ポルノ・買春問題研究会
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その他 : 性暴力を問う 第2部 病巣<2>加害少年の半数「影響」 (2010.04.14)

日時: 2010-12-05  表示:3113回

過激ビデオまね暴走

 「18歳未満立入禁止」と記された間仕切りの奥。天井に迫る高い棚に、無数のアダルトDVDが並んでいる。レイプ、拷問、奴隷、監禁――。「陵辱系」と表示された一角は、そんなタイトルの作品で埋まっていた。

 数十軒のDVD販売店が連なる大阪・日本橋。手足を縛られた女性が写るパッケージを品定めする男性客。顔にニキビが残る若者が、かごに山積みされた数百円の中古品に手を伸ばした。

 「願望があっても、日常では体験できない世界を簡単にのぞけるから」。月に1度は日本橋を訪れるという男性会社員(43)はそう言って、電車での痴漢をテーマにした作品を買った。

 「暴力的なものも売れるから作るんですよ。制作側は、いちいち後ろめたさなんて感じない」と、アダルトビデオ(AV)制作会社の元社員の男性(30)は言う。「『本物です』とうたった強姦(ごうかん)モノもあるけど、しょせん演出。信じる人なんて本当にいるのかな」

 「AVを見て、僕にもできると思った」

 昨年10月、大阪地裁の法廷で、強姦致傷罪に問われた30歳代の男は、そう述べた。ビデオの内容を参考に、無施錠の部屋に侵入して女性を襲う手口で、10件以上の犯行を重ねていた。

 「女性はレイプを嫌がっても、最後にはAVのように喜んで抵抗しなくなると思っていた」と供述した。

 近畿地方に住む30歳代の女性は5年前、男に部屋に押し入られ、強姦の被害にあった。逮捕された男もAVをまねたという。犯行方法は、ビデオの内容そのままだった。被害者は女性を含め6人。事件のトラウマに苦しんできた女性は、憤りをあらわにする。

 「犯罪の手口を教えているようなもの。現実に、こうして被害者もいるのに、なぜ野放しになっているのでしょうか」

 警察庁科学警察研究所が1997〜98年に、性犯罪の容疑者を対象に行った調査では、33%が「AVと同じことをしてみたかった」と回答。少年に限ると、その割合は49%に跳ね上がった。

 約9年前、福島市内で12人の女性を襲った高校生(当時)は、小学生の頃から暴力的なAVに漬かり、視聴だけでは飽き足らなくなったことが動機だったという。判決は「AVの影響による人格形成のゆがみがあった」と指摘した。

 ポルノと性暴力との関係について、評価は定まっていない。「欲求を発散させる効果があり、犯罪抑止につながる」とする説がある一方で、北米でのある実験では、〈暴力的ポルノが女性に対する攻撃性を増長させる〉との結果が報告されている。

 「ポルノ・買春問題研究会」代表、中里見博・福島大准教授は強調する。「女性をモノ扱いし、女性がレイプを楽しんでいるような描き方をした作品は多い。見続けているうちに、『レイプは大したことない』と、性暴力を容認する価値観に偏る危険性がある。視聴者は、“理性的な大人”ばかりではない」
(2010年4月14日 読売新聞)


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