ポルノ・買春問題研究会
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児童買春 : 特集ワイド:試される親力@ケータイ(2009.09.25)

日時: 2009-09-26  表示:4890回

 電話やメール、インターネットを思いのままに使える携帯電話。“ケータイ”からつながるサイトは便利な半面、犯罪の温床にもいじめの舞台にもなってしまう。ケータイサイトが世に出て10年。大人はどう向き合えばいいのだろう。【遠藤拓】

 まずは別表のクイズで、頭の体操をしていただきたい。いずれも若者が自己紹介をする「プロフィルサイト」(プロフ)などで使われている隠語である。

 プロフを含むケータイサイトの多くは現在、サイト外で利用者同士が連絡を取り合うことにつながる書き込みを削除しているが、犯罪は後を絶たない。今月24日には、神奈川県警が、千葉県の17?18歳の女子高生3人を児童ポルノ禁止法違反(提供)容疑で書類送検した。県警によると、女子高生らはケータイの掲示板で知り合った男に、自分の下半身を撮影した画像を送信していた。

 警察庁のまとめでは、インターネットのサイトを巡る犯罪被害者の**(18歳未満)は08年、1516人。隠語はこうした犯罪の道具に使われているとみられる。

 「中高生は自分の体や、裸の写真・動画を売って小遣いを稼ぐため、大人は子どもを巧みに誘い出すために隠語を使っている。でも、ほとんどの親や教師は、意味はもちろん、言葉の存在も知りません」。若者のネット事情に詳しい「全国webカウンセリング協議会」理事長、安川雅史さん(43)はため息をつく。

 子どもとケータイを巡っては、文部科学省が今年1月、小中学校への持ち込みを原則禁止すべきだとの通知を出した。4月には有害サイト規制法が施行され、携帯電話会社が18歳未満の利用者全員に対し、有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」サービスを提供することを義務付けた。だが、そうした大人の取り組みをあざ笑うかのように、隠語はネット上を行き交う。

 「警察ざたとなるのは氷山の一角でしょう。隠語を巧みに使えば、見知らぬ子どもと大人同士が接触しても、出会い系サイトほどは表面化しづらい。援助交際を繰り返す仲間を見て、まねる人もいるはず。ネットいじめもまだ続いており、注意が必要です」

 そもそも、親や教師はケータイでインターネットを使うこと自体が少ないと、各地で講演をしている安川さんは実感している。実際、講演会の参加者に尋ねたところ、「大人の利用者は100人中5人にも満たない」という。若者たちとは大違いだ。

 NPO法人「青少年メディア研究協会」理事長、下田博次さん(67)は言う。「ケータイはいつでもどこでも、悪いことでも何でもできるインターネット端末です。子どもたちはまじめな大人が一生かかっても知らないような危ない情報に出合えます。でも、大人にはそうした危機感はいまだにほとんどありません」

  ■

 ケータイでインターネットができるようになったのは1999年。NTTドコモの「iモード」が草分けだ。ライバル会社も追随し、07年には国内1億台を突破。“1人1台”時代を迎えている。ただし、こうした華々しさには“影”が付きまとう。下田さんは企業の姿勢を厳しく批判する。

 「携帯電話会社は99年当初から、ケータイがインターネットの端末だとしっかり説明し、フィルタリング機能を備えた上で販売すべきでした。なのに何もせず、高校生たちにどんどん普及させた。今もフィルタリングが徹底したとは言えず、商売を犠牲にしてまで子どもを救おうと思っていないのは明らかです」。フィルタリングは親権者が申し出れば、加入しなくてもすむ。

 高校時代からケータイに慣れ親しんだ世代も、既に子を持つ親だ。「私のNPOにいる若い母親たちは、最近のケータイサイトを見て、なんで自分の裸を載せたりするのか分からないと言うんですよ。ネット遊びの変化は速い。ケータイは世代間の断絶を生むメディアでもあります」

 現状に危機感を持つ専門家は他にもいる。「ウェブ人間退化論」などの著書がある京都大霊長類研究所教授、正高信男さん(54)だ。「若者は家でもケータイを使い、それこそ24時間、誰とでもつながってしまう。しかも、親はまったく知らないまま。今や、一つ屋根の下に暮らしていても、家族が一緒であることの保証にはなりません。親子関係はケータイで崩壊したと言ってもいいでしょう」

 正高さんは、この「誰とでもつながる」ところに、日本のお国柄を見て取る。

 「日本では縁を大事にする。会ったことのない人同士で、ウェブ上で盛り上がれるのは、地縁・血縁ならぬ『ネット縁』です。社会のIT化はこうした日本の文化的風土を顕著にしたように思います」

 正高さんは普段はサルの行動を研究している立場から、「人間は考えることで道具を開発し、サルから脱皮しましたが、ケータイは便利すぎて、使う側に考えることを放棄させてしまう。賢く使わないと、ケータイは人間をサルに退化させかねない」と指摘する。

  ■

 一方、中央大教授(社会学専攻)の松田美佐さん(40)は「今起きていることは、ネット外でこれまで行われていたことの延長。ケータイだけでなく、子ども自身の生きにくさや家庭環境、学校環境の問題です」と語る。

 2児の母でもある松田さんは、小学5年生の長男には、塾通いの際の連絡手段としてケータイを持たせ、友だちとメールをしたがる小2の長女にはたまにケータイを貸しているという。「私も高校生のころ、長電話をしては親に怒られました。友だちとつながっていたかったんです。きっと今の子どもも一緒。ケータイを多用しているのは中高生です。親子で使い方のルールを話し合い、作っていくのが大切だと思います」

 こうして親子のコミュニケーションを重視するのは、「隠語」について解説してくれた安川さんも同じだ。

 「まずは親が子どもを説得して、フィルタリングをかけることが大切です。拒否されても、折れてはいけません。まさに『親力』が試されているのです。フィルタリングは万全ではないが、それくらい意思の疎通ができれば、親は子どもの異変も気づけます」

 小さなサイズとは裏腹に、絶大な存在感を誇るようになったケータイ。サイトの持つ“影”からも、目をそらすわけにはいかないだろう。大人の真剣さが問われている。

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 「クイズ・ケータイサイトの隠語」(安川雅史さん監修**********(1)**********(2)苺佐母

(3)WU**********(4)乾燥部して93する*********(5)J**********(6)例の間に**********(7)わら**********(8)やわらか銀行

 (答え**********(1)援助交際

 =「円」が転じて「援」助交**********(2)1万5000円で援助交際

 =苺(いちご)は1万5000円の意。佐母はサポート、援助交際を指**********(3)2万円

 =Wはダブル。U吉は福沢諭吉、つまり1万**********(4)ドライブして大麻を吸う

 =乾燥はドライ。93は草と読み、転じて大**********(5)女子中学生

 =女子・中学生のローマ字表記から来る。JKだと女子高**********(6)080

 =0と0の間に8。携帯電話の局**********(7)090

 =ケータイの文字盤に、0は「わ」、9は「ら」と書かれているた**********(8)@softbank.ne.jp

 =ケータイメールアドレスの末尾。やわらか銀行はソフトバンク、同社ケータイアドレスを指す。英雄はau、こどもはドコモのメールアドレスを指す

2009年09月25日 毎日新聞 東京夕刊


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