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ストーカー : ストーカーをやめさせるカウンセラー (2013.03.01)

日時: 2013-03-06  表示:3173回

2013年03月01日 読売新聞

(人を好きだという感情がなぜ怒りに変化するのか)

 ストーカー事件が増加傾向にあり、時には凶悪な殺人事件に発展するなど、悲しい事件が続いています。警察庁は、ストーカーや配偶者からの暴力(DV)で悩む相談者に、被害届を出すまでの手順などを文書で説明するよう、全国の警察本部に指示を出しました。一言でいえば、「やっとここまでか」という感想です。

 ストーカー行為とストーカー殺人事件は、区別して考えなければなりません。

 ストーカー行為たとえば待ち伏せ、押しかけ、ずっと監視していると告げる行為、面会や交際の強制、乱暴な言葉使い、金銭的な脅迫、殺人をほのめかす脅迫、電話やファクスでの嫌がらせ行為、嫌なもの(汚物を含む)の送付、名誉を傷つける目的での誹謗中傷行為、インターネットを通じての性的羞恥心の侵害(わいせつな写真を送る公示する)などがあります。殺人はこうした行為を野放しにしておいた結果です。ときには被害者の自殺が起きる場合もあります。

 被害者は、ストーカー行為によって精神的なダメージを受けることもあります。まず平気な人はいないでしょう。しかし周囲になかなか理解と助けを求められません。自分にも過失があったのかもしれないと思う気持ちが強い人ほどそうなります。また、周囲も被害者に対して「どこか悪いところがあった、身から出たさび」と冷たい目で見ることも決して少なくなかったと思います。

 でも社会は今、大きく変わろうとしています。

 どんな男女関係でも「一方があきらめずに付きまとう」という行為はしてはならないことなのです。これを個人の自己管理だけに任せているのは法治国家とは言えません。被害者に対して冷たい目を向ける差別的感覚や、時に嫉妬心を含んだバッシング行為は消滅していくべきでしょう。

 何回まで何をしたら相手は罰せられるのだという基準をハッキリさせていくべきでしょう。逮捕されても釈放後にすぐ仕返し行為に走る例もあるぐらいなのです。

 1987年のアメリカ映画「危険な情事」で、女優グレン・クローズが演じた女性ストーカーが、上記の行為を主人公の男性に行う役でした。ラストシーンは殺人で終結します。夫を守るために妻がライフル銃で彼女を射殺。アカデミー賞6部門にノミネートされた秀作でしたが、戦慄が走るような演技をグレンが演じていて、震えながら観た思い出があります。

 でも現代社会で、あの映画と同じような状態が起こっている。そう思うともっと背筋がぞっとします。インターネットの発達により無限に個人情報も広がり、消すことも難しい時代です。

 普通の恋愛も映画「危険な情事」のような場合も、一方から別れを告げられると人の心は傷つきガッカリするものです。悲しみという感情が最も強い時期があります。ところがそれを浄化することが出来ず、相手に対する感情が怒りに変化します。「アイツはまるで何もなかったかのように幸福な生活を送っている、許せない、自分はこんなに悔しい思いをしているのに」となっていき、その怒りがエスカレートしていく、相手が困れば困るほどいいとなっていき、ストーカー行為に走るわけですが、しかし達成感を得ることができず、相手の幸せを願う気持ちはとっくの昔に失っており、最後は相手を殺してしまう。中にはその後自らの命を絶つケースもあります。

 どこで、誰が何をすればいいのか、もっと研究をするべきでしょう。

 アメリカには、かつてストーカーだった人がカウンセリングをやるボランティア団体があります。私がそれを日本のある所で紹介したら、一笑に付されました。

 「カウンセラーの仕事って誰でもできるんですね、そこに相談にいくんですか? そんな過去がある人に?」と。

 大切なことは、「誰がカウンセリングをしているか」ではなくて、「いつの時点で止めれば両者を救うことができるのか」なのです。そこをよく知っている人がカウンセリングをしているということです。

 ストーカーをされていると思った人がいつどこに報告を上げるべきか。その常識を作っていくことが必要なことでしょう。早く基準を設けるべきです。たとえば1日何回以上無意味な電話をかけてきたら、どこに連絡をして助けを求めることができるのか。その行為は犯罪行為に準ずると誰が相手に通告するのか。

 私たちだって、いつ自分がストーカー行為をしてしまう感情にかられるか分かりません。その時にこれ以上やれば犯罪という気持ちがあるのも必要でしょう。かつて痴漢行為について「そんなことをされそうな服装で電車に乗っている女がいけないんだ」とか、「夜おそく女性が暗い道を歩いている方がいけないんだ」と女性が悪いとされていた時代が長くありました。

 なので標識も「痴漢に気をつけましょう」でした。今は「痴漢行為は犯罪です」に変わっています。最近は私もビックリするような短いスカート姿でラッシュの電車に乗っている女性も見かけますが、昔、田島陽子先生が「すっぱだかで若い子が道を歩いていたとしても、やっていけないことはやっていけないことです!」とおっしゃった言葉を思い出しています。先生は当時この発言で男性の出演者からバッシングを受けていらっしゃいましたが、今は時代が違います。ストーカー行為も、罰則や規制を厳しくしてもらいたい。被害者となってしまった人間に対する偏見も消えてほしいと願います。


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