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国際 : 声を上げる場失う中国のDV被害者たち、支援団体解散し孤立 (2014.09.28)

日時: 2014-11-25  表示:3447回

AFP 2014年09月28日 10:26 発信地:北京/中国

【9月28日 AFP】結婚して1か月が過ぎたころ、夫の暴力が始まった――中国人のマー・シュユンさんは語り始めた。叩く、蹴る、突き飛ばすなどの暴行が2年以上続き、生まれたばかりの娘も標的となった。夫は、息子を欲しがっていた。

 ある日の深夜、マーさんは北京(Beijing)の警察署に助けを求めた。夫が、義理の母と一緒に、彼女を布団です巻きにして上に座り、気が遠くなるまで窒息させたからだ。

 ところが、事件後に警察が身柄を拘束したのは夫ではなく、妹を助けようと駆けつけて夫を撃退してくれたマーさんの兄のほうだった。「警察は、夫を逮捕しなかった。私のけがなど、大したことはないと思ったんでしょう」とマーさん。「ただの夫婦げんかだとみなされたんです」

 マーさんの夫は現在、離婚を望んでおり、娘の親権と養育費として月1500元(約2万7000円)の支払いをマーさんに要求している。

 人民法院(裁判所)は、マーさんが夫を相手取って起こした訴訟を証拠不十分で却下した。兄は8か月にわたって刑務所に収監されたままだ。

■DV防止法なく、支援網も解散

 こうした話は中国ではありふれていると、北京紅楓女性心理カウンセリングセンター(Maple Women\'s Psychological Counselling Center Beijing)の侯志明(Hou Zhiming)主任は指摘する。

 女性の権利向上を目指して長年活動し、マーさんの代理人も務める侯主任によれば、中国のでは4家族につき1件の割合で家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)が発生しているとみられる。しかし、当局は「プライベートな問題」だとして介入したがらないという。

 北京で「国連世界女性会議(World Conference on Women)」(北京女性会議)が開催され、男女平等と女性の権利向上に各国政府が取り組むことを約束した「北京宣言」と「北京行動綱領」(Beijing Declaration and Platform for Action)が採択されたのは、20年近く前のこと。だが、中国国内ではいまだDV防止法が整備されていない。

 それどころか、中国で初めてDV問題に取り組み、規模も同国最大だったNPO連合組織「反家庭内暴力ネットワーク(Anti-Domestic Violence Network、ADVN)」は今年4月、突然の解散を発表した。北京紅楓女性心理カウンセリングセンターも、ADVN加盟72団体の1つだった。

「ADVN解散は、弊害をもたらすだろう。DV反対を訴える専門的な活動を全国規模で展開する上では、当然ながら影響力が強いほど良いのだから」と侯主任は話した。

■動かない政治

 北京女性会議が開催された20年前、中国ではDVは存在しないものとして扱われ、当局に訴えることはできなかった。身体的暴力は離婚理由としても認められなかった。2001年にようやく婚姻法が改正され、初めてDVを禁止する旨が明記された。

 しかし、現行法にはDVの定義がなく、女性たちがDV被害を訴え出ても多くの場合、警察から女性団体、地元住民自治会へとたらい回しにされる。当局は、被害者が重傷でも負わない限り介入に消極的だ。

 全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)は2012年、活動家が起草したDV防止法案について検討することを決めたが、まだ行動には移していない。

 そうした現状にもかかわらずADVNが解散した理由について、ADVN理事会は当時、「使命をおおむね果たしたから」と説明した。ADVNで中心的な役割を担ってきた幹部たちは解散の決定について口を閉ざすが、組織的影響力が強まったことが一因かもしれないと指摘する声もある。

「政府と非政府組織(NGO)との関係では、よくあることだ」と、匿名を条件に取材に応じた幹部の1人は語った。「政府は、市民団体が政府批判をしたり、中国社会のマイナス面を指摘したりするのを嫌がる」

■暴力の恐怖は今も

 社交ダンスが長年の趣味だったマーさんは結婚後、すっかりやつれ、髪は薄くなり、体調も崩してしまった。今も、自分の一挙一動を監視し、家事をおろそかにしたと言っては手をあげた夫の影におびえながら暮らしている。

「私は法律の専門家ではないし、警察官でもない。だから、私にはこの問題について分からないことがたくさんある」というマーさん。それでも、誰でも自分の行動には責任を負うべきだというのは常識だと、AFP記者に語った。「夫の振る舞いは、罰を受けるに値するのではないでしょうか。もし兄が助けに来てくれなかったなら、私は天国に行ってしまい、こうしてここに座ってあなたと話すことはなかったかもしれないんです」(c)AFP/Felicia SONMEZ


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