毎日新聞 10月6日(水)12時24分配信
可児市主催の市政懇談会後の懇親会で、民生児童委員代表として出席した男性(72)に、尻を触られるなどのセクシャルハラスメントを受けたとして、会場となった公民館の女性職員(49)が5日、男性と同市を相手取り、慰謝料300万円などを求めて岐阜地裁御嵩支部に提訴した。
訴状によると、女性は昨年6月13日に開かれた同市主催の市政懇談会の運営に業務として携わり、終了後の懇親会の席上、男性から2度にわたって尻を触られた。その後、後遺症として不眠などに苦しみ、上司らに男性の解嘱を求めたが、対応されなかった。女性が今年5月に厚生労働相に解嘱請求をしたところ、男性は直後に辞任したが、その後も謝罪や補償に応じなかった。同市はセクハラ座談会を開くなど一定の進歩は示したものの公式な謝罪、補償はしていないという。
被告男性の代理人弁護士は「訴状を読んでいないのでコメントできない」としている。同市の企画部長は「昨年度以降、職場のセクハラ対策に全庁的に取り組んでいる中、このような状況となり、驚いている」とコメントした。【小林哲夫】