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その他 : 性暴力を問う 第2部 病巣<4>日常に潜む被害 (2010.04.16)

日時: 2010-12-05  表示:3225回

「夫婦なら当然」根強く

 「騒いだら子どもが起きるぞ。おとなしく従え」

 2人の幼い子を傍らにして眠っていた深夜。別室にいたはずの夫が突然、覆いかぶさってきた。〈抵抗すれば、また殴られる〉。言いなりになるしかなかった。

 「つらいだけだった。私にとって、あれは確かにレイプでした」

 10年間の結婚生活の末、家庭内暴力(DV)で離婚した近畿在住の裕子さん(仮名、50歳代)にとって、<夫からの性暴力>は口にするのもはばかられる過去だ。

 優しいと思っていた夫は結婚後、酒を飲むと暴力を振るうようになった。仕事からの帰宅が遅い、夕食の品数が少ない……。ささいなことで怒りが爆発した。

 やがて性的な暴言や強要もひどくなった。アダルトビデオを見せ、「同じようにやれ」と迫る。避妊を拒まれ、望まぬ妊娠で中絶もした。でもその時は、「夫婦とは、こんなもの」と思い込んでいた。

 日常に潜む性暴力。2008年の内閣府の調査では、「無理やり性交された経験がある」女性の4人に3人が、「加害者と面識があった」と答えた。その「加害者」のうち、35%で最多だったのは、夫だった。

 米国やドイツでは1970年代以降、女性運動の高まりを背景に、「夫婦間を除く」としていた強姦(ごうかん)罪の適用規定を撤廃する動きが相次いだ。

 日本の刑法は明治以来、例外は設けていないが、夫婦間の被害が明るみに出ること自体、極めて少ない。

 裕子さんと交流のあるDV体験者たちも、夫からの性被害を秘めていた。1人が口火を切ると、「実は私も……」と、告白が相次いだという。

 「『夫婦なら、欲求に応じるのは当然』という社会通念が根強い。被害を自覚できない妻さえいる」。DV被害に詳しい「ウィメンズカウンセリング京都」のカウンセラー、周藤由美子さん(46)は強調する。「人格を無視した性行為の強要は、性暴力であり、耐えがたい傷を残す。たとえ夫婦でも、許されて良いはずがない」

 〈デートDV〉。恋人から受ける暴力や過剰な束縛は、こう呼ばれる。中高生では「家に遊びに行ったら、無理やりセックスをされた」などの性被害も問題になっている。

 東京の民間団体「アウェア」の山口のり子代表(60)は、高校などで、デートDV防止の啓発活動を行う。DV加害者への教育プログラムを行ううち、若い頃から恋人を所有物のように扱い、暴力を続けてきた男性が多いことに気づいたからだという。

 同団体が06〜07年に高校生ら約2500人に聞いた調査では、交際経験のある女子の22%が、デートDVを受けたことがあると回答。男子の21%が、「愛情があるなら、少々嫌でもセックスに応じるべきだ」と考えていた。

 山口代表は指摘する。「恋人や妻を見下し、対等な男女関係が築けていないことがDVの背景にある。当事者はもちろん、社会全体の意識が変わらない限り、性暴力はなくならない」
(2010年4月16日 読売新聞)


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