ビジネス・インサイダー 2021/3/31(水) 8:10配信
1年前、ボルチモア市は刑務所でのCOVID-19の蔓延を阻止するために、比較的軽度の犯罪の起訴を停止した。
3月26日、市当局はそれらの政策が成功を収めたので恒久的なものになると発表した。
ボルチモアでは、麻薬所持、売春、公共の場での排尿は、もはや起訴されない犯罪になった。
メリーランド州ボルチモア市の州検事、マリリン・モスビー(Marilyn Mosby)は、パンデミック対策としてボルチモア市で1年間行ったテストの結果、今後は比較的軽度の非暴力犯罪を起訴しないと発表した。
モスビー検事は1年前に、刑務所や拘置所でのウイルス感染を防ぐための「Covid Criminal Justice Policy」の一環として、このような犯罪の起訴を中止した(これは他の都市の検察も採用している)。
州検察、市長、地域パートナーの共同声明によると、1年経った現在、この政策は「成功」しているという。
「この1年間行われた政策で、逮捕数が減少し、犯罪率に悪影響を与えず、大量収監という制度上の不公平を解消する結果となった」と声明は述べている。
この結果を受けて、この方針は恒久的に採用されることになった。
「今日、麻薬使用者に対する戦争はボルチモア市で終わりを迎えた。我々は、犯罪への厳罰と不寛容な警察活動の時代を捨て、有色人種の多くが薬物依存症であることを理由に犯罪者となるような現状を打破する」とモスビーは述べた。
「持続可能なソリューションを開発し、公衆衛生のパートナーがメンタルヘルスと薬物使用に対処する役割を果たせるようにする」
今後、起訴されなくなる犯罪は、薬物所持、売春、公共の場での排尿、オープンコンテナ法(開封されたアルコール飲料を特定の場所で所持することを禁じる法律)違反などだ。
メリーランド州の公安矯正局のデータによると、ボルチモア市の投獄率は昨年1年間で18%減少し、刑事司法によって裁かれる人の数も1年前に比べて39%減少している。
また、アメリカでは2020年に犯罪が急増した都市もあるが、凶悪犯罪率が高いことで有名なボルチモアでは、暴力犯罪は前年比20%減、窃盗犯も同36%減となっている。
このデータに基づき、州検察は、言及されている比較的軽度の非暴力犯罪を起訴することは「公共の安全上の価値がない」と結論づけた。
モスビー検事は、「公共の安全に価値のない起訴を行うことは、我々の限られた法執行のリソースにとって逆効果であることは明らかだ」と述べている。