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ポルノ被害 : [狙われる女性](1)「モデルに」勧誘、AV出演強要 (2016.09.20)

日時: 2016-09-24  表示:2519回

読売 2016年09月20日

ネット上、流れ続ける映像

 若い女性を狙った性暴力が問題になっている。アダルトビデオ(AV)への出演強要、「JK(女子高生)ビジネス」の広がりなどだ。映像がネットに流出するなどして被害が深刻化する一方、一人で悩みを抱え込む女性も多い。被害の実態と支援について考える。

 「芸能事務所にだまされて、AVに出演してしまった」

 関東地方の女性(26)は、大学4年生だった2012年夏、「グラビアモデルを探している」と東京都内で男性から声をかけられた。当時の夢は歌手デビュー。「水着になれば、音楽でデビューさせる」と言われ、芸能事務所の社長を紹介された。事務所に所属するという契約書を書かされたが、じっくり読む時間はなく、コピーも渡されなかった。

 その後、水着撮影と聞いていた仕事で、ヌードを撮影された。さらに「AVに出演しないと次の仕事はない」「出たら芸能界で成功できる」などと社長らに言われ続けた。「事務所で男性5、6人に囲まれて説得されるなど洗脳されたような状態だった」

 AV撮影の際に泣いて撮影が中断すると、「ここのスタッフにも家族がいる。責任を取れるのか」と脅された。2本目も出演したが、お金が払われないうちに事務所が倒産したと聞かされた。「連絡も取れなくなりました」。映像は今もネットに流れている。

 AV出演で若い女性が被害に遭うケースが広がっている。「モデルにならないか」などと勧誘され、AVと知らないまま業者と契約を交わして出演を強要されたり、拒否すると法外な違約金を請求されたりする。「親にばらす」と脅されることもある。被害者支援を行っているNPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」によると、相談件数は2013年は1件だったが、14年は36件、15年は62件、今年は8月末時点ですでに74件に上る。

 同NPOの瀬川愛葵さんは、「被害は18〜25歳くらいの社会経験の少ない女性に集中している。性行為を強要し、映像を人目にさらすことは著しい人権侵害」と憤る。心的外傷後ストレス障害に悩まされる人や自殺した人もいる。

 無料動画がネット上にあふれる中、メーカーがコストを下げて多くの新作を出すため強引に女性を出演させているとの指摘もある。「被害者が声をあげ始めているが、泣き寝入りしている人も多いはず」と瀬川さん。

 インターネットの普及で、被害は深刻化している。支援団体には、「数年前に撮影された映像が、今もネット上に出回っている」「家族や恋人に知られたくない」などの相談が寄せられている。弁護士らの協力を得て、メーカーやサイト運営者に映像の販売停止や削除を求めているが、一度流出した映像は拡散し、完全に消し去ることは困難だ。

 今年6月には、東京の芸能事務所の元社長らが、所属モデルを本人の意思に反してAVの撮影現場に派遣したとして、労働者派遣法違反容疑で警視庁に逮捕された。モデルを本人の意思に反して、性交渉を含むAVへ出演させたことは、同法が禁じる「有害業務」にあたるとした。

 女性との契約を直接の雇用契約でなく、「委託」などの形にして、法の適用を免れようとする業者もいる。児童ポルノ禁止法も18歳未満が対象だ。NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長で弁護士の伊藤和子さんは「不当な勧誘の禁止、作品の販売差し止めなどを含む法整備が必要」と指摘する。

 政府は6月に、「AVへの出演強要は女性に対する暴力」との答弁書を閣議決定した。内閣府暴力対策推進室は「実態を把握し、被害者が相談しやすい体制作りなどを探っていく」という。
勇気を出して相談を

 「深刻な被害があることを知り、安易に契約しないで」と支援団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」の宮本節子さんは呼びかける。

 芸能事務所などから示される契約書は難解で、仕事がAVであることの説明もなされないまま、署名させられる例が目立つ。契約後、出演を強要された場合、支援団体に相談すれば、事務所との交渉なども手伝ってくれる。

 「自分が悪いと考える被害者も多いが、一人で抱え込まないで。勇気を出して相談してほしい」と話す。

■主な相談先
・ライトハウス( http://lhj.jp )(電)0120(879)871
・ポルノ被害と性暴力を考える会( https://paps-jp.org )(電)050(3177)5432
・よりそいホットライン( http://279338.jp/yorisoi/ )(電)0120(279)338


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