2007年12月15日8時2分配信 産経新聞
【北京=福島香織】女性や子供の人身売買問題が深刻な中国およびメコン河流域の5カ国の関係閣僚・高官による「第2回メコン河流域協力・人身売買防止閣僚級会議」が14日、北京で行われ、防止に向けた国際協力を強化する共同宣言に署名した。これにあわせて中国公安省は記者会見し、昨年約2500件の人身売買事件を摘発したことを明らかにし、中国としても初の「女性・児童人身売買防止****(2008?12年)」を実施していくと発表した。
中国では改革開放以降、人身売買犯罪が目立っており、国際労働機関(ILO)の推計によれば、年間1万?2万人の児童・女性が犠牲になっている。最近は国境を越えたケースが顕在化。たとえば広西チワン族自治区公安当局が2004年以降、域内で人身売買組織から救出したベトナム女性は400人にのぼると地元紙は伝える。
会見で張新楓・公安次官は昨年の摘発案件2500件のうち100件前後が国際事件であるとし「総数としては多くないが増加傾向にある」と危機感を募らせた。
張次官は中国の人身売買は2000年以降は減少に転じたものの「農村に嫁として売られるケースは依然多い」と指摘。貧困や無知が背景にあり、行動計画では摘発・予防強化だけでなくモラル教育や宣伝などにも力をいれていくとしている。
閣僚級会議では中国のほかミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイの担当閣僚・高官ら200人が参加。メコン河流域人身売買防止行動計画(08?10年)も採択した。