ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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ポルノ被害 : リベンジポルノ 防止法2年 後絶たぬ 支援団体「拡散前

日時: 2017-01-24  表示:1861回

毎日新聞2017年1月23日 東京夕刊

 別れた交際相手の性的な写真や動画をインターネットに流すなどする「リベンジポルノ」の被害を防ぐためにできた法律の施行から2年が過ぎた。警察に相談が寄せられて加害者の一部が処罰されているものの、周りに知られることを恐れて通報をためらったり、流出におびえ続けたりする人も多い。専門家は「法律ができて問題が解決したわけではない」と指摘している。【近松仁太郎】

 リベンジポルノ被害防止法は2014年11月に施行された。被写体が特定できる形で裸の画像や映像をインターネットで不特定多数に提供すると3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを使って特定の少数者に拡散目的で提供した場合も処罰される。警察庁によると、15年にリベンジポルノに関連して警察に寄せられた相談は1143件。このうち同法違反(53件)や脅迫(69件)の容疑などで276件が立件された。

 一方、画像の削除に取り組む一般社団法人「セーファーインターネット協会」(東京)の吉川徳明・違法有害情報対策部長は「警察への通報や処罰を望まず、誰にも知られずに削除してほしいという相談者が圧倒的に多い」と説明する。協会は14年9月〜16年11月、相談に基づいて写真など約2250件の対応を各サイトに求めた。うち8〜9割は削除できたといい、「拡散する前にできるだけ早く相談してほしい」と呼びかける。

 被害者を支援しているNPO法人「ライトハウス」(東京)には「流出を考えると不安が止まらない」との相談も多い。中高生らが流出の問題を正しく認識しないまま同級生と交際相手の私的画像を共有しているケースもあり、広報担当の瀬川愛葵(あいき)さんは「深刻な被害を生む加害者側の責任を社会はもっと語るべきだ」と指摘している。
三鷹・高校生殺害、あす控訴審判決

 被害防止法ができるきっかけとなった東京都三鷹市の女子高校生ストーカー殺害事件は24日、元交際相手の被告の男(24)に対する差し戻し審の控訴審判決が言い渡される。差し戻しを受けた東京地裁立川支部は、殺人などの罪で懲役22年としていた。
被害女性「一生影響」

 性暴力撲滅に取り組むNPO法人「しあわせなみだ」(東京)のホームページ(HP)でリベンジポルノの被害を公表した女性が毎日新聞の取材に書面で応じた。

 女性は学生時代、交際した男性の求めに応じて性的な動画を撮影したが、気持ちが離れて別れると嫌がらせを受けるようになり、販売会社の社員を名乗る男から「ビデオにして販売することになった」と電話で伝えられた。勤務先の会社にも販売の許可を求める手紙が届いたといい「恐怖だった」と振り返る。

 警察に相談したことを男性に伝えると「もう二度としません」と連絡を受けたが、会社を辞めることになり、今でも不安は消えない。女性は「被害が一生影響することを知ってほしい」と呼びかけている。

ポルノ被害 : 脱法サイト向け動画撮影 気づかず被害に遭う女性も (2017.0

日時: 2017-01-22  表示:1947回

週刊ポスト 2017.01.21 16:00

 海外サーバーを利用すると、日本人向けサービスでありながら、日本の法律では取り締まりづらい脱法サイトが構築できる。法律の抜け穴を利用したこのからくりを悪用して金儲けする者が後を絶たない。法律が改正されたことで、彼らにも司直の手が伸び始めているが、現実は、被害に摘発が追いつかない状態だ。特に被害が大きい、わいせつ動画をめぐる卑劣な手口と広がりについて、ライターの森鷹久氏がリポートする。

 * * *
 外国にある法人を、日本の法律で裁くのは難しい。違法な動画や画像がインターネットに存在し、日本にいながら閲覧することが出来ても、たとえば、サーバー運営会社が海外にある法人である、といった「ネットの盲点」を突く形で、米国企業から発信されている情報であれば日本の法律は及ばない。日本人ユーザー向けのそうしたサービスに、日本当局も目を光らせていたが、摘発が追いつかない状態だ。

 海外法人が海外のサーバーを使って運営している日本向けのアダルトサイトは、日本の法律の抜け穴をすり抜けるようにしてつくられた脱法サイトだ。脱法サイトによって利益を得ているのは、企業だけではない。個人でも運営が可能で、それなりの利益を得られてしまう。その評判をききつけて、狡猾な手段で作成した映像コンテンツを作成する新規参入者が増えている。彼らの多くは映像制作のプロではない。

 1月10日、福岡県警は児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的製造)容疑で、住所不定無職の久保田彰容疑者(54)を逮捕、追送検したと発表した。18歳未満の複数の少女とのわいせつ行為をおさめた動画をネット上にアップし「金のためにやった」と容疑を認めている。男はこれから相応の罰を受けるだろうが、被害少女たちの人権回復はもはや不可能なほど拡散されてしまったと、ウェブニュースサイト編集者の男性はいう。

「男の撮影した動画は、FC2アダルトなど、個人が動画販売で収益を得られるサイト上で販売されていました。男のアカウントの動画の中には、九州の実在する高校の制服を着用した女の子が出演し、一部のマニアの間で話題になっていました。内容も複数プレイなどアブノーマルなものばかり。転載も多く見られましたが、ほとんど削除されました。だからこそ需要があるのか、今も違法サイト上でこっそり売買が行われているといい、少女たちに気の休まる日はないはず」

 未成年の少女たちと行為に及んだこと自体も問題だが、それを撮影して商品にしたことも大きな問題だ。彼女たちも、まさか自分のあられもない姿が世界中に向けて商品にされるとは想像もしていなかっただろう。 福岡県警は久保田容疑者が関わったとみられる10件を確認、うち8件については福岡地検に送検し、捜査の終了を発表した。

 久保田容疑者が利用したような、個人でも商用サイトを手軽に運営できることで知られる日本人向けサービスは、本来、違法な金儲けをするためのものではない。たとえばイラストやアクセサリーなどの制作物を、店舗を持たなくても販売できる便利なサービスだ。ところが、一部のサービスは運営による審査や管理がなされておらず、日本の法律に違反する、わいせつ動画が数多く有料配信されている。

 違法な動画配信によって一千万円以上の利益を得て逮捕された、千葉県の50代男による手口は巧妙だ。ネットや折り込み広告などで血圧測定のモニターを募集し、宿泊付きのアルバイトのようなものだと思って応募してきた女性を酒や睡眠薬で眠らせ、下着をとったりした上で様子を撮影、映像を販売していた。しかし、100人をこえる被害者の多くは、自分が被害に遭っていることに気づいていなかった。

 万が一気がついたとしても、泣き寝入りせざるを得ない女性側の心理も容易に想像がつく。眠り込んでいたので自分自身に記憶がなく、目撃者もいない。相談すれば、そんな怪しいモニターに参加したほうが悪いと、被害者なのに非難されるかもしれない。実際に、このニュースが報じられた際、ネット上には「女の方がバカ」といった意見が飛び交い、被害者は泣き寝入りを強いられたのだ。

 また、出会い系サイトで知り合った女子高生とのわいせつ行為をおさめた映像を販売して逮捕された男もいた。「生活費のためにやった」というその男は現職の奈良市市議会議員だったが、サイトでは偽名を使って女子高生を誘い出していた。映像での女子高生にいやがる様子は見当たらなかったと捜査関係者はいうが、まさか少女たちは自分の姿がネット販売されるとは想像もしていなかっただろう。

 これら販売されている映像の多くは、正直なところできがよいとは言えず、正当な手段で作成されていないことをうかがわせるものが並ぶ。にも関わらず、個人でも一千万単位の利益があげられるため新規参入者が絶えない。

 なぜ、稚拙な動画でも人気を集められるのか。日本の大手AVメーカー係者によれば、無秩序化すればするほど、ユーザーから支持されるといった傾向が、ネット上に広まりつつあるためだという。

「日本で商品として販売されるアダルト映像の場合、DVDなどのパッケージでもネットでも、基本的には審査などを経ないと販売できません。一方で、審査などおかまいなしに配信可能な脱法サイトは、コンテンツ提供が手軽にできる一方、販売単価が低くなる。その場合、どういう形でもいいから多くの女性を捕まえて、より多くの映像を撮って数をこなさないと儲からない。逆に、制作のプロでなくても撮影さえできれば金儲けのチャンスがあると考えて売る側にまわる人間がいてもおかしくない」

 結果として、己の性欲を解消しつつ、あわよくば小銭まで儲けたい卑劣な者たちが、脱法サイトを利用して動画を配信するようになっていった。

 たとえば、街中ゆく女性のスカートの中の隠し撮り、トイレに仕掛けたカメラ映像に特化した「盗撮モノ」を専門に配信するサイトや、一対一のライブチャットだからと気を許して露出した女性の姿をこっそり録画し、映像を勝手に録画し配信するサイトなどが続々とオープンしている。

 また、派遣型風俗店利用者の男性が、女性との情事を隠し撮りし、自身の顔にだけモザイクをかけた映像をネットで有料販売していた事例もある。同じホテルをよく利用し、カメラアングルも同じ隠し撮りで定期的に更新されていたため、シリーズものの人気コンテンツとなっていた。風俗店で働く女性でも、そんな隠し撮りを承諾する女性が何人もいるとは思えない。

 動画を見ていた視聴者も、それが不当な手段で撮影されたものだと承知していたはずだ。

 このような無秩序な空間は、いったんできてしまうとなかなか消滅しない。本人が知らない間に動画がインターネット上にさらされ、犯罪被害者となってしまう。事件の捜査や裁判が終わっても、ネット上にいったんさらされた映像や画像は、転載やダウンロードなどで半永久的に残り続ける。被害者にとって、事件に終わりはやってこないのだ。

 自分で身を守るのが肝心、といった単純論では被害を防げないレベルまで、脱法サイトを悪用した金儲けが広まっているのが現実だ。こういった無軌道なあり方を許さないことはもちろんだが、一時の誘惑に負けないよう、そして騙されることのないよう、正しい知識と適切な危機感を持つことが女性にも求められている。

ポルノ被害 : 【激震!!AV業界最前線】どうなる「カリビアンコム」

日時: 2017-01-16  表示:1883回

ZAKZAK 2017.01.13

 米国の人気動画サイト「カリビアンコム」で無修正のわいせつ動画をインターネット配信したとして、AV制作会社が摘発された。「カリビアンコム」といえば、小向美奈子や上原亜衣といった有名女優が無修正AVに出演していることで人気のサイトだが、AV強要出演問題に端を発し、取り締まりが激化する中、ついに捜査の手が及んできた。AV業界はいったいどうなっていくのか。

 「カリビアンコム」は4000タイトル以上を配信し、「無修正アダルト動画最大手」を掲げている海外動画サイト。オリジナルの作品も配信しているが、人気女優も出演していることも魅力のひとつだ。

 「かつて裏ものといえば、人気の落ちた女優が行き着く先でしたが、今はトップ女優が出演している。中でも、カリビアンコムは初裏ものがよく配信されている」とAV制作会社の関係者。

 「これは表用の無修正ではなく、初めから裏用に作られたものです。局部の見せ方などアングルをみれば分かる。女優たちも裏であることを承知で出演しています」

 そんな人気サイトが、捜査の対象になった。警視庁などの捜査本部が、わいせつ電磁的記録頒布の疑いで東京都練馬区のAV制作会社「ピエロ」の社長、陳美里容疑者(67)と従業員ら計6人を逮捕したのだ。

 陳容疑者らは昨年8月、撮影したわいせつ動画を、台湾の会社を介し「カリビアンコム」で配信した疑いが持たれている。捜査本部は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて米国と台湾に捜査協力を要請。さらに、ほかにもカリビアンコムに提供している国内の会社があるとみている。

 「カリビアンに動画を提供する制作会社が摘発されていくと、いずれカリビアンが干上がってしまう」と前出の関係者は指摘する。だが、もともと「あの事件の次に狙われるのはカリビアンだ」とも業界内ではささやかれていたという。

 あの事件とは、昨年7月、神奈川県内のキャンプ場の屋外でアダルトビデオを撮影したとして、公然わいせつ容疑などで、AV制作会社の社長や出演者ら52人が書類送検された事件だ。

 「結局、この事件は不起訴処分となりましたが、すでに引退していた女優まで全員呼び出されたそうです。業界では『嫌がらせだ』との声も上がりましたが、当局の本気度に危機感を募らせています」とマスコミ関係者。

 「当局が強い姿勢で臨む中、無修正サイトのトップであるカリビアンが狙われるのは明らか。その後の影響も踏まえて、米国のサーバーを見切って、規制の甘いオランダのサーバーに乗り換える動きもあるようです」

 対応を迫られている業界は混乱を来している。 =続く

ポルノ被害 : 「カリビアンコム」に無修正動画を配信、AV制作会社を

日時: 2017-01-15  表示:1912回

産経新聞 1/11(水) 13:31配信

 無修正のわいせつ動画をインターネットで配信したとして、警視庁と愛知、静岡両県警の合同捜査本部は、わいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で、アダルトビデオ(AV)制作会社「ピエロ」社長で台湾出身、陳美里容疑者(67)=東京都練馬区石神井町=ら男女6人を逮捕した。警視庁によると、ピエロが制作した動画は海外アダルトサイト「カリビアンコム」で配信されていた。

 逮捕容疑は昨年8月中旬、性行為を撮影した動画をカリビアンコムで配信したとしている。陳容疑者ら5人は容疑を否認、1人は認めている。

 捜査本部によると、撮影内容の調整や動画の納品は、台湾にある別の会社を通じて行っていた。ピエロの口座には台湾の会社から昨年までの約9年間で約13億7千万円が振り込まれていた。捜査本部は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて米国と台湾に捜査協力を要請している。

 カリビアンコムは4000タイトル以上を配信し、「無修正アダルト動画最大手」を掲げている。米国にサーバーコンピューターを設置しているが、日本人が出演する動画が多く、捜査本部はほかにもカリビアンコムに提供している国内の会社があるとみている。

ポルノ被害 : AV撮影に女優派遣容疑、6社と12人書類送検 警視庁 (

日時: 2016-10-04  表示:2345回

朝日 2016年10月4日16時14分

 アダルトビデオ(AV)の撮影現場に所属女優を派遣したとして、警視庁は4日、東京都内の芸能プロダクション6社の社長ら計12人と、この6社を労働者派遣法違反(有害業務派遣)の疑いで書類送検し、発表した。いずれも容疑を認めているという。

 書類送検されたのは、東京都渋谷区の大手芸能プロダクション「バンビ・プロモーション」の社長の男(49)ら。ほか5社は、いずれも同区の「F2F Entertainment」、「ディクレア」、「ARTE Entertainment」、いずれも新宿区の「オールプランニング」、「CLAP」。

 12人の送検容疑は2013年9月30日〜10月1日、神奈川県内のキャンプ場にそれぞれの社に所属する女優計6人を派遣し、AVの撮影に参加させたというもの。6人はAVの撮影だと知って参加していたが、保安課は、性行為を露骨に撮影すること自体が、労働者派遣法で定める公衆道徳上の有害業務にあたると判断した。今回は派遣元のプロダクションと参加女性が特定できたため、立件したという。

 このAV撮影をめぐっては今年6月、別の芸能プロダクション(渋谷区)の元社長ら3人が同法違反容疑で警視庁に逮捕され、罰金の略式命令を受けた。このプロダクションは、女性がAVに出演する契約の解除を求めていたにもかかわらず違約金を理由に応じなかった。女性が警視庁に相談していた。

ポルノ被害 : [狙われる女性](1)「モデルに」勧誘、AV出演強要 (

日時: 2016-09-24  表示:2516回

読売 2016年09月20日

ネット上、流れ続ける映像

 若い女性を狙った性暴力が問題になっている。アダルトビデオ(AV)への出演強要、「JK(女子高生)ビジネス」の広がりなどだ。映像がネットに流出するなどして被害が深刻化する一方、一人で悩みを抱え込む女性も多い。被害の実態と支援について考える。

 「芸能事務所にだまされて、AVに出演してしまった」

 関東地方の女性(26)は、大学4年生だった2012年夏、「グラビアモデルを探している」と東京都内で男性から声をかけられた。当時の夢は歌手デビュー。「水着になれば、音楽でデビューさせる」と言われ、芸能事務所の社長を紹介された。事務所に所属するという契約書を書かされたが、じっくり読む時間はなく、コピーも渡されなかった。

 その後、水着撮影と聞いていた仕事で、ヌードを撮影された。さらに「AVに出演しないと次の仕事はない」「出たら芸能界で成功できる」などと社長らに言われ続けた。「事務所で男性5、6人に囲まれて説得されるなど洗脳されたような状態だった」

 AV撮影の際に泣いて撮影が中断すると、「ここのスタッフにも家族がいる。責任を取れるのか」と脅された。2本目も出演したが、お金が払われないうちに事務所が倒産したと聞かされた。「連絡も取れなくなりました」。映像は今もネットに流れている。

 AV出演で若い女性が被害に遭うケースが広がっている。「モデルにならないか」などと勧誘され、AVと知らないまま業者と契約を交わして出演を強要されたり、拒否すると法外な違約金を請求されたりする。「親にばらす」と脅されることもある。被害者支援を行っているNPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」によると、相談件数は2013年は1件だったが、14年は36件、15年は62件、今年は8月末時点ですでに74件に上る。

 同NPOの瀬川愛葵さんは、「被害は18〜25歳くらいの社会経験の少ない女性に集中している。性行為を強要し、映像を人目にさらすことは著しい人権侵害」と憤る。心的外傷後ストレス障害に悩まされる人や自殺した人もいる。

 無料動画がネット上にあふれる中、メーカーがコストを下げて多くの新作を出すため強引に女性を出演させているとの指摘もある。「被害者が声をあげ始めているが、泣き寝入りしている人も多いはず」と瀬川さん。

 インターネットの普及で、被害は深刻化している。支援団体には、「数年前に撮影された映像が、今もネット上に出回っている」「家族や恋人に知られたくない」などの相談が寄せられている。弁護士らの協力を得て、メーカーやサイト運営者に映像の販売停止や削除を求めているが、一度流出した映像は拡散し、完全に消し去ることは困難だ。

 今年6月には、東京の芸能事務所の元社長らが、所属モデルを本人の意思に反してAVの撮影現場に派遣したとして、労働者派遣法違反容疑で警視庁に逮捕された。モデルを本人の意思に反して、性交渉を含むAVへ出演させたことは、同法が禁じる「有害業務」にあたるとした。

 女性との契約を直接の雇用契約でなく、「委託」などの形にして、法の適用を免れようとする業者もいる。児童ポルノ禁止法も18歳未満が対象だ。NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長で弁護士の伊藤和子さんは「不当な勧誘の禁止、作品の販売差し止めなどを含む法整備が必要」と指摘する。

 政府は6月に、「AVへの出演強要は女性に対する暴力」との答弁書を閣議決定した。内閣府暴力対策推進室は「実態を把握し、被害者が相談しやすい体制作りなどを探っていく」という。
勇気を出して相談を

 「深刻な被害があることを知り、安易に契約しないで」と支援団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」の宮本節子さんは呼びかける。

 芸能事務所などから示される契約書は難解で、仕事がAVであることの説明もなされないまま、署名させられる例が目立つ。契約後、出演を強要された場合、支援団体に相談すれば、事務所との交渉なども手伝ってくれる。

 「自分が悪いと考える被害者も多いが、一人で抱え込まないで。勇気を出して相談してほしい」と話す。

■主な相談先
・ライトハウス( http://lhj.jp )(電)0120(879)871
・ポルノ被害と性暴力を考える会( https://paps-jp.org )(電)050(3177)5432
・よりそいホットライン( http://279338.jp/yorisoi/ )(電)0120(279)338

ポルノ被害 : AV強要、女優らが議論「このままだと性の文化が廃れる」「

日時: 2016-09-18  表示:2404回

弁護士ドットコム 9月18日(日)20時35分配信

アダルトビデオ出演強要の問題が大きくクローズアップされる中、AV業界の問題点について女優ら当事者が考えるイベント「女が語る”AV業界” 〜現場から見るアダルトビデオの過去・現在・未来〜」が9月18日、東京・渋谷で開かれた。現役のAV女優ら業界関係者が登壇して、問題点や改善方法などについて語った。

AVに出演しながら、自身でメーカーを設立した神田つばきさんは、強要問題の背景について「差&#21035;がある」と指摘した。「性の文化は、ずっと男性が消費者で、女性が供給側に固定されていた。男性が消費物のように女性を見るようになる。このままだと、強要問題のようなことが今後も起きて、性の文化が廃れていく」と危機感をつのらせた。

AV出演者や制作者のための団体「一般社団法人表現者ネットワーク」(AVAN)を立ち上げた元女優の川奈まり子さんは、業界に対する風当たりが強いなかでも「AV出演を肯定しようと決めている」と強調した。「社会や業界のなかに対して、自分たちの声を届けることで、被害が起こらないようにしていきたい」と話した。

イベント主催の一般社団法人「ホワイトハンズ」の坂爪真吾代表理事は「法規制だけで問題が解決するわけではない。性風俗の歴史を振り返っても、監督官庁や法律があるが、働く人の権利が守られているかというと微妙なところだ。現場の声を汲み取ったうえで、仕組みを作っていく必要がある」と話していた。

ポルノ被害 : <AV問題>キカタン女優の闇と光(下)「もっと性をオ

日時: 2016-08-14  表示:2730回

毎日新聞 8月14日(日)13時0分配信

 自ら志願してアダルトビデオ(AV)の女優となり、1年半にわたって活動した経験がある会社員の田中明美さん(仮名・30代)は、「プロの仕事に携わることができた」と当時を懐かしむ。意に反する仕事を強要されることもなく、業界にポジティブなイメージを抱いたまま引退することができたのは、「撮影内容を包み隠さず説明してくれる事務所を選んだから」と振り返り、怪しい事務所をかぎ分ける「嗅覚」の重要性を強調。一方で、周囲からの心ない中傷に悩んだ経験なども明かし、「もっと性に対してオープンな世の中になれば」と願いを込めた。【AV問題取材班】

 ◇丁寧過ぎるくらいの説明

 数年前、田中さんはとある事情で会社を辞め、実家で過ごす日々に退屈していた。「アルバイトでもしようかな」と考えた時、頭に浮かんだのがAVだった。元々、性にオープンな性格。AVプロダクション(女優の所属事務所)で働く知人がいたこともあって、「裏社会をのぞいてみたい」という好奇心にかられた。

 高収入アルバイト情報誌を買い、数社の面接を受けた。電話応対が悪いなど「常識がない」と感じる事務所が多かったが、1社だけ良識的だと思える事務所があった。面接では「女優には単体、企画単体(キカタン)、企画とランクがある」「撮影内容次第で出演料が変わる」「雑誌やテレビなどの露出媒体は自分で決められる」−−などと業界ルールを事細かに教えてくれた。多くの女優が恐れる「顔バレ」については「100%バレないようにするのは難しい」と正直に明かし、一緒に対策を練ってくれた。

 面接者はそれだけ徹底した説明の後で、「冷静に判断してください」と念を押した。田中さんは「中途半端な気持ちではできない」と覚悟を決め、この事務所に所属することにした。

 ◇「社会人経験が生きた」

 別の事務所の面接では、説明があいまいだと思うことも多かった。顔バレについて相談すると、「年間何万本ものAVが世に出ている。何人がデビューしていると思う?」とはぐらかされる。あけすけに「いくら稼ぎたいの?」と聞かれるのも不快だった。

 「私には、怪しい事務所をかぎ分ける嗅覚があった」。社会人経験があったことも大きいと感じており、「若い子だったら、これが当たり前だと思ってだまされてしまうかも」と懸念する。最近問題になっている出演強要被害についても、「私自身は見たことがない」と断った上で、「だます方はプロ。1回引っかかったら逃れられないのでは」と警鐘を鳴らす。

「私も含めて、安易に業界に飛び込む人がこの10年で増えた」と田中さん。「だからこそ(強要被害は)一度、世間にさらされないといけない問題だった。業界が一丸となって取り組んでほしい」。世話になったAV業界から、悪いニュースばかりが聞こえてくるのは悲しい。

 ◇仕事への「誇り」と周囲の目

 単体女優でスタートし、徐々に人気が落ちてキカタン、企画女優と活動の形を変えていくケースは多いが、その逆をたどるケースはまれだ。

 田中さんはランクや出演料は低いが「顔バレ」しにくい企画女優として歩み出した。撮影は月に3本程度。パッケージに顔も載らないような端役でも、スタッフは気遣ってくれた。「部屋やシャワーの温度を気にしてくれたり、撮影ギリギリまでガウンを脱がないようにしてくれたり」。苦労がなかったわけではないが、女優を支える「プロ」たちの仕事ぶりに驚き、魅了されることのほうが多かった。

 夢中で働くうち、企画女優の中でも人気の抜きんでた“キカタン”に成り上がっていた。撮影は多い時で月に20本。メーカーから「専属女優(単体)にならないか」と誘われたこともあったが、「一生続ける仕事ではないから」と冷静に断った。

 仕事にやりがいを感じていたものの、ごく一部の親友を除き、周囲にAV出演を明かすことはなかった。AV出演が悪いことだとは思わない。でも、その考えが社会にすんなりとは受け入れられないことも分かる。「引退して別の場所で働く時がくる。その時のためにも、絶対に秘密にしなければ」。撮影中にあった笑える出来事や有名な男優に会ったことなど、何気ない話を友人にできないのがつらかった。一方、学生時代の友人男性らが田中さんのAV出演に気付いてうわさしていることもわかり、隠し通すことの限界も感じていた。

 そのころ、田中さんはある男性と出会う。意気投合し、交際に発展しそうな雰囲気になった。「お付き合いするなら、知っておいてほしいことがある」。AV出演を明かすと、「それでも交際したい」と言ってもらえた。

 交際が始まると、AV出演を受け入れられない彼の苦悩を感じた。「誰かを傷つけるために始めた仕事じゃないから」と引退を決意。ただ、撮影スケジュールは半年先まで埋まっていた。申し訳なく思いながらも、すべての撮影を終えて引退。ほどなくして男性と結婚した。

 ◇正しい情報の発信を

 出産して母にもなった。ふと、怖くなることもある。「夫の両親や子供が知ったらどう思うだろう」「みんな知らないふりして、本当は知っているのかも」。結婚前、夫の友人がたまたま田中さんの出演作を見てひどい言葉をかけてきたことがあった。田中さん自身は「顔バレ」もある程度覚悟してきたが、家族が嫌な思いをするのはやはりつらい。

 AV女優として働くことの魅力や楽しさ、そしてリスク−−。「臭い物にふた」をするのではなく、正しい情報を発信していくことで偏見や強要などの被害を減らすことができると信じている。「性はもっとオープンでいい。そうすれば、若い子が無知なままチャレンジすることもなくなるから」。いつか、何らかの形で性にまつわる啓蒙(けいもう)活動に携わりたいという夢も膨らんでいる。(おわり)

ポルノ被害 : <AV出演強要>「消費者はレイプもの、デビューものにNOを

日時: 2016-08-12  表示:2712回

弁護士ドットコム 2016年08月12日 10時05分

認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウが今年3月、若い女性たちが本人の意思に反してアダルトビデオ(AV)に出演させられている被害実態をまとめた報告書を発表して以降、AV業界をめぐって注目すべき大きな動きがあった。

政府は6月上旬、内閣府が民間団体からAV出演強要の被害状況をヒアリングするという閣議決定をおこなった。また、6月中旬には、AV撮影現場に女性を派遣したとして、大手AVプロダクション(マネジメント会社)の元社長ら3人が労働者派遣法違反の疑いで摘発される事件もあった。

こうした一連の流れをどうみればいいのか、AV出演に関するトラブルに巻き込まれた女性たちを支援する団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS/https://paps-jp.org)で、相談員として活動している金尻カズナさんに聞いた。
●大手メーカーでも止められない「流れ」ができている

−−AV出演に関するトラブルの相談状況は?

大手プロダクションが摘発された6月には、AV出演に関する相談が20件ありました(PAPSとライトウハウスの共同相談支援事業)。従来は多くて月10件ほどでしたから、突出した数字です。このプロダクションに関する相談も多数ありました。沈黙を余儀なくされた人たちが「困ったことを相談してもいいんだ」と思ったようです。

この事件は「被害の可視化」につながったと思います。「被害はごく一部」ではなく、むしろ「氷山の一角だ」ということが証明されたと考えています。このプロダクションに所属する女性からの相談は、もともと複数あって、注目していました。

−−事件を受けて、AVメーカー(制作販売会社)でつくるNPO法人「知的財産振興会」(IPPA)は業界の健全化に向けてプロダクション側に働きかけていく、という声明を発表した。どう評価するか?

わたしたちとしては一定の評価をしています。メーカーは映像を処分できる権限をもった「権利者」です。そのメーカーの責任にもとづいて積極的に被害救済に取り組んでいただければと思います。

ほかにも、いろいろな団体が被害救済に向けて動いています。「被害をなくしたい」という考えは同じだと思うので、情報共有も必要になります。AV事業者全体の改善に向けて、ぜひ被害救済という観点からご尽力いただければと思います。

−−業界全体の改善は期待できるか?

IPPAに所属していないメーカーもあります。IPPAに入っているメーカーが健全化しても、かならず業界団体に所属しない「インディーズ」が出てくると懸念しています。やはり、複雑になってしまった問題を解決するために、事業者自ら、一度ゼロから考え直してみる時期がきているのだと思います。

−−メーカーにはどんな「責任」があるか?

大手メーカーは、その業務に携わっている会社内の人たちにとって、ある意味で「クリーン」な会社だと思います。数字(業績)を追っている世界だからです。たとえば、ある大手メーカーでは、チームごとにノルマがあり、売れる作品を作り続けなければ、給与が大幅に下げられています。

そのために撮影現場では、つねに新人を発掘しなければいけなかったり、より過激なビデオや新人デビューものを作らなければならないなど、システム化されて数打てばあたるような薄利多売が横行しています。こうしたネガティブな循環が起きています。

そして、誰もこの循環を止められません。大手メーカーでもなかなか止められないでしょう。こういう状況のなかで、機械的に、面接、撮影、販売する流れがあり、つねに出演者が弱い立場に追い込まれていくと考えます。
●メーカーの問題点とは?

−−メーカーはどういう部分を改善していくべきか?

たとえば、女優のなかには、海外サイトのオリジナル「無修正」作品に出演している人も多くいます。本人が望んだことかどうかわかりません。

現在、とても残念なことに、プロダクションのなかには、所属女優を無修正ビデオ制作会社にあっせんしているところもあります。日本で無修正に出演させる行為は、わいせつ物頒布ほう助の罪に問われます。

しかし、プロダクションの担当者は、出演者に無修正であることを告げずに出演させている現状があります。こうしたプロダクションの一連の行為は、到底許されるべきではありません。

出演者を守る観点からも、無修正ビデオに出演させたプロダクションは、一刻も早く販売を停止するよう交渉して、出演者が被った不利益を保障すべきです。メーカー側は、このようなことをつづけているプロダクションと取引をしないことが重要です。

また、AV出演のスカウト行為は、市区町村の「客引き防止条例」などで禁止されています。AV出演の求人広告をおこなった者も、職業安定法63条2項に抵触します。PAPSに、スカウトや高収入をうたったネット広告により誘引・契約させられ、契約の解除を妨げられるなどして、出演を余儀なくされた相談者が多いです。

プロダクションおよびメーカーはコンプライアンスが必要です。コンプライアンスとは、企業の積極的かつ自発的に法令違反を防ぐこと、企業倫理を遵守することを指します。スカウト行為や高収入広告で人を誘引している構造は、人権侵害性を内包していることを指摘しておきたいと思います。

販売方法に関しても、出演者が意見できないことが多く、本人が予測していたこととは違って「身バレ」が前提となったかたちで販売されてしまうトラブルも多くあります。
●「出演同意」に関して改善するべき点

−−出演への同意部分については?

本人同意に関しては、現在のところ、以下の3つが指摘できると考えます。

(1)出演することのマイナス影響に関する説明を十分におこなうこと

メーカーも、出演者に対して、とくに出演におけるマイナス面を重要事項としてきちんと説明すべきだと考えます。たとえば、撮影では、避妊しない性交行為が実際におこなわれる場合があります。このことに関して、性感染症や妊娠などのリスク、あるいは極めて暴力的な撮影の場合の身体への損傷が起こりうること、販売における身バレの確率性の高さなど説明したうえで同意をとるべきです。

(2)同意形成の実質的なプロセスの検討を

20歳前後で出演した人からの相談のなかには、応募した当時はAV業界のことがよくわからなくて<同意>したという人がいます。自分自身の究極のプライバシーをさらす行為に関する<同意>の意味について、『サインをしたから』と理解するこれまでの外形的なものではなく、実質的に本人がどの程度理解しているかを厳密にかたちに残す方法が模索されるべきでしょう。

(3)「同意がつづく期間」の明確化

行為の内容からいって、その<同意>が未来永劫有効とされるべき性質のものではありません。5年後や10年後もその同意が有効としてあつかわれている現状は改めるべきです。しかし、契約などでは、出演者のパブリシティ権はメーカーが保有するとされて、出演者は無権利状態に置かれています。

そのため、一度出演すると引退後も販売されつづけています。その当時、同意したかもしれないけど、引退後に生きづらく感じてしまう人がいます。性行為は「究極のプライバシー」ですので、一般化して議論すべきではなく、法整備も検討してよいと思います。
●消費者が「NO」をつきつけるべき

−−ほかに問題点はあるか?

ある大手メーカーの出演同意書では、出演者に対して、パブリシティ権を放棄するように書かれています。パブリシティ権とは、法的な規定はないものの、プライバシー権の1つとされ、個人の肖像をみだりに使われるのを防ぐためのものです。

しかし、大手メーカーの出演同意書を見る限りでは、出演者はパブリシティ権の一切を放棄する内容になっています。このような内容は、本来であれば「無効となるべき」と考えます。また、すでにAV出演をやめて時間が経過しているにもかかわらず、オムニバス販売(すでに販売された複数のAVをひとつにまとめ直し、新たなAVとして販売すること)されるなど、映像の二次的利用がおこなわれています。

パブリシティ権を乱用してきたのが大手事業者です。今後は、本来あるべきかたちのパブリシティ権に戻して、これまで、みだりに行使されたパブリシティ権は、出演者に返還されるべきだと考えます。

これらの制作過程の問題に匹敵する最大の問題点は「需要・ニーズ」だと考えています。わたしたちは決して、AVそのものを否定しているわけではありません。ただ、被害をなくしたいだけです。個人的な意見として、人権侵害性のないAVがあれば、肯定されるべきです。

出演者の問題ではなくて事業者側の問題です。本当に出演したい人、プロ意識のある人たちが、自らその内容や場をコントロールして出演しているならば、問題になることはありません。

一方で、事業者側は過剰に「需要・ニーズ」を煽るところがあると思います。「レイプもの」など徹底的に女性への差別や憎悪をテーマにした過激的作品をつくったり、処女性とその凌辱をテーマにした「新人デビューもの」を量産しています。

通常であれば、監督は演技による迫真性を求めますが、ある相談者は「演技は不要で、実際に出血し苦悶する様子の迫真性を撮影された」と述べました。本当の意味で演技なら「本番行為」「中出し」も必要ないはずです。過激な映像が制作される理由は、そこに需要があるからだと考えます。

需要はより強い性的刺激を求めています。メーカーは消費者の要求に応えるために、より刺激的なシチュエーションを設定して撮りつづけているという、被写体にされる人たちにとっては『最悪のスパイラル』が形成されているのが現状だと考えています。

ある男性からは、「自分はAVが好きだけど、やっぱり消費者だから、AVを批判することに後ろめたさがある。人権侵害性のないAVが見たい。レイプまがいのことがおこなわれているのはおかしい」という話を聞きました。

消費者も、人権侵害性のあるAVには「NO」と突きつけることが大事です。消費者が「NO」と「YES」をどう識別するのか、今のところその方法はわかりません。しかし、消費者の意識が変わらないことには、事業者側も変わらないと思います。

ポルノ被害 : 高収入バイト求人で「AV面接」、「身バレしない」はずが「

日時: 2016-08-11  表示:2608回

弁護士ドットコム 2016年08月11日 08時21分

若い女性が本人の意思に反してアダルトビデオに出演させられるという、いわゆる「AV出演強要問題」が社会的に大きく注目をあつめている。NPO法人ヒューマンライツ・ナウの報告書には、繁華街の路上でスカウトから「グラビアモデルにならないか?」などと声をかけられる事例が記されている。

だが、スカウトだけが「きっかけ」ではないようだ。AV出演に関する相談を受けている団体「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS/https://paps-jp.org)によると、「高収入アルバイト」の求人を装ったインターネットサイトに応募したことが「きっかけ」だったというケースも多いという。

この夏に、アルバイトを探している若者も少なくない。「高収入アルバイト」といった言葉にひかれて、面接を受けに行ったところ、AVに出演することになったということも起こりうるかもしれない。PAPS相談員の金尻カズナさんに注意点を聞いた。
●面接で初めて「AV出演」と聞かされる

−−「高収入アルバイト求人」を装ったサイトはどのようなものか?

あるサイトには、「報酬 1日数万〜十数万円」と記されて、「お水や風俗ではない」「風俗は絶対にイヤな人向け」「学生のつよい味方」といったことも書かれています。一見すると、キャバ嬢かイベントコンパニオンの仕事かな、と思うかもしれません。

しかし、応募して面接に行くと、AV出演をもちかけられるというものです。「最近はスカウトよりも応募が多い」といわれていますが、その理由として、スマホの検索サイトで容易にこのような高収入サイトにアクセスできてしまう現実があり、インターネット上では野放し状態になっています。

女性だけでなく、男性もターゲットになることもあります。ある「メンズモデル」募集サイトにも、「報酬 1日数万〜十数万円」「面接を受けるだけで3000円」といった情報が掲載されています。実際は、「ゲイビデオ」に出演する仕事です。

面接で初めて「AV」や「ゲイビデオ」の仕事と聞かされて、「やりたくない」と断っても、しつこく説得されたり、契約するまで帰してもらえなかったりします。

−−面接ではどのように説得されるのか?

「うちのプロダクションでは、絶対にとはいえないが『身バレ』することはほとんどない。自分の不注意で彼氏にスマホを見られたりするケースくらいだ」「会員だけが見えるサイトでしか販売しないから」と説得されます。それで最終的に同意して出演してしまうと、「大型新人デビュー」として、大手メーカーから販売されたりします。

そもそも、インターネット社会なので、必ずといっていいほど「身バレ」しています。女性は男性向けに販売されているAVを見ることはあまりないため、情報の質と量、交渉力の格差から、誤認や困惑させられて出演させられるケースもあります。

PAPSに寄せられる相談のなかには、そのときは話の流れで契約書には同意してしまったけれど、気持ちが揺らぐ人もいます。いざ出演すると思ったら怖くなって、やめたい気持ちを伝えても、AV制作会社やAVプロダクションは、「すでにスチール撮影も済んでるから」「すでにたくさん人が動いているから」などと、契約の解除を妨げられます。そして、撮影日が近づくにつれ、断りにくい状況に追い込まれます。

撮影当日は、恐怖や不安から、震えが止まらなくなる、体がまったく動かなくなどの症状が出る人もいます。なんとか断りの電話やLINEで連絡しますが、自宅まで押しかけてくる、バラシ代と称して、プロダクションから高額の違約金を請求されることがあります。しかし、たとえ請求されても支払わないことが大切です。
●いきなり頸動脈をおさえられて気絶、目に食塩水

−−制作現場はどうなっているのか?

たとえば、ハードコア系AVメーカーの面接に行った相談者は、いきなり頸動脈をおさえられて気絶させられたそうです。もちろん、そういう「プレイ」ができるかどうかを調べるということですが、極めて危険な行為です。

事前に知らされていなかった避妊具なしの性行為を求められ、撮影後監督から、海外製のアフターピルを渡されたり、目が充血したシーンを撮るために食塩水を入れられたりといったこともあります。妊娠したり、性感染症に感染させられた人の相談もあります。

撮影前には、監督面接がありますが、顔合わせ程度しか行われずに、具体的な撮影内容の説明は撮影前日に来た台本だったというケースも複数確認しています。

また、出演者の中には「監督面接で出演するかどうかを決める」と思っている人もいます。しかし、そこで出演を断ったら、あとから違約金を請求されたケースもありました。

さらに、この業界にはセクハラがないとされていますが、ある大手メーカーでは「試し撮り」という理由で、監督から撮影以外でも性行為を迫られたという相談も複数寄せられています。

−−ギャラはどうなっているのか?

割に合わないギャラしかもらえていないという相談も多いです。まるで自転車操業のように、来月の家賃を心配しながらの生活をおくる人もいます。知名度がある人でも、ひんぱんに撮影会を開いたり、アダルトチャットや、AVプロダクションと提携しているキャバクラで働くことを求められる場合もあります。

たった1日だけ、朝から深夜までの撮影をおこなって、合計6本のAVを販売されていた人もいます。だけど、もらえたギャラは10万円程度。その後にメーカーの面接を受けても、「もう6本出てしまっているから、新人扱いは厳しいよ」といわれて、凌辱ものやSMもののビデオをせざるを得なくなった人もいます。わたしたちは、これも被害の1つだと考えています。

−−もしトラブルに巻き込まれた場合、どうしたらいいのか?

どうか一人で抱え込まないことが大切です。先ほども言いましたが、一人で交渉すると、情報量や交渉力の格差があるために、うまく言いくるめられてしまいます。

AV出演に関して、これまで160件以上の相談が寄せられるなかで、わたしたちは、何もしないことが間違いだと気づきました。何もしないことは被害を拡大させます。まずは、勇気をもって支援団体に相談することが大事です。

あと、被害を訴えたら警察に逮捕されるのではないか、という間違った情報が流れていますが、決してそのようなことはありません。支援団体は相談される方の生き方を尊重しながら一緒に考えていきます。

もちろん、事前に被害にあわないことが大切です。たとえ撮影当日であっても勇気を持って相談してください。また、たとえ撮影後であっても販売停止ができた人は複数います。あなたは決して一人ではありません。どうか勇気をもって相談してください。

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