共同通信(2004年1月23日)
ドメスティックバイオレンス(DV)防止法で接近を禁じられた妻の居場所を聞き出そうとして友人のHさん=当時(52)=を刺殺したとして、強盗殺人などの罪に問われた無職HT被告(47)の判決で、東京地裁は23日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
木口信之裁判長は「妻への接近禁止は自分の粗暴な行動が原因なのに、居場所を教えないことを逆恨みした短絡的な犯行。約20カ所も刺すなど残忍、残酷で悪質だ」と述べた。
Hさんが妻をかくまい、HT被告に居場所を教えなかったことについては「適切な対応」とした。
判決によると、HT被告は昨年7月1日、東京都板橋区のHさん宅に行き、妻の居場所を尋ねるとともに、Hさんに貸していた金の返済を要求。相手にされなかったため、持っていた包丁で背中などを刺して殺害、現金約12万円入りの財布を奪った。