BBC、2020/12/8(火) 13:16配信
米決済大手マスターカードが、ポルノサイト「Pornhub」との取引見直しを進めている。同サイトをめぐっては、ピュリツァー賞を受賞したジャーナリスト、ニコラス・クリストフ氏が4日に米紙ニューヨーク・タイムズで、子どもの性的虐待や「リベンジポルノ」、レイプが含まれた複数の動画を発見したと主張していた。
ポルノサイト「Pornhub」の親会社「MindGeek?」は、クリストフ氏の主張について、「無責任でひどく不正確」だと否定している。
英スカイニュースによると、マスターカードのライバル企業ビザも調査を進めている。
■誰もが閲覧可能な状態に
クリストフ氏はニューヨーク・タイムズで、「なぜ検索エンジンや銀行、あるいはクレジットカード会社」がPornhubを「支える」必要があるのか、その理由が見いだせなかった」と、マスターカードなどを名指しして主張した。
Pornhubの使用自体は無料だが、月9.99ポンド(約1400円)を支払えば、より高品質のビデオストリームや広告なしでの視聴、独占コンテンツへアクセスできる。
コンテンツは主に独自コミュニティーがアップロードしたもので、誰もが閲覧可能な状態になっている。
しかし同社は、アップロードされた動画の内容については全て、人間が監視しているとした。
■「未成年」の動画
同社の最も最近の年次評価によると、2019年の同プラットフォームへの訪問者数は延べ約420億人だった。683万以上の動画がアップロードされ、合計視聴時間は169年分に相当したという。
一方で、何人の監視員が雇用されているのかは明らかにしなかった。
クリストフ氏が「未成年」の動画を検索すると、多数の検索結果が表示された。その全てが子どもを含んだものではなかったものの、一部は子どもを含んでいるようだったと、同氏は主張した。
Pornhubは子どもへの性的虐待は「全く容認」していないとし、違法コンテンツを検出して削除するためにグーグルやYouTube?、マイクロソフトのツールを組み合わせているとした。
BBCニュースは2月、14歳の時にレイプされ、その時の動画がPornhubにアップロードされたローズ・カレンバ氏の経験を伝えた。カレンバ氏は動画をサイトから削除するのに苦労したと話した。
Pornhubは2009年当時は別の所有者に管理されていたとし、現在は違法コンテンツに対処するための「業界で最も厳しいセーフガードと方針」があるとした。
(英語記事 Mastercard reviewing links with Pornhub )