スポーツ報知 10月26日(水)8時2分配信
神奈川県警の40代の男性警部補が、勤務先の大和署(大和市)の女子シャワー室でカメラ機能付きの携帯電話で女性署員らを盗撮していたことが25日、県警関係者への取材で分かった。県警は県迷惑行為防止条例違反の疑いで、警部補の自宅や大和署を家宅捜索した。県警監察官室も警部補を取り調べしており、立件される見通し。警部補は容疑を認めているという。
今や警察官の不祥事はさほど珍しくなくなったが、自分のホームグラウンドである警察署内で、同僚の女性署員を盗撮していたとは前代未聞だ。県警関係者の話によると、盗撮事件が発覚したのは、庁舎3階にある武道場の女子専用シャワー室。女性署員が使用する際、「カチッ」などと不自然な音がするのに気付き、10月中旬に署幹部に通報した。「人影を感じた」「物音がした」「のぞかれている気がする」など同例の相談が複数の女性署員からあり、署内でうわさになっていた。
署幹部からの要請を受けて、県警は監視カメラをひそかに設置。女子シャワー室に不審者が入っていないか、調査を開始した。映像を解析した結果、映っていた不審人物は、大和署の警部補。同僚の女性警察官を署内で盗み撮りしていた疑いが浮上した。
24日に県警は、警部補の自宅を家宅捜索。合わせて県警が、管轄の大和署内も家宅捜索するという珍事態になった。警部補の携帯電話からは盗撮したとみられる複数の画像がみつかった。
人口約23万人の大和市は神奈川県のほぼ中央に位置し、管内での刑法犯罪発生件数は神奈川県で最も多いとされている。警部補は、薬物や銃器関連の事件の係長。24日以降は事情聴取のため出勤していないが、これまでの勤務態度は特に問題がなかったという。
県警監察官室は取材に対して「盗撮の内容などを含めて、事実関係を現在捜査中」としている。警部補は容疑を認めており、立件されれば懲戒免職となる見通しだ。
同署の若林靖司副署長は「捜査は監察官室にお任せしてあり、何もお答えできないが、きわめて遺憾に思う」と話している。
◆最近の警察官の主なトラブル(年齢は当時)
▽ストーカー殺人 2007年8月、警視庁立川署巡査長(40)が、飲食店従業員女性(32)を射殺した後、拳銃自殺。
▽電車内で下半身露出 09年8月、大阪府警警備課の巡査長(26)が地下鉄御堂筋線の車内で泥酔して下半身を露出。公然わいせつで現行犯逮捕された。
▽留置場の女性にわいせつ 10年9月、大阪府警枚方署で留置中だった女性(38)にわいせつな行為をして留置管理係の警部補(49)が特別公務員暴行陵虐の疑いで逮捕。
▽部下女性にキス強要 11年1月、兵庫県警の警部補(31)が部下の女性警察官に無理やりキス。強制わいせつ容疑で書類送検され、停職6か月。処分日に依願退職した。
最終更新:10月26日(水)8時2分