ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
2010年度の論文資料集10号。詳細はこちらより
 
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慰安婦問題 : 慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書、軍関与を補強 (

日時: 2019-12-07  表示:2792回

共同通信 2019/12/6(金) 21:36配信

 旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、関連する公文書の収集を続ける内閣官房が2017、18年度、新たに計23件を集めたことが6日、分かった。うち、在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦・特殊婦女」は別の報告書内で「娼妓と同様」「醜業を強いられ」と説明され、慰安婦を指している。専門家は「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいたことがはっきり分かる」と指摘する。
 1993年の河野洋平官房長官談話が認定した「軍の関与」を補強する資料と位置付けられそうだ。

慰安婦問題 : 日本政府「慰安婦強制連行は証明できない」 国家犯罪隠

日時: 2016-02-01  表示:7437回

ハンギョレ  登録 : 2016.02.01 01:34 修正 : 2016.02.01 06:15

国連女性差別撤廃委員会に答弁書 
政府「12・28合意毀損する言動慎むべき」

 日本政府が、軍や官憲が直接日本軍「慰安婦」を強制連行したことを証明できる証拠は見当たらない、という立場を国連(UN)に伝えたことが31日、確認された。慰安婦問題に対する韓日政府間の12・28合意以降、韓国が日本の顔色を窺っている間、日本は国際社会に向け本格的な“世論の逆転”に乗り出している。

 日本政府が2月15日に開かれる国連女性差別撤廃委員会の63回会議に提出した慰安婦問題に対する答弁書の内容をハンギョレが確認したところ、「日本政府は、1990年初めから慰安婦問題に対する総力的な研究を行ってきた。(中略)しかし、日本政府が発見した政府の公式文書の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行(forceful taking away)を確認することができなかった」という内容が含まれていた。答弁書には「日韓両国政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認した」という12・28合意の内容も盛り込まれた。

 日本政府は、2007年3月、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」という内容を閣議決定し、安倍晋三首相は18日、参議院でこのような立場を再確認した。このため、答弁書が慰安婦動員の過程の「強制性」を認めた1993年の河野談話など、日本政府の従来の立場を覆したものではない。

 変わったのは、日本政府が強制連行を証明する「日本政府の公式文書が見当たらない」ことを掲げ、「強制連行をされた」という生存者たちの証言を事実上否定し、慰安婦=性奴隷=国家犯罪という国際社会の常識を本格的に覆そうとしている点だ。日本政府の狙いは、慰安婦問題は日本軍が主体となった「国家犯罪」ではなく、一部業者の逸脱を政府が管理・監督できなかったという問題に縮小することだ。

 これに対して韓国外交部は「日本軍慰安婦の動員、募集、移送の強制性は否定できない歴史的事実として、国連人権委特別報告者報告書や米国など様々な国の議会決議などを通じて、国際社会がすでに明確に判定を下した事案である点を、もう一度強調する」と述べた。外交部は続いて「日本政府は、12・28合意の精神と趣旨を毀損しかねない言動を慎み、被害者の方々の名誉と尊厳を回復して傷を癒せるように努めるという立場を、行動で示すことを求める」と明らかにした。

東京/キル・ユンヒョン特派員、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-31 21:29

慰安婦問題 : 「なぜこんな合意で私たちを愚弄する」 慰安婦被害者が

日時: 2016-01-27  表示:7444回

ハンギョレ新聞 1月27日(水)8時24分配信

「15歳の時、道端で2人組の男に連れ去られた」 
日本の法的責任、安倍首相の直接謝罪を要求

 「私は釜山で生まれました。貧しくて学校にも行けませんでした。 15歳の時、蔚山(ウルサン)のある家に女中奉公に出ました。そこでお使いの帰り道に、2人組の男に道を塞がれました。そして何も言われないまま、腕を一本ずつ掴まれて、連れていかれましたよ」

 26日午前、東京千代田区の衆議院第一議員会館の多目的会議室。怒りを堪えて一言ずつ言葉を繋いでいく日本軍「慰安婦」被害者ハルモニ(お婆さん)のイ・オクソンさん(90)は、故郷の慶尚道ではなく、咸鏡道訛りで話した。中国の吉林省に連れて行かれたイさんは、日本軍飛行場を経て、日本軍慰安所に移された。戦争が終わってからも、イさんは故郷に帰ることができなかった。言葉も通じない広大な中国大陸に捨てられたからだ。再び故国を訪れたのは、解放から55年が過ぎた2000年だった。そうやって月日が流れる間、イさんは74歳のお婆さんになっていた。

 「慰安婦」被害ハルモニたちの共同居住施設である京畿道広州(クァンジュ)にある「ナヌム(分かち合い)の家」で生活しているがイさんとカン・イルチュルさん(89)が「12・28慰安婦合意」以降、初めて日本を訪れて記者会見を開いた。会見場には50人近い韓日の取材陣が集まった。

 2人のハルモニは合意を認めない意向を明らかにしてから、日本政府が公式謝罪し法的責任を認めると共に、安倍晋三首相が直接謝罪することを要求した。カン・イルチュルさんは「どうしてこんな合意で私たちを愚弄するのか。なぜ安倍(首相)は一度も出てこないのか」と述べた。イ・オクソンさんも「歩くのがやっとの私たちが、なぜここまで来て話をするかを考えてもらいたい。私たちがいくら日本政府に要請しても、どこ吹く風で、日本政府はハルモニたちが死ぬのを待っている」と述べた。続いてイさんの批判は韓国政府に向けられた。「なぜ被害者の目を瞑らせて、隠し、いくらかのお金なんか持って来て、ハルモニたちの口を封じようとするのか。絶対そうは行かない。悔しくて仕方がない」

 ハルモニたちは、日本政府が求めている駐韓日本大使館前の少女像の撤去についても「少女像をなくすか、私たちを殺すかの問題」(カン・イルチュルさん)だとして、絶対受け入れられないと述べた。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

慰安婦問題 : 元慰安婦2人が来日 日韓合意を批判「間違っている」 (201

日時: 2016-01-26  表示:7228回

朝日新聞 2016年1月26日20時23分

 韓国人元慰安婦の女性2人が来日し、26日に衆議院議員会館で記者会見した。昨年末に日韓両国政府が慰安婦問題の解決に向けて合意したことについて「間違った合意だ」と批判し、改めて「公式謝罪と法的賠償」を日本政府に求めた。

 来日したのは、ソウル近郊広州市で元慰安婦が暮らす「ナヌムの家」から来た李玉善(イオクソン)さん(88)と姜日出(カンイルチュル)さん(87)。戦時中に旧満州(中国東北地方)で慰安婦をさせられたという。

 2人は政府間合意が被害者側への相談なく進められたことを批判。李さんは「事前の説明があるべきだった。私たちを無視して合意したのは受け入れられない」と憤った。姜さんは、岸田文雄外相が安倍晋三首相の「おわびと反省」を代読したことに「なぜ安倍さんが直接、謝罪に出てこないのか。今回は最後だと思って日本に来た」と話し、首相との面会を訴えた。

 ソウルの日本大使館前に建てられ、日本が撤去を求めている「少女像」について、李さんは「少女像に手を出してはいけない」。姜さんは「少女像の撤去は、私たちを殺すのと同じこと」と反発した。

 日本で元慰安婦の証言を疑う声があるとの質問に対しては、李さんは手を見せながら、戦時中につけられた傷痕があると語り、「ここに傷が残っているのは事実なのに、なぜ私たちがうそをついているというのか」と憤った。

 また「ナヌムの家」の安信権(アンシングォン)所長は、今回の合意に「最終的かつ不可逆的解決」との文言が盛り込まれたことについて「加害者が問題を早く終わらせたいという意味。被害者は今も悪夢を見ている」と語った。(中野晃、編集委員・北野隆一)

慰安婦問題 : 「慰安婦合意」という国際的な逸脱行為 (2016.01.13)

日時: 2016-01-13  表示:7383回

ハンギョレ  登録 : 2016.01.12 03:52 修正 : 2016.01.12 05:14

 旧ユーゴ戦犯裁判所で裁判研究官として勤務し、大学で国際刑事法を講義している筆者からすると、最近の韓日政府の慰安婦関連の合意内容には「国際犯罪」という側面を排除する非常に深刻な問題があるが、この部分については、あまり議論が行われていない。

 韓国、ドイツ、日本は「国際刑事裁判所の設立に関するローマ規程」に加盟している。3カ国とも罪刑法定主義を刑法の原則としているため、ローマ規定を履行する国内法を制定しなければならなかった。ドイツ、日本が第二次世界大戦の加害者であることを考慮すると、ローマ規定の履行立法において同じ立場を取り、韓国は2カ国とは異なる態度を示す方が、自然と言えるだろう。しかし、実際には、韓国とドイツは国際犯罪を処罰するための詳細な特別刑法を制定した。一方、日本は、国際刑事裁判所に対する協力法を制定したが、国際犯罪を処罰する履行立法は行わなかった。

 国際刑事裁判所に対する協力法には、国際犯罪の内容が含まれていない。性奴隷、強制労働、国家元首の免責否定、指揮官の責任のように、過去の国際犯罪、特に日本が聖域とする天皇の刑事責任に関する議論が実体法の立法過程を通じて議論されることを恐れたのだ。ローマ規定には、国際犯罪に責任がある者は、国家元首でも免責されないというニュルンベルク原則と、国家元首も部下の犯罪について指揮官としての責任を負うという指揮官の責任が規定されている。日本は、立法においてもドイツと異なり、過去から目をそむけたのだ。

 韓日両国の発表文は、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを強調した。最終的かつ不可逆という言葉は、今後、両国政府が合意した内容を超える一切の積極的な行動を取らないというものだ。発表文の内容は、主に国の責任に関するものであることを考慮すると、これは国の責任とは別の形の国際法上の責任、すなわち国際犯罪に対する個人の刑事責任を追及しないということだ。

 国際刑事法は国の責任を追及するのではなく、国際犯罪を犯した個人に対する刑事責任を取り上げている。国連人権(小)委員会に提出された報告書も、慰安婦に関連する犯罪者の処罰を提案している。両国政府はこれから、国際刑事法的アプローチに対するこれまでの無関心を超えて、今後これに関する政府としての議論さえしないという約束を正式に交わしたことになる。国家刑罰権の発動は、政府の意思にかかっている。慰安婦問題について、韓国政府が国際刑事法的アプローチを最終的かつ不可逆的に放棄すると、日本は国連や人権機構で韓国政府が慰安婦問題についての国際犯罪だと主張するかもしれないと、怯える必要がなくなる。

イ・ユンジェ亜洲大学法学部教授//ハンギョレ新聞社
 国際犯罪は被害者に深刻な精神的苦痛を残し、これは、被害者の年齢、性、脆弱性に応じてさらに深刻化する。国が正義の執行を拒否し、加害者に免罪符を与えることで、被害者の苦痛はよりひどくなる。約20万人の韓国女性が性奴隷になって言葉では言い表せない苦痛を経験しており、そのうちの少数だけが生きて帰ってきた。刑事処罰が現実的に困難であっても、刑罰権の放棄は政府が単独で交渉できるような事案ではない。

 国家刑罰権は主権の最も代表的な働きである。このような重要な問題に関する国家間の条約は、政府単独で決定できないように憲法で定められている。つまり、韓日交渉は主権の制約に関する条約の締結・批准に対する国会の同意権(憲法第60条1項)の侵害だ。また、国際刑事法は、個々の国が国際犯罪に対する処罰を放棄することを禁じている。国際犯罪に対する刑事責任には時効が適用されず、赦免も不可能だ。したがって、(今回の韓日間の慰安婦合意は)国際法的には国際刑事法違反となる。

イ・ユンジェ亜洲大学法学部教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-01-11 18:36

慰安婦問題 : [インタビュー]従軍慰安婦研究の吉見義明教授「日韓は

日時: 2016-01-09  表示:7580回

ハンギョレ 登録 : 2016.01.08 23:25 修正 : 2016.01.09 06:55

 日本国内の日本軍「慰安婦」研究の第1人者に挙げられる吉見義明・中央大教授(69)が、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」されたと宣言した韓日両国政府間の「12・28合意」を白紙化して、原点に立ち返るしかないという見解を明らかにした。 吉見教授はその理由として「この合意は被害者がとうてい受け入れられる内容ではないため」と指摘し、「今回の合意が実行過程に入ったとしても被害者は受け入れない。これは今回の合意では問題が解決されないということを意味する」と話した。

 吉見教授は、慰安婦問題に対する日本政府の認識に進展があったという韓国政府の主張に対しては「慰安婦制度を作った責任の主体が誰なのか、依然として曖昧なうえに、1993年の河野談話とは異なり“再発防止”措置については何も約束しなかった。 以前より後退したもの」と反論した。

 吉見教授は1992年1月、日本防衛研究所図書館で日本軍が慰安婦制度を作る上で深く介入していたことを明らかにした日本の公文書を最初に発掘した慰安婦研究の先駆者。 この文書発掘は慰安婦募集などの強制性と軍の関与を認めた1993年の河野談話につながる。 現在、吉見教授は、2013年5月に桜内文城・衆議院議員(当時、現日本維新の会所属)が彼の著書を“ねつ造”と攻撃したことに対する名誉毀損訴訟の1審判決(20日)を控えている。 この訴訟は慰安婦制度の性格に対する日本の司法の判断を要請したものという意味もあり、日本社会で大きな注目を浴びている。

-先ず12・28合意に対する評価を聞きたい。

 「結論から言えば、今回の合意では慰安婦問題は解決されないと考える。今回の合意は日本政府が韓国政府を追い詰めて(慰安婦問題の正しい解決に向けた)被害者の願いを封じ込める狙いがあると見られる。 色々な問題があるが、最も大きいのはやはり、(慰安婦制度を作り)女性に対する重大な人権侵害をした主体は誰か、という点だ。 責任の主体が相変らず曖昧だ。 (岸田文雄外相が先月28日に発表した内容によれば)『慰安婦問題は軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題』という表現が出てくる。 『軍の関与』ではなく『軍が』として主語を明確にしなければならない」

 「業者が介入した場合にも軍が主体で業者は従属的な役割をした。 軍に責任があるならば政府は被害者に“賠償”しなければならない。 しかし岸田外相は10億円の出資金は『賠償でない』と言った。 『日本政府は責任を痛感する』という表現で(以前と異なり)道義的という表現を抜いたとして喜ぶ人々もいる。 しかし結局、賠償ではなく法的責任を認めたものでもない。 結局、日本が痛感する責任とは何かという疑問が起きる。 業者が悪いことをして、日本政府がこれをまともに取り締まれなくて謝るということに過ぎない」

-韓国政府は1993年に出された河野談話と比較して進展だと主張している。

 「日本は河野談話の時とは違い、“再発防止”については何も約束しなかった。 河野談話では『歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ』という内容が含まれている。 しかし今回の合意は10億円さえ出せば何もしなくても済む構図が作られた。 河野談話より後退している。 一方で韓国政府は少女像の撤去のために努力するという義務を負うことになったし、国際社会でこの問題を再び取り上げないという約束までした。 岸田外相は、韓国政府が慰安婦関連証言と記録をユネスコ世界記録遺産として登録しないと話している。 こうして見ると、韓国政府が外交的に失敗したのではないかと考える。 被害者の立場からはとうてい受け入れられる内容ではない」

-慰安婦制度と関連した今までの研究成果によれば、日本に法的責任があるということが当然に見える。 これを認めることがなぜこれほど難しいのだろうか?

 「戦後70年が過ぎたが、日本は依然として植民地支配や戦争責任問題にまともに向き合えずにいる。 (韓国人には)申し訳ないが、これを克服するには時間がもっと必要なようだ。 米国もフィリピン支配やベトナム戦争に対してきちんと謝罪しないように、日本もなかなかそれが容易ではない。 しかし、このような状態が続くならば日本は東アジアや国際社会でまともに生きていけないだろうと考える。 多くの日本人がこのことを悟るまで「慰安婦問題は解決されていない」と主張し続けるしかない」

-慰安婦問題を巡って日本の革新勢力が何度も分裂を体験した。

 「結局(1995年の)アジア女性基金も、被害者の意志をきちんと聞かなかったために失敗してしまった。 今回も同じことをした。 当時、基金を推進した人々は日本政府や官僚が『この程度までしか受け入れないから、この程度にしよう』という考えがとても強い。 しかし、これを(このような考え方を)変えなければ問題は解決されない」

-合意以後に駐韓日本大使館前の少女像撤去問題が争点になった。

 「加害国が被害国に記念物のようなものを撤去しろと要求するのは、普通はありえない話だ。 ユネスコの世界記録遺産の登録問題もそうだ。 日本政府は河野談話で『永く記憶にとどめ』と国際社会に公約した。 従って日本政府は中国などと協力して(慰安婦関連証言と記録を)ユネスコ記録遺産に指定されるよう努力しなければならない。 特に実際の慰安婦関連資料はほとんど日本が持っている」

-現実外交的に国家間の約束を一気に覆すことは容易でないという指摘もある。

 「今回の合意が実行過程に入ったとして見よう。 被害者が受け入れなければどうなるだろうか? それでは合意の履行が不可能になる。 だから最終解決はされえないということだ。 日本ではすでにこの問題が解決されたと受け止めている。 日本は10億円の拠出を最後にすべての事業を韓国政府に押し付け、自身は何もしなくても済む。 これで全てが終わりということだ。 きわめてひどい話だ」

-今後、慰安婦運動は何を目標にすべきなのか?

 「結局、韓日両国政府が手を組んで被害者に『もうこれ以上は言うな』と押さえ込む構図を作った。 今回の合意は常識的に考えればありえない内容が含まれており、白紙に戻してもう一度考えなければならない。 時間がかかっても、困難に陥った時は根本に戻るしかない。 被害者たちが韓国社会で孤立した状態ならば困るが、(現在の韓国社会の雰囲気から見て)そうでないことは幸いだ。 この合意では日韓の相互信頼関係は作られない」

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-08 18:54

慰安婦問題 : (朝鮮日報日本語版) 「『帝国の慰安婦』は人格権・名誉権

日時: 2015-11-20  表示:7476回

朝鮮日報日本語版 11月20日(金)9時29分配信

 従軍慰安婦を「自発的売春婦」「日本軍の協力者」と表現した『帝国の慰安婦−植民地支配と記憶の闘争』の著者、朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授(58)が、ついに裁判にかけられることになった。

 ソウル東部地検刑事第1部(部長:権純範〈クォン・スンボム〉部長検事)は18日「朴教授を名誉棄損(きそん)の疑いで在宅起訴した」と発表した。

 検察によると、朴教授は2013年8月に出版した『帝国の慰安婦』初版で、客観的資料に反する虚偽の事実を摘示し、元従軍慰安婦の名誉を棄損した疑いが持たれている。

 朴教授は『帝国の慰安婦』で、従軍慰安婦は基本的に売春の枠組みの中にいる女性や自発的な売春婦であって、日本軍に誇りを持ち、日本軍と同志的関係にあったという記述を行った。

 朴教授は、著書に「朝鮮人慰安婦の苦痛は日本人娼妓(しょうぎ)の苦痛と基本的に異ならないという点を、まず理解する必要がある」と記した。

 また「実際に金をもうけた人は少なかったが、基本的に収入が予想される労働であって、そうした意味では『強姦(ごうかん)的売春』もしくは『売春的強姦』だった」と表現した。

 検察は、著書の記述のうち、従軍慰安婦が「売春の枠組みの中にいる女性や自発的な売春婦」「日本軍に対する誇りを持ち、日本人兵士を精神的・肉体的に慰める同志的関係にあった」という部分について、客観的資料に反する虚偽の事実だとコメントした。

 検察は、従軍慰安婦は被害者であると認められ、日本軍に自発的に協力していないことは客観的事実であって、朴教授が虚偽の事実を摘示して元慰安婦の名誉を棄損したと判断した。

 検察は、1993年8月4日の河野洋平官房長官の談話、96年1月4日に発表された国連人権委員会のクマラスワミ報告、98年8月12日に公開されたマクドゥーガル報告、2011年の憲法裁判所決定などを根拠に挙げた。

 検察の関係者は「朴教授の表現は、被害者の人格権と名誉権に重大な侵害をもたらし、学問の自由を逸脱した。良心の自由、言論・出版の自由、学問の自由などは憲法が保障する基本的な権利だが、朴教授の表現は元慰安婦の社会的価値と評価を著しく、かつ重大に阻害するもの」と強調した。

 昨年6月、元慰安婦11人が「本を書いた朴教授と発行した出版社の代表を処罰してほしい」と検察に告訴状を提出した。

 検察は、出版社の代表については嫌疑なしとした。

慰安婦問題 : 韓国「慰安婦」研究者を在宅起訴 ソウル地検「『自発的

日時: 2015-11-20  表示:7702回

産経新聞 11月20日(金)7時55分配信

 【ソウル=名村隆寛】韓国のソウル東部地検は19日までに、慰安婦問題の学術研究書「帝国の慰安婦」で慰安婦を「売春婦」などと表現し、元慰安婦の女性の名誉を毀損(きそん)したとして、著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授を在宅起訴した。

 問題とされた朴氏の著書は韓国で2013年に出版され、日本でも昨年、翻訳本が出版された。

 この中で朴氏は、慰安婦問題は「帝国主義体制下での女性の人権侵害だった」と指摘。一方で、慰安婦について「自発的な売春婦」で「日本軍とも同志的関係にあった」などの記述があるとして、元慰安婦ら約10人が「侮辱だ」と反発し、昨年6月に刑事告訴した。

 検察は、「慰安婦制度は強制的な売春」とした07年の米下院決議などを例示し、「元慰安婦は性奴隷同様の被害者であることが確認されている。日本軍に自主的に協力したわけではない」と判断したとしている。

 さらに「客観資料で記述は虚偽だと確認した」とし、「虚偽の内容で被害者らの人格権と名誉権を侵害し、学問の自由を逸脱している」と指摘している。

 同書をめぐっては、これまでに元慰安婦の女性らが損害賠償訴訟を起こしたほか、出版差し止めの仮処分も申請している。ソウル東部地裁は今年2月、内容の一部削除を求める仮処分を出した。

 同書は「問題部分」の文字を削除した上で出版された。

慰安婦問題 : 「慰安婦」研究の教授を在宅起訴 韓国検察 (2015.11.19)

日時: 2015-11-20  表示:7536回

日本テレビ系(NNN) 11月19日(木)21時15分配信

 韓国の検察当局は、世宗大学の朴裕河教授がいわゆる「従軍慰安婦」について書いた「帝国の慰安婦」が、元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴した。

 朴教授は慰安婦問題を日韓双方の視点を取り入れながら研究しているが、慰安婦について、「日本軍の兵士と同志的な関係だった」などと表現したことについて、元慰安婦が刑事告訴していた。

 検察当局は、「虚偽の内容であり、学問の自由も逸脱している」としている。朴教授は、「検察がきちんと検証をしたとは思えず、失望した。裁判で争うつもりだ」とコメントしている。

慰安婦問題 : 慰安婦問題:朝日報道 メディアで飛び交う「売国・国賊」

日時: 2014-10-19  表示:7855回

毎日新聞 2014年10月17日 17時34分

 ◇田原総一朗さん「メディアが使うのまずい」 渡辺治さん「右翼が攻撃に使った用語」

 売国、国賊、国辱……。21世紀、平成ニッポンとは思えない言葉が飛び交っている。従軍慰安婦問題などを巡り、誤報記事を取り消した朝日新聞に浴びせられるこのフレーズ、インターネットの匿名掲示板などではなく今やメディアが乱発している。さすがにおかしくないか?

 外国人観光客も多い築地市場を望む朝日新聞東京本社(東京・築地)。ここで週2回、保守系団体による抗議集会が続いている。

 10日昼の集会に参加したのは十数人。植え込みに日の丸やプラカードを林立させ、朝日新聞不買を訴えるTシャツを着たメンバーが「『従軍慰安婦』は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」と記されたビラを配っていた。「こんなことは言いたくないが、朝日新聞は地獄に落ちろと言いたい!」。スピーカーを使った演説に、メンバーから「そうだっ」と合いの手が入る。

 向かいのブロックには国立がん研究センター中央病院がある。病院前でのスピーカーの音量は気になるが、その言葉遣いについて、もはや驚かない自分がいる。

 何せ、朝日新聞が記事を取り消した8月上旬から「朝日新聞 『売国のDNA』」(週刊文春9月4日号)、「中国共産党に国を売った」(同9月18日号)、「1億国民が報道被害者」(週刊新潮9月4日号)、「売国虚報32年」(同9月25日号)、「廃刊せよ! 消えぬ反日報道の大罪」(月刊誌「正論」10月号)、「言い逃れできぬ『慰安婦』国辱責任」(同11月号)……といった文字・記事が書店やら電車の中づり広告やらにあふれているのだ。

 例に挙げたのは、いずれも大手出版社や新聞社が発行する媒体だ。誤報は批判されて当然だが、このおどろおどろしい言葉遣いは何なのか。

 時に朝日新聞以上のバッシングを浴びてきたかもしれないジャーナリストに聞いてみた。討論番組の司会でおなじみ、田原総一朗さん(80)だ。

 「僕は朝日新聞を『売国奴』とは思いません。当然、彼らは日本を愛していますよ」とストレートに切り出した。

 「朝日が主張したのは戦時中の日本の軍隊は決して良くなかったんだ、ということです。その要因の一つに慰安婦問題があり、追及する過程で『吉田証言』を報じた。でもそれは虚偽だった。それは『売国』行為なのでしょうか」

 自身も左派からは「体制の犬」、右派からは「売国奴」などと言われ続けてきたという。「一番すごかったのは靖国神社参拝問題かなあ。『A級戦犯がまつられている以上、首相参拝はダメだ』と言ったら、『田原は国賊だ』という視聴者からの電話やらファクスやらがじゃんじゃん来て。ま、あえて波風を立てるのがジャーナリストの仕事ですからねえ」

 自身への批判はさほど意に介する様子はないが、話題が朝日新聞批判に戻ると声色が沈んだ。

 「売国、国賊、ですか。本来、決してメディアや言論人が使ってはならない言葉です。視聴者からの批判と違って、メディアがこの言葉を安易に使うのはまずいな、と心配しています……」

 それはなぜか。

 「今起きているのは、戦後70年で初めてと言える、重大な社会現象と捉えるべきです」。日本政治史に詳しい一橋大名誉教授、渡辺治さん(67)を訪ねると、嘆息しながら想像以上に重い言葉が返ってきた。渡辺さんは、売国、国賊という言葉がこれほど“市民権”を得たのは、ごく最近だと見る。

 戦前でいえば、例えば1918年、シベリア出兵など当時の国策を批判した大阪朝日新聞を政府が弾圧し、さらに右翼が襲撃する事件(白虹事件)があった。この時、社長は右翼に縛られ、首に「国賊」と記された布を巻き付けられたが「右翼の活動家の世界でのことで、今の『朝日バッシング』のような社会的な広がりはなかった」という。

 なぜなら、戦前は新聞紙法や治安維持法などの言論弾圧法があり、政府が危険視する言論は国民の目に触れる前に封殺されたからだ。法律で取り締まれないリベラル派政治家に対し、右翼団体が使ったのが「売国」「国賊」という言葉で、現在のようにちまたに氾濫する言葉ではなかった。

 「状況が一変するのは30年代の満州事変以降、政府が国民を戦争に引っ張る時代です。政府は戦争に反対・批判する言論を容赦なく取り締まり、『非国民』『売国奴』というレッテルは、戦争に消極的な言論や言論人に向けられ、マスメディアをより積極的な戦争協力に駆り立てるために使われたのです」

 戦後、言論への弾圧法はなくなった。自民党政権も軍事力による海外進出は志向せず、安定的な高度成長を目指した。売国、国賊という言葉は、国策面で必要とされなかった。

 この言葉を振り回したのは戦前同様、過激な右翼団体だ。記者が殺害されるなどした朝日新聞襲撃事件(87〜88年)や長崎市長銃撃事件(90年)、河野洋平元衆院議長らが脅迫された建国義勇軍事件(2002〜03年)、加藤紘一元自民党幹事長宅放火事件(06年)などの政治・言論テロの犯行声明や脅迫文、裁判陳述で頻出する。

 「そんな言葉を大手メディアが使い出したのは驚くべき事態です。考えてみてください。『オレは売国奴だ、国賊だ』と思っている人がどこにいますか? 『改憲に賛成か反対か』という議論と違い、『売国か愛国か』という議論など成り立ちません。つまりこうした言葉は自由な言論を生むのではなく、言論封殺のための暴力でしかない。朝日の誤報問題とは別次元の深刻な問題です」と渡辺さんはショックを隠さない。

 田原さんも「売国とか国賊という言葉は相手を問答無用でたたきつぶし、致命的な打撃を与える言葉です。このような言葉を吐くことで、何か自分が『正しい側にいる』『勝った』ような気になるのでしょう。本当に自分の主張や考えが正しい自信があるのなら、こんな言葉は決して使いません。特に自由で多様な言論によって立つメディアが使う言葉ではない。メディアの自殺でもあるし、民主主義の否定につながりかねません」と目を怒らせた。

 批判と罵倒は異なる。メディアやジャーナリスト、作家らが、「言論を封殺する罵倒語」を使えば、それは当然市民にも広がっていく。
 ◇高橋源一郎さん「容認こそ問題」

 作家、高橋源一郎さん(63)は「批判とレッテル貼りは違う」と指摘する。「『国家の敵』は世界共通のレッテルで、みんなでたたくいじめと同じです。昔はこんなことをやっていいのかという意識があったが、今は一線を越えてしまっている」。さらに「売国とか国賊とか反日とかいう言葉へのメディアの批判が少ないことに驚いています。批判しないことは容認することと同じだからです。僕ははっきり言ってこっちの方が重大な問題だと思う。かつてナチスについて、ドイツの知識人はまともに相手せず批判しなかった。そのナチスは政権を取ってしまった。日本だって、言論を圧殺するような連中が政権を取らないとは限りません」。

 朝日新聞の論壇時評(9月25日付)で高橋さんは「誤報は擁護のしようもないし、批判を受け入れるべきだ」と書いたうえで、米国の作家、スーザン・ソンタグさん(04年死去)を紹介した。彼女は01年の米同時多発テロ直後「まず、共に悲しもう。だが、みんなで一緒に愚か者になる必要はない」「現実を隠蔽(いんぺい)する物言いは、成熟した民主国家の名を汚す」と反撃にはやる米国民をいましめた。

 「ソンタグは国中から怒りを買い『売国奴』と見なされましたが、それでも発言を続けた。母国が憎悪にかられて暴走するのを止めたかったのでしょう。僕は彼女のような人が愛国者だと思う」

 そのうえで「従軍慰安婦についての朝日の誤報が日本をおとしめた」という論調に一番違和感があると強調する。「戦後の朝日新聞がだれかを殺したり、女性を暴行したりしたでしょうか。日本を本当におとしめたのは、軍事力をもって他国に踏み入った戦前の日本国と日本軍ではないですか? 批判すべき先を間違っていませんか」

 淡々と、自らに言い聞かせるように続けた。「ソンタグが9・11直後、即発言できたのは日ごろから自分の思想を鍛えていたから。今こそ、私たちの知恵と勇気が試されているのではないでしょうか」

 言葉は、発する者を映す。心して選ばねばなるまい。【吉井理記】

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