朝鮮日報日本語版 9月5日(水)10時3分配信
水原地検強行部(沈載哲〈シム・ジェチョル〉部長)は、児童ポルノを所持し流通させた容疑で3人を逮捕・起訴するとともに、57人を在宅起訴した。検察はまた、約3000点の児童ポルノを流通させたとして、逃亡したA容疑者を指名手配した。
検察が在宅起訴した容疑者の中には、児童ポルノを積極的に流通させたのではなく、インターネットでダウンロードし所持していたY容疑者(43)ら5人も含まれている。検察が児童ポルノを所持していた人を起訴したのは今回が初めてだ。
2008年の法律改正により、児童や青少年が登場するわいせつ物を所持しているだけでも処罰を行えることになったが、検察はこれまで処罰を行ったことがなく、同条項は事実上死文化していた。
検察は「今後は児童ポルノを所持しているだけでも起訴する方針だ」と語った。
今回、児童ポルノを所持していて起訴されたY容疑者ら5人は全員、児童や青少年に対する買春、わいせつ物の流通など性犯罪に関与した前科がある、と検察は発表した。5人の中には会社員がいる一方、定職についていない人もいたという。検察は起訴する対象者を選定する際「性犯罪の前科があるケースを基準とした」と説明した。
検察によると、容疑者らが所持していた児童ポルノは、大部分が日本やロシアで制作されたもので、強盗を働く場面や、児童に対し性的暴行を加える場面が登場するなど、残虐で暴力的な内容が含まれているという。
検察が逮捕・起訴したL容疑者ら3人は、ファイル共有サイトに児童ポルノを数千点ずつアップロードした疑いが持たれている。なお、L容疑者とB容疑者(34)は刑務所で知り合ったとのことだ。
L容疑者は1999年、未成年者の女性に「自宅にまで送る」と声を掛け、自分のトラックに乗せた後、性的暴行を加えたとして、懲役5年の判決を受けたほか、2007年10月には職場の同僚をモーテルに連れ込み、性的暴行を加えたとして、懲役3年の判決を受け、8年間服役したという。一方、B容疑者はわいせつ物流布罪で罰金刑を1回受けたことがある。
また、C容疑者はわいせつ物流布罪で4回罰金刑を受けたほか、地下鉄の車内でわいせつ行為をして逮捕されたことがある。
一方、検察は「わいせつ物を10回以上流通させた者」を在宅起訴の対象者にしたという。その中には、名門大学生や大企業の社員、男性看護師などもいたとのことだ。
水原地検強行部の沈載哲部長は「児童や未成年者を扱ったわいせつ物を単に所持していた者を起訴したのは、わいせつ物を所持し愛好する行為も、児童に対する凶悪犯罪につながりかねない危険な犯罪だという点を知らしめるためだ」と語った。