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DV : HOTほっとトーク:DV防止へ予防教育を 近藤恵子代表に聞く /北海道 (2011.08.21)

日時: 2011-08-22  表示:3818回

毎日新聞 2011年8月21日 地方版

 ◇全国女性シェルターネット・近藤恵子代表に聞く

 配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)が施行されてから10年。DV被害や性暴力被害を受けた女性や子どもを支援する活動を続けてきたNPO法人・全国女性シェルターネット共同代表の近藤恵子さん(64)=札幌市在住=が今年度の男女共同参画社会作りの功労者として内閣総理大臣表彰を受賞した。被害をなくすためには何が必要か。DVや性暴力の現状を含めて聞いた。【構成・片平知宏】
 ◇声を上げられぬ女性多く 被害者相談一元化も

 <93年に札幌で駆け込みシェルター「女のスペース・おん」を開設した。それまでもDV被害者やセクシュアルハラスメント訴訟支援などに取り組んできたが、継続的に情報や人を集められる場の必要性を感じたからだ>

 2人のスタッフがいたが、席を立つ間もないほど電話や訪問が相次いだ。タクシーで逃げ込んで来たり、体中にあざがあって、よく生きていたなあと思う女性もいた。当時女性が相談できるのは「母子相談」という行政窓口ぐらい。DVは家庭内の話として扱われ、被害者は社会的な責任で支援すべきだという認識がなかった。

 <97年に全国女性シェルターネットを設立した。98年には札幌で第1回の全国シンポジウムを開いた。その際の共同アピールを契機に、DV防止法の制定運動が始まった。現在、同ネットに加盟しているのは67団体に上る>

 全国の当事者や支援者、自治体職員、弁護士、警察官、医療関係者にアンケートして市民案を作り、女性国会議員の超党派のプロジェクトチームに持ち込んだ。制定に向けて毎年各地でシンポジウムを開いた。男性議員や官僚がほとんどの法律を成立させてきたなかで、女性・当事者・支援者が成立させた稀有(けう)な法律だ。

 内閣総理大臣表彰はDV被害や性暴力が社会に認知された証し。生きるか死ぬかというところで生き抜いてきた女性・子どもすべての方々に内閣総理大臣が「国が責任をもってやらないといけないことで苦労をかけ申し訳なかった」という表彰だと勝手に解釈している。

 <DV被害はなかなか減らない。警察庁によると、10年のDV被害は3万3852件と、初の3万件台に達した。また、東日本大震災後、全国女性シェルターネットの相談電話(パープル・ホットライン、0120・941・826)には、「停電中に性暴力を受けた」など震災下でのDVや性暴力被害の相談が相次いでいるという>

 内閣府の08年の調査で成人女性の7・3%が「異性から無理やりに性交された経験がある」と答えている。一方で、強姦(ごうかん)の認知件数は09年で1402件、10年で1289件(いずれも警察庁調べ)にとどまっている。つまり、声を上げられない女性が多いということ。

 また、DV防止法は配偶者以外の暴力を対象にしていない点や加害者処罰規定がないなど限界も多い。警察に被害を届け出て、加害者の犯罪を認定して、加害者を再教育のために処罰するという仕組みが十分ではない。何百万人の女性たちを支援しても暴力をふるう男たちが再犯、再々犯を繰り返すのならゴールはない。加害者の処罰と予防教育が求められている。

 それには包括的な性暴力禁止法が必要。今は、児童ポルノやセクハラ、児童買春などいろいろな法律に散らばっている。性暴力禁止法では、まず性暴力とはきちんとこういうものだと定義すべきだ。家の中や親しいパートナーの間で行われる性暴力も犯罪だ。その上で加害者への処罰規定を設ける。強姦罪は被害者からの親告が必要だが、親告がなくても処罰できるように変え、時効の撤廃も求めたい。被害者がどこからでもワンストップで相談できる被害者支援の仕組みも作ってほしい。

 <列国議会同盟(IPU)によると、日本の衆院議員の女性比率は11・3%(11年6月30日時点)で、調査対象の187カ国中126番目にとどまっている>

 これまで長い性差別の歴史があり、男女の経済格差も大きい。そうなるのは女性に能力や意欲がないわけではない。スタートはいっしょだが、差別という重い鎖を背負っていて勝てるわけがない。

 選挙の立候補者を4割女性にするなど、社会的に差別されている女性やマイノリティーを積極的に登用・選抜するアファーマティブアクション(積極的差別是正措置)が必要。機会が与えられれば男性も女性も同じ能力を発揮できる。そろそろ女性の首相が登場しても良いと思う。

 世の中は男と女でできているという考え方は変えていかなければならない。人はそんなにくっきりと男女が定義されているわけではない。「誰もがつらくない社会にしようよ」というのが私たちのメッセージ。

 一人一人がその人らしく生きていくために、すべての仕組みを個人単位に作り直してほしい。社会保障も税制もすべてが世帯単位になっており、女性は扶養される立場として扱われている。これを個人単位にすることで、女性の立場も改善できる。


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