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その他 : 性暴力を問う 第5部 今、法廷で<3>プライバシーどう守る (2010.10.30)

日時: 2010-12-05  表示:3214回

 〈裁判を傍聴し、意見陳述もしたい。でも、顔は誰にも見られたくない〉

 強制わいせつ致傷事件の被害女性から、そう要請を受けた男性弁護士(38)は、考え込んだ。西日本のある地裁で初めて性犯罪を扱う裁判員裁判が開かれようとしていた。「意向をかなえてあげたい。問題は、プライバシーを守れるかどうか、だ」

     □■□

 女性の代理人になったのは、ある“事件”がきっかけだった。女性を行きずりに襲った男が、逮捕されて2か月後の昨年6月、女性宅に謝罪の手紙を送りつけたのだ。

 「なぜ家がわかったの」。家族にさえ明かしていない被害。女性はおびえた。男は聴取中に捜査資料の住所を盗み見たらしい。これ以上プライバシーを侵害されたくない、という女性の強い意向を受けて、弁護士は動いた。

 まずは、裁判員の選任手続き。約100人の候補者名簿には住所も年齢もない。知人かどうかの特定は困難だった。中学から大学までの卒業名簿などを検事に渡し、同姓同名の人物を照合、排除してもらう方法をとった。

 別室からモニターを通じて意見陳述するビデオリンクでは、撮影について「顔を映さず首元から下に」と地裁側に求めたが、「表情を含めた陳述に意味がある」と却下された。交渉の末、陳述する部屋の照明を落とし、約10メートル離れた位置から撮る、ということで落ち着いた。法廷の様子を別室からモニターで傍聴する方法は、「制度上難しい」と拒否され、一般傍聴者に紛れて法廷に入るしかなかった。

 4件の性犯罪で起訴された男の判決は、求刑通りの懲役10年。女性は「自分の言葉で思いを伝えられてよかった」と話す一方、「やっぱり顔は映されたくなかった」と振り返った。ビデオリンクの手法は各裁判所の裁量に委ねられており、後に別の地裁では、顔を撮らない配慮がされた。

 弁護士は疑問を投げかける。「要望して初めてプライバシー保護策が検討される現状はおかしい。裁判所によって差があるのも問題だ。等しく保護されるよう、統一した対策を決めて、被害者に提示するべきではないのか」

 
(2010年11月30日 読売新聞)


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