[毎日](2004年1月24日)
◇「きちんと視察した」と説明
県議6人が昨年11月、タイ・バンコク視察で女性の接待を受ける店に出入りしていた問題で、6人が「視察費を返還する」として滝瀬副次議長に預けていた公費から支出された約530万円について、滝瀬議長は23日、全額を6人に返却する意向を固めた。滝瀬議長は「一部で批判される行動はあったが、視察自体はきちんと行っている」と説明している。県議会が開会する2月下旬までに返還する方針だ。他の会派からは批判の声も挙がっている。【堀文彦】
◇他会派から批判の声も
6人は視察問題発覚後の昨年12月16日、「県民に迷惑を掛けた。視察に要した費用を返したい」と言い、紙袋に入れた現金約530万円を滝瀬議長に渡した。しかし、県への返還は公選法が禁じた「公職候補者による選挙区内への寄付行為」に抵触する可能性があるため、滝瀬議長は現金を銀行の貸金庫に預け、取り扱いを検討していた。
毎日新聞の取材に、滝瀬議長は「視察費は県議会での議決を経て支出されたもので、視察そのものも報告を受けて適正に行われている」と返還する理由を述べた。返還された金をどう扱うかについて***議員が判断すること」と話している。
視察団長の斎藤正明県議は「滝瀬議長から話はまだ何も聞いていないが、意向をよく聞き、6人で話し合って対応を検討したい」と話している。
海外視察問題については、斎藤県議が昨年12月、記者会見で謝罪し、買春を否定した。同月の県議会では、6県議の議員辞職勧告決議案が最大会派・自民の反対で否決され、対案として自民が出した「自戒と反省を求める決議案」が可決された。今年度内に予定された他の2件の視察と、来年度の海外視察の中止が既に決まっている。
共産党県議団の山岸昭子団長は「問題を起こした6人には責任があり、滝瀬議長は辞職を求めたうえで県に金を返すべきだ。滝瀬議長自身が視察問題を重大視していないと受け止められても仕方がない」と話している。