ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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売買春 : 吉原の最大手ソープランドが摘発された“ある事情”(2006.06.21)

日時: 2009-06-30  表示:4560回

日本一のソープランド街である東京・吉原。江戸時代から脈々と続く大歓楽街で、業界最大手の「角海老グループ」が摘発された。無届けの風俗案内所を運営して客を案内し、売春する場所を提供するなどした疑いだ。同グループは、かつて「警察に協力的」(業界関係者)とされたソープ界の顔とも言える存在。吉原の案内所のほとんどが無届けといわれる中、そんな「優良店」になぜ捜査の手が伸びたのか。警視庁の“逆鱗”に触れた理由を探った。(森浩、道丸摩耶)
<h2>外見は喫茶店、配送センター…その中身は「風俗案内所」</h2>江戸時代の遊郭の流れをくむ吉原は、台東区千束3丁目、4丁目と名前を変えた今でも、日本一の規模と歴史を誇る歓楽街だ。
吉原のシンボル「大門」がかつてあった「吉原大門」の交差点から入谷方面に足を伸ばし、吉原の中心部に入ると、喫茶店が点在していることに気づく。

「コーヒー500円」「飲み物何でも500円」などという張り紙のほか、「お出かけ前にはここに!」という、ちょっと意味深長な看板もある。

こうした喫茶店の多くは「風俗案内所」だ。注文したコーヒーとともに、各ソープに出勤する女性の顔写真が出てくる。コーヒー代が「紹介料」代わりというわけだ。

警視庁によると、こうした「偽装案内所」は吉原地区に35店前後ある。複数のソープ店と契約を結んでおり、客1人を送り出すたびに、2000?1万円のマージンが店から支払われるという。「この金額は客が使ったカネによって変動する。高額を使ってくれる客を、いかにたくさん送り込むかが勝負となる」(ソープ業界関係者)。
<h2>紹介所</h2>
喫茶店を模した紹介所が吉原に登場したのは、20年ほど前から。警視庁幹部は「1つの集客手段として長く機能しているが、案内所の多くは無届けだ」と渋い顔で説明する。

東京都の条例によると、案内所を開業する場合は、開店の10日前までに都公安委員会に届け出なければならない。だが、警視庁幹部によると、吉原の案内所のほとんどは届けが出ていないという。

角海老グループの案内所も同様だった。ただ違うのは「喫茶店」ではなく、リネンの「配送センター」の看板を掲げて偽装していたことだ。

<h2>建前は「自由恋愛で性行為」</h2>「いきなり警察がずらずらやってきたからびっくりした。角海老さんは古い店だし、警察ともうまくやっていると思っていたのに…」

吉原の別のソープランドで客引きをしている男性は摘発の瞬間を振り返る。

そんな老舗に捜査の手が伸びたのは、今月6日夕のことだった。無届けで風俗案内所を営業していたとして、警視庁保安課と浅草署は、東京都風俗案内所条例違反容疑で「角えびグループ配送センター」店長、****容疑者(53)を逮捕。さらに8日に売春防止法違反(場所提供業)幇助(ほうじょ)容疑で再逮捕に踏み切った。
同課によると、**容疑者は都公安委員会に届け出ずに風俗案内所を営業し、角海老グループのソープ店「角えび本店」と「三浦屋」に客を紹介した疑いが持たれている。「案内所の認識はあった」と供述しているという。

さらに、売春防止法違反(場所提供業)容疑で「角え****社長の****容疑者(72)と、「****社長の****容疑者(46)ら男女計9人も逮捕した。男性と店の女性を個室に案内して使用させるなどして、売春場所を提供した?との疑いだ。**容疑者は「売春をするとの認識はなかった」などと容疑を否認し、8人は認めている。

ソープランドは、一般的にほとんどの店で実際に性行為が行われているとされるが、摘発されるケースは少ない。東京都内でも昨年は例がなく、一昨年に2件があっただけ。売春防止法違反に問われにくいのは、「店内でたまたま知り合った男女が合意の上で性行為に至る」という建前があるからだ。

こうしたソープの“内部事情”について、警察当局は百も承知だ。だが、それでも今回、警視庁は捜査のメスを入れた。「それだけ角海老の対応が目に余ったということ」。捜査関係者は語気を強めた。

<h2>3カ月経っても改善なし…「優良店」に何が</h2>警視庁は今年に入ってから、都内の風俗案内所を集中的に指導していた。無届けなど法令に違反している店舗については今年3月、改善を促すために始末書を取った。

しかし「角えび配送センター」は、3カ月が過ぎた今月に入っても何の対策も取られていなかった。指導を“シカト”した形だったのだ。

「こうした姿勢が、警視庁ににらまれるきっかけになったのではないか。業界大手ということもあり、一罰百戒の意味が込められたのかもしれない」(風俗業界関係者)

一方、角海老側の対応に首をかしげる業界関係者もいる。

ソープ業界関係者は「角海老はグループ創業50年とも言われている老舗中の老舗。警察に協力的で、過去、警視庁の摘発が入るときにも、いろいろな情報を提供していたとされる」と話す。

角海老グループはソープランドのほか、ボクシングジムや宝石店などを抱える“異業種企業グループ”だ。逮捕された**容疑者は、「角海老宝石ボクシングジム」のプロモーターも兼ねている。

「最近、グループ内で代替わりがあり、息子さんの世代になってから警察への対応が変わったというウワサもある。警視庁は東京五輪などを控え、浄化を進めている最中。角海老と警視庁が衝突する格好になったのだろうか」(内部事情に詳しい別のソープ業界関係者)

ここ数年、新宿・歌舞伎町をはじめ黄金町(神奈川県)、西川口(埼玉県)など「色街」の浄化が目立っており、風俗業界に逆風が吹いているのは確かなようだ。

<h2>“包囲網”は着々と狭まるも…</h2>風俗案内所の摘発強化は、その一環といえる。ここにきて「案内所禁止条例」をつくる自治体が増え、条例を武器に警察も積極的に捜査に乗り出しているのだ。

「ネットカフェ」の実態が風俗案内所だったとして、大阪府警は5月、府風俗案内防止条例違反の疑いで、大阪府豊能町の風俗案内店経営の男(62)ら3人を逮捕した。
府警の調べによると、3人は4月27日午後、大阪市淀川区の風俗案内店を訪れた会社員男性を、同じビルのネットカフェに案内し、デリバリーヘルス(無店舗型性風俗店)を紹介した疑いが持たれている。
大阪府では4月1日、改正府条例が施行され、デリヘルなど性風俗店への客の案内が禁止され、キャバクラやバーへの案内に限られるようになった。
府警によると、男は条例施行に合わせてネットカフェを開業。客に性風俗店のホームページを閲覧させて、店を紹介していた。「ネットカフェを偽装した明らかな風俗案内所。改正条例の適用を免れようとしたことに他ならない」と捜査関係者は憤る。

警視庁によると、現在、案内所への規制条例を持つのは東京都、大阪府、広島県の3都府県。捜査関係者は「暴力団の収益源になっていると指摘されており、美観を損ねるということで近隣住民が嫌がることも多い。規制条例は広がっていくだろう」と予測する。
大阪府では規制条例が施行された4月だけで、府内の案内所届け出数が3月末時点の178店から約7割減の48店に激減。案内所が街から一斉に姿を消した。性風俗店への案内禁止により、店舗経営のメリットがなくなったためだ。

吉原でソープ店に勤務する男性は、「吉原は店に『固定客』が付いていることが多いが、(案内所の摘発が進むと)一見(いちげん)さんが多い新宿の歌舞伎町など、都心部の店が大変になるのはないか」と分析する。
ただ、「イタチごっこの典型」(警視庁幹部)ともいわれるのが、警察の取り締まりと風俗業界の業態変化。この男性はさらりと話した。
「摘発が進んでも、『代わりの何か』が出てくるのがこの業界。そのうち案内所とは別の手段が出てくるだろう」

2009年06月21日 産経新聞


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