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その他 : 性暴力を問う 第4部 海外からの報告<4>前歴者にGPS付き足輪 分刻み監視 (2010.10.18)

日時: 2010-12-05  表示:3127回

再犯は1人、心理的圧迫も

 ソウル保護観察所の一角にある韓国法務省の「位置追跡中央管制センター」。2008年9月から、全地球測位システム(GPS)による性犯罪前歴者への行動監視を始めた。その監視拠点を訪ねた。

 「これが行動履歴です」。担当者がパソコンを操作すると、大型モニターの地図上に、ジグザグの線が映し出された。前歴者が着けたGPS付き足輪から分刻みで送られてきた位置情報のポイントを結んだもので、市内を移動する様子が手に取るようにわかる。ポイントの間隔から、車に乗っているのか、歩いているのかさえも推測可能だ。
電子足輪

            ◇

 監視対象は、常習的な性犯罪者や、子どもへの性犯罪を行った者。後に、未成年者略取誘拐、殺人の前歴者なども追加された。仮釈放期間中や、判決時に裁判所の命令を受けた者に出所後最長30年間、装着を義務付けている。

 「これまで777人が電子足輪を着けましたが、性犯罪の再犯は1人だけ。抑止効果はある、と言ってよいのではないでしょうか」。センターの李承旭・保護事務官は力を込めた。

 入り口に「関係者以外立ち入り禁止」と書かれたモニター室があった。位置情報は、足輪から1分ごとに衛星を通じてここに送信され、巨大なスクリーンに映し出された韓国全土の地図上に、装着者全員の居場所が瞬時に表示される仕組みだ。精度は10メートル単位で、地下にいても追跡可能。刻々と変わる位置情報は、24時間態勢で監視・記録される。

 装着者には、夜間外出禁止や、学校周辺への立ち入り禁止など特別遵守事項も同時に課すことができる。禁止区域に近づけば、モニター室で警報が鳴る。装着者本人には、携帯を義務付けている専用の端末に警告メールを発信するという。

 「着けてみますか?」。促されて恐る恐る試した。形は、プールのロッカーなどで使われる鍵付きのリストバンドに似ている。80グラム。重さはほとんど気にならない。完全防水で入浴も問題ないという。

 一番太い所で幅6センチほど。「半ズボンは、はけませんね」と言うと、「ええ、大抵は上から靴下をはいて隠すようです」と担当者。周囲に知られないためには、生活上の制約は避けられないようだ。

            ◇

 足輪装着者で唯一、再犯に至った男は、仕事もなく、家に閉じこもりがちな生活をしていたといい、逮捕後、「電子足輪に心理的な圧迫を感じていた」と供述した。

 強盗強姦罪で服役し、仮釈放から1か月余りの08年11月、コーヒー配達の女性をビル屋上に誘い出し、再び強姦事件を起こした。足輪の位置情報の記録から犯行時間帯に現場にいたことが裏付けられ、2日後に逮捕された。

 韓国法務省が、仮釈放後に電子足輪を着けた186人を対象にした09年の調査では、83%が「不法行為を自制」、65%が「再犯抑止効果がある」と答えた一方、64%が「心理的な苦痛を感じる」と回答した。故意に足輪を破壊した場合、7年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金刑だが、足輪を壊して逃走する事件は、すでに8件起きている。

<電子監視> 1983年、米国が刑務所の過剰収容の解決策として導入。当初は、足輪や腕輪の信号を自宅に設置した機器で受信する「在宅確認型」が主流だったが、90年代以降はGPSによる「追跡型」が、主に欧米で広まった。「社会復帰を妨げる」などとの批判も根強い。日本の法務省は今年度、韓国など導入国7か国を視察し、運用状況や効果を調査する。
(2010年10月18日 読売新聞)


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