7月24日8時1分配信 スポーツ報知
女性につきまといビデオカメラで盗撮したなどとして、ストーカー規制法違反容疑で逮捕された金沢市職員の男が、映画館にビデオカメラを持ち込み、人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト復活編」を隠し撮りしていたとして、石川県警は23日、映画盗撮防止法違反などの疑いで書類送検した。同法での摘発は全国で初めて。
女性の盗撮に手を染めたストーカーは、実は好きな映画も盗み撮りしていた。県警によると、男は金沢市森本市民センター主任****容疑者(49)。書類送検容疑は、昨年12月22日深夜から翌日未明にかけ、金沢市内の映画館にビデオカメラを持ち込み、上映中だった「ヤマト」を盗撮、複製し著作権を侵害した疑い。
*** **容疑者はビデオカメラを上着で隠した上、小型の三脚をひざの上に乗せて盗撮。きれいに撮影できるまで日を改めて3度入館し、隠し撮りを繰り返していた。「小さい頃から、ヤマトが大好きで、自分で見るために隠し撮りした」と容疑を認めているという。
県警が6月、女性につきまとい盗撮行為を行ったとしてストーカー規制法違反容****容疑者の乗用車内を捜査中、映画の動画を収めたSDカードが見つかり、こちらの隠し撮りも発覚した。同容疑者は今月、同法違反の罪で起訴され、保釈されている。
2007年8月に施行された映画盗撮防止法は有料上映日から8か月以内の録画・録音を禁じ、違反した場合は10年以下の懲役や1000万円以下の罰金が科せられる。海賊版の販売も禁じている。立件には、撮影日や場所の特定が必要なため、捜査関係者の間では「ハードルが高い」とされ、著作権法違反での摘発にとどまっていた。
映画界では、同法施行から、映画開始前に映画の盗撮が法律違反であることをアナウンスする啓発CMを上映。頭はカメラ、首から下は人間という「ビデオカメラ男」などのキャラクターを使うなど、業界全体で盗撮防止に乗り出していた。