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その他 : 性暴力を問う 第2部 病巣<5>受刑者プログラム受講 (2010.04.17)

日時: 2010-12-05  表示:3268回

再犯防止「最初の一歩」

 「罪を反省している自分には必要ないと思っていたが、受けて良かった」

 奈良少年刑務所。再犯防止のための「性犯罪者処遇プログラム」を終えたばかりの30歳代の男性受刑者が、記者の取材に答えた。強制わいせつ罪などで服役中。約1時間半の授業を週2回、7か月間にわたり受けた。

 犯行時、「被害女性は、それほど事件を気にとめてない」「強姦(ごうかん)したわけじゃない」などと、都合良く解釈していたという。

 「自分の考え方のゆがみに気づいた。道を踏み外す危険と隣り合わせであることを、常に意識するようになった」

 再犯の恐れがある性犯罪者への処遇プログラムは、「週2回、8か月間」から「週1回、3か月間」まで、再犯リスクなどに応じ3段階に分かれる。旧監獄法改正で2006年5月から受講が義務付けられた。犯人に2度の性犯罪歴があった04年の奈良女児誘拐殺人事件がきっかけだ。

 「東の川越、西の奈良」。奈良少年刑務所は、川越少年刑務所(埼玉県)とともにプログラムの「推進基幹施設」と位置づけられ、成人も含め、西日本各地の性犯罪者を受け入れている。

 プログラムの中心は、「認知行動療法」と「リラプス・プリベンション(再発防止)技法」。女性や性行為に対する〈認知のゆがみ〉を自覚すると同時に、犯罪に至る行動パターンを分析、引き金となる状況を回避する対処法を見いだす。主に、グループワークで同じ立場の受刑者と意見交換し、内省を深めるという。

 「僕は〈人気のない所で女性が歩いていたら、こうやって脅そう〉などと、妄想の頻度が高くなった時に犯行を繰り返していた」と男性受刑者。

 こうした「危険信号」を感じたら、<自分のDNA型は警察に登録されている>〈老いた母親の泣き顔を思い出せ>と自らに言い聞かせて制御する方法も学んだ、という。

 「プログラムは“万能薬”とまでは言えないが、海外で一定の効果が証明された“有効な薬”の一つ」と、奈良少年刑務所の犬塚貴浩法務教官(36)。導入にあたり、日本がモデルとしたカナダでは、再犯率が大きく低下したという。

 法務省によると、国内の受講者は昨年3月末までで1087人。うち393人が出所した。しかし、8人が再び性犯罪で検挙されている。

 課題は多い。再犯リスクが特に高い者への授業は、カナダでは約500時間だが、日本では120時間程度に過ぎない。更生の意思がない者や、偏りが大きい累犯者に強制しても、効果は薄いという。

 「導入は評価できるが、まだ最初の一歩。欧米のように装置による監視や薬物治療を組み合わせるなど、性犯罪者の状況に応じた対策を考える必要がある」と、東京医科歯科大の山上皓(あきら)・名誉教授(精神科医)は指摘する。

 受講成果が試されるのは出所後だ。再犯しないと言い切れるか――。記者の質問に男性受刑者は答えた。「『自分は大丈夫』と過信することが、かえって危険と知ったから、断言はできません。学んだ対処法を実践し、一つ一つリスクを乗り越えていきたい」
(2010年4月17日 読売新聞)


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