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DV : 新たな扉を:性暴力被害防止のために インタビュー編/上 NPO代表・中島さん (2013.02.15)

日時: 2013-02-22  表示:2430回

2013年02月15日 毎日新聞

 ◇DV、公になるのは氷山の一角 心の傷、社会で支援を

 福岡市早良(さわら)区で1月30日に起きた女性刺殺事件は、夫からドメスティックバイオレンス(DV)を受けていた妻をかくまい、離婚協議に同席した友人が犠牲になった。被害経験者や支援者などに話を聞き、DVによる重大な被害を防ぐための「新たな扉」を探りたい。初回はDV被害を受けたことがあり、NPO法人を設立してDV根絶を目指して活動する中島幸子さん。

−−福岡市の事件では、被害者の友人が襲撃された。

 DVは本人だけでなく、家族や支援者など周りの人たちも危険にさらされる。DVをなくす活動に取り組むNPO法人「レジリエンス」では敬意を込めてDV被害者を自ら輝く「☆(星)さん」と呼ぶが、被害者をかくまった家族が車のタイヤを切られたり、民間支援団体に加害者が殴り込んでくるなどの被害は多い。殺人事件になって初めて報道されるが、公になる被害は氷山の一角だ。

−−なぜ暴力が周囲に向くのか。

 加害者は相手を自分の所有物だと思っているので、支配を邪魔する者に怒りや暴力が向かいやすい。「嫌なら相手から離れればいい」と言う人もいるが、暴力に至る過程は複雑で、そんなに簡単に解決しないからDVも減らない。周囲が被害に遭った時にDV被害者を責める論調が出ることがあり、悲しい。

−−事件では妻が「穏便に別れたい」と被害届の提出を見送った。

 追い詰められた心理の中で被害者が自ら動いて何かをするのは難しく、警察がシェルターなどの支援団体と協力して社会全体でサポートする仕組みを作らないといけない。米国では、被害者にシェルターを紹介し、行く気がないと断っても連絡だけはするように勧める州もある。DVは被害者を思い通りにしないと気が済まないゆがんだ発想で起こるため、他の犯罪と異なる対応が必要だということを一人一人の警察官に理解してほしい。

−−中島さん自身もDV被害を経験した。

 学生時代の4年間、当時の交際相手に髪を引っ張られてコンクリートに頭を打ち付けられるなどの暴力やストーカー行為を受けた。ほとんど誰にも相談できず、どこに行っても逃げられないと思い込まされていた。親友が心配して避難を手伝おうとしてくれたことがあったが、私の場合は「親友にも暴力が向いてしまう」という恐怖心があって断った。結局、交際相手が知らない遠くの親族の家に4カ月避難した。

−−なぜ被害者支援の活動を。

 被害を受けていた時に私が受けたかった支援を提供できる活動をしたいと思っていた。当時はDVという言葉も知られていなかったし、悩んでいるのは自分だけだと思っていた。あの時の苦しみから本当の意味で回復するには一生かかるが、できることを少しずつやりたい。
 ◇相談対応の強化、全国警察へ

 福岡市で起きた事件は、無職、河瀬繕秀(よ****容疑者(27)が妻の友人で会社員の木浦理紗さん(28)を刺殺したとして殺人容疑で逮捕された。妻はDVを受け、結婚前に同居していた木浦さん宅に避難した。**容疑者は持っていた合鍵で木浦さん宅に侵入し、その後に帰宅した2人と離婚を話し合った後、木浦さんを包丁で襲ったとみられている。

 妻は事件の2日前、「夫から暴力を振るわれている」と福岡県警早良署に相談していた。女性警察官が約1時間にわたり対応し、被害届の提出を勧めたが、妻は見送った。早良署は裁判所に保護命令を申し立てれば接近禁止命令を受けられるなど、逮捕以外の手段があることも説明していたという。

 福岡県警は昨年夏、DVの危険性や刑事手続きの必要性などをまとめた書面を使って相談者の意思決定を助ける取り組みをスタート。警察庁は今月、福岡を含む5都府県警で試行したこの取り組みを全国に拡大することを決めた。

 妻の相談に、福岡県警は試行に沿って対応したが、事件は防げなかった。今月9日には長野県飯田市で、警察に被害相談していた女性の親族が殺害され、ストーカーが自殺した事件も起きている。事件の未然防止は重い課題だ。

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 ■人物略歴
 ◇なかじま・さちこ

 49歳。03年からDV被害者を対象に暴力やトラウマについて考える講座をスタート。07年に設立したNPO法人「レジリエンス」(東京都)で、DVなどの暴力をなくすための人権啓発活動に取り組む。著書に「傷ついたあなたへ」など。


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