4月20日12時14分配信 中日新聞
【三重県】犯罪被害者やその家族の5割が「誰かがそばにいてほしい」と感じ、事件に触れず普段通りに接してくれることを望んでいる?。県警が初めて実施した「犯罪被害者支援に関する県民意識調査」で、犯罪で傷ついた人々の胸中が浮き彫りになった。県警は、支援メニューづくりや啓発活動の資料として活用していく。
調査は県民1120人から回答を得た。そのうち122人が、過去に殺人や交通事故、性犯罪などの被害に遭ったり家族が巻き込まれたりした。
被害者と家族たちに精神的な安定につながった周囲の言動を問うと「事件のことはあえてふれずに普段通りに接する」が35・2%でトップ。一方で傷ついた言動は「運が悪かったと偶然を強調する」「叱咤(しった)激励する」が続いた。
事件直後と半年後にそれぞれ必要だと思う支援を3つ挙げてもらうと、直後は「事件についての相談相手」が50%と最多で「警察との応対の手助け、付き添い」が23・8%と続いたが半年後は「相談相手」22・1%の次に「そっとしておいてもらう」が19・7%と多かった。
犯罪の被害にあったことのない一般県民が抱く被害者像と、実態にずれがあることがうかがえる数字も。調査では、一般県民の62・7%は「犯罪被害者はカウンセリングなど精神面のケアを受けている」と考えているが、実際に「受けられた」と回答した被害者と家族は7・4%にすぎなかった。事件の過失や原因が被害者にもあるか尋ねると、一般県民の55・1%が「ある場合もある」と答えた。