[読売](2004年1月29日)
東京都足立区の朝日新聞販売所「ASA千住」の従業員寮で多摩市出身の無職Kさん(24)の遺体が見つかった事件で、警視庁捜査一課と千住署は28日、直前までKさんと同居していた同販売所の元新聞配達員H容疑者(24)を死体遺棄容疑で逮捕した。捜査1課はこれより前にH容疑者の交際相手の女(19)も同容疑で逮捕。2人とも、Kさんに繰り返し暴行を加えていたことを認めており、捜査1課は、Kさんが死亡した経緯についても追及する。
調べによると、H容疑者と女は今月20日から26日まで、足立区綾瀬のアパートの一室と同区千住緑町の同販売所の寮で、Kさんの遺体を段ボール箱に入れて放置した疑い。
アパートの部屋は、葛飾区内の風俗店が従業員用に借り上げたもので、女が昨年11月から住んでいた。H容疑者は、間もなくこの部屋で女と同居するようになり、さらに知り合いのKさんを呼び寄せて、3人での生活が始まったという。H容疑者は以前からKさんに金を無心するなどしていた。H容疑者と女は12月中旬からKさんに暴行を加えるようになり、その後の約1か月間はKさんを事実上監禁して、食事を与えなかったり、熱湯をかけたりしていたという。
今月20日朝、Kさんが死亡しているのが分かり、遺体を段ボール箱に入れてアパートの押し入れに隠したが、部屋には1人が居住するとの契約に違反したことなどを理由にアパートを追い出されることになったため、H容疑者は偽名を使って新聞販売所で住み込みで働くことにした。
2人は今月26日夕、同販売所で同僚らと食事をした後、相次いで姿を消していた。女は28日未明、東京都調布市の京王線調布駅近くで、H容疑者は同日午後、新宿区歌舞伎町でそれぞれ身柄を確保され、逮捕された。