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児童ポルノ : 漫画やアニメは規制対象なのか? 議論を呼ぶ「児童ポルノ禁止法改正案」 (2013.06.24)

日時: 2013-07-12  表示:3161回

産経新聞 6月24日(月)8時30分配信

 自民・公明・日本維新の会の3党が今国会に提出した児童ポルノ禁止法改正案が議論を呼んでいる。主な争点は、子供のわいせつな写真などの「単純所持」を禁止し「1年以下の懲役、または100万円以下の罰金」を設けたことと、検討規定として漫画やアニメと児童の権利を侵害する行為との関連性についての「調査研究」を盛り込んだことの2点。法案を提出した自民党の平沢勝栄衆院議員と、反対するみんなの党の山田太郎参院議員に聞いた。(磨井慎吾)

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漫画やアニメは規制対象なのか? 議論を呼ぶ「児童ポルノ禁止法改正案」

産経新聞 6月24日(月)8時30分配信
漫画やアニメは規制対象なのか? 議論を呼ぶ「児童ポルノ禁止法改正案」

平沢勝栄・衆院議員(左)と山田太郎・参院議員(右)(写真:産経新聞)

 自民・公明・日本維新の会の3党が今国会に提出した児童ポルノ禁止法改正案が議論を呼んでいる。主な争点は、子供のわいせつな写真などの「単純所持」を禁止し「1年以下の懲役、または100万円以下の罰金」を設けたことと、検討規定として漫画やアニメと児童の権利を侵害する行為との関連性についての「調査研究」を盛り込んだことの2点。法案を提出した自民党の平沢勝栄衆院議員と、反対するみんなの党の山田太郎参院議員に聞いた。(磨井慎吾)

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 ■山田太郎氏「漫画などは切り離して」

 −−改正案のどこが問題か

 「3点ある。1つは単純所持の禁止。もちろん児童を被写体とした画像や写真などの製造配布は、取り締まらなければならない。だが所持自体を禁止すると、摘発など捜査機関の裁量によるグレーゾーンが大きく、問題がある。運用に気をつけるから大丈夫だと言うが、実際に単純所持を違法とした韓国や米国、英国などの諸外国では、さまざまな冤罪(えんざい)が増えた。たとえばわが子への授乳写真が児童ポルノと判定され、逮捕されるような例が現実に何件も起きている。2点目は、画像の流通阻止のためとして、ネット事業者に捜査機関に協力するよう努力義務を盛り込んでいる点。ウェブサイトへの実質的検閲につながる懸念がある」

 −−3点目は?

 「最大の問題は、アニメ・漫画の規制を見据えた『調査研究』が盛り込まれている点だ。法案の検討規定では、漫画やアニメが児童の権利を侵害する行為と関係があるかを調べ、3年後をめどに規制など必要な措置を講じる、としている。だが、児童ポルノの被害者になった実在の子供の人権を守るというのが法の趣旨なのに、実際の被害者が存在しない漫画やアニメの話を盛り込むのはまったく筋が違う話だ」

 −−なぜ抱き合わせではいけないか

 「被害児童の写真の流出を防ぐというのが本意なら、漫画などの規制にからむ部分は切り離して、別の法案として出せばいい。もっとも漫画・アニメ大国と言っているわが国でそんな法案が出れば、国際的な物笑いの種になるだろうが。それを児童ポルノの単純所持規制と抱き合わせた形にして通そうとするのは、どさくさまぎれに自分たちにとって不愉快な表現を規制したいという意図があるのかと疑われる。そもそも創作物の悪影響を危惧するのであれば、漫画は対象なのに小説は含まれないというのも本来は理屈に合わない。この法案が通れば、架空の創作物に対して規制の網が広がっていく恐れがあり、文化の衰退につながる」

 −−改正案提出の理由として欧米などの「国際的動向」が挙げられている

 「実写の児童ポルノの単純所持に関しては欧米の多くの国で規制されているが、少なくとも漫画・アニメ規制の国際潮流はない。実写と創作物を混同した議論がなされていないか」

 −−規制強化を求める市民もいる

 「この問題は、年配世代が自分たちに理解しがたい若い世代の文化を規制したいという世代間闘争の面がある。だが国は、漫画やアニメを海外に発信する『クールジャパン戦略』を進めているのだから、やたらに規制をかけたりせず見守るべきだ。国家が文化に対し、あれはいい、これは悪いと介入すべきではない」

 ■平沢勝栄氏「単純所持の規制も必要」

 −−なぜ単純所持に罰則が必要か

 「児童ポルノが出回り、警察による検挙も増えている状況がある。相当数の児童が強姦や強制わいせつなどの被害に遭い、しかもネット上にその画像などが出回っており、将来にわたりダメージを受けることになる。これを救済するには、そうした画像の所持自体を規制しなければならない。現行法でも製造や販売には罰則があるが、それだけでは不足だ。もう一つに、国際的潮流として、単純所持が欧米の多くの国で規制されていることがある。児童ポルノ禁止について、日本だけが後ろ向きと取られてしまうのはまずい」

 −−麻薬や拳銃並みに所持が犯罪となると、別件逮捕などの懸念もある

 「罰則適用には『性的好奇心を満たす目的で所持』という条件があり、捜査当局が裏付けなければならず、簡単にはいかない。捜査機関に新たな権限が加わるわけだが、警察出身者として言えば、これだけ関心が集まる中で無茶な捜査などできるわけがない。警察も国民の支持を気にしており、運用は自制的になされるだろう。たとえば悪意のメールで送りつけられた画像を持っていて逮捕されることはあり得ず、親が子供の入浴を撮った写真や、(撮影当時『児童』に該当する17歳という説もある)宮沢りえさんのヌード写真集などの所持も、検挙できるわけがない。たしかに捜査当局の行きすぎで市民の権利が損なわれる可能性はなきにしもあらずだが、そこは私たち国民がしっかりチェックすればいい。まず被害児童の救済を考えるべきだ」

 −−漫画が対象の検討規定は、被害児童の救済という立法趣旨から外れる

 「実在児童の人権救済とは関係ないが、海外では漫画も規制対象だ。漫画やアニメに影響されて青少年らが性犯罪に走る例も、警察の資料によれば実際にある。可能性が否定できない以上、規制の話が出るのは当然だ。日本がこうした漫画の輸出国と批判される状況も踏まえ、漫画などの規制についても検討する規定は入れた方がいい」

 −−青少年を正しい方向に導くという目的もあるのか

 「当然ある。成人向け漫画だから大丈夫というが、日本は欧米と違い、区分陳列が徹底していない。またネットを通じてもアクセスできる状況だ」

 −−「表現の自由」の侵害を懸念し、漫画家や出版界からの反対が多い

 「反対の声はあるが、実際には規制を求める国民の方がはるかに多い。私の所に送られてくる漫画の現物はひどいものだ。表現の自由は大事だが無制限でなく、社会的制約がある。こうした漫画が文化や芸術といえるのか。社会は有害図書だと判断すると思う。騒いでいる人間は、親としてこれらを自分の子供に見せていいと思うのか」

 【プロフィル】山田太郎(やまだ・たろう) 昭和42年、東京都生まれ。46歳。慶応大経済学部卒、早稲田大大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得満期退学。コンサルティング会社経営などを経て、平成24年から参院議員。

 【プロフィル】平沢勝栄(ひらさわ・かつえい) 昭和20年、岐阜県生まれ。67歳。東大法学部卒業後、警察庁に入庁。岡山県警本部長、警察庁審議官などを経て退官後、衆院議員(6期)。内閣府副大臣などを歴任、自民党政調副会長。


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