「日本AV女優が中国侵略に体で謝罪」ねつ造記事、韓国でも波紋
6月9日12時6分配信 サーチナ
香港のニュースサイト「文匯報」が掲載し、サーチナでも報じられた「日本人のAV女優が中国侵略に体で謝罪」とする記事が、韓国でも波紋を広げている。この記事はまったくのデタラメであったことが判明しているのだが、今のところ韓国では誤報の事実については伝えられていない。中国で発信されたねつ造記事は、他国で信憑(しんぴょう)性のある情報として影響を及ぼしてしまうという異例の事態を巻き起こしている。
問題となっているのは台湾メディア「NOWnews」が5日に報じた記事。鈴木杏里さんを名門大学で歴史を学び「日本の中国侵略」を卒論のテーマにしたAV女優であると紹介し、日本の中国侵略を贖罪(しょくざい)するため、中国人留学生とベッドをともにすることも多々あると報じた。これに対し、記事で名指しされ渦中(かちゅう)の人となった鈴木杏里さんは、ツイッター(Twitter)とブログを通して報道内容を完全に否定。それにより、日本では中国メディアのねつ造記事であったことが伝えられた。
しかし、韓国の複数のメディアは中国で報じられた内容を翻訳して伝えたままで、誤報の事実を伝える記事は今のところ存在しない。「侵略史を性接待で謝罪」「日本の博士出身AV女優、過去史謝罪で無料セックス」と刺激的な見出しが付けられた記事には多くのコメントが集まり、人々が高い関心を寄せていることがうかがえる。
コメント欄をみると「侵略に対する贖罪」という部分に反応している人が多く、「韓国の方がもっと被害を受けている」「なぜ中国にだけそのような態度をとるのか」といった意見が多く寄せられている。また、「日本という国が理解できない」といった意見もあり、間違った日本のイメージが広がってしまっているようだ。
のちに真実が判明したとしても、一度流れてしまった情報を完全に消し去ることは難しい。ねつ造された情報により、日本人や日本人女性、そして日本に対しても間違ったイメージが定着してしまわないか懸念される。(編集担当:新川悠)
2010年06月09日 サーチナ