週プレNEWS 7月21日(木)12時56分配信
7月17日、タバコの箱に仕掛けた小型のデジタルカメラで女子高生の下半身を盗撮したとして、千葉県警匝瑳署は匝瑳市八日市場ロの43歳無職の男性を迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕した。男性は「女性の下着に興味があった」と容疑を認めているという。
明らかに盗撮用に作られたと思われる機器を使っての犯行だが、盗聴・盗撮器の発見・調査などを請け負う『盗聴Gメン』代表の岡田久信氏によれば、こうした事件は「氷山の一角」に過ぎないという。
「盗撮被害に関する相談は毎月150件以上。男性からの電話も多く、『盗撮サイトやDVDを見ていたら、自分の彼女、もしくは奥さんが盗撮されていた』なんて案件もありました。現行犯でなければ、被害届を出さない限り事件にはなりません。そういう意味で泣き寝入りをしている人はごまんといるはず」(岡田氏)
だが、そもそも被害に気づく女性はごくわずかなのが現状だ。
「以前であれば、カメラ付き携帯電話を使ってスカートの中を盗撮する手口が多かったんですが、最近のカメラはさらに高性能、小型化していますからね。知らないうちに被害者になっているケースが多い。また、今夏は節電の影響で女性が例年以上に薄着になる。表に出ない盗撮被害が急増する可能性は高いと思います」(岡田氏)
盗撮に使われているカメラとして代表的なものは、『偽装カメラ』『カモフラージュカメラ』と呼ばれる、日用品にカメラが仕込まれているもの。ペンに仕込まれているものや、腕時計型、ビジネスバック型、100円ライター型などだ。なかには、防水機能がついていたり、暗視補正レンズがついていたりと、かなり高機能なものまである。しかも、こうした偽装カメラのほとんどは、インターネットで検索すれば容易に手に入る。
ここまで多くの偽装カメラが出回る理由について、秋葉原の販売業者A氏はこう語る。
「デジカメなどと同様、値段がリーズナブルになり、興味本位で買う人が多いからでしょう。フラッシュメモリなどの記録メディアが小型化され、偽装できる既製品のバリエーションが増えたことも理由のひとつ。現在、流通している偽装カメラは、メモリ内蔵タイプとマイクロSDを挿入するタイプに分かれていて、今は16GBのマイクロSDなどもありますからね。2時間以上の動画撮影も可能なんです」
繰り返すが、盗撮は犯罪である。興味本位で機材を購入しても、使用したら人生が終わるということを忘れてはならない。
(取材/高篠友一、撮影/井上賀津也)