ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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支援 : 安倍政権8000万円削減 性暴力被害者ワンストップ支援

日時: 2019-10-28  表示:72回

『しんぶん赤旗』2019年10月27日(日)

「半額補助」守らず

 性暴力被害の相談を受け支援するワンストップセンターの運営費(機能強化を含む。2018年度)をめぐって、安倍内閣は、国の財政支援が総計で2億5000万円(44カ所)必要だったのに予算の範囲に収めようとして、24カ所で計8000万円削減していたことが分かりました。予算不足への対応が急務となっています。

 性暴力被害者ワンストップ支援センターの運営は、各都道府県の事業です。国は「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」(17年度新設)で、運営費の2分の1を補助するとしています。

 本紙が情報公開請求した資料によると、交付金を申請した44都道府県の運営費は5億477万円。2分の1の2億5238万円が交付金所要額とされました。しかし、交付金の予算額は1億7280万円です。実際の補助は3分の1にとどまります。

 首都圏のある県の交付金申請文書に添付された県予算見積調書には、「補助率1/2だが、他県の内示状況を参考に1/3で積算」と書かれています。

 少ない予算に合わせるために、安倍内閣は二つの方法を使いました。

 一つは、支援センターの運営費基準額(1カ所)の設定です。これにより交付決定額を1億7531万円に減らしました。それでも予算額を251万円上回るとして、二つ目の方法を使います。基準額を超える24都府県が、超過分の一律4・86%削減される羽目に遭いました。

 運営費の大半は被害者の相談・支援にあたるスタッフの人件費です。

 政府は、相談員の人件費について、国の積算基準は、「平日8時間、2人分、単価は1時間当たり、申し訳ないながら1000円」としています(3月12日、参院内閣委員会。日本共産党・田村智子参院議員の質問に渡邉清・内閣府大臣官房審議官が答弁)。

 しかし、「2人体制、時給1000円」という人件費をもとに設定された国の基準額では、支援センターの運営は困難です。
各地の性暴力被害者ワンストップ支援
国の基準 実態とかい離

 各都道府県の事業である性暴力被害者ワンストップ支援センターに対して、国は、交付金で運営費の2分の1を補助するとされています。しかし、情報公開請求資料から2018年度の交付金(44都道府県が申請)を見ると、24都府県で補助が削られています。

 関東地方のA支援センターは平日午前9時から午後5時まで、年1708時間の運営です。被害者支援にあたるスタッフは常勤2人(月給)、非常勤(1日6時間)1人。他に被害者の希望を聞き、必要な支援を提示するコーディネーター(非常勤)が配置されています。国の基準とする「2人分」では運営が困難であることがわかります。

 被害者に付き添う同行支援ボランティアの賃金と交通費。これに事務所管理費などを合わせると運営費は1099万円です。交付金は359万円(運営費の32%)です。東北地方のB支援センターは平日10時〜午後8時と、土曜午前10時〜午後4時の年2728時間運営とされています。

 運営を委託している団体との契約では、スタッフは相談員・支援員をセンターに最低でも2人配置し、病院や司法関係者などへの付き添い支援も必要です。同センターの特徴は、男性の相談員の配置です。毎週土曜には、男性による対応を希望する相談者のために、相談員・支援員のうち1人は男性を配置することが委託契約に入っています。

 運営費は853万円。本来の2分の1補助なら交付金は426万円ほど。しかし、国の基準額(410万円)に抑えられた上、超過分に一律4・86%の削減(3万円)が加わり、407万円の補助となっています。削られたのは19万円ほどですが、男性相談員の賃金(年47万円)と比べると、その重さが実感できます。

 24時間365日運営(年8760時間)の場合、運営費に対する実際の補助率は最も低い県で14%です。運営費5301万円に対し交付金は740万円です(基準額は760万円)。夜間、休日の相談員・支援員の体制を平日の日中と同様の体制で支えています。

 一方、夜間・休日をコールセンター企業のダイヤル・サービス社に委託している県も少なくありません(図)。北陸地方のある県は、約288万円で同社に委託しています。また、同じ北陸地方の別の県は約340万円で同社に委託しています。2県の委託料を合わせてやっと夜間・休日の1人分の人件費が出てくる勘定です。こうした体制が、性暴力被害の相談を受け心身のケアにあたる支援センターとして適切なのか検討が必要です。

支援 : 婦人相談所強化へ新法検討 DV・AV強要など対応 (2019.09.

日時: 2019-10-05  表示:140回

『しんぶん赤旗』2019年9月19日(木)

 厚生労働省が、自治体が設置している婦人相談所の機能を強化するため、根拠法を売春防止法(売防法)から新法に改める検討を始めたことが、18日までに明らかになりました。性暴力やドメスティックバイオレンス(DV=家庭内や恋人間の暴力)、アダルトビデオ(AV)への出演強要などによる女性の被害にも、より十分な対応ができるようにすることを目指し、来年の通常国会にも法案を提出する方針です。

 婦人相談所を含む婦人保護事業をめぐっては、先の通常国会の参院厚労委員会(6月18日)で日本共産党の倉林明子議員が、「社会の善良な風俗を乱す」女性の補導を目的とする売春防止法が根拠法であることを厳しく批判し、国連の女性差別撤廃委員会の勧告も同法は女性差別規定だと指弾していると指摘。同法の「抜本的な見直し」を強く要求するとともに、婦人相談員の体制強化や被害女性保護で先駆的役割を果たしてきた民間シェルターへの財政支援も要求していました。

 困難を抱える女性への支援を議論した厚労省の有識者検討会でも「(売春防止法が根拠では)本来の意味での女性支援は成立しない」などと見直しを求める意見が相次いでいました。

 新法では、婦人相談所が支援対象とする女性を「更生すべき存在」と位置付けているのを改め、さまざまな課題に対応しやすくする見通し。被害女性が公的な支援の存在を知らなかったり、支援を求める発想に至らなかったりするケースも想定し、住民に身近な市町村や福祉事務所、児童相談所、支援活動に携わるNPOなどと連携を強化する条文も盛り込む方向です。

支援 : 婦人相談所強化へ新法検討=AV強要、JKビジネスも対

日時: 2019-09-17  表示:193回

時事通信 2019年09月16日

 厚生労働省は、都道府県が設置している婦人相談所の機能を強化するため、根拠法を売春防止法(売防法)から新法に改める検討を始めた。アダルトビデオ(AV)への出演強要や女子高生らに接客させる「JKビジネス」といった若い女性を狙った新たな性被害などにもより十分な対応ができるようにする。早ければ来年の通常国会に法案を提出する方針だ。
 売防法は婦人相談所の設置目的について、売春を行う恐れのある女子の保護更生と定めている。これに関し、問題を抱える女性への支援を議論した厚労省の有識者検討会では「(同法が根拠では)本来の意味での女性支援は成立しない」などと見直しを求める意見が相次いだ。
 また、近年は「高収入のアルバイトがある」などとだまして誘うAV出演の強要や、JKビジネスが社会問題化。政府は2017年から毎年4月をこれらの被害防止月間として啓発活動を展開している。

支援 : 性被害支援 渋る国 47都道府県 本紙調査で判明 「財源

日時: 2018-07-30  表示:831回

しんぶん赤旗 2018/7/30

 性暴力被害者の心身のケアを一カ所で行う「ワンストップ支援センター」への国の財政支援の拡充を地方自治体が強く求めていることが、本紙の47都道府県への調査で分かりました。支援センター運営安定化の国の交付金が昨年度に比べ今年度少なくとも8都県で減額されており、24時間365日開設の自治体からは「財源不足」との声があがっています。(武田恵子)

 本紙は、47都道府県の支援センター担当部署に、開設電話や今年度の事業経費(うち国の交付金)について聞きました。

 支援センターは7月までに45都道府県につくられ、残る2県も10月までの設置が決まっています。電話相談を年間通じて24時間行っているのは15都府県の支援センター。うち6県は夜間や休日を別のコールセンター(ダイヤルサービス)で対応していると答えています。

 支援センターの設置を促し運営の安定化を図る「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」は昨年度と今年度、国の予算に盛り込まれました。昨年度は1億6300万円で37都道府県に交付されています(内閣府ホームページ)。

 今年度の国の交付金の予算は1億8700万円。今年度に支援センター設置の5県を含む44都道府県に交付されています。

 今年度の国の交付額について33都道県が回答しました。

 「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」要綱によると、運営費など対象経費の2分の1(医療費は3分の1)を交付するとしています。しかし、都道県の事業経費予算に占める国の交付金比率が40%を切ったのが半数以上にのぼりました。交付に必要な条件が整わず「ゼロ」と答えた県もありました。地方の負担が重くなっていることがわかりました。
「市も対象に」■支援員育成・確保も
性暴力被害者支援センターへの援助

 性暴力被害者の心身のケアを一カ所で行う「ワンストップ支援センター」への国の財政支援が「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」です。

 今年度の国の交付金が昨年度より減ると見込まれるのが少なくとも8都県あることが本紙の調査でわかりました。

 そのうちの一つ、東京都は、昨年度と事業経費予算が変わらないのに国の交付金が400万円近く減り、「財源不足」と回答しています。

 都は、民間支援団体「性暴力救援センター・東京(SARC東京)」と連携して、24時間365日相談を受けつけています。約50人の相談員(非常勤)が交代で常時2人の支援体制をとっています。

 国の交付金の対象が都道府県に限られ、市の相談支援事業が交付金の対象になっていない点を指摘する声もありました。

 北海道の「性暴力被害者支援センター北海道SACRACH(さくらこ)」は道と札幌市が共同して設置しています。交付金の対象は道だけで「札幌市の負担は対象となっていない」(道の担当部署)としています。また、函館市が設置している、性暴力被害対応チーム「函館・道南SART(サート)」の相談支援事業も「交付金の対象になっていない」(同)としています。

 国の財政支援について、「全都道府県に支援センターが設置された後、国の交付金は継続されるのか」との不安の声が聞かれました。昨年度、設置を促す国の交付金がつくられるまで、民間支援団体の独自のとりくみと自治体の支援にまかされてきました。こうした事情を踏まえ、各県の回答には、「事業の継続には予算の確保が課題」として国の交付金の継続を求める声や「国の交付金の拡充」など増額を求める声がつづられています。

 相談を受け、関係機関へ付き添いもする支援員・相談員の体制についても聞きました。常勤2人(賃金は月給。所長36万円、支援員28万円)と7人の非常勤(時給1100円)で支えている支援センターがある一方で、非常勤やボランティアが支えている支援センターも少なくありません。支援員・相談員の体制についてある県は「15人の非常勤。時給840円」と答えています。別の県は「20人のボランティア。手当は1時間当たり400円」と回答しています。

 支援員の育成や確保も課題となっています。ある県は、「専門的な知識を要する支援員の育成に長期の時間を要する」と答え、別の県は、「相談業務経験や性被害に関する知識等を有する相談員の計画的な確保に苦慮している」と回答しています。支援員の育成と確保、待遇改善に国の財政支援が求められています。
予算大幅増額と支援法案成立を

 本村伸子・日本共産党衆院議員の話 レイプ被害者は、未成年者も多く、交通費などお金もないなかで、夜中であっても被害にあったときに被害者に寄り添った適切な相談、医療的、心理的支援などをワンストップで受けられる身近な場所が必要です。72時間以内の緊急避妊剤経口投与や、シャワーなどを浴びる前に一刻も早い本人の意思にそった証拠採取も行わなければなりません。

 私の国会での質問に野田聖子総務相は、「都道府県のさまざまな実態やニーズに応えられるよう、(性犯罪・性暴力被害者支援)交付金の使い勝手の改善には引き続きしっかり取り組んでいきたい」と答弁しました。支援内容、体制を充実し、箇所数を増やすためにも予算の大幅増額とともに「性暴力被害者支援法案」の成立が急がれます。

支援 : 性犯罪相談や治療一元化 静岡県、被害者支援センター開

日時: 0146-11-13  表示:840回

静岡新聞 2018/3/20(火) 7:32配信

 静岡県は性犯罪や性暴力に遭った被害者が治療や相談などの総合支援を1カ所で受けられる「性犯罪等被害者ワンストップ支援センター」を7月、静岡市内に開設する。被害者からの相談を一元的に受け付けるとともに、迅速に医療機関や警察に橋渡しして被害者の負担軽減を図る。2018年度当初予算に関連経費1950万円を盛り込んだ。

 県くらし交通安全課によると、性犯罪被害者はこれまで警察に被害届を出さないと、医療面で専門的な支援を受けることができなかった。その上、被害者が病院や警察などに自ら足を運び、繰り返し被害状況を説明しなければならず、二次被害を受ける懸念もあった。

 センターには、女性相談員2人が平日の午前9時から午後8時まで常駐し、夜間や土日なども電話対応する仕組みを整える。365日24時間態勢で相談に応じ、臨床心理士や産婦人科医、弁護士、警察とも連携する。警察や病院に行く時には相談員が付き添い、被害届を出さなくても医療費の一部を支援する。男性被害者にも対応する。

 県内では強制性交や強制わいせつなど、性犯罪の被害届が年間約180件出されている。ただ、性犯罪に遭って被害を届け出るのは2割程度とされ、県内だけでも実際には年間約1千件が発生していると推計される。

 内閣府が15年3月に公表した調査結果によると、女性の性暴力被害者のうち「誰にも相談しなかった」と答えたのは67・5%。近親者や会社の同僚など、顔見知りから被害を受けるケースが多く「自分さえ我慢すれば」と抱え込んでしまう場合が多いという。

 県は警察よりも相談の敷居が低い施設を設置することで、泣き寝入りや被害の潜在化を防ぐ。同課の担当者は「被害者には自分に責任があると思い込む人もいるが、そう思わず一度相談してほしい」と話す。

支援 : ポルノ、性暴力被害の根絶へ NPO法人「PAPS」が始動 (2018.01.

日時: 2018-01-24  表示:932回

週刊金曜日 2018/1/16(火) 17:29配信

 ポルノの制作・流通・消費によって生じているさまざまな人権侵害や性暴力に関する啓発、被害者支援、調査などを2009年5月から任意団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS=ぱっぷす)」として行なってきた婦人保護施設や児童施設の職員、研究者、ソーシャルワーカー、弁護士らが12月、調査研究や社会啓発をより充実させるためNPO法人を設立。これを記念して12月10日、東京・千代田区で行なったシンポジウムには市民ら約80人が参加。アダルトビデオ(AV)出演強要被害事件の実相についてソーシャルワーカーの金尻カズナ氏、弁護士の笹本潤氏が報告した。2氏は相談に関わった数事例を挙げ、AV産業の舞台裏を紹介した。

 最初は手や足など体の一部分だけを使った「パーツ・モデル」募集のサイトを検索して連絡したところ、撮影会のモデルだと説明され、面接に応じると1回3000円の収入になるというバイトも紹介された。数日後、会場に行ったらAV面接だったという。

 ネット広告、スカウト、プロダクション、制作会社、AVメーカー、販売店、動画配信会社が分業する重層構造の仕組みが裏側に出来上がっており、出演を断ったり、指示に従わなかった場合には、それぞれが法外な違約金などを請求できる巧妙な「専属芸術家契約書」、「営業委託契約書」「出演同意書」が被害者との間に交わされているという。こうした実態は「危険性についての説明を回避された契約奴隷状態だ」と述べた。

 さらに、陰部にモザイクがかからない無修正動画ビジネスはより深刻で、日本の業者が撮影画像をオランダ・アムステルダムや米国・ネバダ州、カリフォルニア州などの業者に転売して配信されている点について「タックス・ヘイブンならぬポルノ・ヘイブンだ」と批判した。
PAPSのHPは URL www.paps-jp.org。

支援 : 全国初、性犯罪被害の偏見防ぐ条例 福岡県議会が提案へ

日時: 9110-11-13  表示:941回

西日本新聞 2018/1/19(金) 9:35配信

 多発する性犯罪を防ぎ、被害者を支援する新たな条例案を福岡県議会が議員提案する方向で検討していることが分かった。被害者を孤立に追い込む誤解や偏見をなくすため、県民の教育、啓発に重点を置く内容となる見込みで、早ければ3月末の条例案提出を目指す。子どもの性犯罪被害防止を主眼とした条例は大阪府などにあるが、性犯罪全般を対象にした条例は都道府県で初めてとなる見通し。

 福岡県議会関係者によると、主要4会派は昨春から、犯罪被害者支援条例の制定を検討してきた。ただ、県内の性犯罪認知件数が高い水準にあることが協議の中で指摘され、性犯罪に絞った条例を別に定める方針が固まった。

 条例案には、県の義務として、性犯罪を許さず、被害者を支える機運を県民に醸成することを明記。「露出の多い服装の人が被害に遭う」「本当に嫌なら必死に抵抗するはず」など被害者側にも非があるような言説が誤りだということを学校で教え、教職員にも研修を課すよう県に求める内容などを検討している。
人口10万人当たりの性犯罪認知件数、8年連続で全国ワースト2位

 性犯罪に関する条例では、大阪府が子どもへの性犯罪前歴者に住所の届け出を義務付け、奈良県は13歳未満に対する不審な声掛けなど性犯罪の前兆になり得る事案を規制している。福岡県議会の4会派は、こうした犯罪抑止策をどう盛り込むかも協議している。

 一方、犯罪被害者支援条例案には、性犯罪を含め被害者に対応する市町村窓口の設置、殺人事件で遺族が加害者側から損害賠償を受ける際の支援などを盛り込む予定。県議会は二つの条例案を同時提出する方針。

 福岡県内の2017年の性犯罪認知件数は411件で、人口10万人当たりの件数は8年連続で全国ワースト2位。県警は性犯罪抑止を「暴力団の壊滅」「飲酒運転の撲滅」と合わせて三大重点目標に掲げている。

=2018/01/19付 西日本新聞朝刊=

支援 : <性暴力相談>24時間化カギ 全国39カ所中わずか3

日時: 2017-05-28  表示:1636回

毎日新聞 2017/5/28(日) 6:50配信

 政府が各自治体に設置を促しているワンストップ型の性暴力被害者の相談窓口で、4月時点で24時間化を実施しているのは全国39カ所のうち11カ所の3割程度にとどまっていることが、毎日新聞の取材で分かった。24時間化した窓口では相談件数が急増しており、専門家は未実施の自治体でも検討を急ぐよう求めている。

 ワンストップ型の相談窓口は、性暴力の被害相談に対して医療、心のケア、法的支援などを一つの窓口で総合的に支援するもの。政府は、自治体が設置に関与する公的な被害者支援機関を2020年までに各都道府県で最低1カ所設けられるよう呼びかけている。

 毎日新聞が全都道府県などに取材したところ、自治体が関与する窓口は4月時点で38都道府県39カ所あり、うち24時間相談を受け付けているのは11カ所だった。九州・山口・沖縄の9県で24時間化しているのは福岡と熊本両県の2カ所のみで、山口県は今年度中に実施する方針という。

 福岡県の「性暴力被害者支援センター・ふくおか」は15年12月から受付時間を15時間から24時間に拡大。その後の1年間で1237件の相談があり、24時間化前の前年同期(705件)より約1・8倍に増えた。かつて相談を受けていない深夜などに「死にたくなって、話す相手がおらずにかけた」と初めて相談が寄せられたケースもあったという。

 センターは24時間化にあたり、約20人だった相談員をほぼ倍に増員。県もセンターの運営などにあてる予算を約1525万円(14年度)から約3312万円(16年度)に倍増させて運営を支援する。

 熊本県は15年6月、「くまもと被害者支援センター」で受けていた性被害相談を独立させて「ゆあさいどくまもと」を設立し、24時間化した。昨年5月までの24時間化後の相談件数は1年間で795件で、前年同期の5・3倍に達した。県はゆあさいど設立のために15年度、約1700万円を支出して相談員30人を確保した。

 24時間化に踏み切れない鹿児島県の担当者は「相談員の確保が難しく費用もかさむ」と漏らし、厳しい地方財政が浮かぶ。また、長崎県の窓口の担当者は「専門技術を身につけた相談員の養成が必要だ」などと人員面での課題も指摘する。

 精神科医で犯罪被害者支援にも携わる小西聖子・武蔵野大教授は「性暴力は夜間に発生する傾向があり、真夜中は悪夢や記憶がよみがえることが多い。こうした時間帯に電話相談できると、被害者が救われる可能性が高まる。適切な対応が、うつ病や自殺の減少につながる点を考慮して、行政は公的支援に本腰を入れて24時間化を図るべきだ」と話した。【菅野蘭】

 ◇公的支援の拡充を

 ワンストップ型の相談窓口の24時間化には財源確保が欠かせないが、自治体が設置に関与しているにもかかわらず、運営費の財政支援を受けていない窓口が4月時点で6カ所あったことも分かった。

 運営費の財政支援を受けていない窓口は、病院が事業として開設したり、民間団体が寄付金や募金などを活用して運営したりしていた。

 国は今年度から各地の窓口支援に充てるため約1億6000万円の予算を計上した。

 賛助会員の会費などで運営している埼玉県の窓口担当者は「夜間まで相談の時間帯を延長したいがマンパワーが足りない。公費投入があればより一層の被害者支援の充実が図れる」と公的支援の拡充を求めている。【菅野蘭】

支援 : 性暴力被害、支援施設整備を後押し 国が交付金 (2017.01.08)

日時: 2017-02-10  表示:1981回

共同 2017/1/8 21:30

 政府は、レイプなどの性暴力に遭った被害者が治療や相談を一カ所で受けられる「ワンストップ支援センター」を全都道府県に整備するため、2017年度の予算案に交付金1億6千万円を初めて計上した。これまで資金難にあえいできた各地のセンター関係者は「助かる」と歓迎しており、未開設の県の後押しにもなりそうだ。

 性暴力の被害者は心身に深い傷を負い、警察などに相談できない人も多い。ワンストップ支援センターは“駆け込み寺”としてそうした被害者を受け止め、心身の傷を癒やし、後日告訴ができるよう証拠を保存。警察や弁護士への相談にも同行するなどして支える。

 国は20年までに各都道府県に少なくとも1カ所設置することを目標に、12年に「開設・運営の手引」を公表。昨年12月1日までに34都道府県が設置したが、公的な資金援助は乏しかったため、財源確保が課題だった。

 新設されるのは、性犯罪・性暴力被害者の支援体制整備促進の交付金。センターの開設費や運営費のほか、警察に相談しなかった被害者の医療費、医療関係者や相談員の研修費などが対象となる。自治体が負担した経費の2分の1または3分の1を国が補助する。

 全国で初めて10年に大阪府の民間病院に開設した「性暴力救援センター・大阪」(SACHICO)は現在、運営費のほとんどを寄付金でまかなっている。24時間体制で対応する相談員の人件費や、被害者への医療費補助などがかかり、資金不足は深刻だ。

 代表の加藤治子医師は「寄付に頼った活動には限界があり、交付金がなければやっていけない」と訴える。まずは自治体が被害者支援の予算を組まなければ交付金も支給されないので「各自治体は早急に予算を計上してほしい」と強調した。

 12年にセンターを開設した佐賀県の担当者は「センターは法律に基づくものではないため、設置に消極的な自治体もあったと思う。国が交付金で後押しすれば、全国的な整備がより一層進むだろう」と期待を込めた。今後設置を検討するという山梨県の担当者も「開設には資金や人材の確保が課題となるため、交付金の創設は前向きな検討につながる」と喜んだ。〔共同〕

支援 : 性的被害支援へ新交付金 (2016.12.22)

日時: 2016-12-23  表示:2423回

時事通信 12/22(木) 16:47配信

 政府が22日閣議決定した2017年度予算案に、性犯罪・性暴力の被害者を支援するための1億6000万円の交付金新設が盛り込まれた。

 緊急避妊措置や性感染症検査などの医療費やカウンセリング費用を負担する。

 地方自治体が実施する支援措置の経費の2分の1から3分の1を補助する。一つの施設で被害者の相談や治療が可能な「ワンストップ支援センター」の設置を加速させるため、自治体のセンター運営経費も助成する。 

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