ポルノ・買春問題研究会
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ポルノ被害 : ディープフェイクポルノとは。女性を恐怖と絶望に陥れる

日時: 2019-08-21  表示:206回

ハフポスト 2019年08月21日

3月のある忙しい日、テキサス州に住む28歳のケイトさんは同僚に慌てた感じで肩を叩かれた。同僚は彼女に、ある動画を見せたいと言った。
彼のパソコンを覗き込んだケイトさんはショックを受けた。スクリーンにうつっていたのは、裸になってソファに寝そべる彼女自身だった。両足を開き、男とセックスをしていた。
ケイトさんは気分が悪くなった。何が起きたのかと集まってきた同僚たちは、動画を見て沈黙してしまった。映像はとてもリアルで、しかも女性の名前はケイトと表示されていた。
しかしケイトさんには、それが自分ではない確信があった。ポルノに出たことはないし、女性の体が自分の体とは違ったからだ。顔だけが、ケイトさんだった。これはでっち上げに違いない……とケイトさんは思った。だけど他の人は信じてくれるだろうか?
「とても恐ろしかったです」とケイトさんは動画を見た時の気持ちを、ハフポストUS版に語った。「今まで見たことがないような動画でした」。動画は今でもネット上に存在し、何万回も再生されている。
こういった動画はディープフェイクと呼ばれる。

■ディープフェイクポルノ、一般女性もターゲットに

ディープフェイクとは、AIソフトウェアを使って不正に加工した動画だ。人を動かして、本当は話していないことを、あたかも口にしたかのように見せる。ディープフェイクは、個人の動画や画像を重ね合わせたり、操作したりして、顔の仮想モデルを作る。ケイトさんの場合は、頭部をポルノ女優の頭と交換された。
「フォトショップ加工された画像は静止画なので、本物でないことがすぐにわかります」とケイトさんは話す。「しかし、(ディープフェイクは)顔が勝手に動いたり反応したりしていて、しかも自分でコントロールできない。パニックになります」
ディープフェイクポルノが作られ始めたばかりの頃、ターゲットになっていた女性は、ほとんどがテレビや映画から素材が山ほど手に入る有名人だった。
しかし、多くの人がテクノロジーを使えるようになった今、写真や動画を少しだけしかネット上で公開していない一般の女性たちも、ターゲットになっている。
ハフポストUS版は、同意なしにディープフェイクポルノに自分の顔を使われた女性たちに話を聞いた。プライバシーを守るため、名前は仮名だ。未だ闇の中に放置されているディープフェイクポルノの問題を知ってもらうために、かれらは自分たちの体験を話してくれた。
ディープフェイクが女性たちにとって脅威となっている一方で、ディープフェイクについての議論は、これまでのところ政治的なものが多い。
大統領選を翌年に控え、政治家たちは候補者たちがディープフェイクを使って勝手に何か発言させられないかとヒヤヒヤしている。
これまでアーノルド・シュワルツェネッガーやマーク・ザッカーバーグのディープフェイクが注目を集め、この技術の恐ろしさについて警鐘を鳴らしてきた。
ディープフェイクが女性の脅威となっているのに、メディアによる報道はまだほとんどなく、被害者救済も行われていない。
「こういった形で女性が性的なモノとして扱われることが、女性を脅かしています。なぜ、ディープフェイクポルノが始まったのか、そして女性をどう守らなければいけないかについての議論ができていません」と話すのは、マイアミ大学法学部教授で、オンライン上の嫌がらせ対策をする団体「サイバー・シビル・ライツ・イニシアチブ」代表のマリー・アン・フランクス氏だ。

■ディープフェイクは、ミソジニーに根差している

ディープフェイクポルノは、存在する限り女性にとって脅威となる。
「ディープフェイク」という言葉が作られたのは2017年。匿名のRedditユーザーが、「ワンダー・ウーマン」の主役を演じたガル・ガドットなどのセレブリティの顔を不正に細工したポルノ動画を、シェアしたことから始まった。
主要なポルノサイトの多くは、ディープフェイクを禁止すると明言しているにも関わらず、多くのディープフェイクポルノを載せている。
その他のプラットフォームでは、ディープフェイクポルノに対する対応はわかれる。偽情報として根絶するサイトもあれば、表現の自由として守ろうとするサイトもある。
政治家の中にはこの問題について警鐘を鳴らそうとする議員たちも現れ始めている。わずかではあるが、ディープフェイクを取り締まる法案を提案した議員もいる。しかし、実際に形になったものはない。
効果的な取り締まり方法や政策がない中、ディープフェイクポルノはインターネット上で安全な場所を確保し、繁栄を続けている。
ディープフェイクポルノを簡単に作れるアプリのほか、画像検索エンジンも存在する。検索エンジンでは、特定の個人の写真をアップロードして、顔の作りの似たポルノ女優を探せる。
また、ディープフェイクポルノの作成を取り引きするためのフォーラム(インターネット上の掲示板)もある。
発注者は、特定の女性のディープフェイクポルノを注文し、画像ソースとしてその女性のSNSのリンクをシェアする。ハフポストUS版がこのフォーラムを確認したところ、TwitchやYouTube?、Instagramのインフルエンサーたち、そして同僚や友人、元パートナーのディーブフェイクポルノを注文する書き込みがあった。
そういったフォーラムの一つで3月、ある人物が24歳のカナダ人女性ティナさんのセックス動画を注文した。その人物は作り手に、ティナさんのYouTube?チャンネルのリンクを伝えた。
それから4日後、ティナさんのセックス動画が現れた。ベッドの上で裸になってかがむティナさんの後ろから一人の男性がペニスを挿入し、別の男性がペニスを彼女の頭に打ち付けていた。動画に不自然な部分はなく、今でもネット上で何千回も再生されている。
視聴者に動画のリンクを送ってもらったティナさんは、「ショックで気が動転した」とハフポストUS版に打ち明けた。「私の顔があるべきではない場所にあるのを見るのは、本当に奇妙で気持ちが悪かったです」
プロフィールによると、動画を投稿した人物と作ったと主張する人物は、中年の男性だ。ティナさんは、どちらも知らない人物だと話す。動画を取り下げてもらうことも考えたが、すでに他のウェブサイトにもシェアされたことを考えると、取り下げても何も変わらないと思った。
「インターネットがどんなものかご存知だと思います。一度アップロードされたら、もう決して削除できない。拡散され続けるのです」

■誰にでも、起こりうる

ディープフェイクスタイルの動画は、最近までかなり高い技術を持った動画編集者しか作れなかった。
例えば、ハリウッドの映画制作者たちが、デジタル技術を使って亡くなった俳優を映画に登場させる、といったケースだ。その場合も、俳優の顔素材が大量に必要だった。
しかしテクノロジーが急速に進化し、今では誰もがディープフェイクのような動画編集技術を使えるようになった。素人であっても、わずかな写真を使って、ディーフェイクポルノを作れる。そして、女性たちが犠牲になっている。
ハフポストUS版は、自らディープフェイクポルノのクリエイターだと名乗る人物に話を聞いた。その人物は25歳のギリシア人男性で、自分の名前は明かさなかった。彼は自らを、「いくつかのフォーラムでディープフェイクポルノを最初に始めた一人」と説明する。男性曰く、彼が作成した動画はのべ30万回以上再生されている。
「ディープフェイクはフォトショップの修正やイラストと変わらない」と男性は言う。これまでセックス動画を削除するよう頼まれたことがあるか尋ねると、「削除はしない」と答えた。
女性のプライバシーは無視しているにも関わらず、男性は自分のプライバシーを守ることには熱心だった。「報酬は、ビットコインやそのほかの暗号化された通貨のみ(ペイパル、クレジットカードはプライバシー保護の観点から受け付けない)」と彼の投稿には書かれている。ネット上で彼の提示する値段は1本あたり15&#12316;40ドル(約1600&#12316;4300円)だ。
「女性は男性に『あなたとはデートしたくありません、あなたのことを知りたいとは思わないし、あなたのために服を脱ぎたくない』と言えます。しかし今、男性は『そうか、じゃあ無理やりやってもらうよ。それがリアルでできないのなら、バーチャルでね』と言えるのです」とフランクス氏は話す。「女性が自分を守るための手段は何もありません。インターネットをやめる以外には」
フランクス氏は、社会がもっとディープフェイク、特にディープフェイクポルノを問題視して、ネット上で目にするものに懐疑的な目を向けて欲しいと話す。
「もし希望と呼べるものがあるのなら、それは多くの人がディープフェイクの存在を知り、目にしているものが本物だろうかと疑うようになることです」
しかし現実は、ディープフェイクはリベンジポルノや合意しないポルノの脅威を広げている。悪意に満ちたディープフェイクの注文者や作成者たちは、自分に見向きもしなかった女性のヌードやセックス動画を必要としない。必要なのはその女性のFacebookやInstagramの写真だけだ。ディープフェイクポルノは簡単に作れるだけでなく、それが偽物であることを見破るのも難しい。
ロサンゼルスで事業経営者をするエイミーさんは、他の多くの女性たちと同じように、画像を悪用されオンライン上で嫌がらせをされた一人だ。
彼女の顔をしている女性がセックスをする画像が出回り、「売女」と罵られていた。
しかし修正が雑だったため、画像は明らかにフェイクだとわかるものだった。コメント欄には、匿名の作成者の信ぴょう性を疑問視する声も書き込まれていた。
この画像を作られるまで、エイミーさんはディープフェイクのことを知らなかった。
「画像を組み合わせるテクノロジーやスキルが向上して、合成がスムーズに見えるようになるまで、(ディープフェイク)は大きな問題ではありませんでした」
「しかしそれは、周りをだませるほど技術が進歩するまでの話です。動画だったら、本物だと信じてしまいます」と、エイミーさんは話す。
アメリカ国防省の機関である国防総省高等研究計画局(DARPA)は近年、ディープフェイクを含む改ざんされた動画を見分けるための、アルゴリズムを開発している。
大きな課題の一つは、進化し続けるディープフェイクのソフトウェアの技術についていくことだ。
「ツールを利用して動画がどんどん洗練されていくのにあわせて、我々も技術も洗練し続けなければいけません」と、DARPAの研究者であり、パデュー大学で映像や画像処理の専門研究に携わるエドワード・デルプ氏は話す。「激しい競争になっています」

■被害者に、選択肢はない

ロサンゼルスに住む29歳のマヤさんは、ハフポストUSが連絡を取るまで、自分のディープフェイクポルノが存在することに気がつかなかった。
動画を知って、彼女は愕然としていた。動画には、マヤさんの名前を名乗る女性が、マスターベーションしている姿がうつっていた。
しかしマヤさんにとって、動画は青天の霹靂ではなかった。最近、見知らぬ人からセックスをしたいというメールを受け取っていたからだ。
「こんな方法で、自分のプライバシーが侵されるのはなんとも言えない気持ちです」とマヤさんはハフポストUS版に話す。「誰かに性的な対象として見られていると思うと、自分が望まない注目を浴びていて人として敬意を払われいない、それに安全ではないという気持ちになります」
さらに嘆かわしいのは、マヤさんやその他の被害者女性に、動画に対処する手段がほとんどないことだ。
まず、訴訟には莫大なお金がかかる。さらに、ハラスメントやなりすまし、名誉毀損、画像の不正流用で裁判を起こすためには、訴える相手が誰かわからないといけない。他のディープフェイクポルノ同様、マヤさんは誰が動画を作って、投稿したのかを知るすべがない。
そして 巨大ソーシャルメディアやディープフェイクポルノのフォーラムを含むオンラインの仲介媒体は、『通信品位法』230条のおかげで、第三者のコンテンツの責任から守られているため、動画を載せているサイトを訴えても無駄だ。
230条によると、プラットフォームはユーザーが投稿したものに対して法的な責任を追わず、削除の責任も追わない。つまり、コンテンツをオンライン上から取り除こうとしてもほとんど、効果がない。
「残念なことに、被害者にはほとんど選択肢がないのです」と、性プライバシーを専門にする弁護士、キャリー・ゴールドバーグ氏は話す。
ディープフェイクのウェブサイトは、「人々の屈辱をお金にするために存在する」とゴールドバーグ氏は話す。「自分たちは責任から免除されていると傲慢に主張するウェブサイトを見れば、230条には問題があることがわかるはずです」
悪意のあるディープフェイクポルノは、一般的に匿名で投稿され、拡散するよう作られている。そのため、メリーランド大学で法律学を教えるダニエル・シトロン氏のように被害者の救済を訴える弁護士たちは、ディープフェイクポルノを作った人だけではなく流通させた人も処罰する法律を作るよう議員たちに求めている。
現在、シトロン氏とフランクス氏は、偽動画を故意に流し拡散させたプラットフォームに責任を課せるようにする連邦法の法案を作っている。
「もし、なりすましや改ざんがあったことがわかった場合、プラットフォームはそれを削除すべきです」とシトロン氏は、ディープフェイクの問題について話し合う最初の議会公聴会で語った。現時点では、動画の投稿を防ぐ方法はないため、プラットフォームは警告された時点ですぐに動画を削除すべきだ、と彼女は訴える。
一方、言論の自由の支持者たちは、一定のコンテンツを制限することはオンライン上での表現に広く影響する可能性があり、十分に注意しなければいけないと主張する。
しかしフランクス氏は、野放図になっているディープフェイクポルノが、女性たちの言論の自由を阻害していると指摘する。
「ディープフェイクポルノは、女性の言論の自由に恐ろしい影響を与えています。なぜなら、自分の安全を守るために女性たちは自分自身を検閲しなければいけないからです」

■女性は沈黙を強いられている

フランクス氏が説明する“検閲”を、ラナ・アユーブさんは実身をもって経験している。
2018年の春、彼女はインドで偽情報を流された。
それはアユーブさんが、若い女性へのレイプに対する政党対応を、公に非難した翌日に始まった。
突然、アユーブさんのツイートだという中傷的なツイートのスクリーンショットが、ネット上で広まった。そして、彼女の顔をした女性が出ているディープフェイクポルノが、ソーシャルメディア上であっという間に広がった。動画にはアユーブさんの名前と電話番号も書かれていた。
ディープフェイクポルノは何十万回も再生され、アユーブさんにはセックスしようという電話やメッセージが次々に送られてきた。
「本当に酷かった」と彼女はハフポストUK版に話す。「国中の人が、私の顔をしたポルノ動画を見ているのに、私は何もできなかったんです」
後から動画は偽物だと言うことが明らかになったが、完全に立ち直ることはできない、とアユーブさんは話す。汚名を消すことはできない上、これ以上ソーシャルメディアで注目をひくのは怖いと彼女は話す。
「以前は、私は自分の意見をはっきりと言っていました。しかし今では、何を投稿するかについて、慎重になりました。自分で自分を検閲せざるを得なくなったのです。『また同じことをされたらどうしよう』と考えるようになりました」
同僚にディープフェイクポルノの存在を教えてもらったテキサス州に住むケイトさんも、前に進むことに苦しんでいる。
弁護士に相談すると、動画を作った人と投稿した人がわからないため、訴訟をして闘うのは難しいと言われた。
法律的に解決する手段がなく、ケイトさんは動画が投稿されていたディープフェイクのフォーラムに削除を依頼した。しかしサイトのオーナーは、彼女の動画だけが掲載されているわけではないと返信し、その後連絡は途切れた。
問題を解決する手段がなく、ケイトさんは絶望している。
「動画が、現在も掲載されていて、それに何もできることがないというのは、おぞましいことです」
「こういった動画は、恐ろしいほど生々しく、『それは私ではありません!』と叫びたくなります。だけどそうすればそうするほど、注意を集めてしまうのです」
アユーブさんと同じように、ケイトさんも自分のコンテンツが悪用されて彼女を攻撃する材料になるのを避けるため、オンラインへの投稿を制限している。ディープフェイクポルノが放置されている状態を、ケイトさんは疑問視する。
「ディープフェイクやリベンジポルノ、その類のものは全て、女性を黙らせようとするためのものです」
「そういった動画がどんどん増えリアルになるのにあわせて、私たちはSNSを投稿する代償として、ディープフェイクポルノの標的にされることを受け入れなければいけないのでしょうか?」

ポルノ被害 : 「もう消せないの?」 身に覚えのない「無修正」が流出…

日時: 2019-08-13  表示:252回

弁護士ドットニュース 2019年08月13日 09時18分

かつてAV女優として活動していた女性が、引退から10年以上も経って、思いがけない苦しみを味わっている。いわゆる「無修正作品」に出演した覚えは一切ないのにもかかわらず、ある動画サイトで勝手に配信されているというのだ。モザイク処理がされる前のテープなどが流出したものと見られる。引退して、新しい人生をおくっていた彼女は現在、動画サイトに対して、作品の配信停止をもとめているが、応じてもらえていない。

●「毎月、何人も新しい女の子が出てくるから、大丈夫だよ」

女性がデビューしたのは、もう15年以上前のこと。当時は、まだそれほどインターネットが普及しておらず、動画サイトでなく、レンタルビデオ店でAVを借りて、視聴する人が多かった時代だ。

きっかけは、知り合いの知り合いくらいの距離感にある人から「稼げるよ」「自分の価値がわかるよ」と誘われたことだった。初めて事務所を訪れた際、次のようなことを言われたと記憶しているという。

「毎月、何人も新しい女の子が出てくるから、大丈夫だよ」

もちろん裸になることに抵抗がなかったわけではない。しかし、写真をきれいに撮ってもらったり、有名女優たちと一緒に宣伝ができたりする、という話が決め手となった。「そのあとは、本当に大事に扱ってくれましたよ。嫌なことはされなかったです」(女性)

撮影ペースは、多くて月1本くらい。数年間で、3つの事務所を渡り歩いて、複数の女優名を名乗り、少なくとも10本以上の作品に出演した。そして、引退した。「若い子もいっぱい出てきていたので、引き止められたり、脅されたりすることもありませんでした」(女性)

●「これ、似ているけど、ちがう?」

女性の引退前後は、インターネットが急速に普及していた時期だ。わざわざ、レンタルビデオ店まで出かけなくても、誰でもすぐにアクセスできる動画サイトの利用がうなぎのぼりに増えていた。

「これ、似ているけど、ちがう?」

引退からしばらく経ったある日、友人にこう尋ねられることがあった。AV女優だったことを打ち明けていなかった。

「そのときまで、作品も、パッケージも見たことなかったんです。見たら、現実になるというか・・・怖くて、調べることもしていませんでした」「そんなに簡単に見つかるとは思っていませんでした。今となっては(出演したことを)後悔しています」(女性)

それから数年後、結婚して、現在はまったく別の人生をおくっている。それでも、過去がつきまとう。

「(AV女優だったことは)ずっと、心のはじっこにありました。かなり容貌が変わったので、私だとわからないと思いますが、何かのきっかけで、バレてしまうんじゃないかと不安です」(女性)
●「だまされたと思いました」

そんな悩みを抱えていたところ、AV人権倫理機構が2018年2月、過去のAV作品の販売・配信停止の手続きを受け付けると発表した。

このニュースを知ったあと、大手サイトで販売・配信されている出演作品について停止をもとめると、すぐに応じてもらえた。また、違法・有害情報センターのアドバイスも受けながら、違法アップロードされた動画・画像を少しずつ削除していった。

一つ一つは簡単で、短時間のものだが、膨大な量があるので、気持ちを鼓舞しながら、こうした作業に取り組んでいたという。

ところが、ことが順調にすすんでいるように思えた矢先、海外にサーバがある無修正動画サイト「カリビアンコム」で、身に覚えない無修正作品が配信されていることを知ったのだ。しかも、現役時代に名乗ったことのある女優名でなかった。

「わたしの知らない名前でした。いったい誰がこんなことをしたんだろうと、びっくりしました。(昔の)人間関係を切っていたので、この感情を誰にぶつけたらいいのかもわかりません。だまされたと思いました」(女性)

事務所やメーカーはすでに倒産していたり、連絡先がわからくなっていたりするという。そのため、どこから流出したのか、まったくわからないそうだ。
●「もう消せないのでしょうか」

カリビアンコムに削除するようメールで連絡すると、サインの入った英文の契約書と身分証明書のコピーが送られてきた。あわせて、「あなたには、削除をもとめる権限はない」という言葉が添えられていた。

だが、英文の契約書にサインした記憶はまったくない。女性は「『無修正』の出演を承諾したことは絶対にありません」と明言する。警察に対応をもとめたが、カリビアンコム側は応じておらず、現在までに「無修正」の削除はすすんでいない。

女性の代理人をつとめる伊藤和子弁護士は「無修正出演は、刑事事件のリスクもあるので、(彼女が)絶対に承諾するはずがありません。それなのに勝手に配信されています。政府も対策をとっており、総務省・警察もよく協力してくれていますが、まだまだその手段は不十分です」と指摘する。

こうした状況に巻き込まれても、女性はあきらめずに、すべての動画・画像の削除に向けて、できる限りの手段をとっていくという。取材の最後に次のような言葉を語っていた。

「昔、良いと思って出演しても、あとから消したいということは、普通にあるはずです。まして、無修正が勝手に流出していたら・・・犯罪行為をしたわけではないのに、名前を検索するとまだ出てくる状況です。もう消せないのでしょうか。こういう思いをしている女の子は他にもいるんじゃないでしょうか」(女性)

ポルノ被害 : 「AV出演強要」に刑事罰を 支援団体が法規制求め集会 (2019

日時: 2019-06-28  表示:379回

週刊金曜日 2019/5/17(金) 13:15配信

アダルトビデオ(AV)出演強要被害が可視化され、与党内にAV出演強要問題を考えるプロジェクトチームができるなど問題意識は高まっている。だが、AV出演を強いる制作会社やプロダクションなどへの刑事罰を含む法規制は進んでいない。そこで被害者支援に取り組む三つの団体が5月8日、AV出演強要被害をなくすための法制化を求め、参議院議員会館で集会を開催。国会議員も含め約80人(主催者発表)が参加した。

NPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」の藤原志帆子代表は「性的搾取に関する2018年の新規相談は241件で、AV出演強要の相談は40件。まだ被害者はたくさんいる」と指摘。被害者の年齢は18歳から24歳が多く「若くて社会経験の少ない男女が狙われている」という。

手や足のパーツモデルとして登録したのにAV撮影させられるまでの狡猾な勧誘の実例や、一度撮影されると本人もどこでどのように販売されているかの把握ができず削除が難しい実状を示し「監督官庁をつくり出演強要に刑事罰を」と訴えた。

NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)事務局長の伊藤和子弁護士は、「出演強要を裏付ける物的証拠の提出は難しい。同意取り消しを認める法改正が必要」と主張。AV業界の監督官庁を設置し、職業安定法や労働者派遣法を厳格に適用するよう求めた。

NPO法人「ポルノ被害と性暴力を考える会」の金尻カズナさんは、撮影現場で嫌だというと「俺たちのこと差別してんの?」と言って断れないように追い込む手口や、個人がスマートフォンで撮影していて規制が効かない現状を説明。また民法改正で成人年齢が18歳になると「未成年者の契約取り消し」ができなくなるため被害の低年齢化が進むと懸念し、「日本の未来を考える時。女性の性が売買される社会でいいのか。答えを出す時期にきている」と話した。

(宮本有紀・編集部、2019年5月17日号)

ポルノ被害 : ポーランドの人気ポルノ雑誌を、フェミニストが大量購入

日時: 2019-06-27  表示:325回

フォーブス・ジャパン 2019/06/26 11:30
井土 亜梨沙 ,Forbes JAPAN
フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー

ポーランドは長年悩まされてきた。埋まらない男女格差、間違った性教育の拡散、そして日常的に起こる性差別に。この国では伝統的な男尊女卑の価値観が、長い間女性を苦しめてきた。男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数はEU諸国の平均を10ポイント下回り、男性たちはポルノから女性について学んでいると言われている。

「The Last Ever Issue(これっきりの最終号)」

こんな問題に「もう終わりを告げよう」と立ち上がった3社がある。ポーランドのリベラル系メディアのGAZETA.PL、欧州メガバンクのBNP PARIBAS、そしてクレジットカード会社のMASTER CARDだ。

3社はまず、ポーランドで最も人気なポルノ雑誌である「Tw&#243;j Weekend(あなたの週末)」を買収した。そして2019年3月8日の国際女性デーに、自分たちが新たに編集し直した「The Last Ever Issue(これっきりの最終号)」を発行し、ポーランドで一番売れているポルノ雑誌に終止符を打った。

このポルノ雑誌については、ポーランド中の男性がこの雑誌とともに育ったといわれるほどの歴史がある。しかし3社が買収した後に出した最終号は、これまでのように女性を男性の「対象物」にしたような内容ではなく、今までにない「女性の姿」をうつしだした。今までの体裁を守りながら、読者に、性教育、ジェンダー、男女平等などを訴える内容に変えたのだ。

グラビアセクションでは、女性写真家によって様々な表情や姿を見せる女性が撮影された。表紙を飾った3人ははライター、女優、そして世界チャンピオンの武闘家の女性たちだ。真っ黒な背景に、3人の女性たちが気品のある表情でこちらを向いている様子はポルノ雑誌の最終号とは思えない。「何か問題でもある?」と言いたげな表情だ。

3社は発売された最終号をジャーナリストやインフルエンサーに配った。「ポルノ雑誌から女性を学ぶことは決してあってはならない」。そんなメッセージが共感を呼び、「The Last Ever Issue」はその雑誌の10年間の歴史の中で最高の発売部数を記録した。雑誌のSNSアカウントは、セクシーな女性の画像を消し、長期的な性教育のプラットフォームとして復活させた。

ポルノによる間違った性教育のカルチャーを、雑誌の買収によって変えてしまった。鳥肌が立つようなケースだ。

システムを変えるために、システムを利用
「The Last Ever Issue」は世界で最も権威ある広告祭、カンヌライオンズのグラスライオン(部門)でグランプリを勝ち取った。グラスライオンはジェンダーの課題を最もクリエイティブに解決しようとした作品に贈られる。同部門審査委員長のジェイミー・ロビンソンは、Forbes JAPANの取材に作品についてこう答えた。

「グラスライオンで評価される作品は近年、『アクションを起こす』企業です。この作品の素晴らしいアクションは、システムを変えるために、そのシステム自体を利用したということです」

そして、広告業界に身を置いてきた女性として以下のように発言した。

「私は数年前にモバイル部門の審査委員長も務めましたが、グラスライオンには特別な思いがあります。男性社会の広告業界の中で、時には自分の性別を隠しながら仕事をしてきました。女性が少なかったため、周りの男性たちと同じように振舞おうとしたのです。しかし、5年前にやめました。ちょうどグラスライオンができた頃です。自分らしくあろうと自分自身を変えました。このように自分らしくあることを称賛するグラスライオンの作品に出会えることを心から嬉しく感じています」

時には男性主義的だと批判されるカンヌライオンズだが、今年は歴史上最も審査員の女性比率が高かった。マイノリティのキャリアアップを妨げる見えない障壁「ガラスの天井」に苦しめられてきたのは、広告業界の女性たちも同じだ。彼女たちが審査員や審査委員長として採用されることでより多様な作品が評価されることだろう。グラスライオンはクリエイティブ作品だけでなく、カンヌライオンズ自体の変化も後押ししてきたのだ。

ポルノ被害 : AV強要「刑事罰法制化を」 支援団体、参院内で集会 (201

日時: 2019-05-16  表示:501回

東京新聞 2019年5月9日

 アダルトビデオ(AV)に出演を強要される被害を防ごうと、NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)など三つの支援団体が八日、東京都千代田区の参院議員会館で集会を開き、望まないAV出演を強いる制作会社やプロダクションなどへの刑事罰を盛り込んだ法律の整備を求めた。

 集会にはNPO法人のメンバーや国会議員ら約七十人が参加。AV出演強要を巡っては、制作会社などの虚偽説明や脅迫で女性らが契約を交わしても、証拠が残っていないことが多く、事件化が困難とされる。

 HRN事務局長の伊藤和子弁護士は、法規制のあいまいなAV業界に監督官庁を設け、職業安定法や労働者派遣法を厳格に適用するよう要望。「出演者は契約書を理解できないまま、コピーすら渡されない。出演同意の取り消し権を認める法改正が必要だ」と訴えた。

 NPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」の藤原志帆子代表は、昨年新規の被害相談が二百四十一件寄せられたと説明。手や爪など体のパーツのモデルだとだまされた事例を紹介し「被害者の声を埋もれさせたくない。ポルノ産業での人身売買をなくしたい」と強調した。

 NPO法人「ポルノ被害と性暴力を考える会」の金尻(かなじり)カズナさんは、民法改正で成人年齢が十八歳に引き下げられると、十八〜十九歳が契約を取り消せなくなると指摘。「若い女性の性が売買される世の中で本当にいいのか。答えを出す時期に来ている」と訴えた。 (木原育子)

ポルノ被害 : TikTok投稿の女児から裸動画 容疑で自衛官逮捕 (201

日時: 2019-05-14  表示:420回

朝日新聞 2019年1月29日

 女児らに裸の動画を撮って送らせたなどとして、熊本県警は29日、鳥取県米子市両三柳の陸上自衛****容疑者(23)を脅迫と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の疑いで逮捕し、発表した。

 八代署によると、**容疑者は昨年9月19日、熊本県内の女子小学生(当時11)に、裸を動画で撮影し送信するよう通話アプリ「LINE(ライン)」で指示し、渋った女児に対し、この直前に送信させていた動画を念頭に「拡散していい?」「周囲の人は顔はわかるんじゃない」などと言って脅迫した疑いがある。神奈川県内の女子小学生(当時10)と埼玉県内の女子中学生(当時13)にも同様に裸の動画を送信させ、スマートフォン内に保存・加工するなどして児童ポルノを製造した疑いがある。調べに対し、「販売目的でやった」などと容疑を認めているという。動画や写真がネット上に流出したり販売されたりした形跡は確認されていない。

*** **容疑者は、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で女児らが投稿した動画に「LINEスタンプをあげる」などとコメントを書き込み、興味を示すとLINEの連絡先を聞き出して個別に下着姿や裸の写真・動画を送るよう求めていたという。同容疑者のスマホ内には数十人分の自撮り写真や動画が確認されているという。

 陸上自衛隊米子駐屯地によると、**容疑者は第8普通科連隊所属の3等陸曹。同駐屯地司令の天内一雄1等陸佐は「隊員がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾。判明した事実に基づき、適切に対処し再発防止に努める」とコメントを出した。(吉備彩日)

ポルノ被害 : TikTokで知り合った女児に裸の画像送らせる 小学

日時: 2019-05-14  表示:416回

産経 2019.2.6 21:14

 小学生の女児に裸の画像を送らせたとして、奈良県警高田署などは6日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、神奈川県伊勢原市立小学校教諭、****容疑者(31)=同県小田原市久野=を逮捕した。「性欲を満たすためだった」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は昨年12月16日、動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」で知り合った奈良県内に住む小学6年の女児(12)に、上半身裸の画像1枚をスマートフォンで撮影させ、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で送らせて児童ポルノを製造したとしている。

 同署によると、**容疑者はティックトックに投稿された動画で女児を知り、同学年の女児を装って接触を図った。顔が分からないように加工された少女の裸の写真をラインで送り、自身も送るよう女児に求めたという。翌17日に女児の母親がラインのやりとりに気付き、県警に相談していた。

ポルノ被害 : 酩酊させ性的暴行、昭和大医師の男を再逮捕 (2019.05.08)

日時: 3677-10-22  表示:365回

TBSニュース 2019/5/8(水) 13:19配信

 昭和大学病院の20代の医師の男が女性に大量の酒を飲ませて性的暴行を加えたとして警視庁に再逮捕されました。

 準強制性交の疑いで再逮捕されたのは昭和大学病院の医師、****容疑者(29)で去年12月、東京・品川区のカラオケ店で20代の女性にウォッカなど大量の酒を飲ませて酔わせたうえ、自宅に無理やり連れ込んで性的暴行を加えた疑いが持たれています。

 警視庁によりますと、**容疑者が同様の事件で逮捕されるのは3回目で、携帯電話には複数の女性に乱暴する動画が保存されていました。取り調べに対し黙秘しているということです。(08日11:19)

ポルノ被害 : 「誰かを傷つけていることを、知ってほしい」成人誌がコ

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Buzz Feed News 2019/01/25 18:30

コンビニ大手3社が、8月末までに「成人向け雑誌」の販売を取りやめることを決めた。女性や子供、訪日客などへの配慮を理由としている。

表現の自由や「成人向け雑誌」「成人誌」の定義の曖昧さから、こうした判断を懸念する声も上がった。一方で、BuzzFeed? Japanの記者がTwitterで「来店しやすくなる人がいるのか。非実在なんじゃ」などと発言し、多くの批判を浴びた。

実際には「コンビニに行きやすくなる」と歓迎する人はいる。BuzzFeed? Newsはそういった人たちの思いを改めて取材した。

成人向け雑誌の販売をめぐっては、1月21&#12316;22日にセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートが8月末で販売を中止することを決めた。大手3社が足並みをそろえた。

ファミリーマートを運営する「ユニー・ファミリーマートホールディングス」広報室によると、2018年4月から「直営店を含む国内約2000店で既に取り扱いを中止している」という。

その上で、「女性やお子さまのお客様に、安心してお買い物をしていただける店舗づくりをさらに進める」「2020年のオリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博等の開催を控え訪日外国人の大幅に増加している」として、全店舗での成人向け雑誌の販売中止を決めたとしている。

一方、日本雑誌協会は「『成人誌』の基準が曖昧で、選別方法が不明瞭であることに危惧を覚える。一部雑誌の取り扱い中止に関しては、慎重な判断を求めたい」と懸念を表明している。

「成人誌やエロ本を失くせとは全く思っていないし、それは表現の自由だと思う。でも、パブリックな場所であるコンビニに置く必要性を感じないんです」

大手3社の判断を歓迎するという女性会社員(30歳)はBuzzFeed? Newsの取材に、こう語る。

「万人の目に触れるところ、生活する上で欠かせないインフラになっているコンビニに置くものかどうかは、議論の余地があることだと思います」

昨年結婚したばかりの女性もやはり、「将来的に子どもが生まれたら、一緒に行きにくい」と思っているという。

「AVだって、エロ本だって、大人たちは『ファンタジーだよね』って認識しているわけで。ただ、知識があって、ファンタジーってわかっている大人が見るのと、何も知らない子どもが、そういったものを見るのとではわけが違う」

「成人誌を廃刊してほしいということではありません。ただ、堂々と成人誌を立ち読みしたり買ったりできる環境があるコンビニには、いたくないな、と思ってしまいます」

エッセイストで東京大学大学院情報学環客員研究員の小島慶子さんはBuzzFeed? Newsの取材に、こう語る。小島さんは、2人の男の子の母親だ。

「ポルノのマーケットがあること自体を否定するわけではないけれど、コンビニは、日常的に食品や生活用品を買いにくる人が多い場所です」

「成人誌を買いにくる人だけではなく、子どもや、成人誌を見たくない人も来ます。なのに誰の目にも触れるところに陳列されていていいのかな、という違和感が以前からありました」

コンビニは、幅広い層の人が日常的に利用する場所だと小島さんは強調する。

「性欲自体は誰にとっても自然なものですが、そうしたところに、成人誌が陳列されていることは、女性の裸がいわば\"日用品\"として売られていることだと考えます」

一方、別の女性会社員(20代)は、そうした成人誌に「嫌悪感」を抱いているという。

「レイプって書いてあるやつとか、女性が縛られてるやつとか、性暴力を想起させる内容のものが置いてあるのが、本当に無理なんです」

この女性も、「みんなの目に入る場所に置いてほしくはありません」と語気を強める。

「ただの表現だからいいじゃん、ではないんです。間接的に誰かを傷つけるかもしれないと、知ってほしい」

コンビニでの成人誌販売中止をめぐっては、記事中でも引用したBuzzFeed? Japan記者が多くの批判を受けました。

ツイートは事実とかけ離れた内容であり、記者は社内で厳重な注意を受け、当該ツイートを削除し、お詫びしました。

BuzzFeed? Japanは報道において、事実に基づき、同時に「人権、女性の権利、反人種差別、LGBTの平等などの問題には、議論の余地はない」という編集・倫理ガイドラインに則って発信しています。

これまでも、女性の権利や性暴力、「#MeToo?」「#WeToo?」のムーブメントに関する記事を、キャンペーンを組むなど継続的に発信してきました。

BuzzFeed?は「人々の生活にポジティブなインパクトをもたらすこと」をミッションとしています。今回の件を受けて、社内での議論をより一層深め、これからも、社会の課題やその変化を報じていきます。

ポルノ被害 : コンビニ店員に多大なストレス?厄介な「成人誌」問題…

日時: 6491-10-22  表示:730回

ビジネス・ジャーナル 2018.02.18

 イオングループのコンビニエンスストア「ミニストップ」が、今年1月から全2263店舗(1月末現在)で成人向け雑誌の取り扱いを中止した。昨年11月、この方針が発表されると賛否両論が飛び交うなど、もはや社会インフラの一部ともいえるコンビニ大手の判断が大きな波紋を呼んだ。

 成人誌の取り扱い中止は、ミニストップがビジョンとして掲げる「もっと便利、もっと健康、もっと感動、毎日行きたくなる店舗」にどのような影響を与えるのか。商品本部長の中山博之執行役員に話を聞いた。

異例の反響…約8割が賛成、約1割の反対は男性

――成人誌の取り扱い中止については「英断」との見方もあります。具体的な概要について教えてください。

中山博之氏(以下、中山) 2017年12月1日より千葉県千葉市内の全店で成人誌の取り扱いを中止し、18年1月1日より全店舗で同様の措置を取っています。

 日本の総人口が減少に転じるなか、女性がコンビニエンスストアを利用する機会が増えてきています。ミニストップもスイーツをはじめ、中食・内食商品の強化や「WAON POINTカード」の導入などを通じて、女性にとっても、より利便性の高いコンビニエンスストアへの進化を図っています。

 これらの取り組みの一環として、かねて成人誌の陳列対策に取り組んでいた千葉市からの働きかけをきっかけに、全店舗で取り扱いを中止する判断をいたしました。

――判断に至る経緯について、あらためて教えてください。

中山 まず、それまで区分陳列してきた成人誌について、千葉市から17年5月に「フィルムで包み、扇情的な表紙を見えなくする方法で販売してもらえないか」という打診が、ミニストップだけではなく各コンビニエンスストアチェーンにありました。

 家族連れにとっては成人誌が子どもの目に届く場所にあるということがストレスになります。一方で、加盟店にとっては成人誌を1冊ずつ目隠し袋に入れる作業は大きな負担となります。そうした事情を総合的に考慮した結果、今後の経営方針として「女性や子どもを含むお客さまの誰もが安心してご利用いただける店舗を実現するため」に全店取り扱い中止に至りました。

――中止の発表後、どのような意見が寄せられましたか。

中山 今回の発表については多くの意見が寄せられました。うち約8割が賛成であり、約1割が男性からの反対でした。多くのお問い合わせをいただきましたが、これはきわめて異例なことです。

――成人誌を制作する会社や関係者などからは、何か意見がありましたか。

中山 直接は聞いていません。しかし、内々に「成人誌は扇情的な表紙で勝負するのがビジネスモデルだったが、あまり過激になると、ほかでも取り扱い中止になる可能性がある。そのため、表紙は水着程度にとどめたほうがいいのかな」という関係者からの声を聞いたことはあります。

成人誌の販売中止、売り上げへの影響は?

――先進国である日本のコンビニで、子どもの目の届くところに成人誌が置かれている状況を「異常」とする声もあります。

中山 町の書店が少なくなり、一方でコンビニエンスストアが増え、本を買う場所が少なくなったことでコンビニエンスストアも多くの雑誌や本を取り扱うことになり、「本の購入場所」としての地位を確立した歴史があります。そのような時代の流れのなかで、成人誌の取り扱いも始まっています。

 私見ですが、韓国に4年ほど勤務した経験があるので、確かに現在の状況については海外ではあり得ないと思います。書籍については、最近はウェブでの購入が増えている一方で、リアル店舗はウェブに不慣れな高齢者向けの販売チャネルとして存在しています。おそらく、今後も大なり小なりそうした役割は残るのではないでしょうか。

――今回取り扱いを中止した成人誌の定義と、ほかの雑誌への影響についてはいかがでしょうか。

中山 成人誌の定義は日本フランチャイズチェーン協会の自主基準に基づいています。各都道府県の指定図書類および出版倫理協議会の表示図書類は取り扱いません。それ以外の雑誌については、各都道府県青少年保護育成条例で定められた未成年者(18歳未満者)への販売・閲覧などの禁止に該当する雑誌およびそれらに類似する雑誌類を「成人誌」と定義しています。この範囲を拡大するか否かは、まだ決定していません。

――成人誌の取り扱い中止による販売面への影響はありますか。

中山 金額ベースでの影響は軽微です。また、加盟店からの賛同も得られており、反対の声もいただいておりません。加盟店の従業員には女性や外国人の方々もいます。その方々から、「成人誌の取り扱いは非常にストレスがたまる」という声が上がっていました。

 雑誌類は夜間に納品されますが、今は夜勤の従業員にも女性が増えているため「並べるのが嫌だった」という声もありました。また、成人誌を購入するお客さまのなかには女性従業員の反応を見ることを趣旨としているケースもあり、それらが女性従業員のストレスにつながっていました。

 また、元従業員の方からも「本音を言えば、成人誌の取り扱いは大きなストレスだった」という声をいただいています。そのため、今回の措置は従業員の定着率向上にも寄与するものと感じています。

全体の約15%が以前から成人誌を未販売

――以前から、オーナーの判断で成人誌を取り扱っていないケースはありましたね。

中山 学校が近辺にある店舗では成人誌を置いていないケースがあり、従来から取り扱っていなかった店舗は全体の約15%ほどです。これは他チェーンのコンビニエンスストアも同様のようで、立地によって自主規制を行っているケースはありました。

――成人誌を取り扱わないということで、新たな商材の開拓も必要ですが。

中山 代替の商材に関しては、今まで納品していなかった銘柄や新たなジャンルの配本を進めています。また、コンビニエンスストアの販売事情は立地によって異なるため、個店の強みに合わせた配本を強化しています。

 たとえば、シニア層が多いエリアでは囲碁や釣り雑誌の売り上げが多く、一概に「成人誌の代わりに女性誌を増やせばいい」というものでもありません。本部から売れ筋の客観的なデータを提供し、加盟店からは「この層のお客さんが多い」という声をいただくなど、双方向でやりとりしています。

――女性誌では「付録つき」が人気です。この拡大というのは検討していますか。

中山 付録つきの女性誌は確かに人気です。実は出版社と共同で取り組みを検討中ですが、現段階では具体的なことを申し上げることはできません。以前には、旅行誌と共同キャンペーンを展開した例もあります。

――17年は訪日外国人数が過去最高を記録しました。また、東京オリンピックが開かれる20年には4000万人が目標とされています。何か対策は講じていますか。

中山 外国人のお客さまには抹茶が人気です。インバウンド戦略として、訪日外国人向けの商材開発を検討しているほか、外国人のお客さまがストレスを感じないような店舗づくりを目指しています。ちなみに、外国人従業員も増えてきており、多言語化も進展するなかでITの活用も必須になるため、現在取り組みを進めています。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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