CNN.co.jp 3月8日(火)13時12分配信
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「国際女性デー」の3月8日を前に、中米グアテマラで大勢の女性が殺害され、犯人が野放しにされているとして、同国政府に対して女性の保護や犯人検挙などの対策強化を訴えた。
アムネスティによると、同国では2010年だけで685人以上の女性が殺された。しかし1996年まで36年間にわたった内戦の名残りで犯人の多くが免責され、水面下の人権侵害も後を絶たないという。
コロン大統領は昨年の演説で、女性の殺人事件を専門に扱う裁判所や権利保護機関の設置など、対策強化に務めていると表明した。
しかし法律を制定するだけでは不十分だとアムネスティの担当者は指摘し、「政府は実効性のある殺人事件の捜査を行い、警察官の訓練を改善し、検察を機能させなければならない」と話す。
2001年12月に当時15歳だった女性が強姦され、殺害された事件でも、まだ犯人は逮捕されていない。犯人の検挙を求めている母親は、脅迫や嫌がらせを受けているという。
この事件では、米州人権委員会も当局が不当に捜査を遅らせているとみて調査に乗り出した。母親は「警察がもっと早く捜査に乗り出していれば、娘は生きていたかもしれない。娘だけでなく、これまでに殺された何千人もの女性に対する警察の扱いはひどいものだった」と訴える。
国際女性デーの8日には首都グアテマラ市で約60団体がデモ行進を行い、女性の尊厳や差別撤廃、機会均等などを訴える予定だという。