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性犯罪 : レイプドラッグ 心身裂く ビール2杯…気付くとホテルに (2019.05.13)

日時: 2019-05-14  表示:211回

東京新聞 2019年5月13日 朝刊

 飲食物に睡眠薬などの薬物を混入され、意識や抵抗力を奪われた上でレイプされる被害が後を絶たない。性暴力に悪用される薬物は「レイプドラッグ」と呼ばれ、体外に排出されると証拠が残りにくく、泣き寝入りする被害者も多い。被害に遭った東京都内の会社員女性(36)が本紙の取材に応じ、「身体も心もズタズタに傷ついた被害者が声を上げるのは難しい」と語った。 (中村真暁)

 「電話をください」。今年一月、女性のもとにメールが突然届いた。送り主は、十年以上前に職場で知り合った同業種の六十代男性。二人だけで会ったことはなく、最後に顔を合わせたのは五年も前だった。電話すると、「起業する意思があれば顧客を紹介する」と言われ、数日後、飲食店で落ち合った。

 男性の話は女性にメリットが多く、打ち合わせをしながら二軒目のバーへ。酒には強い方だったが、ビール二杯を飲んだ後、記憶がぷっつりと途絶えた。

 翌朝に気付くと、男性と裸で一緒にホテルのベッドに寝ていた。硬直していた体は次第に動くようになり、急いで服を着てタクシーに飛び乗った。

 最初は動転し、何があったかも分からなかったが、どう考えてもおかしい。席を立ったすきに、飲み物に何か薬を入れられたのでは−。「私は性被害に遭ったんだ」。そう気付いたという。

 警察や病院に行くことも考えたが、男性警察官から根掘り葉掘り聞かれた性被害者の報道を思い出し、足がすくんだ。あいまいな記憶を説明しても立証は難しいように感じられ、とにかく「忘れたい」と普段通りに出勤し、忙しさで不安を埋めた。

 だが、心に刻まれた傷は深い。背後に男性がいると恐怖を覚える。突然気持ちが落ち込んで「死にたい」と思う。「人生を汚されてしまった自分」と友人の間には壁ができた。被害者の自分を責めては「私は悪くない」と必死に思い直す。

 性犯罪が報じられると、被害者がネットなどで批判される二次被害もある。「警察などに訴えるべきだけど、性犯罪の被害者だと、人から思われたくない。忘れる方が楽だと思ってしまう」と殻に閉じこもった。

 それでも女性は「なかったことにできない」と本紙にメールを送った。勇気を振り絞って証言したのは、「次の被害を防げるかもしれない。性犯罪を助長したくない」との願いからだった。
◆「睡眠薬1錠でも記憶失う」 アルコールと同時摂取で増す効果

 警察庁によると、睡眠薬などの使用が明らかになっている強制性交等や強制わいせつなどの検挙数は二〇一八年が四十七件、一七年が八十五件。病院で処方された薬を不正に使用するケースが多かった。今年二月には、レイプドラッグの手口で女性を乱暴したとして、医師と研修医の男二人が警視庁に逮捕された。

 レイプドラッグに詳しい旭川医科大の清水恵子教授は、アルコールと一緒に飲むと効果が増強し、「ビール一杯と睡眠薬一錠でも記憶を失う」と指摘する。「記憶がない体験は、薬物を投与された可能性を示す。被害者は一刻も早く、警察などの外部機関に相談を」

 性被害者を支援するNPO法人「レイプクライシスセンターTSUBOMI」代表理事の望月晶子弁護士は、「妊娠や感染症のおそれがあり、被害者はまずは産婦人科などの病院へ」と呼び掛けるとともに、各都道府県にある「ワンストップ支援センター」の利用を促す。行政が警察や弁護士、病院と連携するなど必要な支援を提供している。

 各警察本部の性犯罪被害相談窓口につながる全国共通の短縮ダイヤルも設けられている。番号は#8103で語呂は「ハートさん」。警視庁では希望すれば女性捜査員が対応する。「体内などに証拠が残る早い時期がいいが、力になれるかもしれない。勇気を持って相談して」(捜査一課)

 今回本紙に証言した女性には、こうした対処方法を伝えた。女性は弁護士などに相談を始めている。


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