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その他 : 性暴力を問う 第4部 海外からの報告<3>つらい記憶 聴取の負担軽く (2010.10.17)

日時: 2010-12-05  表示:3205回

子ども被害「事実どう引き出すか」

 隣国の韓国では、性暴力被害者の支援態勢が米国並みに充実しつつある。相次ぐ子どもを狙った事件が社会問題化し、ここ数年で官民一体の取り組みが急速に進んだ。

 その象徴が、24時間態勢で治療や事情聴取、カウンセリングなどを1か所で行う「ワンストップ支援センター」だ。全国に20ある施設の一つで、子どもの性被害対策に力を入れる「釜山ひまわり女性児童センター」では、繰り返し聴取されることによる子どもの負担を取り除くための面接技法「司法面接」が実践されていた。

 釜山市最大級の医療機関・東亜大学病院内の一角。約320平方メートルのスペースの半分が子ども専用。内装は明るく、キリンなどのぬいぐるみが所々に飾ってある。幼稚園のような雰囲気だ。

 「威圧感を与えぬよう、制服は着ません。最初に安心させるのが大事ですから」。常駐の女性警察官、李東熹(イドンヒ)さん(34)は、カジュアルな赤いチェックのシャツにジーパン姿で笑顔を見せた。

 李さんの案内で「陳述録画室」に入った。8畳ほどの部屋の中央に、円テーブルがある。専門的な訓練を受けた面接員が、ここで子どもに対面、被害事実を聴き取るという。李さんもその一人だ。

 事件担当の捜査員はマジックミラーの向こうで立ち会い、質問があればパソコンを通じて面接員に伝える。聴取はできる限り1回、最大1時間程度に抑え、保護者や本人の同意を得た上で録画し、裁判で証拠として提出する。

 「加害者を怖がったり、自分を責めたりして口をつぐんでしまう子も。いかに最大限、事実を引き出すかが重要」

 男女の人形が数体あった。アナトミカル・ドールといい、性器や体毛などもついている。子どもが言葉でうまく表現できない場合に使う。

 李さんは先日、対面した少女のことを振り返った。証言をためらい、男性人形を手にしたまま黙っている。緊張を解きほぐし、「何があったか教えてくれる?」とたずねると、人形を動かし、被害を再現し始めた。「胸を触られた」としか言わなかったが、ほかにも深刻な被害を受けていたことがわかったという。

 「司法面接」の技法は、1980年代から欧米で普及した。韓国は2004年に導入。16歳未満の性暴力の被害者と知的障害者が対象で、本人に告訴の意思がある場合に行われる。児童心理に詳しい専門家が意見書をつけ、録画内容の証拠能力を担保している。

 「つらい記憶を何度も思い出させられるのは大きなストレス。それを避け、信用性の高い証言を引き出せる」。李さんは有効性を強調した。

 センターには、相談員や提携の看護師もおり、検査や心理療法を無料で提供。家庭内の被害では、子どもを民間保護施設につなぐ。来所後3年間はカウンセラーが連絡を取り、アフターケアする。

 今年1月の開所以降、月20〜25人の子どもが訪れ、その9割が司法面接を受けた。

 「ここに来れば、様々な支援を受けられる。告訴率はますます上がると思う」。李さんの言葉に、性暴力と闘う強い意志がにじんだ。

 <司法面接> 裁判の証拠とすることを想定し、研修を積んだ面接員が、子どもの発達に応じた質問で正確な事実を聴き出す。米国では約700か所ある専門機関で実施。日本では、一部の児童相談所で虐待被害の聴き取りに、技法が用いられているが、司法手続きを前提とした活用はされていない。
(2010年10月17日 読売新聞)


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