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国際 : 苦しみ続ける酸攻撃の被害女性たち、インド (2014.10.30)

日時: 2014-10-30  表示:3333回

AFP=時事 10月30日(木)17時1分配信

【AFP=時事】インドの18歳の少女は、義理の兄とその友人たちに押し倒され、酸を浴びせられて顔を失った日を、震える声で振り返った。

 インドの最高裁判所は、酸攻撃の被害者には襲われた日から15日以内に10万ルピー(約18万円)の補償を受け取る権利があるとする決定を下している。襲撃された恐怖と、家族内の不和の渦中で、レシュマ・クレシ(Reshma Qureshi)さんは政府から迅速な補償を受け取るはずだった。だが5か月が過ぎても、レシュマさんは一銭の支払いも受けていない。

「片方の目は見えなくなってしまった。けれど助けは来ない」と、レシュマさんは家族と住むムンバイ(Mumbai)の狭いアパートで、AFPの取材に語った。やけどの痛みを和らげようと母親がクリームを塗るレシュマさんの変形してしまった顔には、涙が流れた。

■機能していない政府の補償金制度

 酸による攻撃は、インドに長らくはびこっている。花嫁の持参金や土地をめぐる衝突、それに男性が女性に交際を拒否されたときなど、復讐として公の場で女性が標的にされることが多い。

 たとえ酸攻撃を生き延びたとしても、生存者たちは一生残る顔の傷と、社会的な烙印(らくいん)に向き合うことになる。かつて美しく社交的な学生だったレシュマさんは、今では友人たちと交流することもなく、家の寝台に静かに横たわり、口数や食事量も少ない。

 政府は昨年、痛ましい事件を一掃し、被害者への金銭的支援を改善するために対策を講じた。だが、活動家らによると、状況はほとんど何も変わっていないという。

「この問題に対する認識は依然として全くない」とニューデリー(New Delhi)を拠点とする活動団体「ストップ・アシッド・アタック(Stop Acid Attacks)」のアロク・ディクシット(Alok Dixit)氏は語り、当局は「時間稼ぎ」をしていると非難する。

 インドの最高裁は昨年7月、インドの州政府に対し、酸の販売規制を3か月以内に実施するよう命じた。だが活動家らによれば、酸は今でも容易に購入できるという。

 また最高裁は、被害者は30万ルピー(約53万円)の補償金を受け取るべきだとし、その3分の1は事件後15日以内に支払われるよう命じた。だがディクシット氏は、迅速に一次補償を受け取った被害者を一人も知らないと述べ、また全額補償を受けた人は100事例のうちわずか2人だったと語る。

「人々は補償の申請方法を知らない。当局も知らない」と同氏は述べた。仮に全額が支払われたとしても、複数回に及ぶ形成手術の費用には「全く足りない」という。

■「きれいに解決することなど何一つない」

 レシュマさんの親族たちは借金をして治療費をかき集めた。だが医師によると、多くてあと10回は手術が必要だという。「それが終われば、状況はいくらかましになると思う。けれど何一つとしてきれいに解決などしない」とレシュマさんは語った。家族は、レシュマさんが狙われた理由は美しい容姿と人気だったと考えている。

 北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州の実家で酸をかけたのは、レシュマさんの姉、グルシャンさんの夫だった。家族によればグルシャンさんの夫は逮捕・投獄されたが、襲撃グループの一員だった未成年は金を払って保釈され、別の2人は今もなお捕まっていないという。「警察は何も言わないし、何の捜査しない」とレシュマさんは訴える。

 インドは昨年、酸攻撃を禁錮10年以上の刑が科される犯罪として個別に定めた。だが裁判は決着がつくまで何年もの時間がかかる。特に北部の州では「警察はあまり協力的でなく、警察が家族に告訴内容を変更するよう働きかけた事例も複数聞いている」と、酸攻撃の被害者を支援するボランティア団体「メイク・ラブ・ノット・スカーズ(Make Love Not Scars)」のバギラス・アイヤル(Bhagirath Iyer)氏は語る。

■クラウドファンディングによる支援

 政府による支援のなさにいら立った活動家たちは、インターネットのクラウドファンディングを通じた被害者支援の募金活動を始めている。

 メイク・ラブ・ノット・スカーズは、クラウドファンディングサイト「インディーゴーゴー(Indiegogo)」にレシュマさんのためのウェブサイトを立ち上げた。治療費の金額には届かないが、当初の目標は2200ドル(約24万円)に設定した。アイヤル氏によると、寄付は国外在住の裕福なインド人から届くことが多いという。アイヤル氏らは現在、マイクロブログのツイッター(Twitter)でインドの有名人たちにメッセージを「一斉送信」して、この問題への関心が広まることを目指している。

 今の自分の顔は「とても怖い」と言うレシュマさんは、治療を完了させ、襲撃者たちに法の裁きが下されることを待ち望んでいる。

 レシュマさんのためのキャンペーンサイトは、https://www.indiegogo.com/projects/support-acid-attack-survivor-reshmaでアクセスできる。

【翻訳編集】 AFPBB News


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