はコロンビア人の入国は厳しくなっているということもある。ただ、マルセーラ自身の話が古いのは事実だけれど、今現在、違う形で日本では外国人であるがゆえに様々な制約を受け、時として搾取され、日本社会から守ってもらえずに自分だけで解決していかなきゃならない状況にいる人は、ますます増えていると思うんですよ。

 ――路上で外国人女性が立っているのを見たことはありますが、彼女たちの背景を考えたことはこれまでありませんでした。どちらかというと、「治安を悪くしている人」という目で見ていたな、と。『サバイバー』を読んで自分の偏見に気づかされました。

 安田 僕も含めてメディアもやっぱり煽っていた部分があった。外国人と結びつけるのは治安とか犯罪とか、そういう観点でしか見ていなかった。でも、(外国人が売春をしているとして)誰が買ってるのかって話になるわけですよ。コロンビア人のブローカーが連れてきたのかもしれないけれど、買うのはみんな日本人ですよ。日本人が呼び寄せてるわけです。

● 番号で呼び、若くてきれいな子から選ばれる 外国人実習生の集団面接

 ――マルセーラさんが書いている「コロンビアでは女性が『日本へ行く』というのは売春をするという意味で捉えられていた」という話が衝撃でした。日本は、海外からそう思われているのか、と。

 安田 1980年代や1990年代半ば頃まで、韓国やフィリピン、タイに女性を買いに行く男性のツアー客は多かったと思いますよ。

 ――安田さんは『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』などで、外国人実習生を取材してらっしゃいますね。

 安田 中国人実習生の取材をしているときに、中国人の通訳の方からこんな話を聞きました。日本の中小企業が縫製工場で働く女性の採用をする際に、女性の胸に番号をつけて並ばせて、「〇番を雇います」って選んでいくんだと。その様式そのものが人身売買そのものに見えるけれど、中国側も日本側も正当な集団面接だと思っている。それを見た中国人の通訳は嫌な気持ちになったと言っていました。なぜなら、若くてきれいな子から選ばれていくから。「あなたはミシンの経験がどのぐらいある? 」とか「どんな技術がある? 」とか、そういう話ではないと。

● 実習生へのセクハラも横行 知られざる日本社会の闇

 ――それは最近のことですか? 

 安田 2006〜7年頃に聞いた話です。実習生へのセクハラも実際相次いでいますね。純粋に人材を欲しがっているのでしょうが、結局、下心をもって接する経営者も少なくない。

 ――そういった状況や、人身取引報告書で厳しい評価をされていることを知らない日本人も多いかもしれません。

 安田 アメリカの国務省が、報告書の中でセックスワーカーと外国人実習生の両方を挙げていることがとても重要です。日本って実は少しも開かれていない国だということがよくわかる。日本は外国人が生産現場で働いていいという法律は一つもないんです。外国人は工場で働いちゃいけない。じゃあなんで、工場で中国人やベトナム人が働いているのかというと、これは移住労働者ではなく「実習生」だから。出稼ぎ労働は日本では禁止されている、先進国の中では極めて特殊な国です。でも労働力が足りないから、\"抜け道\"として実習生制度があったり、日系人が活用されている。日本の外国人政策って遅れてますよ。

 ――『サバイバー』は日本でどのように受け止められると思いますか。

 安田 僕もそこに興味があります。セックスワーカーの女性がどんな体験をしたのだろうという興味本位で手に取る人が多いと思います。僕はそれでもかまわないと思っています。本を読むきっかけなんて、興味関心で良いと思っているので。読んでいく中で、日本社会の醜悪な部分や、出稼ぎに行かざるを得ない南米の女性の問題を、少しでも理解してもらえたら関わった一人としてうれしいですね。

 1990年代の池袋の光景の中ではなく、日常的に、もっと身近なところに無数のマルセーラがいるということですね。そういう社会だと気が付くことが必要だと思います。

盗撮 : トイレ盗撮 法の穴 16県、条例規制は「公共の場所」 (20

日時: 2016-11-10  表示:381回

毎日新聞2016年1月30日 14時46分(最終更新 1月30日 14時57分)

 電車内での隠し撮りは「盗撮」だが、現場が駅のトイレだと立件できない−−。そんな状態が16県で続き、全国の都道府県で規制にばらつきがあることが、毎日新聞の調査で分かった。盗撮は刑法に規定がなく、全都道府県にある迷惑防止条例で禁止されているが、この16県では「公共性の高い場所」に限られているためだ。昨年、条例を改正した福岡県では、半年間で58件検挙しており、識者は条例ではなく法律の改正で対応すべきだと指摘している。【宮嶋梓帆、山本太一】

 スマートフォンの普及などを背景に盗撮の検挙件数は年々増加している。一方で、現行の規制では書類送検にとどまったり、立件できなかったりするケースもある。兵庫県尼崎市の福祉施設で昨年6月、40代の男が女子トイレにビデオカメラを仕掛け、隠し撮りをしていたことが発覚。しかし県警は迷惑防止条例違反を適用できず、軽犯罪法違反(のぞき)容疑で書類送検した。

 盗撮は、各都道府県が迷惑防止条例で「卑わいな行為」などとして禁止。1年以下の懲役や100万円以下の罰金などの罰則がある。しかし原則は道路や公園、電車など、不特定多数の人が出入りする場所に限られ、公共の場所にあってもトイレや更衣室は含まれない。路線バスでは適用されるが、貸し切りバスではされない。

 対象外の場所での隠し撮りは、科料1万円未満などの罰則しかない軽犯罪法違反などしか適用できず、不起訴になる例も少なくない。ある警察幹部は「卑劣な犯罪なのに立件できないケースも多く、もどかしい」と打ち明ける。

 奈良県や福岡県、東京都などは条例を改正し、公衆トイレや銭湯、更衣室にも範囲を拡大したり罰則を強化したりしている。このうち、福岡県では昨年6月に条例を改正し、駅や電車内、商業施設のフロアなどに限られていた禁止場所を広げた。公衆トイレだけでなく、商業施設内のトイレや授乳室など通常衣服を着けないことが想定されたり、会社の事務室など公衆の目に触れたりする場所が加わった。

 福岡県警は昨年11月、福岡市内のアルバイトの50代の男を改正条例に基づき初めて逮捕した。男は昨年8月、市内の商業施設内の男女共用トイレに小型のビデオカメラを設置し、女性を盗撮したとされる。摘発はその後も続き、昨年12月までに、拡大された禁止場所の盗撮で計58件(暫定値)が検挙(逮捕、書類送検)された。

 毎日新聞が各警察に問い合わせるなどした結果、31都道府県が既に対象場所を拡大する条例改正を実施しており「公共の乗り物、場所」のままだったのは山口、宮崎など16県だった。このうち兵庫県は、2月県議会に条例改正案を提案する方針だ。性犯罪被害に詳しい上谷さくら弁護士(第一東京弁護士会)は「盗撮被害の重大性に対する認識が不十分で、規制が社会の動きに対応できていない。都道府県でばらつきが生じるのはおかしく国の法律で一律に規制すべきだ」と指摘する。

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