朝鮮日報 : 2004/09/30 20:44:29
今月27日午前5時30分、忠南(チュンナム)警察庁・女子警察機動捜査隊にキム某(女性/22)さんから電話がかかってきた。
大田(テジョン)・柳川(ユチョン)洞のバー「H」の従業員だと自己紹介したキムさんは、いわゆる“前借金”の返済のために、店主に監視されながら売春を強要されていると話した。
キムさんの話の内容には、店主が警察の取り締まりに備え、店の近くのコンビニエンスストアに顧客帳簿を隠しているという内容も含まれていた。
午前6時に店を閉めるというキムさんの話で警察はすぐに出動し、店主のパク某(28)容疑者とママのキム某(女性/39)容疑者をはじめ、買春男性のホン某(26/******容疑者など11人を現場で検挙した。
コンビニエンスストアで発見された顧客帳簿には、VIP顧客108人の名前または「ロリコン」「ホストみたいな奴」「胸が好きな老人」「トレーニン****社長」「チビ」のような特徴が、携帯電話の番号、未婚および既婚などの個人情報と共に記載されていた。
警察はこの帳簿に記載されている人物をはじめ、店で確保したクレジットカードの使用者名簿に記載されている329人の男性を全員呼び、事情聴取した後、刑事処罰する方針だ。
警察の関係者は「従業員のキムさんが顧客帳簿の場所をはじめ、店の営業時間、店の構造などを詳しく教えてくれたため、取り締まりが容易だった」とし、「性売買特別法の施行によって増えている『内部告発』の一例」と話した。
すなわち、過去の「売春行為等防止法」では、無条件に処罰の対象となっていた売春女性が、特別法では売春を強要された事実が立証される場合、むしろ「性売買の被害者」に分類されて救済を受け、業主との債権および債務関係も無効として処理されるため、通報が増加しているという。
売買春の通報の増加は実際に数字でも証明される。性売買特別法が施行された23日以降、29日までの1週間、警察庁の緊急支援センターに届け出があった件数は159件と、6月から9月22日までの約110日間の120件より多い。
とりわけ、120件の大半が一般市民による通報だったのに比べ、特別法施行以降に通報された159件は半数程度の77件が売春女性本人、または家族、友人による通報だ。
現に26日には、自分の娘が前借金のために売春を強要されているとして50代の女性が該当の風俗店と店主の携帯電話および自動車のナンバー、店内の内部構造、取り締まり時の予想逃走路などを警察に知らせた。
売春被害女性支援団体「自立支持共同体」のキム・ミリョン代表も「特別法施行後、ここを訪れる売春女性が倍近く増えた」とし、「政府の売春業者取り締まり強化と、売春被害女性は処罰されないということが知られ、売春をやめる女性が増えている」と述べた。
もちろん、風俗店の店主らによる反発も続いている。
警察庁の関係者は「売春の通報に関連した電話の中で10%は業者による抗議電話」とし、「自発的な売春女性だけで営業しているのに、どうして取り締まりをするのか、とあらゆる汚いことばを吐き出す“悪口型”から“生計困難”を訴える“泣訴型”まで十人十色」と語った。
警察庁のイ・グムヒョン女性青少年課長は「特別法施行後、買春男性169人を捕まえ、未成年者と性交した10人は身柄を拘束するか逮捕状を請求した」とし、「ほかの書類送検対象者にも罪の軽重によって罰金刑または保護処分などを科す」と語った。
韓在賢(ハン・ジェヒョン)記者rookie@chosun.com
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